着物のカビを自力で簡単に落とす方法はあるの?!

急な予定が入り、タンスの奥から着物を引っ張り出したらなんとカビが!?

このようなトラブルに焦ってはいませんか?本記事ではそんな困ったトラブルを素早く解決すべく、着物のカビを自力で、素早く、簡単に落とす応急処置の仕方をくわしくご紹介します!

着物のカビは自力で落とせる?

急に着物が必要になったのに、着物にカビが生えていたら焦ってしまいますよね。しかし、物はその生地や染色がとても繊細なものであるため、ふつうの洋服におこなうような処置ができません。そのため、独断で誤った処置をおこなってしまうと

  • 色落ち
  • シミ
  • 変色
  • 生地の変性

といったあらゆる損傷の原因になります。その為、着物のカビ取りは慎重に行う必要があります。

着物に生えやすいカビの種類は〇〇

では、着物に生えるカビの種類はどのような種類なのでしょうか。

カビ取りの専門家であるハーツクリーン代表の穂苅さんに聞いてみました。着物などに生えやすいカビは”白カビ”です。

「白カビは比較的乾燥している場所でも発生しやすいカビで衣類などに生えます」

とのこと。白カビではないカビが生えることもありますが、白い粉のようなものが着物に発生している場合には”白カビの対策方法”を行えば着物のカビを除去することが出来ます。

↑写真は着物ではないですが、衣類に発生した白カビです。まるで牛乳を一部にこぼしたかのような白いシミになっています。

つまり、着物に付いたカビも↑このような白いシミの場合、白カビ対策を行えばよいという事なのです!

着物のカビ落としで注意すべきこと

特に注意していただきたいのは、

  • 消臭スプレーを吹きかける→×
  • アイロンで熱をかける→×
  • 水で濡らす/洗濯する→×
  • 直射日光に当てる→×

このような処置です。ふつうの洋服であればなんら問題無い処置ですが、特殊な着物では禁物です。カビが生えている着物を水で濡らしてしまうと、水分が対好物であるカビの増殖を余計にうながしてしまうことも。焦っているとついついスプレーを吹きかけたり、直射日光の下で干してしまいそうですよね。

しかし、着物は直射日光に当ててしまうと色があせてしまうことも。カビの状態と範囲によって慎重に判断していきましょう。もしも着物に生えたのが”白カビ”で、範囲も最小限(自分で除去できる範囲)だった場合のカビ取り方法をご紹介していきたいと思います。

着物のカビ取り方法

あくまでも「応急処置」としてですが、着物のカビを自力で落とす方法をくわしくご紹介していきます。

①準備するもの

まずは着物のカビを落とすのに必要なものをそろえましょう。

  • 使い捨てのマスク
  • 使い捨てのゴム手袋(ビニール手袋でも可)
  • 余った布切れ(洋服用のブラシでも可)
  • 着物用のハンガー

これらを用意しておきましょう。

余った布や廃棄しても良い布切れを用意しましょう。布切れの用意が難しければ、洋服用のブラシでも構いません。また、着物の型崩れを防ぐため、袖部分まで綺麗に保つことができる専用ハンガーもおすすめします。

出典: Amazon

②着物のカビを落とす手順

それでは、着物に生えてしまったカビを素早く落としていきましょう。その際しっかりと換気を行いマスクやゴーグル等で身体を程してください。屋外で行うのも良いでしょう。

  1. マスクと手袋を着用する
  2. 着物をハンガーにかけて整える
  3. 乾いた布切れ(もしくはブラシ)で軽く払うようにカビを落とす
  4. 風通しの良い日陰で、日中の間に数時間干す

このようにカビの応急処置は、自力で、簡単に済ませることができます。急ぎの予定があれば、まずはこの方法で対処してみてください。

ガス滅菌による着物のカビ取り

着物のカビは、非常に厄介で応急処置で何とか目視できるカビを除去できたとしても、実際にまだ着物の布地にカビが繁殖している可能性があります。その場合にできる対策方法として「着物専用のカビ取りクリーニング」に出すという方法もありますが

最新技術を使った”ガス滅菌”によるカビ取りという方法もあります。

ガス滅菌というのは、日本で唯一の方法で家具・衣類や小物類専用のガス滅菌庫を用いて行います。

ガス滅菌は、通常では除去しきれないカビを完全に除去します。1箱5000円~なので、着物だけでなく衣類もまとめてカビを除去したい時などに便利です。

着物のカビを防ぐポイント

着物に生えたカビを専用のクリーニングに出したり、ガス滅菌に出すという方法もありますが一番大切なのは「カビを再発させない環境づくり」ですよね。そこで最後に、着物のカビを防ぐためのポイントをいくつかご紹介します。

着用後に汚れを落とす

第一に、着用後のアフターケアは徹底しましょう。着用後は汗や皮脂汚れが付着しており、それがカビのエサとなってしまうのです。脱いだらすぐに着物用ハンガーにかけ、「汚れ」「シミ」が無いか全体をくまなくチェックしましょう。汗を多くかいた後には「汗抜き」という処置も必要です。特に問題なければやわらかいブラシやタオルなどでホコリを落とし、湿気を飛ばすためにそのまま数時間は干しておきましょう。せっかくの着物にカビを生やして傷つけないためにも、アフターケアは欠かせません。

乾燥剤を活用して除湿を

収納の際のポイントとしては、乾燥剤の使用がおすすめです。よく湿気を飛ばしてからしまっても、湿気の多くなる時期には空気がこもったタンスのなかはカビの巣になってしまいます。タンス内に置くタイプの乾燥剤だけでなく、着物と着物の間に挟んでおけるタイプとあわせて使用することでよりよい効果を発揮してくれることでしょう。

年に数回はメンテナンスを

きちんと処置を施して収納したとしても、着物をずっとしまっておくのは危険です。年に数回は必ず「虫干し」をおこなってください。虫干しする際には、着物をつつんでいる「タトウ紙」という薄い紙もこまめに交換しましょう。タトウ紙は通気性・除湿性に優れており虫食い防止にもなるのですが、長い間使っていると劣化していきます。そうすると、むしろ虫食いやカビ増殖のきっかけとなってしまうことも…。衣替えのタイミングでも構いませんが、気付いたときにすぐ交換できるよう、タトウ紙のストックがあると便利ですね。

タンスのカビを除去しよう

着物にカビが生えている場合、収納場所であるタンスにカビが生えている可能性があります。もしもタンスにカビが生えていたら、いくら高価な着物クリーニングやガス滅菌処理を行っても再発してしまうリスクがありますよね。

そこで、着物の収納場所をもう一度点検し、カビ対策を行いましょう。タンスのカビ取り方法は以下の記事でまとめています。

https://kabipedia.com/409

まとめ

この記事では、着物に生えてしまったカビの応急処置の方法を中心にご紹介しました。着物にカビが生えてしまうと想像以上にやっかいなことになるので、収納方法や着用後のアフターケアを今のうちに見直しておきましょう。

また、少しでも「カビ臭いな」と思ったら注意が必要です。目にはみえなくてもカビが潜んでいる証拠なので、増殖してしまうまえに適切な対策をしてください。余談ですが、着物にカビが生えていたといことは、収納していたタンスや押入れのなかにもまだカビが潜んでいる可能性が非常に高いです。カビを見つけたときには周囲もチェックし、あらゆるところに広がってしまっていた場合はカビ専門のハウスクリーニングに相談してみることをおすすめします。