外壁のコケ、実はカビ?!見分け方や取り方は?!

家の外壁が部分的に変色していたり、広範囲に緑色になっていることはありませんか?

これはカビなのかコケなのかわからなくて対処に困っていたり、どちらにせよとにかく見栄えが悪いので嫌ですよね。

外壁のカビやコケを放置してしまうと外壁の劣化の原因となります。

今回は外壁のカビとコケの見分け方や取り方、カビとコケの予防方法などをご紹介していきます。

1.外壁のカビとコケの見分け方

カビは菌類で、苔は植物という違いがありますが、どちらも湿気がある場所を好むという共通点があります。

カビは、温度20℃~30℃、湿度60%以上、栄養分のある場所といった条件を好みます。

カビは日当たりの良い場所や風通しが良く、乾燥している場所では発生しにくいです。

一方で苔は、光合成ができるため、光が当たり水分があれば栄養源となるものが乏しい場所でも繁殖することができます。

そのため、日当たりが良い場所で発生しているのであればコケの可能性が高いです。

また、カビは黒、白、赤などのものもあります。

外壁に付着した汚れが緑色ではない場合にはコケではなくカビの可能性が高いです。

2.外壁のカビとコケが発生する原因

壁に生えたカビ

外壁のカビやコケは新しい建物であっても発生することがあります。

都会では少ないのですが、地方や緑の多い環境の良い地域では外壁にカビやコケが発生することが多く見られます。

これは環境による原因のため、近隣のお宅にも同様の現象が発生している場合が多いです。

外壁にカビやコケが発生しやすい環境には以下のことがあげられます。

〇周辺に池、河川、用水路、田畑、森林がある立地

〇窓の上側などの水や汚れがたまりやすいところ

〇軒の出が短く、外壁に雨水がかかりやすいところ

〇外壁が水平方向にでこぼこしていて水や砂ぼこりなどがたまりやすい柄のもの

3.外壁のカビの対処方法

①お風呂の洗剤を使用する

軽度のカビや発生してからあまり時間が経っていないカビであれば、お風呂の中性洗剤を使用して除去することができます。

スポンジにお風呂の洗剤を含ませ、外壁のカビをこすり、最後に水で洗い流しましょう。

外壁に傷をつけないようにスポンジの硬さや力加減に注意してください。

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②屋外用のカビ取り剤を使用する

外壁やベランダなど屋外用のカビ取り剤が販売されています。

スプレーするだけでこする必要も水洗いする必要もありません。

軽いコケやカビの場合は1日で除去することができます。

コケやカビがひどい場合には数日かかる場合やくりかえし散布する必要があります。

コケ以外の植物や水槽などの生物にも影響があるため、外壁以外に薬剤が飛散しないように注意しましょう。

使用する際にはマスク、ゴム手袋、ゴーグルを着用し、汚れても良い服に着替えてください。

また、外壁の高い所に噴霧すると薬剤がかかるおそれがありますので、スポンジなどを使用して薬剤をつけるようにしましょう。

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③外壁施工業者に依頼する

外壁の高い場所などにカビやコケが発生している場合には、足場を組むなどの必要があります。

手が届く範囲に軽度のカビやコケの場合には自力で除去することもできますが、高い位置や広範囲にわたってカビやコケが発生している場合には業者に依頼してしまった方が良いでしょう。

自力で外壁のカビやコケを除去しようとすると、家の周囲の養生をするだけでも大変になります。

費用はかかりますが、作業の手間がかからず、プロが使用する薬剤や機材を使用するなどしてきれいにカビやコケなどの汚れを落としてもらうことができます。

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4.外壁のコケの除去方法

①ブラシでこする

コケはブラシなどでこすると除去することができます。

その際にお湯をかけるとより簡単にコケを除去することができます。お湯を使用する際はヤケドに注意しましょう。

強くブラシでこすり過ぎると外壁に傷が付いてしまいますので、優しくこするようにしましょう。

②高圧洗浄する

外壁にコケが発生している場合には放置すると繁殖が進行していきます。

強力な水圧で汚れを落とす高圧洗浄でコケを落とすことができます。

高圧洗浄機を使用する際には、除去したコケが飛び散ることがありますので、養生するなどしましょう。

ただし、外壁が老朽化している場合には高圧洗浄で傷が付いてしまいます。老朽化が進んでいる場合には業者に依頼するか、優しくスポンジなどで洗い流す方が良いでしょう。

③コケ駆除剤を使用する

外壁やコンクリートに使用できるコケ駆除剤が販売されています。

コケだけでなくカビの除去できるタイプも販売されていますので、カビなのかコケなのかわからないという場合にはどちらも除去できるタイプのものを購入するのがおすすめです。

部分的にコケが発生している場合にはスプレーボトルを使用し、広範囲にコケが発生している場合には噴霧器を使用すると時短になります。

噴霧する際には近くに植物を置かないように気を付けましょう。

5.外壁のカビとコケの予防方法

①日当たりと風通しに気を付けましょう

外壁の場合、室内と違って湿度の管理が難しくなります。

外壁の近くに物や植物などを置くと日当たりが悪くなり、風通しも悪くなることからカビやコケが発生しやすくなります。

また、家を建てる際や引っ越しをする際には森林や河川が近くにないかなど周囲の環境も考慮しましょう。

②こまめに掃除をしましょう

外壁にカビやコケが発生してしまったことがある場合には、定期的に掃除することを心がけましょう。

汚れやコケが大繁殖する前に掃除をして取り除いておけば大変な作業にならずに済みます。

③防カビ塗装をしましょう

家の周囲がカビが発生しやすい環境である場合やこまめな掃除を心がけても外壁に頻繁にカビやコケが発生してしまう場合には、防カビ塗装を実施することも検討してみましょう。

外壁は紫外線や雨にさらされ経年劣化していき、塗装の効果が薄れていきます。

外壁の再塗装の目安はおよそ10年とされています。

10年毎に再塗装することによって延命するということを覚えておきましょう。

外壁以外にも、シーリング材や外部に木部がある場合などは最低でも10年に一度再施工・再塗装が必要になります。

事前にそのための貯金をしておくと安心です。

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6.外壁のカビにカビキラーなどは使用できる?

カビ取りというと、カビキラーやキッチンハイターなどの塩素系漂白剤を思い浮かべますが、外壁のカビにこれらの塩素系漂白剤の使用はあまりおすすめできません。

なぜかというと、塩素系漂白剤は外壁を劣化させたり、変色させたりするおそれがあるからです。

外壁には、カビや汚れがつきにくくするための塗装がされています。

塩素系漂白剤は強力な薬剤なので、この塗装を剥がしてしまうことがあり、塗装が剥がれてしまうとカビが発生しやすくなったり、雨水などが外壁から入り込み、家の土台や木材などを腐らせてしまいます。

どうしても塩素系漂白剤を使用する際には、水で薄めたものをタオルなどにつけてカビを拭き取り、水でしっかりと洗い流すようにしましょう。

7.まとめ

・緑色以外であればコケではなくカビの可能性が高いです。

・外壁のカビやコケは立地条件などの環境が原因と考えられます。

・カビなのかコケなのかで対処法が異なります。

・外壁のカビとコケの予防方法は3つあります。

外壁のコケやカビを放置すると、玄関周りにまで広がってしまう恐れがあります。見つけたら早めに対処しましょう。

<参考文献>

・玉水新吾ほか『住宅メンテナンスのツボ』2013年、学芸出版社