服に生えた“白カビ”を取る方法と防ぐ方法

 押し入れやクローゼットに入れていた衣類に白いカビが生えていた経験はありませんか?

黒や紺色の洋服は白カビが生えていると気がつきやすいですが白い服やふわふわした素材の洋服では気づかないこともあるかもしれません。そこで今回は服に生えた白カビを取る方法とその予防方法をご紹介します

白カビの特徴

 

そもそも白カビとはどのようなカビなのでしょうか。白カビは私たちの身近に存在するカビの一つで、白色でふわふわしていたり粉っぽくホコリのように見えるカビです。

白カビに限らずカビは①湿度②温度③栄養分④酸素の4つの条件が揃うと発生します。

カビは湿度が高いと生えやすいイメージがありますが湿度が比較的低い環境を好むカビもいます。多くのカビは湿度70%以上温度は0~45℃(特に20~40℃)、それに加えてカビのエサとなる栄養分と適量の酸素があるとカビが発生します。それぞれのカビにとって快適な4条件が揃うと条件に合わせたカビが発生する、ということです。

白カビは乾燥した場所でも増える

では白カビの場合はどうでしょうか。水回りやお風呂場などに生える黒カビと違い、白カビは食品や畳、木材や衣類など自然素材を栄養分とする特徴があります。そして服に生える白カビは、カビの中でも乾燥を好むタイプのカビが生えます。好乾菌ともよばれ、湿度が65%程度でも発生します。

押し入れやクローゼットは湿気がたまりやすい

押し入れやクローゼットは季節によって湿度が60%~80%と大きく変わり、さらに梅雨の時期や住宅環境によっては90%以上になることもあります。

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風通しが悪く、ひんやりしたクローゼット内は白カビにとって快適な住処なのです。たくさんの服を隙間なくハンガーにかけて保管しているような場合や、プラスチックボックスのような密閉された箱に衣類を長期間入れていることも服に白カビが生える原因になります。

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クローゼットの中は白カビの栄養分が豊富

白カビは服の素材に関わらず発生します。ナイロンやポリエステルなどの合成繊維は比較的カビは生えにくいですが、革・ウール・カシミヤ・絹・麻・コットンなどあらゆる素材に白カビは生えます。

白カビはそれらの素材そのものを栄養分とするだけでなく、服に残っている皮脂汚れや洗濯ノリなどもエサにして繁殖します。また、白カビは建材も栄養分にしてしまうので保管に使用しているクローゼットや押し入れ自体にも白カビは発生します。

そのためクローゼットに生えた白カビが服に移ったり、逆に服に生えた白カビの胞子がクローゼットに付着したり・・・とクローゼットの中ではカビの胞子が飛び交っている状態といえるでしょう。

掃除の頻度が少ない

 水回りや目に見える場所のカビには気がつきやすく、見つけたら掃除をするかと思いますが押し入れの中は物が多く掃除をするのも一苦労ですし、大掃除でもない限り奥まで確認する機会はそうそうないのではないでしょうか。掃除の頻度が少ないとホコリがたまってしまい、そのホコリが服に付着し白カビのエサになります。

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洗濯機にカビが生えている

 いくら服もクローゼットの中もきれいに保つ工夫をしていても、洗濯機にカビが生えてしまっていると意味がありません。洗濯機にカビが生えていると目に見えないカビの胞子が服に移ってしまいます。

その上、部屋干しや乾燥が不十分であったりすると服に白カビが生える原因となってしまいます。そこに押し入れやクローゼットといった高温多湿の環境が白カビを増殖させてしまうのです。

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服に生えた白カビを除去する方法

では、服に白カビが生えてしまった場合はどうしたらよいのでしょうか。ここからは服の白カビを取る方法をお伝えします。服には白カビ以外にも黒カビも生えることがあります。黒カビは生えてしまうと服の素材によっては落とすことが難しいのですが、白カビは素材の表面に生える比較的軽度のカビですのでご自宅でも落とすことができます。

服の白カビを落とすのに必要なものは以下の通りです。

①消毒用エタノールを用いる方法

カビ取りに必要なもの

  • 衣類用ブラシ
  • 消毒用エタノール

白カビは消毒用エタノールを使用することで除去できます。

  1. 衣類用にブラシで軽くブラッシングする
  2. 消毒用エタノールを噴射する
  3. 直射日光に当てて乾かす

 カビは日光で殺菌できますのでカビ取りはお天気のいい日におこないましょう。また、消毒用エタノールは白カビの生えている部分はもちろんですが、衣類全体にかけることで目に見えない箇所の殺菌効果もあります。

消毒用エタノールでは落とせないといったことや、白カビが広範囲に広がっている場合には衣類用の漂白剤を使用する方法もあります。漂白剤を使って服の白カビを除去する際に必要なものは以下の通りです。

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②酸素系漂白剤を用いる方法

カビ取りに必要なもの

  • 服が入る大きさのたらいやバケツ
  • 酸素系漂白剤(塩素系はNG!)
  • ゴム手袋
  1. 漂白剤がつかないようにゴム手袋をつける
  2. たらいまたはバケツに40~50℃のお湯と規定量の酸素系漂白剤を入れて混ぜ合わせる
  3. そこに白カビのついた服を入れ30分ほど浸け置く
  4. カビが除去できたら水でもみ洗いして漂白剤を落とす
  5. 直射日光に当ててしっかり乾かす

 漂白液への浸け置き時間は30分~2時間の間でカビの状態を見ながらおこなってください。

※長くつけすぎると生地を傷めてしまう可能性があるので注意が必要です。

また、使用する漂白剤は塩素系漂白剤ではなく酸素系漂白剤を使用します。

塩素系の漂白剤は強すぎるため、色落ちや服に傷みが生じる場合があります。白カビは比較的軽度なカビですので、たいていの場合エタノールや酸素系漂白剤で落とすことができますが、より確実に白カビを取り除きたいという方は水でもみ洗いした後に洗濯機で通常の洗濯をしても大丈夫です。

その場合は他の服とは一緒に洗わずカビがついていた服だけを洗濯ネットに入れて洗うようにしましょう。また、洗濯後はしっかりと乾燥しできれば天日干しをしましょう。

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 カビ取り時の注意点

以上が服の白カビを取る方法になりますが、いくつか注意点があります。注意点としては

服の生地によっては漂白剤を使用しない方がいいものがあるということです。革製品や絹、カシミヤなどいわゆる高級といわれる素材は非常にデリケートですので酸素系漂白液でジャブジャブ洗うのは控えた方がよいでしょう。

また、そういった素材の服に消毒用エタノールを用いる場合は直接服にエタノールを噴射するのではなく、乾いた布にエタノールを含ませ、服の目立たないところで軽くポンポンとたたく形で試してから、白カビの付着した部分でも同様の方法でおこないます。もし心配な方はクリーニングに出すという方法もありますので不安なときはプロに任せましょう。

 クローゼットや洗濯機も清潔に

また他に注意することとして、服についた白カビの原因がクローゼットや洗濯機から付着したものの場合です。クローゼットや洗濯機にカビが生えているといくら服の白カビを取り除いても、時間が経つと再び白カビが生えてしまうということになりかねません。

服に白カビが生えているのを見つけたら、クローゼットや押し入れにもカビが生えていないか確認します。もしカビが生えていたらクローゼットの中全体のカビ取りが必要になります。

クローゼットや押し入れのカビ取りをする場合は、一度乾拭きしてから消毒用エタノールをかけ、十分に乾かします。

洗濯機のカビが原因の場合も同じように、まずは洗濯機のカビ取りをおこないます。洗濯槽のカビには塩素系漂白剤が有効です。最近洗濯機の掃除をしていないな・・・と感じたり、洗濯後の服がなんだかカビ臭い・・・といったことがあると服にカビが付着している可能性がありますのでその際は服だけでなく洗濯機の見直しもしてみましょう。

服の白カビを防ぐ方法

ここまで服に生えた白カビの除去方法をお伝えしてきました。カビが生えたら取り除くことはもちろん大切ですが、そもそもカビを生やさないということも重要になります。ここからは服の白カビを防ぐ方法をお伝えします。服の白カビを防ぐには大前提として、白カビが好む環境を作らないということです。ポイントは、

①風通しを良くする

 こまめにクローゼット全体の空気の入れ替えをしましょう。また、風通しを良くするために、服は詰めて入れすぎないようにします。ハンガーにかける場合も、プラスチックボックスに入れる場合も隙間をあけて保管しましょう。

市販の除湿剤を使用するのもおすすめです。特に衣替えなどで長期間手を付けない服に対しては除湿剤を一緒に入れて白カビを予防しましょう。

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②一度着た服は洗濯する

 そんなの当たり前、と思われるかもしれませんが短時間だし、汗もかいていないからといって一度着た服をクローゼットに戻してしまうのはよくありません。目に見えなくても皮脂や汗が付着していますので白カビのかっこうのエサになってしまいます。一度着た服は洗うようにしましょう。

服の生地によって毎回洗えない場合は除菌スプレーなどをかけて、十分乾かしてから片付けるようにします。

③洗濯機の掃除をする

洗濯機からカビをもらってしまうことがないよう定期的に洗濯槽内のカビ取りもおこないましょう。
自力でのカビ取りが難しい場合は業者に依頼するのもおススメです。

④クローゼットや押し入れの掃除をする

 換気だけでなく、クローゼット内にホコリや汚れがないかもチェックして白カビのエサがない状態にします。収納場所を根こそぎ掃除する・・・ということはなかなか難しいかもしれませんので表面にかぶったホコリや見てわかる汚れだけでも見つけたら掃除するようにしましょう。

まとめ

今回は服に生えた白カビを取る方法と防ぐ方法についてご紹介してきましたがまとめますと、

  • 服に白カビが生える原因には、服の素材や状態・収納場所のカビ・洗濯機のカビの3つがある。
  • 服の白カビ除去には消毒用エタノールまたは酸素系漂白剤を使用する。
  • 服の白カビ対策の基本は換気。日頃から服・収納場所・洗濯機の手入れをこまめにおこなう。

 白カビが広範囲に生えてしまった、一枚だけでなく複数の服に白カビが生えている、押し入れのカビがひどく自分ではどうしようもない・・・といったことがある場合はプロに任せる方法もあります。収納場所も服もきれいに保つ工夫をしていつでも気持ちよく服を着たいですね。

出典

文部科学省 カビ対策マニュアル 基礎編