コートにカビが発生!応急処置として除去する方法をカビ取りのプロが伝授!

模様替えシーズン、5年前に奮発して買った、お気に入りのコートを取り出してみるとどうやらカビが生えていました。気に入りなので、何とかしてカビを取ってまた着られるようにしたいのですが、何か良い方法はないでしょうか。

お気に入りのコートにカビが生えてしまうと、すごく落ち込みますよね。しかし、お気に入りのコートをすぐに捨ててしまうのは勿体ない...

そこで、この記事ではコートにカビが生えてしまったときの取り方についてまとめております。

コートに生えたカビを取る方法

結論から言いますと、コートにカビが生えてしまった場合、最もコートの素材を傷めず、元通りにキレイにできる方法が専門のクリーニングです。

色々とインターネットで調べると、市販のカビ取り剤の溶液にコートを浸して、自宅の洗濯機で洗うといった方法もありますが、コートの素材によっては洗濯機で洗うと素材が痛んだり、生地が伸びてしまったりして着れなくなることがあります。

そのため、基本的には”クリーニング”の専門店へ持っていくことをおススメいたします。

ドライクリーニングでも良いの?

ドライクリーニングでは、カビがしっかりと除去しきれていない場合があるので、カビ専用のクリーニングで依頼しましょう。

◆関連記事◆カビの付いた衣類はクリーニングで落とせる?!

しかし

  • 「どうしても、明日、このコートを着ていかなくてはならない」
  • 「クリーニングに出すと高額そうなので、今は取り急ぎ、応急処置をしたい!」
  • 「とりあえず着ることが出来れば良い!」

という場合もありますよね。

「明日、結婚披露宴に呼ばれているから、何とかそれまでに間に合わせたい!」ということもあるかと思います。

そこで、この記事では「コートにカビが生えた場合の応急処置方法」をご紹介していきたいと思います。

  • コートにカビが生えている場合、基本的にはクリーニング専門店へ持っていく
  • ドライクリーニングはカビが充分に落とし切れない可能性があるため注意

ごくごく一部のカビの場合は「水ぶき」と「陰干し」で応急処置も…

本当に「すぐさまコートを使用しなければならない!」という場合には、水で濡らし固く絞ったタオルをコートにポンポンと当てて、風通しの良い場所に陰干しをしてしっかりと乾燥させます。

ただし、ただ水分を染み込ませたタオルで拭きとっているだけなのでカビの殺菌はできていません。そのまま使用してクローゼットに保管すると、さらに再発する恐れもあります。カビ臭さも消えません

その為、カビを除菌してカビ臭さも何とかする応急処置方法を以下にまとめてみました。

コートのカビを除菌する方法

消毒用アルコールを使う方法

①準備するもの

  • 消毒用アルコール(70~80%濃度のもの)
  • 衣類用の粘着シート
  • 乾いた布
  • マスク
  • ゴム手袋

まず、コートのカビを除去するために市販の消毒用アルコール(エタノール消毒剤)を用意しましょう。100%濃度の無水エタノールですと、薄める手間がかかりますので、スプレータイプの70~80%濃度のものを活用すると便利です。

また、乾いた布は端切れでもタオルでも構いません。消毒用アルコールをふき取る際に使用します。ティッシュなどは線維がコートに残りますので使用しない方が良いでしょう。

※注意点

革製コートの場合は消毒用アルコールで変色する恐れがあります。この場合衣類用のカビ取り剤を使用するか、専門のクリーニング店にご相談ください。

カビ取りをする際には、カビの胞子を吸い込む恐れがあります。マスクやゴム手袋を着用し、換気をしながら行いましょう。

それでは、材料が揃ったら、早速コートのカビ取りをしていきたいと思います。

②コートのホコリを取り除く

まずは、コートに付着した汚れを取り除きます。粘着テープをコロコロとコートの上を転がし、細かい毛やホコリなどの汚れを取ります。コートは静電気で空気中のホコリが付着しやすくなっています。ホコリがたくさん付いていると、カビ取り剤をの浸透が悪くなりカビの殺菌を邪魔してしまうので、まずはホコリを落としましょう。

③消毒用アルコールを吹きかける

消毒用アルコールを、コートのカビ部分に、吹きかけます。この時、コートのカビ付近にまんべんなく吹きかけるようにしましょう。「何だかカビ臭い」という時の消臭にも消毒用アルコールは効果的です。

④時間を置いて拭きとる

コートに消毒用アルコールを吹きかけたら、すぐにふき取らずに15分ほど置きましょう。消毒剤を浸透させてコートの繊維の奥に発生しているカビを殺菌する為です。

時間を置いたら、乾いた布で軽く”ポンポン”と叩くように消毒用アルコールの水気をふき取ってください。

⑤風通しの良い場所で乾燥させる

消毒用アルコールを拭きとったら、コートを風通しの良い場所で乾燥させましょう。

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逆性石けんを使う方法

消毒用アルコール以外にも、逆性石けんを用いてカビを除菌する方法もあります。

逆性石けんとは、殺菌効果のある消毒剤のことで塩化ベンザルコニウムと言います。

方法は、逆性石けんを水で薄めて水溶液を作ります。その後、布巾に液剤を浸して、固く絞り、コートのカビ部分に塗布し、その後拭きとって乾燥させます。

逆性石けんは1本あると、家中のお掃除や、洗濯物の消臭などに便利です。

  • 液剤を使う場合には「消毒用アルコール」や「逆性石けん」を使う
  • ただしコートの材質によっては、変色する場合もあるので目立たない部分で試すか衣類専用の除カビ剤を使う
  • 心配であれば、クリーニング専門店へ持っていく

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コートに黒カビが生えた場合は?!

上記で紹介した「消毒用アルコールを使ったカビ取り方法」は、色素の残りにくい白カビや青カビの場合に有効な方法です。

しかし、この方法行ってもコートに”黒い色素”が残る場合には、黒カビの可能性があります。消毒用アルコールにはカビを殺菌しても色素を漂白する効果がありませんので、この場合は ごくごく一部の黒カビである場合は応急処置として

衣類用の酸素系漂白剤を使用してカビを除去する

という方法があります。ただし、漂白剤の量を間違えて付けすぎるとコートの素材自体を傷める恐れもあります。

タオルなどの布に酸素系漂白剤を染み込ませて、カビの色素を除去します(ただし、カシミア、アンゴラなど素材によっては使用しないほうが無難です。その場合は、クリーニング屋さんに持っていくことをおススメします)

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ガス滅菌という手も!

コートにカビが生えてしまった場合、クリーニングに出したり、消毒用アルコールを用いて自力で対策するという方法もありますが、ガス滅菌でカビを殺菌するという方法もあります!

ガス滅菌とは?!特殊なガスを用いて、衣類を専用の箱に入れて安全にカビ滅菌を行うという方法です。衣類が痛む心配もなく、カビの再発を防ぐ効果も期待できます。

高価なコートに何度もカビが生えて、もうカビの再発が面倒!という場合には是非検討してみてください。

1箱~の依頼が可能なので、コートだけでなく着物や高価な衣類、高級バッグやブランド財布などのカビ取りをまとめて行えます!

  • 黒カビが生えている場合には除去がかなり難しい
  • 衣類用の酸素系漂白剤を使う方法もあるがウールやシルクは使用できないので注意
  • 何着もの衣類にカビが生えている場合には衣類用のガス滅菌にまとめて出すという方法も

コートのカビ再発を防ぐには?!

コートのカビ取り応急処置方法をお伝えしましたが、保管状態が悪いとカビが再発する恐れもあります。そのためにも、コートにカビが生える原因をクリアにしていきましょう。

コートの汚れがカビの原因に

コートに、食べ物や皮脂、汗などが付着したままになっているとカビの栄養源となり、カビが発生してしまいます。

特にコートの裾や襟元など要注意です。衣替えでクローゼットの奥に収納する前に

  • クリーニングでしっかりと汚れを除去する
  • こまめに汚れを除去する
  • 日光消毒をして保管する

をして、カビを防ぎましょう。

定期的にクローゼットから出そう

また、クローゼットの中に一年中収納しっぱなしにしていると、クローゼット内の湿気からカビてしまうこともあります。

定期的に、クローゼットからコートや衣類を出し、クローゼット内の掃除を行い、コートも外に干して乾燥させましょう。その際は日光に当てることをおススメします。

クローゼット内にはモノを詰め込み過ぎないように意識し、7割程度に抑えましょう。また、除湿剤や除湿機を置くなどして収納庫内の湿度対策も行いましょう。

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クリーニング後のビニールから出して保管しよう

コートをクリーニングに出した後、ビニール梱包のままでクローゼットに保管していませんか?!
ビニールに入れたままにしていると、湿気が中にこもり、カビが発生する原因となります。

購入し、紙袋やショップバックに入れたままクローゼットに収納するのもキケンです。包装から出し保管するようにしましょう。

◆関連記事◆クローゼットのカビを取る方法

全国クリーニング生活衛生同業組合連合会のサイトによりますと、やはりクリーニングに出す前にも”お手入れ”が非常に大事とのこと。また、クリーニングに出す際にも「カビの生えた場所」「シミのある場所」などを明確に伝えることで、長持ちさせましょう。

素材によって取り扱いが違いますので、参考にしてみましょう!

  • 衣類のカビは生えるとコストもかかり除去も難しいため防ぐことが重要
  • 定期的にクローゼットから出し風通しの良い場所で乾燥させる
  • 汚れはこまめに取り除きクリーニングに出して収納する
  • クリーニング後のビニールは取り外して収納する
  • クローゼット内の除湿もこまめに行い収容率は7割程度にする

まとめ

コートは1年のうち冬に大活躍しますが、それ以外の季節では、そのままクローゼットに眠っていることが多い衣類の1つです。

できれば、使用する衣替えシーズンにまとめてクリーニング等に出すことをおススメしますが、量がたくさんあるとクリーニング代もかさんで、全てを出すわけにはいかないかもしれません。

ですが、もしも応急処置としてカビの発生してしまったコートをすぐに活用したい場合には

  • 水拭きをして陰干しする
  • 消毒用アルコールや逆性石けんを使う

を取り急ぎ行い、その後でカビ用のクリーニングに出しましょう。

また、コートだけでなく着物やカバン、靴、財布などが一気にカビてしまった場合には処分する前に、ガス滅菌法でカビ取りをするという解決策もありますので、検討してみてください。

クローゼット自体のカビが気になる場合、お風呂や壁、トイレなどのカビにお困りの際にはカビ取りの専門家へご相談ください。

コートにカビが発生!応急処置として除去する方法をカビ取りのプロが伝授!