サッシのカビ取りは重曹でできる?!カビ取りのプロが解説します

窓のサッシが気づいたらカビや黒ずみで汚れていた!ということはありませんか?

サッシの溝にはホコリやゴミなどがたまりやすく、寒い時期は窓やサッシが結露することでカビが繁殖するのに良い条件がそろいやすいのです。

しかし、家に小さな子供や高齢者など抵抗力の低い家族がいると、なかなか市販の塩素系のカビ取り剤を使うのが難しいという場合もあるかも知れません。

窓サッシにカビが生えているのですが、なるべく重曹やクエン酸など、ナチュラルクリーニングでカビを落としたいです。きれいにカビ取りする方法を教えてください。

というリクエストをいただきましたので

今回は、定番のおそうじ剤「重曹」を使ってサッシにカビが生えてしまったときに重曹で対応する方法やサッシのカビ予防法から普段のサッシのお掃除の仕方などをご紹介していきます。

1.サッシのカビ取り方法その1

まず、サッシに生えたカビは重曹で落とせるかというと「軽度のカビであれば落とすことが可能」です。まだ、初期のカビが表面に生えているだけの状態であれば、重曹のクレンザー効果を活用して落とすことができます。

ここではいくつか、カビの程度による除カビ方法を解説していきます。

1-1.カビが軽度の場合

カビが軽度の場合は、重曹を使わなくても消毒用アルコールで落ちる場合があります。

用意するもの

  • 消毒用エタノール
  • スプレーボトル
  • ぞうきん2枚またはキッチンペーパー
  • 歯ブラシやつまようじ
  • ゴム手袋

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①サッシのホコリや砂などをぞうきんまたはキッチンペーパーで拭き取ります。

サッシの細かい部分は歯ブラシやつまようじを使用すると便利です。

②サッシに消毒用エタノールをスプレーし、ぞうきんまたはキッチンペーパーで拭き取ります。

③ぞうきんまたはキッチンペーパーで乾拭きをして完了です。

※注意点※

消毒用エタノールは引火しやすい性質のため、火気の近くでの使用は避け、完全に乾くまでガスコンロの使用や喫煙には十分注意してください。

スプレーボトルはアルコール対応のものを使用するようにしてください。

軽度なカビの場合にはこの工程で落とせるものが多いですが、落ちない場合にはその2の方法をお試しください。

1-2.重曹でサッシのカビ取りをする場合

重曹をペースト状にして、クレンザーとして使う方法です。

  • 重曹(粉末)
  • ぬるま湯
  • ゴム手袋
  • 容器
  • 歯ブラシ

レック 激落ちくんの重曹

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シャボン玉石けん 重曹

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①重曹を同量の割合で容器に入れ、40~50℃くらいのぬるま湯を加えてペースト状になるまで混ぜます。

②歯ブラシで①のペーストをサッシに塗り、カビを擦って落とします。

③②の工程でカビが落ちない場合には、ラップやキッチンペーパーを使用し、湿布をして少し時間を置いてから歯ブラシで擦ると落とせることがあります。

※注意点※

必ず換気をしながら作業してください。

作業をする際にはゴム手袋を着用しましょう。

1-3.パッキン部分にカビが生えた場合

窓のパッキン部分に黒カビが生えてしまった場合には、漂白効果のある塩素系のカビ取り剤を使って除カビしていきます。ただし、換気に十分注意をして行いましょう。手順は以下の通りです。

①カビ部分に塩素系カビ取り剤をスプレーする

②10分ほど時間を置く

③雑巾などでふき取る

もしも、カビがなかなか落ちない場合にはもう一度繰り返すか、ラップでパックして浸透させましょう。

ジョンソン カビキラー

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また、サッシのカビを防ぐには日ごろのお掃除も大切です。次に重曹を使った万能なお掃除重曹水の作り方と使用方法をご紹介します。

2.普段のサッシの掃除方法

2-1.重曹を使って日ごろからお掃除を!

重曹は自然界にも存在する天然由来の成分なので、小さなお子様がいるご家庭でも安心して使用することができるだけでなく、自然素材なので川や海にいる生物にも無害で地球環境にやさしいのです。

さらに、衣類の洗濯にも使用することができます。

最近では100円ショップなどでも重曹が販売されており、安価で手に入るので家計にもやさしいです。

重曹を掃除に使用する際には、粉末の状態で使う、ペーストにして使う、熱湯重曹水にして使うという方法があります。

それぞれ掃除をする場所に合わせて上手に使い分けていきましょう。今回はサッシなので、熱湯重曹水を使用して掃除していきます!

2-2.熱湯重曹水の汚れ落としのメカニズム

重曹を80℃以上のお湯で溶かすことで、炭酸水素ナトリウムという成分が、炭酸ナトリウムに変化し、アルカリ成分が強化されることで洗浄力がアップします。

サッシの溝に熱湯重曹水が入り込むことで汚れが落ちていきます。

2-3.熱湯重曹水の作り方

用意するもの

  • 重曹粉
  • 計量カップ
  • 計量スプーン
  • スプレーボトル

①80℃以上のお湯を500ml用意し、重曹粉大さじ1を入れてよくかき混ぜて溶かします

②スプレーボトルに移し、フタをしっかりと閉めます。

耐熱性のスプレーボトルでない場合には冷めてから移しましょう。

☆ここがポイント!☆

お湯で溶かした重曹水は、化学変化を起こしているので冷めても性質が変わらずにスプレーボトルで保存ができます。

用意するもの

  • 熱湯重曹水
  • 軍手2組

①軍手をはめてサッシをこすり、土汚れを取り除きます。

②サッシに熱湯重曹水を吹き付け、きれいな軍手で汚れを拭き取ります。

③きれいな布で乾拭きをします。

☆ここがポイント!☆

軍手をぞうきん代わりに使用することによって細かな汚れまで取り除くことができます。

月に1回程度、消毒用エタノールをサッシにスプレーし、拭き取るとカビ予防に効果的です。

2-4.便利なサッシのお掃除アイテム

スポンジ

軍手の代わりにスポンジを使用することもできます。

スポンジをサッシに押し当てて印を付けます。

印をつけたところにカッターで切れ目を入れると、サッシのすき間にぴったりフィットするスポンジが完成します。

スポンジに水を含ませてサッシに当ててスライドさせるだけで簡単にサッシの掃除ができます。

カード

細かい部分はいらないプラスチックのカード類をぞうきんやキッチンペーパーに包み、カードの角を使うと汚れを落とすのに便利です。

絵筆

硬めの絵筆を使用するとさらに細かいサッシの部分の掃除も完璧です。

3.サッシにカビが生える原因とは?

冬場はコールドドラフトという窓付近の空気が冷やされて下流に移動する現象により、窓際の下にホコリがたまりやすくなります。

また、冷えた空気のせいで結露が起き、サッシや窓際の下、ゴムパッキン、窓ガラスにカビが発生しやすくなります。

他にも、梅雨の時期や洗濯物の室内干しや調理や入浴によって室内の湿度が上がることでもカビが発生しやすくなります。

4.サッシのカビ予防方法

4-1.サッシや窓付近の水滴を拭き取りましょう。

サッシや窓が結露などで水滴がついていたらぞうきんで乾拭きして拭き取る習慣を身に付けましょう。

結露をそのまま放置しないだけでもサッシや窓のカビはグッと減らせます。

4-2.汚れはウエットティッシュで拭き取りましょう。

サッシには砂ボコリや髪の毛、などのゴミがたまっていることがあります。

こまめにウエットティッシュで拭き取るだけでカビの栄養源となる汚れを除去することができます。

その際に除菌効果のあるウエットティッシュを使用すると、カビ予防にも効果的です。

4-3.お部屋の湿度管理をしましょう。

カビが発生しやすいのは湿度60%以上の環境です。

湿度は体感ではわかりにくいこともありますので、お部屋に湿度計を設置して湿度が50%~60%以下になるように心がけましょう。

湿度が高い場合には、窓を開けて換気をしたり、換気扇を回す、扇風機やサーキュレーター、エアコンのドライ機能や除湿機の活用などで湿度を下げることができます。

4-4.サッシ掃除のついでにカーテンレール掃除も

カーテンレールの掃除はしていますか?

高い位置にあるためホコリがたまっていても目に入らないから放置してしまいがちな場所がカーテンテールです。

カーテンレールにホコリがたまると、サッシにもホコリが落ちてきて汚れてしまいます。

カーテンレールの掃除を先にすればホコリが下に落ちても気にせずに済みます。

ハンディモップでレールのホコリを取ったあとにキッチンペーパーや布などを水で濡らして拭きましょう。

濡らしたキッチンペーパーを割り箸などに巻き付ければカーテンレールの内側の掃除もできます。

カーテンの動きがスムーズにいかないときはカーテンレールにホコリなどのゴミが詰まっていることが考えられます。

そんなときはカーテンレールの掃除を試してみてください。

5.サッシや窓の結露お掃除グッズ

結露は放置するとカビの原因となります。

窓が大きいご家庭では普通のぞうきんで結露を拭き取るのはとても大変だったりしますよね。

そこで便利なのが、集水タンク付き結露取りワイパーとすっと吸水クロスです。

集水タンク付き結露取りワイパーは100円ショップのキャンドゥ等で販売されており、持ち手がタンクになっているので、拭き取った結露を集めておくことができます。

便利なグッズなのに100円ショップで購入できるので安価でおすすめです。

次に、レックが販売されているすっと吸水クロスですが、こちらはたっぷり水を吸ってくれるので軽く拭くだけで結露を完全に拭うことができます。

サッシや窓の掃除以外にも、こぼれた飲み物の拭き取りや洗った食器の乾拭きなどさまざまな用途に使用できるだけでなく、好きなサイズに切って使用できたり、洗濯してくり返し使用することもできる万能クロスです。

レック すっと吸水クロス

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5-1.サッシや窓の結露を予防するグッズ

結露は発生するたびに掃除をするのがベストですが、冬場などは頻繁に結露が発生するので毎日大変という方も多いのではないでしょうか?

そんなときに役に立つのが、結露を吸収してカビを防止し、窓枠の腐食を防ぐ結露水吸収テープと、結露の発生そのものを防ぐ窓ガラス用の断熱シートです。

こちらのグッズも100円ショップやホームセンター等で販売されています。

貼ったあとはきれいにはがせる物やキャラクターなどのかわいいデザインのものも販売されています。

このような便利グッズを活用することで面倒な結露の掃除がぐっとラクになります。

ニトムズ 窓ガラス 結露防止シート

出典:amazon

5-2.サッシのカビが解決しない場合には業者への依頼等の検討も!

今回ご紹介した方法でサッシのカビが落とせない場合や何度もカビが再発する場合などは、専門のカビ取り業者への依頼も検討しましょう。

また、アルミサッシの場合には、断熱性の高い樹脂サッシへの交換や内窓を設置するなどのリフォームも検討してみるのも良いでしょう。

カビは私たちの目に見えるようになった状態ではかなり繁殖が進んでいるため、早めの対処が大切です。

まとめ

・サッシにカビが生える原因は結露による湿気とホコリなどの汚れです。

・サッシのカビは軽度であれば重曹で落とすことができます。

・サッシのこまめな掃除とお部屋の湿度管理をしましょう。

・サッシのカビを防ぐには結露の予防と対処が重要です。

カビ取り業者への依頼やリフォームの検討もしてみましょう。

<参考文献>

・松本忠男『カビ・ホコリ・菌を撃退!家の「正しい」掃除ワザ』2019年、宝島社

・沢井竜太『おそうじの超ベストアイディア2020』2020年、晋遊舎

・家庭のそうじを考える会『最新版おそうじ凄ワザ&神アイテム』2019年、コスミック出版

サッシのカビ取りは重曹でできる?!カビ取りのプロが解説します