カビ臭いネクタイのカビを取る方法

「面接前にネクタイを使おうと、クローゼットを開けたら、どのネクタイもカビ臭くなってしまいました。ネクタイはデリケートな素材と聞くので、どのようにカビ臭さを取り除いて良いのか分かりません。おうちでの対処方法はありますか?」

という声がありました。

ネクタイはスーツを着たときに目立つ場所に着用するため、カビ臭かったり汚れていたりすると全体的に清潔感がなくなってしまいますよね。また、顔の近くで使用しますので使用しているとカビ臭さをより感じやすくなってしまいます。

今回はネクタイのカビ臭さをすぐに取る方法やネクタイにカビが生える原因やネクタイのお手入れ方法等をご紹介していきます。

結論:ネクタイのカビ臭さをすぐに取るならアルコール除菌スプレーがおすすめ

ネクタイの嫌な臭いの原因がカビによるものであれば、アルコール除菌スプレーがおすすめです。

カビの臭いというと絵の具のような臭いや墨汁のような臭いと言われることが多いです。

ネクタイからそのような臭いがするときには、カビが発生している可能性があります。

一般的な消臭スプレーは香りをつけることで悪臭を隠すようにしているのですが、カビ臭さはカビの菌によるものなので、この方法で臭いを取るのが困難です。

そのため、カビの菌ごと除菌できるアルコール除菌スプレーをネクタイに吹き付けて消臭しましょう。

アルコール除菌スプレーを吹き付けたあとはネクタイをしっかりと乾燥させてください。

しかし、応急処置としての方法です。すでにカビが生えている場合にはクリーニングに出されることをおすすめします。

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ネクタイの素材の種類

ネクタイの素材はさまざまなものがありますが、代表的なものとしては綿、ポリエステル、シルク、麻などがあります。

ネクタイは、非常に型崩れしやすいデリケートな物なので、手洗いでさえも型崩れしてしまう恐れがあります。そのため、基本的にはクリーニングに出してキレイにしてもらうことをおすすめします。

綿

ネクタイの素材としてだけでなく、昔から衣類に多く使用されている素材です。

〇やわらかい、肌触りが良い、丈夫、通気性、吸湿性が高い。洗濯や熱にも強い。

☓シワになりやすく、縮みやすい。酸に弱く、黄ばみやすい。

ポリエステル

化学繊維のひとつで、洗うことができ、虫や紫外線にも強く、保管がしやすいです。

洗うのに適している洗剤は弱アルカリ性です。

シルク

シルクのネクタイは取り扱いに注意が必要です。

基本的にはクリーニングに出しましょう。

〇しなやかで肌触りが良く、光沢がある。通気性、吸湿性、保温性、保湿性が高い。

☓日光、水、摩擦に弱く、縮みやすく、シミになりやすい。酸とアルカリに弱い。虫がつきやすい。

通気性がよく、麻100%のほかシルクや綿の混紡のネクタイなどもあります。

〇通気性、吸湿性が高い。洗濯や熱に強くて丈夫。発散性があり、乾きやすい。

☓色落ちしやすく、シワになりやすい、縮みやすい。摩擦で毛羽立つことがある。

ネクタイはどの部分がカビやすいか

ネクタイのカビが生えやすいのは大剣と呼ばれる一番太い部分と、中つぎと呼ばれるネクタイを巻いたときに首の部分にあたる場所です。

大剣には手垢やホコリ、飲み物や食べ物がはねていることがあります。

また、ネクタイは直接肌に身に付けるものではありませんが、ワイシャツを通して汗が染み込みます。

ネクタイにカビが生える原因

ネクタイは色や柄がついているものが多く、汚れがついていても目立たないためついついそのまま着用し続けてしまうことも多いです。

しかし、ネクタイには汗や皮脂、ホコリや食べ物や飲み物がはねていたりなどで意外と汚れています。

カビは温度、湿度、栄養素がそろうことで大量に発生します。

具体的には、温度は20~30℃、湿度は60%以上の環境で栄養素はホコリ、皮脂、汗、アカなどの汚れがカビの栄養源となります。

ネクタイを着用したあとは、汗や皮脂、砂ボコリなど汚れが付着しています。

この汚れをきれいに落とさずにいるとやがてカビが生えてしまいます。

また、保管している場所にも湿気やホコリなどが多いとカビが生える原因となります。

ネクタイのカビは着用したあとのお手入れと保管に注意が必要です。

ネクタイの日ごろのお手入れ方法

ネクタイを長く大切に使うためには、日ごろのお手入れが大切になります。

定期的にお手入れを

ネクタイを着用したら、洗えるネクタイはなるべくこまめに洗うようにしましょう。

洗えないタイプのネクタイは、ハンガーなどにかけてネクタイが吸収している汗や湿気をとばして乾燥させてからしまうようにしましょう。

素材を長持ちさせるコツ

また、ネクタイは複数用意してローテーションで着用するという方法がおすすめです。

ネクタイを保管する際には、ネクタイを半分に折り、やわらかく丸めた状態で引き出しなどに保管しましょう。

ネクタイを吊るして保管する方法もありますが、ネクタイの重さで生地が伸びてしまうことがあります。

そのため、やわらかく丸めた状態か平置きにするのがおすすめです。

防水スプレーを活用しよう

ネクタイの汚れを防ぐためのお手入れに有効なのが防水スプレーです。

ネクタイに防水スプレーを吹き付けておくと、汚れや臭いがつくのを防ぐことができます。

防水スプレーは吹き付けてかたしっかりと乾かすことで効果が高まります。

ネクタイを着用する前日の夜などに防水スプレーを使用しましょう。

防水スプレーを使用する前には、ネクタイの汚れを落としてきれいな状態にしておきましょう。

ネクタイは洗濯して大丈夫?洗濯可能なネクタイってどんなもの?

ネクタイを家で洗濯する際には、洗濯絵表示を必ず確認しましょう。ポリエステル素材のネクタイは自宅で洗濯可能なものが多いです。

ネクタイを洗濯機で洗うと手洗いでさえも注意しないと型崩れしてしまうことがあります。

お気に入りのネクタイや高価なもので劣化させたくないという場合にはクリーニングに出した方が良いでしょう。

ネクタイを手で洗う方法

用意するもの

  • 洗面器やバケツ
  • おしゃれ着用洗剤または中性洗剤
  • 洗濯ネット
  • 平干しネット
  • タオル

ポリエステルタイプなど、洗濯可能なネクタイを手洗いする方法です。洗剤はおしゃれ着用のものまたは中性洗剤を使用して洗うようにしましょう。

ネクタイに負担をかけたくない場合にはおしゃれ着用の洗剤がおすすめです。

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①ぬるま湯に洗剤を溶かし、洗濯ネットにネクタイを入れて浸します。

②洗濯ネットを手のひらで持ち、やさしく揺らすようにして洗います。

③軽く押して水気を切り、やさしくタオルドライしてから平干しネットを使用し、陰干しして乾いたら完了です。

カビや汚れがひどい場合には、ベンジンを使用して手洗いする方法もあります。

ベンジンとは、油溶性のシミを落とすときに使用する石油系の溶剤でガソリンの一種のことです。

他にも揮発油、ナフサ、石油エーテル、リグロインなどと呼ばれることもあります。

ベンジンは昔から家庭でよく使われてきた衣類用のシミ抜き剤のひとつです。

身近なものではシールはがしなどにもベンジンは使用されています。

ネクタイだけでなく洋服などにも使用できるので、現在でも薬局やネット通販などでさまざまな商品が販売されています。

クリーニングに出すときのコツ 

ネクタイは3か月に1度程度クリーニングに出すのがおすすめです。

クリーニング店はプロなので、自宅では取り扱いが難しいネクタイの素材やカビによる着色のシミ抜きや消臭などもクリーニング点に任せることができます。

ネクタイの素材に適した方法で生地を傷めることなく洗うことができます。

ネクタイのクリーニングは店舗により料金が異なりますが、数百円~千円以内で済む場合が多いです。

ネクタイをクリーニングに出す際に、撥水加工や防カビ加工

カビを防ぐネクタイの保管方法

ネクタイはずっとしまったままにしておくと湿気によりカビが発生しやすいです。

ネクタイをしまったままにせず、こまめに取り出して干したり保管場所にも風を通したりしましょう。

こまめに干せない場合には、引き出しを少し開けておくだけでも違います。

ネクタイを長く清潔に保つためにも、半年に1回程度はネクタイを出して干してください。

干すのは1月~2月の乾燥した時期が良いですが、除湿機をかけて部屋干しでも良いでしょう。

また、クローゼットや引き出しの中に除湿剤を入れるのもおススメです。

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まとめ

ネクタイのカビ臭さを取るには、応急処置としてアルコールの除菌スプレーを使う方法と、風通しの良い場所で陰干しする方法があります。

洗濯可能なネクタイもありますが、基本的には非常にデリケートな素材なので、クリーニングに出すことをおすすめします。

また、日ごろのお手入れとして、乾燥させたり、ローテーションで使うようにするようにしましょう。

<参考文献>

・きものすたいりすとみえこ『はじめてでもできる着物のお直しとお手入れ』2015年、日東書院

・石川理恵『10年着るための衣類ケアブック』2012年、技術評論社

・阿部絢子『レタスクラブムック新・生活便利シリーズソコが知りたい!家事のコツ』2006年、レタスクラブムック

・松本忠男『カビ・ホコリ・菌を撃退!家の「正しい」掃除ワザ』2019年、宝島社

・井野澄恵ほか『驚きの汚れ落ち!掃除&洗濯のスゴ技ベスト』2019年、宝島社

・齋藤勝裕『汚れの科学』2018年、SBクリエイティブ株式会社

・中村祐一『おうちで簡単洗濯上手』2010年、大泉書店

・三田村美保『お気に入りを長く着る衣類のお手入れ洗濯・しみ抜き・つくろい・しまい方』2016年、NHK出版

・本橋ひろえ『ナチュラル洗剤で安心・ラクチンおそうじ虎の巻』2016年、ディスカバー

・本橋ひろえ『ナチュラルおせんたく大全』2020年、主婦の友社

・幕内和博『今すぐ役立つ!「洗い方・乾かし方」の早引き便利帳』2012年、泰文堂

・池田豊『洗濯・衣類のきほん』2007年、池田書店

・井野良介『暮らしの「スゴ技」大百科』2014年、宝島社

・おそうじ本舗『おそうじ本舗の速攻そうじ術』2016年、宝島社

カビ臭いネクタイのカビを取る方法