日当たりの悪い部屋の敷布団にカビが!対策方法は?!

日当たりの悪い部屋で敷布団をめくってみるとカビが生えている、カビの存在に気づいてはいるけれど目立たないからとそのままになっているといった経験はありませんか?

カビが広範囲であればあるほどそれだけ気分も下がってしまいますしどうやってカビ取りをしてよいのか分からなくなってしまうと思います。そこで今回は敷布団にカビが生えたときの対策方法について、「カビ取り方法」と「カビの予防法」を中心にご紹介していきます。

敷布団にカビが生える理由

そもそもなぜ敷布団にカビが生えてしまうのでしょうか。

敷布団に限らずカビは①栄養、②湿度(水分)、③温度、④酸素の4つの条件がそろうと発生します。

カビは身の回りのほとんどのものを栄養源にすることができます。植物由来、動物由来、人工的に作られたものなどに関わらず、条件がそろえばカビはあらゆるものを栄養源にして繁殖していきます。

当然敷布団のような植物由来のものもカビの栄養源となり住処となります。また、カビは湿度の高い場所を好みます。乾燥した場所を好むカビも存在しますが多くのカビは高湿度の場所を好んで繁殖します。

一般住宅の湿度は年間30~80%と言われており、湿度80%以上になると非常にカビが生えやすくなります。一般住宅において湿度が80%を超えるのはお風呂場くらいといっていいでしょう。

そのため普通に生活をしていればおふろ場以外カビが生える湿度には到達しません。しかしながら季節や気温、そのモノが置かれている場所(梅雨やキッチンなどの水回り等)によっては局所的に多湿になることもあります。カビはそういった湿度の高い場所を見つけて繁殖していきます。

特に日当たりの悪い部屋の場合、湿気が溜まりやすく、敷布団の管理方法によってはカビが生えやすくなってしまいます。

さらにカビの生育可能温度は0~40℃、生育最適温度は25~28℃ですので私たちが快適だと感じる気温はカビにとっても快適な温度ということになります。

これらをふまえて敷布団にカビが生える原因には次のようなことが考えられます。

原因1 布団を敷きっぱなしにしている

敷布団を日当たりの悪い部屋に敷いたまま万年床のような状態になっている場合、敷布団には汚れや埃が付着し人の皮脂や汗も多量に含んでいます。床と敷布団の間には湿気も溜まります。

日当たりの悪い部屋は、室内に日が当たりにくく、お布団の湿気が乾燥しにくくなってしまいます。

特に万年床はカビの温床に。外に干したりせず布団を敷いたままいるとカビの栄養分がどんどん増えていきカビにとって栄養分たっぷりの居心地の良い環境ができてしまうのです。

原因2 床に直接布団を敷いている

敷き方もカビの原因となります。

畳やフローリングに直接布団を敷いている場合も敷布団にカビが生えてしまいます。さらに日当たりが悪いと、フローリングや畳も湿気がたまりやすく、カビの原因となります。そこに人の体温によって床と敷布団の間に湿気がたまり敷布団にカビが生えるのです。

そしてそれは敷布団にとどまらず床や畳にカビが生える原因にもなってしまいます。

原因3 寝室の日当たり・通気性が悪い

寝室の環境も敷布団のカビに大きく影響します。日光には殺菌効果がありますが日当たりが悪かったり通気性が悪い部屋に布団を敷いていたりするとカビの胞子や埃が蓄積されていきます。

埃1gあたりに10万~100万個のカビの胞子が付着していると言われています。換気が不十分な部屋では、置いてある敷布団はもちろんのこと部屋全体にカビが生えてしまいます。日当たりの悪い北側の部屋を寝室にしている場合は特に敷布団にカビが生えやすくなります。

原因4 布団カバー・シーツの洗濯頻度が少ない

布団カバーやシーツは汗をたくさん吸収し皮脂や埃も付着しています。布団カバーの洗濯頻度が少ないとカビや雑菌が繁殖しやすくなります。

原因5 床や押入れにカビが生えている

畳や床、押入れにカビが生えているとカビが敷布団にも移ってしまいます。敷布団自体に問題がなくても床や敷布団を収納している押入れにカビが生えている場合もカビの胞子が敷布団に付着し、カビが生えてしまうことがあります。

以上が敷布団にカビが生える原因になります。当てはまる項目が多いほどカビが生えやすい環境であると言えるでしょう。

カビが生えた敷布団で寝ていると、見た目がよくないだけでなくアレルギーのような症状を発症することがあります。特に免疫力の低いお子様や高齢者の方の敷布団にカビが生えている場合は注意が必要です。

敷布団にカビが生えたらどうする?

では、実際に敷布団にカビが生えてしまったらどうしたらよいのでしょうか。ここからは敷布団のカビの「カビ取り方法」についてお伝えしていきます。カビ取りには

  • 消毒用エタノール
  • 酸素系漂白剤

のいずれかを使用します。比較的軽度の白カビの場合には消毒用エタノールを、白カビが広範囲に広がっている場合や色素のある黒カビ等が生えている場合は酸素系漂白剤を使ってカビ取りをします。

カビ取り後は天日干しをするとより効果的なので、できれば天気の良い日に行うといいでしょう。それぞれのカビ取り方法は次の通りです。

消毒用エタノールを使う方法

~用意するもの~

  • マスク
  • ゴム手袋
  • 消毒用エタノール
  • 乾いた布

~手順~

① マスク・ゴム手袋をつけてカビの胞子を吸い込んだりカビに触れたりしないよう身体を保護します。

② カビの生えている部分に消毒用エタノールを噴射します。

③ 布で拭き取ります。

④ 天日干しして十分に乾燥させます。

 こちらは消毒用エタノールを吹きかけて拭き取るだけなのでとっても簡単です。

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出典:amazon

次は酸素系漂白剤を使ったカビとり方法です。

酸素系漂白剤を使う方法

~用意するもの~

  • マスク
  • ゴム手袋
  • 酸素系漂白剤
  • スプレーボトルまたはバケツ
  • 布1~3枚
  • 歯ブラシ

~手順~

① マスク・ゴム手袋を着用しカビに直接触れないよう身体を保護します。

② 酸素系漂白剤を規定量の水またはぬるま湯(40~50℃程度の温度が効果的)で薄め、漂白液を作ります。(バケツに直接作っても良いですしスプレーボトルに入れてもいいです)

③ 漂白液をカビの生えた部分に噴射、または布に漂白液をふくませてカビの部分に液をのせるようにつけていきます。

④ 製品ラベルに記載の時間放置します。(目安は10分程度)

⑤ 時間が経ったら水で濡らした布で優しくふき取りカビを落とします。なかなか落ちない場合は歯ブラシで優しく擦ると落ちます。漂白液が敷布団に残らないよう、布は水で洗いながらしっかり拭き取ります。

⑥ カビが取れたら天日干しをして十分に乾燥させます。(敷布団が濡れすぎていたら清潔な乾いた布である程度水気を取ってから天日干しをします)

 以上が酸素系漂白剤を使ったカビ取り方法です。ご自身で漂白液を作るのが面倒だという場合はそのまま使えるスプレータイプの漂白剤も出ていますのでそういったものを使うといいでしょう。

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注意点

注意点として、使用する漂白剤は塩素系ではなく酸素系の漂白剤を使用します。

塩素系漂白剤は敷布団の色柄を脱色させてしまうため使わないよう注意してください。

商品を購入する際は「酸素系」「塩素系」の記載を必ず確認するようにしましょう。

また、カビが敷布団の綿の奥深くや全体に広がっているような状態であれば自力で全て除去するのは非常に難しいです。そんなときは新しいものに買い替えるか、布団専用クリーニングに出す、カビ取り専門業者に依頼するといった方法で対処することをおすすめします。

ここまでが敷布団のカビ取り方法になります。では、敷布団のカビ対策として日頃できる「カビの予防法」にはどのようなものがあるのでしょうか。

敷布団は重くて大きいですからカビ取りをするとなると少々扱いにくいです。余計な労力を使わないためにも日ごろから対策をしてカビを防ぎましょう。普段できる敷布団のカビ対策には次のようなことがあります。

敷布団のカビを防ぐには?!

対策1 こまめに天日干しをする

室内の日当たりが悪い場合には、ベランダ等で干してカビの原因となる湿気を乾燥させましょう。

日光には殺菌効果があるので休日のお天気のいい日には天日干しをしてカビを防ぎましょう。天日干しをするとカビだけでなく敷布団の中のダニやその他の微生物も死滅させることができます。

毎日干すことが難しい場合や干すベランダが無い場合には、室内用の布団干しなどを使って、使用後干して乾燥するようにしましょう。

対策2 消毒用エタノールや除菌・消臭スプレーを使う

消毒用エタノールはカビの除去だけでなく予防効果もあります

。消毒用エタノールや除菌スプレーはできれば毎日使うことをおすすめします。また敷布団を片付ける際は、消毒用エタノールや除菌スプレーをかけた後乾いたことを確認してから片付けるようにしましょう。

対策3 吸湿シートやすのこを使う

 床に直接敷布団を敷くのではなく、吸湿シートやすのこを使い敷布団と床の間に湿気が溜まらないようにしましょう。敷布団のカビだけでなく床にカビが生えるのも防ぐことができます。ただしこれらのアイテムを使っていても天気のいい日にはぜひ外で干すようにしてくださいね。

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対策4 布団カバー・シーツもこまめに洗濯する

 布団カバーやシーツは多量の汗を含んでいますので定期的に洗濯してカビの栄養源となる汚れを除去します。洗濯の頻度は週一回を目安に天気予報と相談しながら洗濯日を決めるといいでしょう。

対策5 布団乾燥機を使う

 梅雨の時期など天気が悪い日が続くようなときには布団乾燥機を使ってカビ対策をします。布団乾燥機を使って敷布団の中に溜まった湿気を乾燥させることで、カビが生えない状態にすることができます。天気や住宅事情に左右されずカビを予防できるといったメリットもあるのでおすすめです。使用頻度はこちらも週一回を目安に使うとカビやダニの繁殖を抑えることができます。

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対策6 床や押入れの掃除も忘れずに!

 床や普段敷布団を収納している押入れの掃除もこまめに行います。床掃除はやっている方も多いと思いますが押入れはあまり触れないという方もいるかと思います。換気をするだけでも十分ですし、プラスで消毒用エタノールを吹きかけると効果的です。

まとめ

今回は、日当たりの悪い部屋で使用している敷布団のカビ対策についてお伝えしてきましたが、まとめると

①敷布団にはカビの栄養源となる汗や皮脂汚れが付着しており、また体温によって湿気が溜まるためカビが繁殖しやすい。

②敷布団のカビ取りには消毒用エタノールまたは酸素系漂白剤を使用する。

③自力でのカビ取りが難しい場合は新しいものに買い替える・プロの業者に依頼する。

④敷布団のカビ予防には定期的な除菌、洗濯、乾燥が大事。合わせて吸湿シートやすのこ、布団乾燥機なども使いカビを防ぐ。

 となります。ぜひカビ対策を習慣づけて気持ちの良い睡眠環境を作ってくださいね。

【参考】

文部科学省 『カビ対策マニュアル』