弓道の袴のカビ取り方法

弓道や剣道などで使われる袴は使用しているうちに汗などでカビや臭いが出てしまうことがあります。

袴をタンスや押入れなどにしまって時間が経ってから出したらカビていたという経験のある方もいるのではないでしょうか?

袴は安いものではないですので、すぐに買い替えるというわけにもいかないし、1枚しか持っていなくて代えがないからすぐにカビを落としたい!という方のために袴のカビの落とし方をご紹介します。

弓道は道具の手入れがきちんとできていなかったり袴がシワシワでは減点されてしまいますよね。

道具に感謝し、身なりを大切にする武道なので、きれいな袴で気持ちを引き締めて弓道ができるようにしましょう。

袴にカビが生えてしまう原因とは?

袴にカビが生えてしまう原因は汗や皮脂、ホコリなどの雑菌によるものが多いです。

汗をかいたままにしておくと湿気と汗による雑菌をカビが栄養分として繁殖していきます。

また、汚れが付着している状態に気づかずにしまって汚れの上にだけカビが生えるということもあります。

さらに洗濯したあとに十分に乾かさずにしまうのもカビが生えてしまう原因となります。

袴にカビが生えたままにしておくと変色や破損し、処分するしかなくなってしまうので気を付けたいですね。

袴に生えたカビはどっち?

・白カビ、緑カビ

白や緑のホコリや綿毛のようなカビです。

黒カビと比較して落としやすいです。

・黒カビ

黒い点々のようなカビです。

黒カビは白カビと違ってとても目立ちますし、色素を抜こうとしても漂白剤などでは白くなりません。

そのため、クリーニング店でも黒カビは断られてしまうこともあります。

黒カビが生えてしまわないようにきちんと手入れをすることが大切です。

袴が藍染めの場合には白カビが生えることが多く、白い袴には黒カビが生えてしまうことがあります。

白い袴に黒カビが生えてしまうと目立ちますし、ご家庭で漂白剤を使用しても黒カビは落とすことができません。

我慢して練習着として使うか処分するかしかなくなってしまうのは残念ですよね。

このようなことにならないためにもカビが生えないように予防していくことが大切です。

袴を洗濯する前にすること

袴を洗濯する際には、まず最初に取り扱い絵表示のタグを確認してください。

袴には使用されている素材の種類も豊富なので、洗濯する際にはその袴の特徴を知り、その袴に合った洗濯方法をとる必要があります。

取り扱い絵表示には

  • 洗い方
  • 塩素漂白の可否
  • しぼり方
  • アイロンのかけ方
  • 干し方

などが表示されています。この表示どおりにおこなえば洗剤が合わずに脱色してしまう、アイロンがけで繊維が溶けてしまったというような失敗を防ぐことができます。

袴にカビが生えてしまったときの対処法①

比較的軽度な汚れやカビの対処法になります。

使用するもの

  • 消毒用エタノール
  • タオルや布

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1、タオルや布に消毒用エタノールを含ませ、カビが生えている部分をたたくようにして拭き取ります。

2、その後、日陰干しして乾燥させて完了です。

袴にカビが生えてしまったときの対処法②

①では落とせなかった汚れやカビの対処法になります。

使用するもの

  • 液体の酸素系漂白剤(ワイドハイターなど)
  • 食器用中性洗剤(除菌効果のないもの)
  • 重曹
  • 歯ブラシ
  • ボウル
  • いらないタオル
  • バケツや桶など

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手順

  1. ボウルに液体の酸素系漂白剤を小さじ3入れ、重曹小さじ1を加えます。
  2. そこに食器用中性洗剤を3滴加えます。
  3. 歯ブラシを使用して5周程度軽く混ぜます。
  4. カビが生えている箇所の下にタオルを敷き、歯ブラシに3の液をつけて軽く押し付けるようにたたき込みます。
  5. タオルをずらしながらカビがタオルに色移りしなくなるまでくり返します。
  6. バケツや桶に水をはり、カビを取った部分を浸してやさしく揺らすようにしてよくすすぎます。
  7. すすいだあとは速やかに普段通りの洗濯をして乾かします。

※注意点※

酸素系漂白剤は粉末のものを使用すると成分が異なり、生地を傷めることがあるので必ず液体のものを使用してください。

食器用中性洗剤は除菌効果があるものは色落ちのおそれがありますので使用しないでください。

混ぜすぎると化学反応により効果がなくなるので注意してください。

色物の袴は目立たない場所に液をつけ、タオルで拭き、色移りしないかを確認してからおこなってください。

色移りした場合にはクリーニングなどの専門店へ依頼してください。

最後に普段通りの洗濯をしないと輪ジミなどができることがありますので必ず最後に丸洗いしてください。

こまめに洗濯しましょう。

袴の素材によりますが、ポリエステル製の袴であれば自宅で洗濯できます。

綿100%の袴も洗濯はできるのですが、洗濯したあとにシワをのばすのが難しいです。

また、綿100%の生地は洗濯すると縮んだり色落ちしてしまうこともありますので注意が必要です。

綿100%の袴は洗剤は使用せずにぬるま湯で手洗いかクリーニングに出すのがおすすめです。

臭いや汚れが気になる場合には天然素材の洗濯石鹸を使用しましょう。

漂白成分が入っている洗剤は使用しないでください。

ポリエステルとレーヨンからできた化学繊維のテトロンは軽く速乾性があり、洗っても縮みや色落ち、ヒダがとれにくいのでこまめに洗濯するようにしましょう。

ジャージ袴もテトロンと同様に洗濯しても問題ないのでお手入れが簡単です。

袴にカビが生えてしまう原因は汗などの汚れです。着用したら毎回洗濯することをおすすめします。

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袴を洗濯するときのポイント

洗濯するときには畳んだ状態で平べったいネットに入れて手洗いやソフトなどの弱いモードで洗濯すると腰板が折れてしまう心配がなくなります。

袴を洗濯するときには色落ちして他のものに色移りする心配もありますので、なるべく袴単体で洗濯するようにしましょう。

洗濯後には濡れたまま放置すると折れ目がついてしまったり、カビが発生する原因にもなりますのですぐに干すようにしましょう。

干すときにはピンチハンガーで腰の部分を複数箇所とめて干すと速く乾き、ひだが崩れるのも防ぐことができます。

また、袴を干すのに便利な袴用のハンガーというものも販売されています。

袴を外に干す際には色あせを防ぐため、直射日光を避け、日陰干しするようにしましょう。

※注意点※

梅雨の時期など、袴がなかなか乾かないときは速く乾かすためにドライヤーや乾燥機を使用したくなりますが、熱を加えると袴が縮んでしまいますので、扇風機やサーキュレーターなどの熱を加えない送風を使用するようにしましょう。

袴の取り扱いがあるクリーニングに出す。

クリーニング店によっては袴の扱いに慣れていないこともあります。

クリーニングに出す前に確認するのが良いでしょう。

また、ほころびの修理やリフォームなど有料であってもしてくれるお店は便利です。

袴の洗濯をしやすくするためにしておきたいこと

袴がまだ新しいうちに、袴のひだの裏をミシンで縫っておくと洗濯するときにラクです。

また、あらかじめそのようになっている袴の販売をしているところもあるので購入を検討してみてはいかがでしょうか?

袴のカビを防ぐための対策

袴を着用したらすぐに洗うことが大切です。

梅雨の時期など、こまめに洗うことができない場合には除菌スプレーを活用すると良いでしょう。

袴を保管するのは直射日光を避けて風通しの良いところにしましょう。

袴の保管場所や方法にも注意

タンスやクローゼットで袴を保管している場合には、定期的にタンスやクローゼット自体の掃除もおこなうようにしましょう。

タンスやクローゼットは意外と湿度が高いので、ときどき開放して空気の入れ替えもするのが良いです。

また、タンスやクローゼットに衣類を詰め込みすぎていませんか?

衣類の詰め込みすぎは湿気が滞留し、カビが生えやすくなるだけでなく衣類から衣類へ増殖してしまう原因となりますので隙間を作り風通しを良くしましょう。

タンスやクローゼットの中に除湿剤を入れておくのもおすすめです。

袴をしばらく使用しないときなどは長期間タンスやクローゼットにしまったままにしておくと湿気でカビが生えることがあります。

長期間しまう場合には桐箱に入れておく方法があります。

桐は着物や人形の保管などにも使用されており、調湿機能があり防虫・抗菌効果もあります。

袴がカビてしまう心配がないので長期間使用しないときには桐箱で保管するのも良いでしょう。

また、衣類などを保管してくれるお店もあります。

このサービスを利用すると袴がカビてしまう心配がありません。

自宅での保管が不安という方は利用してみるのも良いかもしれませんね。

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パストリーゼを持っておくと便利

パストリーゼをはじめ、消毒用エタノールを常備しておくことをおすすめします。

袴をすぐに洗濯できないときにはパストリーゼをスプレーしておくことでカビ予防にもなります。

※注意点※

消毒用エタノールは火気の近くで使用しないでください。

色落ちや変色がないか目立たない箇所で試してから全体にスプレーするようにしてください。

まとめ

・袴にカビが生える原因は汗や皮脂などの汚れと湿気が原因です。

・袴を洗濯する際には必ず洗濯絵表示で洗い方や干し方などを事前に確認しましょう。

・袴のカビは消毒用エタノールまたは液体の酸素系漂白剤に中性洗剤と重曹を混ぜたもので落とせます。

・色落ちする場合など自分で袴のカビを落とせないときはクリーニングなど専門店へ依頼しましょう。

・クリーニングは袴の取り扱いに慣れているお店が良いです。

・袴のカビを予防するにはこまめな洗濯と除菌スプレーを活用しましょう。

<参考文献>

・主婦の友社『プロのコツ集めた新・洗濯しみ抜き事典』1985年、主婦の友社

・横倉靖幸『「シミ抜きの神様」が教える驚きのマジック!』2017年、扶桑社