バイクシートのカビ問題を解決!専門家推奨のカビ取り&6つのカビ対策

「しばらくバイクに乗らずにいたら、いつの間にかシートにカビが生えていた」
「バイクシートにカビが生えた場合、カビ取りと張り替えどちらの方がいいの?」

バイクのシートのカビは見た目が悪くなるだけでなく、シートの劣化や健康への悪影響をもたらすため、バイク愛好家にとって深刻な問題でしょう。

また、カビをそのままにしておくと、カビはバイクを保管している場所全体に広がり、被害をさらに拡大させる恐れがあります。
このような事態を未然に防ぐためも、カビを根本的に除去する必要があります。

この記事では、カビの専門家が推奨する効果的なカビ取り方法とバイクシートを清潔に保つための予防策を紹介します。
大切なバイクを長く愛用するためにも、是非この記事を参考にしてみてください。

この記事でわかること
・バイクシートのカビ取り方法
・バイクシートのカビ対策
・バイクシートにカビが生える原因
・バイクシートのカビを放置することのデメリット

1.バイクシートにカビ発生!放置したらどうなる?

バイクシートにカビが生えても、ただの汚れだと思って放置してしまう方がいらっしゃいます。
しかしカビは通常の汚れとは異なり、微生物です。
カビ取りせずに放置することで、様々な悪影響を及ぼす恐れがあります。

1-1.シートの劣化が進む

バイクシートにカビが生えると、カビの菌がシートの材質を分解し始めます。
特に革製や布製のシートでは、カビによって素材が脆弱化し、ひび割れや色褪せが発生しやすくなるでしょう。
そして時間が経過するにつれて、シートの表面は粉を吹いたようになり、最終的には穴が開くこともあります。

このような劣化は、単に見た目が悪くなるだけでなく、シートの交換が必要になるほどのダメージをもたらし、修理費用がかさむ原因にもなります。

カビはバイクシートの美観や機能性を損ね、バイクの価値を下げることに直結してしまうのです。

1-2.健康への悪影響

カビはアレルギー反応や呼吸器系の問題を引き起こす可能性があります。

バイクシートに生えたカビから放出される胞子を吸い込むことで、咳、くしゃみ、鼻水、目のかゆみといったアレルギー症状を引き起こすことがあります。
また、カビの胞子は肺に達することもあり、長期間吸っていると喘息を悪化させることもあるでしょう。

免疫力が低下している人や、アレルギー体質の人は、カビの存在によって健康リスクが高まるため、特に早急な対処が必要です。

1-3.カビの拡散

カビは非常に繁殖力が強いため、シート上での増殖にとどまらず、バイクの他の部分やガレージ、自宅など周囲の環境にも拡散する恐れがあります。
一度広がったカビは除去が困難となり、より広範囲での対策が必要になるため、対応が遅れるほど手間とコストがかかることになります。

また、バイクのシートだけでなく、ヘルメットやウェアにもカビが移り、その清掃や交換が必要になることも考えられます。
カビの問題は一点に留まらず、あらゆる場所に影響を及ぼしてしまうのです。

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1-4.見た目の悪さやカビ臭の発生

カビが生えたバイクシートは、見た目にも大きな損害を与えます。
カビによる黒、緑、白の斑点や痕跡はバイク全体の美観を損ねることになるでしょう。

さらに重要なのは、カビから発生する特有の不快な臭いです。
この臭いはバイクに乗る際に常に不快感を引き起こし、長期間にわたる露出は衣服に臭いが移ることさえあります。
これが社会生活における印象に悪影響を及ぼし、個人の快適さだけでなく、他者との関わりにおいてもマイナスの影響を与えかねないのです。

2.バイクシートのカビ取り方法

1.バイクシートにカビ発生!放置したらどうなる?でお伝えした通り、カビは放置すると様々なデメリットがあるため、見つけたら早急に除去することが重要です。
素材によってカビ取り方法も異なるため、ここでは3パターンのカビ取り方法を紹介します。

2-1.カビ取り剤で除去する

一般的なバイクシートや合成皮革の場合、市販のカビ取り剤を使用するのが効果的です。
ただし、カビ取り剤は強力な液剤のため、素材によっては色落ちや変色などの恐れがあります。
使用前に必ず目立たない部分でテストしてから作業するようにしましょう。

用意するもの

  • 塩素系カビ取り剤
  • キッチンペーパー
  • ラップ
  • タオル
  • マスク
  • ゴム手袋
  • ゴーグル
  • 長袖の服(色落ちしても問題ないもの)

カビ取り剤に触れると皮膚を溶かしたり、目に入ると失明する恐れもあるので、マスク、ゴム手袋、ゴーグル、長袖の服で体を保護して作業してください。

出典:Amazon

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注意事項

  • 酸性タイプの製品と混ぜない
  • 屋内で作業する場合は換気する
  • 体を保護しながら作業する
  • 目立たない場所で試してから作業する

塩素系カビ取り剤と酸性タイプの製品が混ざると、危険な塩素ガスが発生する恐れがあります。
最悪な場合、死に至ることのある危険なガスなので、絶対に混ぜないでください。
そしてカビ取りは屋外で行うか、屋内なら必ず換気するようにして、体を保護しながら作業してくてください。
また、色落ちや変色の恐れがあるため、一度目立たない場所で試してから作業することをおススメします。

カビ取り手順

①キッチンペーパーの上からカビ取り剤を吹きかける
②しばらく放置してから水で洗い流す
③タオルで拭き取りしっかり乾燥させる

①キッチンペーパーの上からカビ取り剤を吹きかける
タオルでシート表面の汚れを拭き取ってください。
それからカビの発生箇所にキッチンペーパーをかけて、その上からカビ取り剤を吹きかけます。
その上からラップをして、しばらく放置しましょう。

②しばらく放置してから水で洗い流す
ラップとキッチンペーパーを剥がし、しっかりと水で洗い流してください。
カビ取り剤の成分が残るとシートを傷めることになるため注意しましょう。

③タオルで拭き取りしっかり乾燥させる
濡れている箇所をタオルで拭き取り、その後風通しの良い場所で乾燥させて終了です。

2-2.消毒用エタノールで除去する

カビ取り剤を使用できない素材や、比較的軽度のカビ汚れには、消毒用エタノールが効果的です。
エタノールはカビの細胞を破壊し、除去する作用があります。
ただし漂白効果はないため、カビの色素が沈着している場合は除去することができないので注意してください。

用意するもの

  • スプレータイプの消毒用エタノール
  • タオル
  • マスク
  • ゴム手袋

カビの胞子を吸い込んだり、手荒れを防いだりするために、マスクとゴム手袋を身に付けてください。

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注意事項

  • 屋内で作業する場合は換気する
  • 火気の近くで使用しない
  • 目立たない場所で試してから作業する

カビ取り作業中にカビの胞子を吸い込む恐れがあるため、屋外で作業するか、屋内の場合は必ず換気をしてください。
エタノールは引火する恐れがあるため火の近くでは使用しないでください。
エタノールによって変色する恐れがあるため、目立たない場所で試して、問題なければカビ取り作業を行うようにしましょう。

カビ取り手順

①消毒用エタノールを吹きかける
②消毒用エタノールを拭き取りしっかり乾燥させる

①消毒用エタノールを吹きかける
タオルでシート表面の汚れを拭き取ってください。
それからカビが発生している箇所やその周辺に消毒用エタノールを吹きかけます。
カビは胞子を飛ばして繁殖するため、目視できるカビから50㎠~1㎡くらいまで吹きかけて、しばらく放置してください。

②消毒用エタノールを拭き取りしっかり乾燥させる
タオルで拭き取った後、風通しの良い場所でしっかりと乾燥させて終了です。

2-3.革専用カビ取り剤で除去する

本革製のバイクシートにカビが生えた場合、革専用のカビ取り剤を使用することをお勧めします。

革はデリケートな素材であり、通常のカビ取り剤やエタノールでは色落ちや素材を傷める恐れがあります。

革専用カビ取り剤は、革を保護しながらカビを効果的に除去するために特別に設計されています。
使用方法は製品によって異なるため、説明書をよく読んで正しく使用しましょう。

コロンブス レザーキュア カビ用ミスト

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3.傷んでいる場合はバイクシートの張り替えも検討しよう

シートの張り替えは、バイクの見た目や快適性を大きく向上させることができます。

カビによるダメージが深刻でシートの表面がボロボロになっている場合や、長年の使用でシートが劣化して快適性が損なわれている場合には、新しいシートに張り替えることでバイクを新品同様の状態に近づけることが可能です。

張り替えのメリット

見た目の改善
新しいシートにすることで、バイク全体の見た目が一新されます。

快適性の向上
最新の素材や設計を採用したシートは、長時間のライディングでも疲れにくいです。

カスタマイズ
自分の好みに合わせて色や素材を選べるため、バイクに個性を出すことができます。

張り替えのポイント

専門業者の選定
シートの張り替えは専門的な技術を要するため、信頼できる業者に依頼するのがベストです。

素材の選択
耐久性やメンテナンスのしやすさ、快適性を考慮して素材を選びましょう。

デザインの検討
バイクのスタイルに合うデザインを選ぶことで、全体の印象を大きく左右します。

4.ガレージや倉庫にカビが発生したらすぐにカビ取りする

バイクシートにカビが発生すると、保管しているガレージや倉庫にまでカビが移ってしまうことがあります。
カビは時間経過とともに範囲を広げていくため、見つけたらすぐに除去しましょう。

初期段階のカビであれば、自力で除去することも可能です。
以下の記事を参考にしてカビ取りしてください。

■関連記事■地下ガレージがカビだらけになった時のカビ対策方法
■関連記事■コンクリートのカビが気になる!一刻も早く自力で除去し再発を防ぐ方法をカビ取り業者が伝授!

すでにカビが広がっていて自力での対処が難しい場合は、カビ取り業者に相談しましょう。
専門業者は効率的なカビの除去方法と深い知識を持ち合わせており、カビ問題を根本から解決へと導いてくれます。

さらにカビの再発を防ぐための対策を提案してくれることも多く、健康と生活空間の質を長期的に保つことに役立つでしょう。
カビの被害がさらに広がることを避けるためにも、早めの行動が大切です。

5.バイクシートにカビが生える原因は?

「そもそもどうしてバイクシートにカビが生えるの?」と疑問に思う方もいると思います。
まず、カビが発生する場所には以下の4つの条件全てが揃っていることが多いです。

  • 水分・高湿度(60%以上)
  • 温度(20~30℃)
  • 栄養源(泥や埃、汗などの汚れ)
  • 酸素

そしてバイクのシートにはこれらの条件が揃ってしまうことがあり、カビの繁殖を促進することがあります。

5-1.高湿度の環境

バイクシートにカビが生えやすい一番の原因は、高湿度の環境です。
湿度が60%以上になると、カビの胞子は活性化しやすくなります。
梅雨の時期や湿度が高い地域では、空気中の水分がバイクシートに吸収されやすくなります。

また、バイクが雨に濡れた後、シートが十分に乾燥せずに放置されると、シート表面や内部の湿度が高くなり、カビの発生に至ります。

他にも洗車した後や、暑い日に汗が染み込んだ時なども濡れた状態になってしまうため、カビが好む環境が整ってしまうのです。

5-2.不適切な保管

バイクの保管方法がカビの発生に大きく影響することもあります。
例えば、屋外での長期保管は雨や風にさらされることでカビの発生条件が整いやすくなります。

ガレージや倉庫で保管していても、直射日光が届かず湿気が溜まりやすい環境では、カビの発生リスクは高いです。
床が濡れている状態では湿度がさらに上昇し、これがバイクシートに悪影響を与える可能性も考えられます。

また、バイクカバーは雨や汚れから守ることができますが、ずっとかけっぱなしだと湿気が閉じ込められてカビが生じやすくなるため、環境に合わせた使い方をすることが大切です。

5-3.バイクシートに付着した汚れ

バイクシートに付着した泥や埃、汗などの汚れは、カビの栄養源となります。

特に長時間のライディングで発生した汗は、シートに染み込みやすく、放置することでカビの発生を促進します。
また、泥はねや、雨天走行時に付着した泥水も同様に、カビの栄養となる有機物を含んでいます。
これらの汚れは、ただちに清掃しないとカビが生えやすい環境を作り出してしまいます。

6.バイクシートのカビを防ぐための6つの対策

5.バイクシートにカビが生える原因は?でお伝えした通り、カビの発生条件が揃ってしまうとバイクシートにカビが生えてしまうことがあります。
そのため4つのカビの発生条件を揃わないようにすることが、カビ予防においては重要です。

これから紹介する6つのカビ対策を意識して行うことで、カビの発生リスクを大幅に減らすことができるでしょう。

  • 定期的な清掃
  • シートの乾燥
  • 防水カバーの使用
  • 通気性の良い場所での保管
  • 定期的な換気
  • 防水スプレーの活用

6-1.定期的な清掃

バイクシートにカビが生える主な原因の一つは、汚れによるものです。
泥や埃、汗などがシートに付着し、それがカビの栄養源となります。
そのため、シートを定期的に清掃することが非常に重要です。

通常の手入れはマイクロファイバータオルで拭き取るだけで十分ですが、段々汚れも蓄積してしまうでしょう。

もし汚れが目立つようになってきたら、キッチン用の中性洗剤を薄めた水にタオルを浸し、それを使ってシートの表面を拭き取り、最後にしっかり水拭きして乾かしましょう。

この時ブラシなどで強く擦るとシートを傷めてしまう恐れがあるため、タオルで優しく拭くのがおススメです。
雨上がりや汗をかいた後は、早めに清掃を行うことがカビの予防につながります。

また、シート下の隙間など、見落としがちな部分も丁寧に掃除することで、カビの発生リスクをさらに減らすことができます。

6-2.シートの乾燥

バイクを使用した後、シートをよく乾燥させるようにしましょう。
特に雨や雪で濡れた日や、真夏で汗が染み込んでしまった時はしっかりと乾かしてください。

可能であれば、直射日光の当たる場所で乾かすことが理想的ですが、素材によっては日光によるダメージを避けるため、風通しの良い日陰での乾燥が適しています。

6-3.防水カバーの使用

屋外にバイクを置いている場合は、水分から守るために、防水カバーの使用をおススメします。
防水カバーは、雨水や湿気をシートに直接触れさせず、カビの発生を防ぎます。

ただしカバーをかけたままにしていると内部に湿気がこもって逆にカビが発生しやすくなるため、定期的にカバーを外して湿気を逃がすようにしましょう。

6-4.通気性の良い場所での保管

バイクの保管方法もカビの予防に影響します。
湿気がこもりやすい場所や直射日光の当たらない暗い場所ではなく、通気性が良く、湿度が低い環境での保管を心がけましょう。

屋内に保管する場合でも、時々窓を開けて空気を入れ替えるなどして、湿度をコントロールすることが重要です。

6-5.定期的な換気

ガレージやバイクを保管しているスペースは、定期的に換気を行いましょう。

密閉された空間では、湿気が溜まりやすくカビの発生条件が整いやすくなります。
天気の良い日には窓や扉を開けて、空気の流れを作ることで湿度を下げることができます。
この習慣はカビだけでなく、バイクのサビ防止にも効果的です。

6-6.防水スプレーの活用

バイクシートの素材によっては、防水スプレーを使用することで水分を弾き、カビの予防につながります。
使用する際は、まず目立たない部分で試し、シートの材質に合っていることを確認してから全体に適用してください。

防水スプレーは永久的に効果があるわけではないので、定期的な再塗布するようにしましょう。

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7.まとめ

今回はバイクシートにカビが生えた場合のカビ取りや、カビを防ぐための対策について解説しました。
カビはバイクシートに多大なるダメージを与えるだけでなく、健康にも悪影響を及ぼすため、発見次第カビ取りするようにしましょう。

カビが発生した場合は以下の液剤を使用して除去することをおススメします。

  • 塩素系カビ取り剤
  • 消毒用エタノール
  • 革専用カビ取り剤

カビが酷い場合や、すでに傷んでしまっているシートだった場合は、思い切って張り替えを検討してみてください。

そしてカビ取りは除去したら終わりというわけではありません。
今後カビを再発させないためには、しっかりとカビ対策を行うようにしましょう。

  • 定期的な清掃
  • シートの乾燥
  • 防水カバーの使用
  • 通気性の良い場所での保管
  • 定期的な換気
  • 防水スプレーの活用

愛するバイクを長く快適に乗り続けるためにも、この記事で紹介したカビ対策を日々の生活に取り入れてみてください。