せいろにカビが!取り方とカビを防ぐ保存方法は!?
「久しぶりに蒸し野菜を作ろうとして、せいろ蒸し用のせいろを出したら、うっすらと白いカビが生えていました。食品を入れる調理器具なので処分した方がいいのでしょうか?また、何が原因でカビが生えてしまったのでしょうか。」
いざ、せいろを使おうと思ったときにカビが生えていたら困ってしまいますよね。
そこで今回はせいろにカビが生えたときの対処法と適切な保管方法についてご紹介していきます。
目次
1. せいろにカビが生えたら?処分した方がいいの?
1-1. せいろのカビは処分が基本
結論からお伝えすると、せいろにカビが生えてしまったら基本的には処分した方がいいです。白カビが大量発生していたり頑固な黒・青カビが生えている場合は残念ですが処分しましょう。
洗い流すなどしてカビを落としたつもりでも見えないカビの胞子がせいろに残っていることもあります。カビの胞子が付着した食材を口にしてしまうと健康に悪影響を及ぼすこともあります。特に免疫力が十分でない小さいお子様や高齢の方が口にする可能性があるときは処分しましょう。
1-2. せいろのカビ取り方法
捨てた方がいいとは分かっていても、カビが比較的軽く捨てるにはもったいないといった気持ちもありますよね。カビが軽度であれば除去して使うことも可能です。せいろのカビ取り方法はいくつかありますのでできそうなものでおこなってみてください。
また、カビ取り時はカビに直接触れたりカビの胞子を吸い込んだりしないようマスク、ゴム手袋を着けて作業してください。
● 熱湯消毒
せいろ全体に80℃のお湯を10秒以上かけることでカビを死滅させることができます。特別な道具も必要ありませんので簡単にカビ取りが可能です。カビ取り後は水気を拭き取り、陰干しします。
● 消毒用エタノール
せいろ全体に消毒用エタノールを吹きかけ、清潔なタオルで拭き取ります。見えないカビの胞子がせいろ全体に付着している可能性もあるため、消毒用エタノールはカビ部分だけでなくせいろ全体にかけましょう。
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● サンドペーパー
黒や緑など色素のあるカビに対してはサンドペーパーを使って色素を削り取る方法もあります。
~手順~
① 予め熱湯消毒や消毒用エタノールによりカビを殺菌します。
② 表面が乾いたらサンドペーパーを使いカビの色素を削り落とします。
③ 最後に軽く水洗いして風通しの良い日陰で乾かします。
カビ取り方法として、熱湯消毒・消毒用エタノール(色素の除去にサンドペーパー)を用いた方法をご紹介しました。もちろんそれら単体でもカビの殺菌効果はありますが消毒用エタノールでカビ取り後、熱湯消毒で仕上げる、もしくは熱湯消毒後、乾燥させたのち消毒用エタノールで仕上げるといったように熱湯消毒と消毒用エタノールを両方行うとよりカビの死滅には効果的です。
1-3. 注意点
カビ取り時にいくつか注意すべきポイントもあります。まず熱湯消毒をする際、熱湯に長時間せいろを浸け置きすることはやめましょう。食器やその他の調理器具の場合は熱湯や漂白液への浸け置きが効果的な場合もありますが、せいろのような木・竹製の製品は長時間水にさらされると歪んでしまうことがあります。
熱湯をかけるだけでもほとんどのカビは死滅しますので本来は浸け置きする必要はありませんが、熱湯をかけるだけでは不安という方でできれば浸け置きしたいという場合は、10分程度にしておきましょう。
(70℃10分でほとんどのカビが死滅します)
注意事項のもう一つは乾燥方法です。カビ取り後せいろを乾かす際には天干しではなく風通しのよい場所で陰干ししてください。せいろを天日干ししてしまうと急激な乾燥によりせいろが割れる原因になります。
せいろを傷めないためにも風通しの良い日陰で乾かしてください。
2. せいろにカビが生える原因
せいろにカビが生える原因には次のようなことが考えられます。原因を探りせいろのカビ対策につなげましょう。
2-1. せいろ自体がカビの栄養源に
せいろは杉や檜のような木製のものと竹製のものがあります。カビはあらゆる有機物を栄養源に生育しますがせいろの原料である木や竹もカビの格好の栄養源です。
カビは湿度と温度と栄養源、そして酸素があれば生育が可能なため保管状態によってせいろにカビが生えてしまうのです。
2-2. せいろに残った食材カス
せいろ自体がカビの栄養源になるのはお伝えした通りですが、そこに洗い残した食材カスが付着しているとそれもまたカビのエサになります。カビにとっては栄養源が増えることになりますのでカビの成長スピードも加速します。
2-3. 使用後の乾燥が不十分
せいろを洗い終わった後の乾燥が不十分だとカビの原因になります。表面は乾いているように見えても木や竹の深部は湿っているということもあります。
乾ききらないまま片付けてしまうとせいろにカビが生えてしまいます。乾燥不十分でカビが発生した場合は、カビが奥深くまで根を張っている可能性が高いため表面に着くふわふわした白カビではなく黒や青、緑といった色素のあるカビが生えていることが多いです。
2-4. 通気性の悪い場所やモノでの保管
通気性が悪い場所での保管はせいろが湿気を含んでカビが生えやすくなります。特に竹は吸湿性が高いので竹製のせいろにとって湿気は大敵です。
通気性の悪いビニール袋や古いダンボールや紙箱、交換していない新聞紙等で保管しているとカビが生えやすくなります。
3. カビを防ぐ保存方法
せいろのカビを防ぐお手入れ方法や保管方法をご紹介していきます。
3-1. 使用後は浸け置きNG。すぐに水洗い&乾燥する
せいろを長時間浸け置きすることはせいろを傷める原因になることはすでにお伝えした通りですが、使用後はさっと水洗いして余分な水気を拭き取り、すぐに乾かします。十分に乾かしてから収納します。
3-2. 洗剤は使わない
せいろを洗うときは、洗剤は使わず水のみで洗います。洗剤成分がせいろの中に浸透しカビの原因になったり、洗剤が木や竹がもつ油分を奪ってしまいせいろが乾燥し、割れやすくなるからです。
せいろに食材がついたり油汚れがついてしまった場合はぬるま湯で洗い流し、洗剤のついていないスポンジで汚れを落とします。
3-3. 通気性のよい入れ物・場所で保管
保管は通気性の良い入れ物で、風通りの良い場所で保管します。おすすめは、絹や麻素材の布や袋に入れて、湿気が溜まりにくい棚の上部に保管します。
新聞紙に包んでもよいですが、新聞紙は湿気を吸いやすいので、新聞紙に包む際は定期的に新聞紙を交換しましょう。通気性の悪い箱やビニール袋、床下収納での保管はやめましょう。
キッチンのシンク下もあまりおすすめはできませんが、保管場所が他にない場合は通気性の良い入れ物にいれる、定期的に取り出して消毒用エタノールをかけてカビを防ぐ、除湿剤を置いておく等の工夫をしてみてください。
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4. まとめ
今回はせいろのカビ取り方法とカビを防ぐ保管・お手入れ方法についてお伝えしてきましたがまとめると、
● せいろにカビが生えたら基本的には処分する。カビが付着した食材を口にすることで健康に悪影響がでることもある。
● カビが軽度な場合はカビを除去して使うことも可能。カビ取りには熱湯消毒・消毒用エタノール・サンドペーパーを使ってカビを除去する。
● せいろを乾かす際は風通しの良い日陰で陰干しする。
● せいろのカビの原因には、使用後の乾燥が不十分であること、保管場所や入れ物の通気性が悪いこと、せいろに付着した食べカスやせいろ自体がカビの栄養源になっていることがある。
● せいろを使用後はすぐに水やぬるま湯で洗い十分に乾燥させる、通気性の良い場所や入れ物で保管することでカビを防ぐ。使わないときでも消毒用エタノールで殺菌することでカビを防げる。
となります。せいろも、使った後は洗って乾かして保管するという点では他の調理器具と同じです。手入れや保管方法も決めてしまえば扱いにくいということもありません。適切な手入れと保管でカビを防ぎ、調理も食事も楽しんでいきましょう。
<参考>
- 南場毅、他 『エタノールと加熱の併用による微生物の殺菌』 1997 愛知県食品工業技術センター年報
- 文部科学省 カビ対策マニュアル
- 高鳥浩介 久米田裕子 『カビのはなし ミクロな隣人のサイエンス』 NPO法人カビ相談センター
- 虎班竹専門店 https://www.taketora.co.jp/