レンガに生えた黒カビを除去する方法

ガーデニングや家の外壁、玄関までのアプローチ、暖炉など私たちの身の回りにはレンガで作られたものがたくさんあります。レンガでできたものはレトロで温かみもあって素敵ですよね。

そんなおしゃれな雰囲気を演出してくれるレンガですが、環境やお手入れの状態によっては黒カビが生えてしまうことがあるのです。そこで今回はレンガに生えた黒カビを除去する方法をご紹介します。

レンガに黒カビが生える原因

 そもそもなぜレンガに黒カビが生えてしまうのでしょうか。レンガに黒カビが生える原因には、レンガがカビの栄養分であること、そして天気や日当たりの影響で湿気を含みやすいことの二つがあると考えられます。

レンガの原料がカビの栄養分になる

レンガに黒カビが生えてしまう要因の一つがレンガの原料です。レンガが何からできているかをご存じでしょうか。レンガは粘土や泥、砂を原料とする建築材料ですが、それらをブレンドして成型し、窯で焼き固めたり圧縮機で圧縮したりすることでできています。黒カビは原料なっている粘土や泥も栄養分にしてしまいます。圧縮する際にレンガの中には無数の空気穴ができます。

外壁やガーデニングに用いられるレンガを思い浮かべていただくと、表面がざらざらと粗く、小さな穴がたくさんあいていると思います。

空気穴は表面だけでなくレンガの内側にもありますから、目には見えなくてもカビの胞子はレンガの中にまで入り込むことができます。レンガは黒カビに限らずカビが生えにくい材質ではありますが、だからといってメンテナンスを怠るとレンガにも黒カビが生えてしまいます。

天気や日当たり・風通しの悪さ

レンガが黒カビの栄養分であることはもちろんなのですが、レンガに黒カビが生える最大の要因は湿気です。レンガが使われる場所といえば、外壁や玄関、お庭など屋外が中心だと思います。

雨風にさらされることで水分を含み、その水分がレンガの隙間や空気穴に溜まります。そして雨や曇りの日が続くと、レンガは乾くことなく水分を吸収し続けます。黒カビは栄養と湿気がある場所を好むため、レンガはかっこうの繁殖場所となるのです。日当たりの悪い場所にあるレンガの場合はなおさら黒カビが生えやすくなります。

レンガの黒カビを落とす方法

ついつい後回しになってしまいがちなレンガの黒カビですが、実際にカビが生えてしまったらどうしたらよいのでしょうか。ここからはレンガの黒カビをとる方法をお伝えしていきます。屋外のレンガのカビ取りをする際はお天気のいい日が続くタイミングを見計らっておこないましょう。

①高圧洗浄機で取る方法

外壁などの広範囲に黒カビが広がっている場合に有効な方法です。強い圧力で水を噴射し、黒カビだけでなくコケ・砂などの汚れも一気に落としてくれます。

レンガが全体的に黒っぽくなっているけれど、カビなのかコケなのか泥汚れなのかよく分からない、といったときでも「汚れ」として一掃してくれます。レンガの細かい隙間にまで入り込んだ砂や黒カビも取ってくれます。高価なイメージのある高圧洗浄機ですが、レンガだけでなく洗車などいろいろな用途にも使えますので一台持っておいてもいいかもしれません。

注意点

 強力な洗浄力を持つ高圧洗浄機ですが、注意点があります。高圧洗浄機を使うことで目に見えるカビなどの汚れは取ることができますが、薬剤などを使用して除去するわけではなくあくまでも水で落とすので除菌・殺菌効果はありません。

ですので、深く根を張った黒カビは落としきれないこともありますし、効果は一時的なものと考えてください。水を使って落とすので、日当たりの悪い・風通しの良くない場所に使用されているレンガに高圧洗浄機を使用すると十分に乾かすことができず黒カビを取るどころか新たなカビを繁殖させてしまうことになりかねません。

そういった場合はレンガの置き場所や使用環境自体を変える必要があります。

 また、あまりにも圧が強すぎるとレンガが欠ける・傷めてしまうなどの恐れがあります。レンガに黒カビが生えているくらいですから湿気を含みレンガ自体が脆くなっている可能性もありますので洗浄機を使用する際はレンガの状態を確認してください。

②外壁用カビ取り剤で取る方法

 カビの範囲が狭い場合や黒カビを根本から除去したい場合は外壁用カビ取り剤を使用します。高圧洗浄機でおおまかな汚れやカビを除去した後、細かいところの黒カビを取り除く場合にもおすすめです。カビ取りに必要なものは以下の通りです。

準備するもの

  • ゴム手袋
  • マスク
  • ゴーグル
  • 汚れてもよい長袖・長ズボン
  • カビ取り剤(外壁用のもの)
  • ブラシ(歯ブラシ・デッキブラシなどカビの範囲に合わせて)

続いてカビ取りの手順です。

手順

①ゴム手袋、マスク、ゴーグル、長袖・長ズボンの衣類を着用します。外壁用カビ取り剤の強い臭いで気分が悪くなることや、皮膚に触れると肌荒れを起こすことがあるため、しっかりガードしましょう。

②黒カビが生えている部分に漂白剤を噴射し、10~15分放置します。

③時間が経ったらカビ取り剤を流水で洗い流します。黒カビがまだ残っているようであればブラシでこすったり、高圧洗浄機を使用して洗い流します。

注意点

カビ取り剤を使ってレンガの黒カビを取る場合にも注意点があります。カビ取りをしたい箇所の近くに植物や金属製のものがあると植物を枯らしてしまったり、金属を錆びさせてしまったりすることがあります。そうならないために、カビ取りを使用する前にビニールシートなどでカバーするようにしましょう。

レンガにも使用できるカビ取り剤には以下のようなものがありますので参考にしてみてください。商品によっては洗い流し不要のものなども出ていますので状況に合わせて選んでみてください。

TO-PLAN キエール コケ・カビ

出典:amazon

③プロレベルのカビ取りをするならカビ取りマイスターキット

カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取り剤のカビ取りマイスターキットは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品です。

危険な成分は含まれていないため、安心してレンガのカビ取りができます。

レンガの黒カビを防ぐ方法

ではレンガの黒カビを防ぐ方法はないのでしょうか。レンガは

  • 外壁
  • 玄関のアプローチ
  • 花壇

などに使われることが多く、その性質上簡単に動かしたり、手にもってジャブジャブ洗う、といったことは難しいと思います。そのため、レンガのカビは「予防する」というよりも「生えてから取り除く」という形になってしまいます。黒カビを最小限に抑えるためには、環境を変えられる場合はレンガを日当たりのよい場所に定期的に移動させたり、移動が難しい場合はときどき様子をみてあげましょう。レンガの色が赤茶色やグレーのような色の場合はなおさら黒カビが深刻化するまで気がつかないのでこまめにチェックすることが大切です。

場所によってはほとんど目に触れることがなく気づいた頃には自分では手に負えないくらいに黒カビや汚れが広がっていた・・・なんてこともありますので、そうなる前に気づいた時点でカビは取り除くようにしましょう。

まとめ

今回はレンガのカビ取り方法をお伝えしてきましたが、まとめますと

  • レンガに黒カビが生える主な原因は雨や日当たり・風通しの悪さによる湿気
  • レンガの黒カビを落とすには高圧洗浄機または塩素系漂白剤を使用する方法がある
  • レンガの黒カビを最小限にするにはこまめなチェック

自力でのカビ取りが難しいような状態のときは、業者にお願いするという方法もあります。

プロに任せることで素早く・確実に黒カビをきれいに除去できますし、カビとレンガの状態をみて適切なカビ取り方法でカビを除去してくれます。まだ目立たないから・・・と放っておかずに気づいた時点で対処するようにしていきましょう。

参考:外壁塗装の教科書