コンクリートのカビを自力で除去する方法&再発を防ぐための対策をカビ取り業者が伝授!
【お悩み】
室内の、躯体壁(コンクリート)にカビが発生してしまいました。最初は埃やただの汚れだと思っていたのですが、濡らした雑巾でふき取ったところ再発し、よく見るとカビでした。
このコンクリートに生えたカビを自力で取るにはどうしたら良いのでしょうか。
近年、室内の壁をそのままコンクリートにする、シンプルな内装が流行しています。
賃貸物件においてもコンクリートの壁が採用されており、リフォーム工事で壁紙を取り除き、躯体壁にするケースもあります。
このスタイリッシュな躯体壁ですが、結露や湿気が溜まることでカビが発生することがあります。
また、戸建て住宅では外の階段や塀をコンクリートにすることもあり、この場合雨風に晒されるため非常にカビのリスクが高くなります。
特に梅雨などの高温多湿の時期の場合は、カビが生え始めたらあっという間にカビが広がることもあります。
そのため、カビを見つけたら早急に対処することが重要なのです。
そこで今回は、コンクリートのカビの除去方法や予防策について詳しく解説します。
コンクリートにカビが発生して困っている方や、コンクリートにカビを生やしたくない方は、是非この記事を参考にしてみてください。
この記事でわかること |
・コンクリートにカビが生えた時の対処方法 ・コンクリートのカビを防ぐための対策 ・コンクリートにカビが生える原因 |
目次
1.コンクリートにカビが生える原因
まずはコンクリートにカビが生える原因から解説します。
カビが発生する場所にはいくつかの条件が揃っている必要があります。
その条件というのが以下の4つです。
この中でも特にカビの生育に影響を与えるのが水分・湿度です。
高湿度の場所や濡れた場所はカビが好む環境です。
他にもカビが成長する為に必要な栄養源(汚れなど)が豊富にある場所や、暖かい場所はカビの発生リスクが高くなります。
では、何故コンクリートにカビの発生条件が揃ってしまうのか、その理由を見ていきましょう。
1-1.湿気が溜まっている
カビは、暖かく水分が豊富な場所で繁殖しやすい特性を持っています。
特に日当たりが悪い場所は要注意です。
カビは紫外線に弱いため日当たりの良い場所だと殺菌されることがありますが、日当たりが悪い場所はその恩恵を受けられません。
また、日当たりが悪い場所は濡れた時に乾くのに時間が掛かるため、カビにとって成長しやすい環境になってしまうのです。
そして屋外のコンクリートの近くに、植木鉢や屋外で使う道具を置きっぱなしにしている方もいると思いますが、底の部分に雨水などの水分が溜まりやすくなり、カビの発生原因となってしまいます。
定期的に物を動かして乾燥させるというちょっとしたひと手間が、カビの発生を未然に防ぐことに繋がります。
1-2.通気性が悪い
家具や物を壁に密着させて置くと、空気の流れが妨げられ、結露が生じやすくなります。
これがカビの成長に適した環境を作り出すことになってしまいます。
特に部屋の隅や、通気性が悪い場所では湿気が溜まりやすく、カビが発生のリスクが高まります。
通気性を確保し、定期的な換気を行うことがカビ防止には不可欠です。
1-3.コンクリートの中性化
コンクリートはアルカリ性なので、本来であれば酸性であるカビは発生しにくいと言われています。
しかしコンクリートは、雨に当たったり、劣化したりすることで、アルカリ性が徐々に中性化していきます。
そうすることでカビが生えやすい環境が形成されてしまうのです。
コンクリートは湿気を逃がしにくく、特に外壁など雨に晒される箇所では、この問題が顕著になるでしょう。
また、コンクリートに生えた黒カビは見た目が単なる汚れに似ており、気付かずに放置されることが多いです。
そして気付いた時にはコンクリートがカビだらけになって、自力ではカビ取りできないほど悪化しているというケースも少なくないのです。
2.コンクリートにカビが生えてしまった時の対処法
続いて、コンクリートに発生したカビの除去方法を紹介します。
2-1.塩素系漂白剤で使用する
すぐに手に入るものでカビ取りしたいなら、キッチンハイターなどの塩素系漂白剤でカビ取りしてみましょう。
ただし広範囲で行うのは難しいので、狭い範囲に発生した場合のみにしましょう。
用意するもの
- 塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)
- バケツ
- ブラシ
- 雑巾
- ゴム手袋
- マスク
- ゴーグル
- 長袖の服
ブラシはタワシでも代用可能です。
また雑巾は不要になった布を切って使っても問題ありません。
- 花王 キッチンハイター
出典:amazon
注意点
塩素系漂白剤は肌や目に付着すると皮膚の炎症や失明の恐れがあったり、酸性の成分と混ざることで塩素ガスが発生したりすることがあります。
そのため、作業する時はマスクやゴーグル、ゴム手袋、長袖の服を着用して体を保護し、屋外で行う時は必ず換気するようにしてください。
また、塩素系漂白剤使用後は、成分がコンクリートに残らないように、しっかりと水で洗い流すか、濡れ雑巾で何度も拭き取ってください。
カビ取り手順
- ①事前準備をする
マスク、ゴム手袋、ゴーグル、長袖の服を着用して体を保護してください。
また、屋内で行う場合は窓を開けたり、換気扇を回したりして、換気を行ってください。
- ②塩素系漂白剤を水で希釈する
バケツに水を入れて、塩素系漂白剤を希釈します。
商品によって濃度が違うため、詳しくはパッケージを参考に薄めましょう。
- ③雑巾で漂白剤を塗布してしばらく放置する
バケツに雑巾を入れて溶液を吸い込ませて、それをカビが発生している部分やその周辺に塗布します。
漂白剤がカビに浸透するまでしばらく放置します。
大体20~30分が目安ですが、カビの状態を見て判断しましょう。
- ④ブラシでカビを取り除く
カビが残っている部分をブラシで擦って取り除きます。
それから水で洗い流しましょう。
水洗いできない所の場合は、濡れた雑巾で何度も拭き取ってください。
- ⑤しっかり乾かす
乾いた雑巾で拭き取ってから、しっかりと乾燥させて終了です。
■関連記事■モルタル塗装のカビ対策
■関連記事■壁の黒カビを落とす方法
2-2.コンクリート専用のカビ取り剤を使用する
コンクリートにカビが生えた場合、コンクリート用のカビ取り剤を使ってカビを落とすという方法もあります。
スプレータイプのものが多く、カビ部分に噴射して使います。
使用する際は、マスクやゴム手袋を着用し、換気を充分に行った上でカビ取りしましょう。
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出典:amazon
2-3.業者と同レベルのカビ取り剤を使用する
業務用レベルのカビ取り剤を使用したいという場合には、カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取りマイスターキットをおすすめします。
カビ取りマイスターキットは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品なので、自宅でプロレベルのカビ取りが出来ます。
また塩素系漂白剤や塩素系カビ取り剤とは違って危険な成分は含まれていないため、安全にカビ取りすることができます。
刷毛やカップもセットなので、すぐにカビ取りしたい方にも喜ばれている商品です。
2-4.カビ取り業者に依頼する
自分でカビ取りを行っても再発が繰り返される場合、または広範囲にわたる対応が困難な場合、天井など手の届かない高い位置のカビ取りが必要な場合などは、専門業者に依頼することをおすすめします。
業者は専用の洗剤や機材を使用しているため、壁やコンクリートを傷つけずに、カビだけを根本から除去することができます。
また、施工後にカビが再発しないようにアドバイスをしてくれる業者や、アフターフォローが充実している業者を選ぶと更に安心でしょう。
コンクリートのカビにお悩みでしたら、まずは以下のリンクから無料相談を試してみてください。
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3.高圧洗浄機があまりおススメ出来ない理由
外壁や塀にカビが生えている場合、高圧洗浄機で取り除くという方法もあります。
しかし、高圧洗浄機でのカビ取りは、表面上はカビが取り除かれたように見えても、根本である菌糸は残ってしまいます。
そのため、高圧洗浄後に次亜塩素酸ナトリウムなどで見えないカビも除去しなければいけません。
また、繰り返し高圧洗浄機を使用すると、コンクリートが損傷するリスクもあります。
コンクリートが損傷すると、傷部分にカビが侵入し、次第に前回よりも落ちにくいカビが発生することもあります。
したがって、コンクリートの損傷が心配な場合は、高圧洗浄機の使用を避け、カビ取り専門の業者に依頼した方が賢明でしょう。
■関連記事■適した場所はどこ?!高圧洗浄機を使ったカビ取り方法とポイント
4.カビ取り業者に質問!コンクリートのカビを放置するとどうなる?
カビ取り業者ハーツクリーンの代表の穂苅氏にコンクリートのカビについて伺いました。
そして「リノベーション後にコンクリートの壁にカビが再発したケース」と「カビ取り業者に依頼するメリット」についてお話いただきました。
4-1.リノベーション工事中にカビを放置したことで再発したケース
以前、弊社に「リノベーション工事後に半年でカビが発生して困っている」という依頼がありました。
詳細を伺ったところ、リフォーム業者がカビ発生に気付きながらもカビ取りを行わずにリノベーション工事を進めてしまったようです。
カビの上から直接塗装を施したため、当初は外観上は綺麗に見えており、カビの問題にはしばらく気付かなかったとのことです。
そしてリノベーション完了後、部屋中にカビの臭いが充満し、塗装した部分にあったカビが約半年後に表面に現れ始めてしまいました。
その後、弊社で塗装を剥がし、カビ取りを徹底的に実施し、再発がなかったことが確認されています。
カビは塗装して隠しただけでは死滅しません。
むしろ塗料を栄養源としてさらに繁殖し、状況を悪化させる恐れがあります。
カビが発生した場合は正しくカビ取りすることが何よりも重要なのです。
■関連記事■カビを塗装で隠すと被害額が3倍に跳ね上がることも!?塗装面にカビが生えたときの正しい対処方法
4-2.コンクリートのカビを業者に依頼することのメリットは?
外壁の場合、カビ以外にも酸化汚れや油汚れが付着していることが多く、これらの汚れが複雑に絡み合っているため、容易には落ちないことがあります。
室内では、隠れた場所で解体作業を行った際に発見されることがありますが、長年放置されたカビは根が深く、市販のカビ取り剤では対処が困難なケースが多いです。
通常のカビ取り剤よりも強力な製品で何度も繰り返し施工して、ようやく除去できるケースも少なくありません。
そのため、コンクリートのカビ除去は個人では対応が難しいことがよくあります。
市販のカビ取り剤を使用しても効果がない場合は、プロの業者に依頼することをお勧めします。
■関連記事■【Q&A】プロの力を借りるべき?!カビ取り業者に依頼するか迷ったときにチェックすべきポイント
5.カビが生えないようにするための対策
カビが発生すると、その除去は非常に困難な作業です。
そのため、最初からコンクリートにカビが生えないように対策することが重要です。
ここではコンクリートに生えるカビを防ぐための対策方法を紹介します。
5-1.風通しを良くする
風通しを良くすることで、コンクリートの表面を乾燥させ、カビの発生を抑制することができます。
植木鉢や子供のおもちゃなどを常に置きっぱなしの場合は、定期的に移動させるか、扇風機などを使って一時的に風通しを良くするようにしましょう。
5-2.防カビ塗料を塗る
防カビ剤を含んだ塗料を使用することで、カビの再発を抑えることができます。
ただし、すでにカビが発生している場合は注意が必要です。
防カビ塗料ということはあくまでカビを防ぐ効果があるだけで、発生したカビを除去する効果はありあません。
カビの上から塗っても、カビは死滅せずに繁殖を続けてしまい、悪化する恐れがあります。
そのため必ずカビを完全に除去してから塗装しましょう。
5-3.光触媒塗料を使って予防する
光触媒塗料は、太陽光で活性酸素を作り出し自ら汚れを分解し、その汚れが雨で流れることでカビやコケなどを防ぐセルフクリーニング機能のことです。
この塗料を塗ることで汚れが付きにくなり、空気浄化の効果も期待できます。
デメリットとしてはまだ新しい塗料なのでコストがかかることと、光が当たらない所では効果に期待できないところでしょう。
また、塗料がサラサラとしているので素人では塗るのが難しく、慣れた職人でも塗りに差が出てしまうことがあります。
5-4.防カビ加工する
カビがまだ生えていない状態でも「カビ臭さ」を感じる時には、カビ取り専門業者に依頼し、カビ被害が広がる前に食い止めるというのもおすすめです。
また、業者にカビ取りを依頼するなら、同時に防カビ加工もしてもらうことで、カビの再発を防ぐことができます。
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5-5.断熱材を入れる
コンクリートのカビの原因の一つとして結露があります。
結露は外気温と内気温の差で生じますが、放置するとカビの原因になります。
室内のコンクリートの結露が酷い場合は、断熱材や換気扇の設置などのリフォーム工事も検討してみてください。
5-6.モノを置きすぎない
ものが多いと湿気が溜まり、またカビの栄養源となる汚れも蓄積します。
そのためモノを置きすぎないようにすることもカビ予防に繋がります。
思い切って不用品は処分し、整理整頓を心がけ、室内の通気性を良くしましょう。
5-7.結露に注意する
コンクリートに結露が生じている場合は、こまめに拭き取り結露を放置しないようにしましょう。
換気をこまめに行い、エアコンの除湿機能や除湿機を活用して湿度を下げるようにしてください。
カビは湿度60%を超えると活動を始めるため、湿度を60%以下に保つのが望ましいです。
また、結露が発生している箇所にサーキュレーターや扇風機を向けて回すことで、結露を乾かすというのも効果的です。
■関連記事■壁が結露する時の対処方法
■関連記事■カビに影響を与える結露の上手な防ぎ方
6.まとめ
今回はコンクリートに発生したカビ取り方法や、カビの再発を防ぐための対策について詳しく解説しました。
コンクリートはベランダや壁など、あらゆる場所で使用されています。
本来はカビが生えにくいコンクリートですが、経年劣化により中性化し、カビが生えやすくなります。
カビは放置すると徐々に悪化し、より大きな影響を及ぼす恐れがあるため、見つけたら早急に対処しましょう。
身近にあるものでカビ取りする場合は、塩素系漂白剤でカビ取りしましょう。
塩素系漂白剤でカビ取りが難しい場合は、コンクリート用のカビ取り剤や、カビ取り業者が販売しているカビ取り剤などを使用してみてください。
またカビの範囲が広いなど、自力での除去が難しい場合は、カビ取り業者に依頼するようにしましょう。
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そしてカビ取りが終わったら、今度は再発しないようにしっかりとカビ対策することが重要です。
この記事がカビでお困りの方のお役に立つことを願っています。