珪藻土はカビに有効か?珪藻土バスマットにカビが生えた場合どうする?!
「珪藻土のバスマットを使っていたら、いつの間にかカビが生えてしまった」
「珪藻土のカビ取りはどうやればいいんだろう?」
珪藻土のバスマットは吸水性が高くて速乾性があるので、ご自宅で使っている方も多いでしょう。
他にも珪藻土は、水切りマットやコースター、歯ブラシスタンドなど、様々なグッズにも使われているため、そのような物を持っているという方もいらっしゃると思います。
珪藻土はすぐに乾くので、「カビが生えにくいのでは?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、実は珪藻土はカビが発生しやすいアイテムの1つでもあります。
そこで今回、珪藻土の基本的な知識から、珪藻土のカビ取りや対策まで解説いたします。
ご自宅で珪藻土のグッズを使用している方は是非この記事を参考にしてみてください。
この記事でわかること |
・珪藻土のメリットやデメリット ・珪藻土にカビが生えた場合の対処方法 ・珪藻土のカビ対策 |
1.珪藻土とは一体なに?
珪藻というのは植物プランクトンの一種です。
そして珪藻土は、珪藻の死骸が海や湖の底に堆積し、化石となったものを言います。
珪藻土の歴史は古く、日本でも昔から七輪やコンロ、レンガの原料として使われてきました。
また、自然素材を使った壁材にしたいということで、部屋の壁に珪藻土を選ばれる方も多いでしょう。
他にも最近ではバスマットやコースターなどのたくさんのグッズでも珪藻土は使われています。
昔は、熊本城で籠城戦に備えるため、内壁を食べられる珪藻土にしたとされています。
もちろん現代の家に使われる珪藻土は食べることを前提にしているわけではありません。
建材としての能力を高めるために添加剤などを加えていることがありますので、実際に珪藻土を食べるようなことはしないでください。
■関連記事■珪藻土はカビが生えやすい?珪藻土の基本知識とカビ対策の話
2.珪藻土のメリット・デメリット
珪藻土は人気の素材ですが、万能というわけではありません。
まずは、珪藻土のメリットとデメリットについて解説します。
2-1.珪藻土のメリット「優れた調湿効果」
珪藻土最大のメリットであり一番の特徴と言えるのが調湿効果です。
珪藻土は、肉眼では確認できないほど小さな穴がたくさんあいており、その穴が湿気を吸い取ってくれます。
夏のジメジメしている時期は空気中の水分を吸い取ってくれて、乾燥する冬になると水分を放出してくれるので、自宅の中を快適な湿度にしてくれます。
そして、バスマットやコースターといったグッズは、その珪藻土の調湿効果を活かしています。
バスマットは、前にお風呂に入った人がいても足裏の気持ち悪さを感じずに済みますし、コースターはコップにつきにくいので、珪藻土を使用したグッズは人気が高いです。
湿気をコントロールしてくれるなら、「珪藻土にはカビが生えにくいのでは?」と考える方もいるでしょう。
しかし常に湿度が高い状態が続くと、溜まった湿気を放出することができないため、珪藻土のアイテム自体にカビが発生することがあります。
こちらに関しては、2-3.珪藻土のデメリット「カビが発生することがある」で詳しく解説します。
2-2.珪藻土のメリット「脱臭・消臭効果」
珪藻土は湿気を吸収すると同時に、空気中の臭いも吸収してくれます。
なぜなら臭いの原因となる物質は空気中の湿気の中にあるからです。
そのため珪藻土は、脱臭・消臭にも効果的なのです。
ここで気になるのは、湿気を放出するときに臭いも放出されるのではないかということでしょう。
たしかに臭いの原因物質も放出しないわけではありませんが、放出速度が非常に遅いです。
人間が感じとれるほどの量は出ないので安心してください。
2-3.珪藻土のデメリット「カビが発生することがある」
2-1.珪藻土のメリット「優れた調湿効果」でもお伝えしましたが、珪藻土はカビが発生することがあります。
特に多いのが、常に湿気が多い場所にさらされている場合です。
調湿効果があるということは、湿度が高いと湿気を吸い取り、乾燥している時に水分を放出します。
しかし常に湿度が高い環境だと珪藻土はずっと湿気を吸い取ったままになり、放出できず、珪藻土の中に湿気が溜まり続けます。
カビは水分がある場所を好むため、カビが発生しやすくなるのです。
珪藻土のアイテムの中でも特にカビのリスクが高いのが、バスマットです。
脱衣所はお風呂場から流れてくる湯気で高湿度の環境になりやすいため、長時間放置しているとカビが生えることがあります。
また珪藻土の壁の場合も、常にジメジメしている部屋だとカビが発生するケースもあります。
カビを防ぐためには定期的に換気することが大事です。
窓を開ける、換気扇を回すなどの対策はもちろん、バスマットなど小さなグッズは壁に立てかけるなどの工夫をすると良いでしょう。
2-4.珪藻土のデメリット「ひび割れしやすい」
珪藻土は施工時の水不足などでひび割れを起こすことがあります。
また、珪藻土のマットをでこぼこした場所に置いて、その上に乗ったりすると割れてしまうこともあるでしょう。
珪藻土のグッズが割れてしまうと修復は難しいですし、壁にひびが入るとリフォーム費用も発生します。
珪藻土は性質上ひび割れしやすいということを頭の中に入れて、日々丁寧に使うようにしましょう。
3.珪藻土のバスマットにカビが生えた場合の対処方法
続いて、珪藻土のバスマットにカビが生えた時の対処方法について解説します。
バスマット以外でも、珪藻土のアイテムなら同じ方法でできるので、参考にしてみてください。
ちなみに珪藻土のカビ取りをする時や、普段の手入れでやってはいけないのが、石鹸や洗剤で洗うことです。
これをすると、珪藻土の表面にある小さな穴が詰まって、調湿効果がなくなってしまうので注意しましょう。
3-1.カビ取り剤で除去する
カビの菌は強力なため、カビ取り剤で除去するのがいいでしょう。
ただしアイテムによっては、カビ取り剤を吹きかけてから長時間放置しないことを推奨しているものもあるので、カビ取りする際は注意してください。
用意するもの
- 塩素系カビ取り剤
- マスク
- ゴム手袋
- ゴーグル
- 長袖の服(色落ちしても問題ないもの)
ジョンソン カビキラー
出典:amazon
注意事項
- 酸性タイプの製品と混ぜない
- 必ず換気して行う
- 体を保護しながら作業する
塩素系カビ取り剤と酸性タイプの製品が混ざると、危険な塩素ガスが発生する恐れがあります。
最悪な場合死に至ることのある危険なガスなので、絶対に混ぜたりしないでください。
そして必ず換気しながら作業をするようにしましょう。
塩素系カビ取り剤に触れると皮膚を溶かしたり、目に入ると失明する恐れもあるので、マスク、ゴム手袋、ゴーグル、長袖の服で体を保護して作業してください。
カビ取り手順
①表面の汚れを落としておき、カビ取り剤を吹きかけます
②時間を置き、水ですすぎます(15~30分ほど)
③しっかりと乾燥させます
■関連記事■水切りマットのカビで健康被害!?種類別のカビ取りとカビ対策
3-2.安全な液剤でカビ取りするならカビ取りマイスター
塩素系のカビ取り剤は水酸化ナトリウムなど毒性の強い成分が含まれているため、あまり使いたくないという方もいらっしゃるでしょう。
そこでおススメしたいのが、カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取りマイスターです。
こちらのカビ取り剤は、壁や家具、クローゼットなどのカビ取りにも使用できるので、1つ持っていると非常に便利でしょう。
3-3.消毒用エタノールで除去する
カビが初期の場合は、消毒用エタノールで除去するという方法もあります。
ただしエタノールは漂白効果がないため、黒カビが発生した場合のカビの色素を除去することはできないでしょう。
消毒用エタノールは目に見えないカビに有効なので、定期的なメンテナンスで使用し、 目視できるほどのカビが発生したらカビ取り剤を使うという方法がおススメです。
お風呂掃除のついでに珪藻土バスマットに消毒用エタノールを吹きかけるなどして、早いうちに対策しておきましょう。
ドーバー パストリーゼ77
出典:amazon
3-4.やすりで削る
表面にカビが発生した場合や、穴が詰まって吸水性が悪くなった場合は、紙やすりで削るという方法があります。
紙やすりはホームセンターなどで購入できます。
どの紙やすりがいいのか分からない場合は、店員さんに400番の紙やすりを購入したいと伝えるのがいいでしょう。
※アスベストを含む商品に注意※
珪藻土のバスマットにカビが生えたときやお手入れをする際、メーカーによっては「削って使いましょう」とヤスリもセットで販売している場合もあるようです。
しかし、2020年12月のニュースによりますと、ニトリやカインズの珪藻土バスマットから、アスベストが検出され健康被害のリスクがあるということで自主回収が始まっています。
参考:朝日新聞デジタルより
削ってそのまま使用を続けると、アスベストを吸い込み健康被害の恐れがあるため、該当する商品をお持ちの方は、使用を中止し、販売者へ連絡しましょう。(メーカーが自主回収しています)
参考:厚生労働省「石綿(アスベスト)含有品の流通と販売者による回収について」
3-5.買い替える
広い範囲にカビが生えてしまっている場合や、除去してもカビが残ってしまう場合は、残念ですが廃棄された方が良いでしょう。
その場合は地域のごみ捨てルールに沿って捨てるようにしてください。
4.珪藻土の壁にカビが生えた場合の対処方法
珪藻土のバスマットと同じように、珪藻土の壁もカビ取り剤で除去することは可能です。
ただしバスマットなどとは違い、カビ取り後に水で洗い流すことができません。
塩素系カビ取り剤の場合は、毒性の強い成分が含まれているため、水で流せない場所で使用するとその成分が残ってしまう恐れがあります。
それによって体調に悪影響を及ぼしたり、素材を傷めてしまうかもしれないので、市販のカビ取り剤の使用はあまりおススメできません。
壁のカビ取りを行う時は、安全性の高いカビ取り剤を選ぶようにしましょう。
3-2.安全な液剤でカビ取りするならカビ取りマイスターで紹介したカビ取りマイスターでもいいですが、カビの再発も防ぎたいのであれば、防カビ剤もセットになっているカビ取りマイスターキットがおススメです。
カビの範囲が広い場合や、カビの発生箇所が高所の場合など、自力でカビの除去が難しい時は、カビ取り業者に依頼しましょう。
広範囲にカビが広がっていると、再発する確率が高いため、知識や経験が豊富な業者に任せてしまうのが一番です。
■関連記事■健康を害する恐れも!?珪藻土の正しいカビ除去方法と正しい珪藻土の予防策を解説
5.珪藻土のバスマットのカビ予防方法
カビが発生してから除去するのは非常に手間が掛かるため、日頃から対策をして、カビが生えないように予防しましょう。
- 使用後は立てかける
- 脱衣所を換気する
- 定期的に風通しの良い場所で干す
- 定期的に除菌する
5-1.使用後は立てかける
バスマット使用後に敷きっぱなしにしていると、乾燥するのに時間が掛かり、カビが繁殖しやすくなります。
そのためカビを防ぐためにも、使用後は通気性の良い場所に立てかけて、迅速に乾燥させるようにしましょう。
5-2.脱衣所を換気する
脱衣所はお風呂の湿気が流れ込み、湿度が高くなりやすいです。
カビは湿度が高い場所に発生しやすいですし、湿度が高い場所だとバスマットが乾くにも時間が掛かります。
そのため窓を開けたり、換気扇を回したりして、脱衣所に湿気がこもらないようにしてください。
■関連記事■脱衣所のカビをキレイに除去し再発を防ぐコツをカビ取りのプロが伝授
5-3.定期的に風通しの良い場所で干す
珪藻土は吸湿性が高いため、奥の方まで湿気が入り込んでしまいます。
そのため1週間に1回程度、風通しの良い場所に干して、しっかりと乾燥させてください。
カビは紫外線に弱いため天日干しがおススメですが、製品によっては日陰干しを推奨しているものもあるので、取扱説明書などで確認しましょう。
5-4.定期的に除菌する
カビはアルコールに弱いため、消毒用エタノールを吹きかけることで死滅します。
目に見えないカビの胞子を死滅させるためにも、消毒用エタノールを定期的に吹きかけて除菌し、カビの繁殖を予防してください。
6.まとめ
珪藻土は調湿効果があるため、湿気や水分を吸い取ってくれます。
そのため珪藻土の周りはカビが発生しにくいというメリットがありますが、珪藻土自体に湿気が溜まり、カビが発生してしまうことがあります。
まずは日頃からカビ対策をして、カビの発生を予防しましょう。
- 使用後は立てかける
- 脱衣所を換気する
- 定期的に風通しの良い場所で干す
- 定期的に除菌する
そして、もしカビが発生してしまった場合は、すぐにカビ取りをしましょう。
バスマットのカビを放置していると、壁や床などにもカビが拡散する恐れがあるため、早めに対処することが重要です。
珪藻土のバスマットを長く使用する為にも、珪藻土の特徴を把握し、正しく取り扱うように心がけてください。