北側の窓周辺のカビ取り

カビの好む環境としてすぐに思いつくのは、「お風呂場」「キッチン」「トイレ」などの水がある場所である方が多いと思います。

しかし、直接的に水がない場所でも要注意です!例えば今回のテーマである「北側の部屋」は水回りというわけではないのにカビが発生しやすいという特徴があります。

どうして北側の窓にはカビが生えやすいの?

①日当たりが悪く湿気がたまりやすい

北向きの部屋は日当たりが悪く、一日のうちに太陽の光が部屋の中に入る時間が少ないです。そのため、日中でも部屋が暗く、暖房をつけても冬は寒いということもあります。北向きの部屋は日当たりの悪さから湿気がこもりやすく、梅雨の時期には湿気でジメジメしてしまいます。

②結露が発生しやすい

(↑実際に、我が家の北側の部屋です。ちょうど14時頃の最も日が当たる時間帯ですが、これくらい真っ暗なのです。また、窓際には結露が発生しやすく窓自体に黒カビが発生しています)

日本は冬の晴天が続いたときなどを除いて、一年を通して湿度が高めです。空気中の湿度が高い状態で、冷たい外気と触れる場所には結露が発生します。湿度が高いほど、わずかな温度差でも結露が発生しやすくなります。

冬になると外との寒暖差によって、結露が発生することで窓やサッシが濡れたままの状態になり、このような場所ではカビが生えやすくなるのです。

③人の水分が湿気の原因に

北側に位置する部屋は、寝室に使用されていることも多く、人間は寝ている間に汗をかくので、布団が汗を吸収することで室内の湿度を上げてしまいます。

カビは湿度、温度、栄養の三つがそろうことで繁殖していきます。

そのため、ホコリなどがサッシにたまっていたりするとカビの栄養分となってしまいます。また、日光の紫外線には殺菌効果もあるため、日当たりが良い部屋は日光によってカビが殺菌されることにもなります。

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しかし、日当たりの悪い北側の窓は日光による殺菌効果があまり発揮されません。

これらの理由により、北側の部屋にはカビが発生しやすくなると考えられます。

北側と南側の部屋の湿度の差とは?!

日当たりが一番良いのは南向きで、一番日当たりが悪いのが北向きです。

日当たりが良いと、日光に含まれる紫外線によって殺菌効果があり、洗濯物が乾きやすく、湿気が少ないためカビが生えにくいです。部屋の日当たりは、窓が向いている方角によって違いがあります。

  • 東:朝方の日当たりが良い
  • 西:夕方の日当たりが良い
  • 南:一日を通して日当たりが良い
  • 北:一日を通して日当たりが悪い

季節による日照時間の差

季節によるそれぞれの方角の日照時間をまとめた表です。この表でも分かるように、南向きや、東西向きの部屋は日中しっかりと日が当たるのに対し、北側の部屋は夏以外、ほとんど日が当たらないということが分かります。

つまり1年を通して日当たりが悪く、ジメジメとした空間になりやすいということが言えます。

 春・秋
東・西約7時間15分約4時間45分約6時間
約7時間約9時間30分約12時間
約7時間30分0時間0時間

北側の窓周辺のカビ取り方法

カビに効く殺菌剤は

  1. 次亜塩素酸ナトリウム
  2. 塩素系漂白剤
  3. 消毒用アルコール

などがあります。

次亜塩素酸ナトリウムは薬局などでも購入することができ、消毒用アルコールよりも除菌力や殺菌力があります。

注意点として、カーテンなどの色落ちする可能性のあるものには使用しないようにしてください。カビは高温でも死ぬので、高温の出るスチームクリーナーも殺菌に使用することができます。

手軽なカビ取り剤としては消毒用アルコールです。

ただし、壁などに黒カビの色素が沈着してしまっている場合には、脱色効果はありませんので、その場合には次亜塩素酸ナトリウムや酸素系漂白剤で色素を取り除きましょう。

①準備するもの

  • 手袋
  • マスク
  • カビ取り剤(市販のカビ取り剤や、消毒用アルコール)
  • あればゴーグル

カビを吸い込まないようにマスクを着用しましょう。また塩素系のカビ取り剤を使用する場合には皮膚に付かないように手袋を着用しましょう。また、窓を全て開けて換気をしっかりと行ってください。

出典:Amazon

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②カビ発生部位にカビ取り剤を吹きかける

カビ取り剤をカビ発生部位に吹きかけます。

消毒用アルコールの場合はそのまま全体的にふきかけて15~30分くらい放置しましょう。カビキラーなど市販のカビ取り剤を壁に使用する場合には、下にタオルや雑巾などを置いて液だれを防ぎましょう。

③カビ取り剤をふき取る

15~30分ほど放置したあと、乾いた布巾やキッチンペーパーなどでカビ取り剤をふき取ります。

黒カビの色素が頑固に沈着している場合には、上からラップを置いてパックさせましょう。カビ取り剤を浸透させます。

しっかりと乾燥させたら終了です。

パッキン部分のカビにはジェルタイプのカビ取り剤を

窓のパッキン部分は、市販のカビ取り剤が浸透しにくく除去できないことがあります。その場合には、専用のジェルタイプのカビ取り剤を使うと良いでしょう。

ゴムパッキンの上にカビ取り剤をのせて、ラップをして時間を置きカビを除去します。

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プロレベルのカビ取りをするならカビ取りマイスターキット

カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取り剤のカビ取りマイスターキットは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品です。

そのため自宅でプロレベルのカビ取りができますし、危険な成分は含まれていないため窓だけでなく、壁や家具のカビ取りにも使用できます。

北側の窓周辺にカビを再発させないためには

カビを防ぐ方法として、以下のようなことがあげられます。

  1. 窓ガラスに透明なプチプチの断熱シートを貼ることで結露防止対策になり、カビが生えるのを防ぐ。
  2. 窓ガラスやサッシのこまめな掃除。
  3. 冬には部屋を暖めすぎないようにして外との温度差を少なくする。

冬は気温差に注意

石油を燃焼させるストーブなどは、燃料が燃えたときに水分が発生し湿度を上げてしまうため、使用するのをやめるか、使用したあとは換気して発生した水蒸気を放出する。

室内干しをする際の注意点

洗濯物を部屋干ししないようにしたり、どうしても部屋干しが必要な場合は洗濯物が早く乾くようにサーキュレーターを使用して、生乾きとなるのを防ぐようにしましょう。その他

  • 除湿器やエアコンのドライ運転をするなどで室内の湿度を下げる
  • サッシを二重にしたり、窓ガラスを二重(ペアガラス)にする
  • 結露防止シートなどを活用する
  • 風通しに気を付け、換気をする
  • 防カビ剤(消毒用アルコールをこまめに吹きかける等)を使用する

カビは湿度が70%を超えたときに最も活発に繁殖します。また、人が最も快適に過ごせる湿度は45~60%とされています。

これがジメジメもせず、カラカラにもならない最適な湿度の目安です。

湿度計を設置して一日数回確認するようにしましょう。

出典:Amazon

シャープ 衣類乾燥機除湿機 プラズマクラスター

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まとめ

北側の部屋はもともと立地的に日当たりが悪く、カビが発生しやすいからこそ

①湿度が高くなると結露が発生!

②結露が発生することで窓が濡れた状態になってしまいカビが発生!

③部屋の湿度を下げて結露もカビも発生させない!

これらの3つのステップをイメージして、カビを発生しないように普段から予防することが大切です。皆さんの今いる部屋の湿度は何%でしょうか?!

  • カビは結露が乾く間に繁殖していくため、結露ができていたら濡れたまま放置せずにこまめに拭き取る
  • 部屋に湿度計を置き、45~60%を維持するように心がける
  • 湿度が高すぎるときは、除湿器などを利用する

上記のことを守りながら、今日から湿度に気を配りましょう。

など、自力での対処が難しい場所のカビ取りはカビ取り専門のプロにお任せください。無料カウンセリング実施中です!

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【参考文献】

・日経ホームビルダー『健康被害と腐朽を防げ!100の失敗に学ぶ結露完全解決』2019年、日経BP

・日経アーキテクチュア『雨漏り・結露の解決集』2011年、日経BP社

・南雄三『スラスラわかる断熱・気密のすべて』2004年、日本実業出版社

・岩倉春長『呼吸する家』2010年、エル書房