お風呂のパッキンのカビが取れない!しっかり落とすコツをプロが解説

家の中でもカビが生えやすい場所として思い浮かぶのがお風呂です。特にお風呂のパッキンに生えたカビはなかなか取れません。床や天井のカビが簡単に取れたのにパッキンのカビだけは残ってしまった、そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。

そこで今回はお風呂のパッキンのカビが取れないときに使える対処法やカビを防ぐ方法についてお伝えしていきます。

1. お風呂のパッキンのカビ取り方法

カビ取り剤記載の方法でカビ取りをしてもパッキンのカビが取れなかったときは、次の方法でカビ取りをおこなってみてください。

1-1. カビ取り方法

~用意するもの~

  • マスク、ゴーグル、ゴム手袋
  • ご家庭にあるカビ取り剤
  • キッチンペーパー
  • サランラップ
  • 歯ブラシ

ジョンソン カビキラー

出典:amazon

~手順~

① ゴム手袋、マスク、ゴーグルをして身体を保護します。

② パッキン部分の余分な汚れを取り、カビ部分にカビ取り剤をスプレーします。

③ 上からキッチンペーパーでおさえ、さらに上からカビ取り剤をスプレーします。

④ カビ取り剤が乾かないように上からラップをし、10~15分程度放置します。

⑤ 時間が経ったらカビの状態を確認し、カビが残っている場合は歯ブラシで擦ります。カビがあまり取れていないようであれば再度カビ取り剤をかけ、さらに10分程度放置します。

⑥ 最後に水でよく洗い流します。

1-2. それでもカビが取れないときは

ご家庭のカビ取り剤やキッチンペーパー等を使ってもカビが取れない場合は、

  • カビ取り業者に依頼する
  • カビ取り剤を変えてみる

という方法があります。カビの状態が深刻だったり、パッキン部分だけでなくお風呂全体がカビに汚染されているような場合は一度カビ取り業者に依頼してカビを一掃してもらう、というのも手です。

例えば、パッキンが老朽化して傷やヒビが入りその奥深くまでカビが生えているとカビ取り剤がうまく浸透せず、カビがキレイに除去できません。この場合は業者に相談してカビ取りとパッキンの貼り換え施工を検討してみても良いでしょう。

また、業者に依頼するほどではないし、できるだけ費用は安く抑えたいという方はカビ取り剤を変えてみるというのも一つの方法です。最近ではカビ取り剤と一口に言っても、スプレータイプやジェルタイプ、置き型のものなど様々です。現在お使いのものが効かない場合は別のカビ取り剤を試してみてもいいかもしれません。

2. おすすめはジェルタイプのカビ取り剤

カビ取り剤を変えるにしても、数あるカビ取り剤の中から最適なものを選ぶのは難しいですよね。もし別のカビ取り剤を検討するのであれば、ジェルタイプがおすすめです。その理由は、

  • 細かい部分のカビ取りが可能
  • 垂れ落ちしにくい
  • 密着してくれるのでキッチンペーパーやラップを貼る手間が不要
  • ものによっては長時間放置してもOK

といったことがあります。

お風呂のパッキンは細くてカビ取りしにくい上に、カビも頑固で取りにくいです。ジェルタイプのカビ取り剤の多くが、尖端が細くなっており、お風呂のパッキンの幅にも合うようになっています。パッキンだけでなく、お風呂の扉の溝や鏡の角部分といった細かい部分のカビ取りもできます。

ジェルタイプなので垂れ落ちにくく、パッキンに密着してくれるのもポイントです。ジェルが硬めのものであれば天井のような高い場所や、壁の縦ラインでもカビ取り剤が垂れることなくくっついてくれます。

さらに、ジェルタイプのカビ取り剤も、ものによってはかなり長時間置いておけるものもあります。通常のカビ取りであればカビ取り剤を吹き、ペーパーを重ね、その後15分程度放置し、最後に洗い流すという手順になるため、意外と時間と労力がかかります。

ですがジェルタイプのものの中には1時間以上放置しても大丈夫なものもあります。放置している間に他のことができるので普段忙しく、カビ取り作業に十分な時間が取れない方には特におすすめです。

鈴木油脂工業 かびとりいっぱつ

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3. なぜお風呂のパッキンのカビは落ちにくいの?

そもそもなぜお風呂のパッキンのカビは落ちにくいのでしょうか。床や天井、排水口のカビは簡単に落ちたのにパッキンのカビだけは残ってしまうのはなぜでしょうか。それはパッキン部分に生える特有のカビのせいなのです。

3-1. お風呂のパッキンに生えるカビ

お風呂には、クラドスポリウム(いわゆるクロカビ)やエクソフィアラ、フォーマやスコレコバシディウムといったカビが生えます。特にクラドスポリウムやフォーマが多いと言われています。クラドスポリウムは好湿性でお風呂に限らずキッチンや洗面所、洗濯機などの水回りに生えます。

汚染力が強く、一度のカビ取りでは除去できないこともしばしばです。

そしてやっかいなのがフォーマです。フォーマはパッキンに使われるシリコンの内部にまで入り込む上、フォーマの胞子は次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤の主成分)にも耐えることができます。一見カビが取れたように見えても、またすぐに同じところにカビが再発するようであれば、パッキンの内部に残った胞子が成長してしまったからかもしれません。

3-2. パッキンのカビを放置すると・・・

パッキンのカビを放置してしまうと、カビの汚染がパッキンだけでなくお風呂の床や天井、ホースなどお風呂全体にカビが広がってしまいます。そうなると自力でのカビ取りは困難になり業者に依頼せざるを得なくなります。

それだけでなく、カビがパッキンを腐食してしまうためパッキンが脆くなり傷んでいきます。入浴中は湿度100%となり、家の中でも高湿度となるお風呂は2、3日もあればカビが見える形で現れます。ただでさえパッキンのカビは取りにくいので、お風呂のパッキンにカビを見つけたらカビが奥深く根を張る前に早めに対処しましょう。

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カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取り剤のカビ取りマイスターキットは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品です。

そのため自宅でプロレベルのカビ取りができますし、危険な成分は含まれていないため水回りだけでなく壁や家具のカビ取りにも使用できるので、1つ持っていると便利です。

4. お風呂のパッキンのカビを防ぐには

カビが生えてから対処するよりも、生えにくい環境を作ることが大切です。お風呂のパッキンのカビを防ぐにはお風呂全体のカビ対策が必要になります。お風呂のカビを防ぐ方法として次のことを心掛けてみてください。

① 入浴後は浴室の水気を拭き取る

入浴後に天井や床、壁の水気を拭き取ることで乾燥時間を早め、カビを防ぐことができます。私は使用済みのバスタオルを使ってざっとお風呂全体の水気を拭いています。

② 入浴後はすぐに換気する

入浴後はすみやかに浴室内を換気します。換気機能が弱い場合は、扇風機やサーキュレーターをつかって換気し、湿度を下げます。

窓や扉を全開にした方が換気できるのでは、と思われるかもしれませんが入浴後に換気をするときはお風呂の窓や扉は数センチほど残して、ほぼ閉めた状態で行います。開いた状態で換気すると湿気が移動し、脱衣所や洗面所のカビの原因になります。外の空気を取り込むために数センチだけ扉を開けて換気扇をまわすと、外に湿気が移動することなくお風呂の中だけを換気することができます。

③ 浴室が乾いたら扉はあけておく

浴室が乾いたら、お風呂の扉は開けた状態にして湿気が溜まらないようにします。日中、浴室を使わないときも扉は開けたままがいいでしょう。

④ 水垢や石鹸カスはこまめに掃除する

水垢や、シャンプーなどの石鹸カス、人の皮脂や垢はカビの格好の栄養源です。日ごろの掃除が不十分だとカビの栄養源を増やしていくだけですので、お風呂の掃除はこまめにおこないましょう。カビの栄養源をできるだけ残さないことが大切です。

⑤ 防カビグッズを使う

お風呂用の防カビグッズを使ってみるのもいいでしょう。置き型タイプのものでは、防カビ効果のある煙や霧を出し数十分放置することで数か月間カビを抑えてくれるようなものがあったり、シールや吊り下げタイプのものではお風呂の壁に下げておくだけでカビを防いでくれるものもあります。お風呂にカビが生えやすいと感じている方にはおすすめです。

→防カビ燻煙剤はカビ予防に効果ある?

私自身お風呂で防カビグッズは特に使っておらず、現在の家に住み始めて一年半ほど上記の①~④の項目を実践しているだけですが今のところパッキンも含めてお風呂にカビは生えていません。こまめなお掃除と防カビで、カビを防ぎましょう。

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お風呂のカビが広がってしまったら

  • パッキンだけでなく、床や壁、天井などお風呂全体にカビが生えてしまった
  • 風呂のカビから脱衣所の壁、天井、他の部屋にもカビが広がってきた
  • 自力で何度カビ取りをしても再発して、手に負えない...

という場合などカビにお困りの際は、カビ取り業者へ早めにご相談ください。

ハーツクリーンでは、無料でカウンセリングを実施しておりますので、ご自宅のカビが気になる方は是非ご相談ください。

5. まとめ

今回は、お風呂のパッキンのカビが取れないときの対処法やパッキンのカビを防ぐ方法についてお伝えしてきましたがまとめると、

● お風呂のパッキンのカビがとれないときは、キッチンペーパーやラップを使うことでカビ取り剤を十分に浸透させてカビを除去する。

● それでもカビが残る場合は、カビ取り業者に依頼する、もしくはカビ取り剤を変えてみる方法がある。

● パッキンのカビにはジェルタイプのカビ取り剤がおすすめ。

● パッキンに生えるカビはカビ取り剤への耐性が強く、除去しにくい上にパッキンの内部にカビの胞子が残ってしまうことがある。

● お風呂のパッキンのカビを防ぐにはお風呂全体のカビ対策が必要。入浴後に水気をふき、すみやかに換気する、カビの栄養源となる汚れはこまめに掃除する、必要に応じて防カビグッズを使うなどの対策をする。

となります。

<参考>

  • 濱田信夫 『最近の浴室のカビ汚染の傾向』 2009 生活衛生
  • 井原望、石木茂、濱田信夫 『浴室のシリコン内部に侵入したカビに対する次亜塩素酸の効果』 2009日本防菌防黴学会誌
  • 高鳥浩介、久米田裕子 『カビのはなし ミクロな隣人のサイエンス』 NPO法人カビ相談センター
お風呂のパッキンのカビが取れない!しっかり落とすコツをプロが解説