着物のカビ取り料金はいくら?プロの料金相場と業者選びのポイント
大切な着物にカビが発生してしまうと、見た目が損なわれるだけでなく、生地が劣化し、場合によっては健康にも悪影響を及ぼすことがあります。
そんなとき、プロのカビ取りサービスを利用することで、着物を美しく蘇らせ、安心して着用できる状態に戻すことが可能です。
しかし、「カビ取りの料金はいくらかかるのか?」「どの業者を選べば良いのか?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
着物のクリーニングそのものなら、安いところでは3,000円前後から依頼できますが、通常のクリーニングはただ洗うだけで除菌をしていないため、完全にカビを除去することはできません。
カビが残ったまま放置していると、カビが着物全体に広がり、シミや変色を引き起こすだけでなく、再発してさらに修復が困難になることもあります。
この記事では、着物のカビ取り料金の相場やサービス内容、自宅でできるカビ取り方法などを詳しく解説します。
大切な着物を守るために、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること |
・着物のカビ取り費用の相場 ・着物のクリーニング業者選びのポイント ・自分でできる着物のカビの応急処置 ・着物のカビの再発を防ぐための対策 |
目次
1.着物のカビ取りとは?プロに依頼するメリット
大切な着物にカビが発生してしまった場合、「なんとしてでもカビを除去して元通りにしたい」と考える方も多いでしょう。
着物のカビ取りとは、発生してしまったカビを安全に取り除き、着物本来の美しさや機能を取り戻すための専門的なケアです。
カビ取りには、自宅で行うセルフケアと、プロのクリーニング業者に依頼する方法がありますが、プロに依頼することで次のようなメリットを得ることが可能です。
1-1.生地を傷つけずに安全に除去できる
着物は絹や織物など、非常に繊細な素材で作られています。
自宅で強いブラッシングをしたり、薬品を使用したりすると、生地を傷め、色落ちを引き起こす原因になるリスクがあります。
一方で、プロのクリーニング業者は、着物専用の洗浄技術や特殊な洗剤を使用し、生地に負担をかけずにカビを徹底的に除去します。
また、素材や染色に応じた最適な処置を施すため、大切な着物を安心して任せることができます。
1-2.特殊なシミや臭いにも対応可能
カビによって発生するシミや変色、特有の臭いは、一般的な家庭用洗剤では完全に取り除けないことがあります。
プロのクリーニング業者は、専門的なシミ抜き技術や消臭処理を行い、目に見えるカビだけでなく、着物全体に染みついた臭いや目に見えない菌も徹底的に除去します。
これにより、着物を美しく蘇らせ、快適に着用できる状態に戻すことが可能です。
1-3.時間と手間の節約になる
カビ取りを自宅で行う場合、手順を調べたり道具を揃えたりする手間がかかります。
また、繊細な着物を扱うには慎重さが求められるため、多くの時間を費やすことになります。
プロに依頼すれば、こうした作業をすべて専門家に任せることができ、短期間で高品質な仕上がりが期待できます。
忙しい方にとって、プロのサービスは大きな負担軽減となります。
1-4.再発を防ぐ
カビ取りを専門に行っているクリーニング業者なら、カビを完全に除去するだけでなく、防カビ加工を施すサービスを提供しています。
湿気やカビ菌の繁殖を抑える加工を行うことで、再発リスクを大幅に軽減し、大切な着物を長期間美しい状態で保つことができます。
また、業者によっては適切な保管方法やお手入れ方法のアドバイスも受けられるため、予防策をしっかりと講じることも可能です。
2.着物のカビ取り料金の相場はどれくらい?
着物のカビ取り料金は、着物の種類やカビの状態、依頼する業者によって大きく異なります。
カビ取り作業は一般的な「丸洗い」とは異なり、専門的な技術と設備が必要なため、追加料金が発生するケースもあります。
業者によって料金は異なりますが、大体以下の範囲内で着物のカビ取りを行っているところが多いようです。
- 一般的な着物
料金相場:10,000円~22,000円
- 留袖・振袖
料金相場:12,000円~30,000円
- 長襦袢・子供用の着物
料金相場:9,000円~20,000円
これらの料金は、カビ取り作業に必要な手間や技術、着物の素材や状態によって変動します。
カビの範囲が広い場合や、シミ抜きや漂白、染色補正などの追加作業が必要な場合は、別途費用が発生することがあるため、心配であれば事前に業者に確認しておきましょう。
また、着物のカビ取りには時間がかかることがあり、依頼してから返却までに数週間~数ヶ月ほど要することも少なくありません。
着物を着用する予定がある場合は、納期に余裕を持って依頼することをおススメします。
3.クリーニング業者の選び方!失敗しないポイントとは?
着物のカビ取りは、繊細な生地や特別なデザインを扱うため、適切な技術と知識が必要です。
業者選びを間違えると、着物にダメージを与えてしまうだけでなく、カビが完全に除去されないケースもあります。
信頼できる業者を選ぶためには、以下のポイントを確認することが重要です。
3-1.実績や専門性を確認する
着物のカビ取りは、一般的なクリーニングとは異なり、繊細な生地や特殊な素材を扱うため、高度な技術と知識が必要です。
そのため、業者選びでは実績や専門性を確認することが非常に重要です。
公式サイトやパンフレットには、これまでの事例や実績が掲載されていることが多いため、それを参考にすると良いでしょう。
また、着物に発生するカビの処理には、着物そのものの知識だけでなく、カビに関する専門的な知識と技術も必要です。
そのため、カビ取り実績が豊富な着物専門のクリーニング業者、もしくは着物のカビ取りを得意とするカビ取り専門のクリーニング業者を選ぶと安心でしょう。
3-2.口コミやレビューを参考にする
実際に利用した人の口コミやレビューは、業者の信頼性やサービスの質を知る上で重要な指標となります。
公式サイトだけでなく、第三者の口コミサイトやSNSでの評判も確認しましょう。
特に「カビが綺麗に取れた」「対応が丁寧だった」などの評価が多い業者は信頼性が高いと判断できます。
高評価の投稿だけでなく、「料金が見積もりより高額になった」「カビが完全に除去されなかった」といった低評価の口コミも注意深くチェックしましょう。
ただし、低評価が少数の場合や、内容が特殊なケースに限られる場合は、あまり心配しすぎる必要はありません。
全体的な評価を見てバランス良く判断することがポイントです。
3-3.料金体系が明確な業者を選ぶ
着物のカビ取りを依頼する際、料金体系が曖昧な業者を選ぶと、後から高額な追加料金を請求される可能性があります。
料金や作業内容が明確な業者を選ぶことで、トラブルを未然に防ぎ、安心してサービスを利用できます。
また、料金が安い業者には魅力を感じるかもしれませんが、品質に問題がある場合や、追加作業が必要になった際に高額な料金を請求されるケースもあります。
そのため、料金が安すぎる業者には注意が必要です。
安心して大切な着物を任せるためには、料金だけに惑わされず、業者の信頼性やサービス内容を総合的に判断するよう心掛けましょう。
3-4.保証やアフターケアを確認する
着物のカビ取りは繊細な作業であり、依頼後にトラブルが発生する可能性もあります。
そのため、信頼できる業者を選ぶには、保証やアフターケアが充実しているかどうかを確認することが重要です。
具体的には以下のようなサービスがあると安心です。
- 再処理や返金などの保証
万が一、カビが完全に除去されなかったり、新たなトラブルが発生した場合に、再処理や返金対応を行ってくれる業者を選ぶと安心です。
保証がある業者は、自社の技術に自信を持っている証拠でもあり、依頼者に対する責任感を感じさせます。
保証内容は業者によって異なるため、事前に条件や適用範囲をしっかり確認しておきましょう。
- 防カビ加工や保管アドバイス
カビ取り後に再発を防ぐための防カビ加工を提供している業者もあります。
この加工は、カビの再発リスクを大幅に軽減し、大切な着物を長期間にわたり保護する効果があります。
また、保管環境のアドバイスを行う業者も多く、適切な湿度管理や保管方法を知ることで、自宅での保管中に再発を防ぐことができます。
3-5.対応の丁寧さをチェックする
業者とのやり取りの中で、対応の丁寧さを確認することも重要です。
事前に業者に問い合わせなどをする場合は、わかりやすく説明してくれるかチェックしましょう。
また、問い合わせへの返信が迅速かどうかも業者選びのポイントです。
特に、着用予定がある場合や急ぎの依頼では、返信が遅い業者ではトラブルにつながる可能性があります。
4.徹底的にカビを除去したいならカビ取り専門クリーニング
着物のカビ取りでは、着物専門のクリーニング業者を利用する方が多いですが、カビが酷い場合や広範囲にわたる場合には、カビ取り専門のクリーニング業者を検討することをおすすめします。
カビ菌は非常にしぶとく、通常のクリーニングや除菌では繊維の奥深くに根を張った菌を完全に除去することが難しい場合があります。
適切な処理が行われないと、再発のリスクが高まり、さらに着物がダメージを受ける可能性もあります。
そのような場合でも、カビ取り専門のクリーニング業者であるハーツクリーニングなら、最新の技術と高度な設備を駆使して、安全かつ確実に着物のカビを死滅させることができます。
ハーツクリーニングはカビ取り業者のハーツクリーンが運営しているクリーニング業者のため、特にカビ取りや防カビに関して信頼性が高いです。
4-1.ハーツクリーニングの特徴
- ①特許技術による防カビコーティング
ハーツクリーニングでは、特許取得済みの防カビコーティングを活用しています。
カビの再発を防ぐだけでなく、繊細な素材でも安全に処理可能です。
これにより、着物を長期間美しく保つことができます。
- ②ガス滅菌で徹底処理
着物のカビの除去には、医療現場でも使用されるガス滅菌を導入しています。
このガス滅菌で目に見えない菌やカビの根を完全に除去します。
- ③シミ抜きや色補正も可能
カビの除去だけでなく、カビによるシミや色ムラを補正するオプションサービスも提供しています。
専門技術により、着物を元の美しい状態に仕上げることが可能です。
4-2.着物のクリーニング費用
ハーツクリーニングでは、主な着物のクリーニング料金の設定は以下のようになっています。
- ハーツクリーニングの料金一覧
- 振袖・留袖:20,700円
- 訪問着:17,500円
- 喪服:14,300円
- 長襦袢:9,700円
- 子供着物:9,600円
- 帯:9,600円
他の着物の料金に関しては公式サイトの価格表で確認できます。
また、ハーツクリーニングの場合、これらにガス滅菌費用7,000円が加算されます。
たとえば、振袖のクリーニングにガス滅菌を加えた場合、総額は以下のようになります。
ガス滅菌の料金は何点でも一律7,000円なので、複数点まとめて依頼するとお得です。
ハーツクリーニングは着物以外も様々な布製品のクリーニングが可能なので、他にもカビが発生して困っている服や布製品がありましたら、是非ご検討ください。
また、費用を抑えるためにカビの殺菌のみ行いたいということであれば、ガス滅菌のみの受付もしています。
4-3.クリーニングの流れ
ハーツクリーニングに依頼する場合、以下のような流れで着物のカビ取りが行われます。
- ①お申し込み
公式サイトの申し込みフォームに必要事項を記入して送信すると、内容確認後にお支払い方法に関する案内メールが届きます。
入金後、しばらくして発送方法の詳細がメールで届くので、カビの発生した着物を指定工場に着払いで発送してください。
- ②到着・ガス滅菌
着物が工場に到着したら、最初にガス滅菌を実施されます。
この工程では、繊維の表面や奥に付着しているカビ菌を死滅させ、クリーニング作業中に菌が広がるリスクを防ぎます。
- ③状態確認と採寸
ガス滅菌後、職人がカビの状態や生地の素材を確認し、最適なクリーニング方法を選択します。
特殊な処置が必要で追加料金が発生する場合、もしくはクリーニングが困難な場合のみ連絡が入ります。
- ④洗浄作業
状態確認が終わると、カビ取りのメイン工程となる洗浄作業に入ります。
カビの種類・素材・シミの状況等により洗剤や洗い方を調整していきます。
百種類以上の中から最適な方法を導き出し、熟練の職人が一枚一枚丁寧に洗っていきます
- ⑤プレス作業
洗浄後は、着物の形を整えるためのプレス作業が行われます。
職人の技術で着物が新品のように美しい形状に整えられます。
- ⑥防カビコーティング
特許取得済みの防カビコーティングを専用のコーティング室で施します。
この工程により、カビの再発を防ぎ、着物を長期間にわたって守ることが可能になります。
- ⑦仕上げのガス滅菌作業
最後にもう一度ガス殺菌を行い、作業中に付着した可能性のある菌を徹底的に除去します。
着物は仕上げ用のケースに入れられた状態でガス滅菌が行われます。
- ⑧お届け
クリーニングが完了した着物は、希望の日時に合わせて配送されます。
再発防止用の仕上げシートに包まれているため、到着後は袋を取らず、そのままの状態で保管することをおススメします。
また、クリーニングはせずにガス滅菌のみ行いたい場合は、以下のリンクからお申込みいただくことも可能です。
5.自宅でできる着物のカビの応急処置方法
着物にカビが発生した場合、クリーニング業者に依頼するのが確実ですが、急に着用する用事がある場合など、なんとかして目立たなくさせたいということもあるでしょう。
表面に白っぽいカビ(白カビ)が発生している場合で狭い範囲なら、簡単な道具で一時的にカビを除去し、着用できる状態にすることは可能です。
ただし、自宅でのカビ取りはあくまで応急処置であり、完全にカビを除去することは難しいため、着用する用事を終えた後にはクリーニング業者に任せるようにしてください。
用意するもの
- 着物専用のハンガー
- 布
- 使い捨ての手袋
- マスク
注意点
- カビを取る際に、布で強くこすらないようにしましょう。カビが繊維の奥に入り込む原因になります。
- 作業中、カビの胞子を吸い込まないように十分注意してください。
カビ取り手順
- ①着物を屋外に干す
まずはマスクと手袋を着用してください。
それから着物をベランダや庭などの屋外に干します。
風通しの良い日陰を選び、直射日光の当たらない場所で作業しましょう。
- ②カビを払い落とす
白カビが発生している部分を布で優しくなでるようにして表面のカビを取り除きます。
さらに内側から軽く叩いて繊維の間に入り込んだカビを落とします。
これらの作業を行う際は、強く擦らないようにしてください。
- ③陰干しして乾燥させる
そのまましばらく陰干しして湿気を完全に乾燥させてください。
また、使用した布や手袋などはカビの胞子が散らばらないように注意して廃棄してください。
着物専用のハンガーも使用後は消毒用エタノールなどで除菌することをおススメします。
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6.着物のカビを防ぐ!正しい保管と再発防止策
クリーニング業者に着物のカビ取りしてもらった後も、再発を防ぐために適切な保管と定期的なお手入れをする必要があります。
ここでは着物のカビを防ぐための対策を詳しく紹介します。
6-1.湿度管理を徹底する
カビを防ぐ最も基本的な対策は、湿度の管理です。
カビは湿度60%以上で繁殖しやすいため、保管場所の湿度を40~60%に保つよう心がけましょう。
湿度を管理するには、除湿剤を活用するのが効果的です。
特に梅雨時や湿気の多い季節は、こまめに除湿剤を交換し、保管場所の湿度を定期的に確認することをお勧めします。
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6-2.風通しの良い環境で保管する
風通しの良い環境を保つことも、カビの予防に欠かせません。
押し入れやクローゼットのような密閉された空間では湿気がこもりやすいため、定期的に扉を開けて換気を行うことが重要です。
特に湿気の多い季節には、1週間に一度程度、数時間かけて空気を入れ替えるのが理想的です。
また、着物を収納する際は、不織布製の通気性の良い収納袋を使用すると効果的です。
ビニール袋など通気性が悪い素材は、湿気がたまりやすいため避けましょう。
6-3.防カビ加工を施す
防カビ加工は、カビの再発を防ぐための有効な手段です。
カビ取りを依頼した際に、業者に防カビ加工を依頼することで、長期間にわたりカビの発生リスクを軽減できます。
また、汚れや水分はカビの繁殖において必要不可欠なものなので、市販の着物用の防水・防汚スプレーを吹きかけて、汚れにくくすることもおススメです。
6-4.定期的な点検と手入れ
カビの再発を防ぐためには、定期的な点検と手入れが欠かせません。
保管中の着物は、少なくとも3か月に一度は取り出し、状態を確認しましょう。
表面に汚れやカビの兆候がないかをチェックし、必要に応じて汚れを取り除きましょう。
また、晴れた日に虫干しを行うことも効果的です。
日陰で風通しの良い場所に干すことで、湿気を取り除きカビの発生を予防できます。
さらに、収納場所を清潔に保つことも大切です。
ホコリや汚れが蓄積すると、それがカビの栄養源になることがあります。
着物の手入れと収納場所の掃除を定期的に行うことで、着物を長期間清潔に維持できます。
6-5.適切な収納量を維持する
収納スペースに余裕を持たせることで、通気性を確保し、カビの発生を防ぐことができます。
引き出しや衣装箱に着物を詰め込み過ぎると、空気の流れが悪くなり、湿気がこもりやすくなります。
着物同士が密着しないように、1着ずつたとう紙で包んだり、着物用の不織布の袋に入れたりするようにしてください。
また、定期的に収納場所を見直し、不用品を処分することで、スペースに余裕を持たせるようにしましょう。
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7.まとめ
今回は着物のカビ取りの料金や業者を選ぶ際のポイントについて解説しました。
大切な着物にカビが発生してしまうと、見た目や素材へのダメージだけでなく、健康への悪影響も懸念されます。
着物のカビ取りは専門的な技術が求められる作業のため、クリーニング業者に依頼することで安心かつ効果的に処理が可能です。
業者選びに失敗したくないと言う方は、以下のポイントに注意しましょう。
また、ハーツクリーニングはカビ取り専門のクリーニング業者のため、他のクリーニング業者では受け付けていないような酷いカビでも対応できるケースがほとんどです。
大切な着物にカビが生えてしまった時は、是非ハーツクリーニングをご検討ください。
そして、カビを完全に除去した後も、適切な保管方法と再発防止策を徹底することで、着物を美しく保つことができます。
プロの力を上手に活用しながら、日頃の適切なケアを取り入れることで、カビのリスクを最小限に抑えることができます。
この記事で紹介した方法を実践して、大切な着物を長く楽しんでください。