スリッパにカビが生えた!原因や対策方法は?!

「スリッパをよく見ると、底の方にカビが生えていました。何が原因なのでしょうか。また除去する方法や防ぐ方法があれば教えてください。」

1. スリッパにカビが生える原因

カビは湿度と酸素、そして温度と栄養源という4つの条件が揃うと発生しますが、具体的には次のようなことがカビ発生の要因になっています。

1-1. 豊富な栄養源

カビはさまざまな有機物を栄養源にしますがスリッパに付着したカビの栄養源には、

  • 皮脂・汗・垢埃
  • スリッパの繊維

などがあります。

① 皮脂・汗・垢

スリッパを素足の状態ではくと、スリッパに皮脂や汗、垢などが付着し浸み込んでいきます。特に指先が覆われたタイプのスリッパは空気の逃げ場もなく蒸れた状態になっています。

たとえ靴下を履いていても外出から帰宅後靴を脱ぎ、そのままの流れでスリッパをはいてしまうと皮脂や汗などに加えて外から持ち込まれた汚れも合わさります。このようにスリッパには、カビの栄養源が凝縮されているのです。

② 室内の埃や汚れ

埃のような室内塵やその他さまざまな汚れもカビは栄養源にします。加えて埃は湿気を吸収しやすいです。埃1gには数万~数十万のカビの胞子が付着していると言われています。

スリッパのような布製のものには埃が絡みやすい上に埃が室内の湿気も吸収してしまうのでスリッパにカビが生えてしまう原因となっています。毎日履くスリッパは皮脂や汗、その他の汚れなどによるカビが多いですが、来客用など使用頻度の低いスリッパにカビが生えてしまった場合は、保管場所の湿度が高かったり埃が蓄積してしまっていたりといったことによるカビの可能性が高いです。

③ スリッパの繊維

スリッパに使用されている繊維自体もカビは栄養源にします。スリッパにカビの胞子が付着すると、カビが繊維の奥に絡みつくように根を張ります。洋服であれば洗濯することでカビが深刻化するのを防ぐことができますがスリッパは水に弱く洗濯には不向きです。スリッパに使われている素材そのものもカビの栄養源となり、洗濯が難しいこともカビ発生の要素になっているのです。

以上のように、スリッパにはカビの栄養源が豊富に付着しており、なおかつ簡単に洗濯もできません。そこに湿度と温度の条件が加わることでカビの成長が加速しスリッパがカビの温床となってしまうのです。

2. 生地の種類とカビの発生速度の違い

先ほどスリッパの繊維自体もカビは栄養源にしてしまう、とお伝えしましたがスリッパに使われている生地によってもカビの成長スピードが異なります。生地には大きく分けて

  • 綿や麻、絹などの天然繊維
  • ナイロンやポリエステルなどの化学繊維

があります。

天然繊維と化学繊維では、天然繊維の方が栄養源になりやすく数日程度で目視できるほどのカビになることがあります。化学繊維でできたスリッパはカビが目視できるまでに一週間~一ヶ月以上になることもあり発育スピードはゆっくりです。しかし、発育スピードが遅いから大丈夫、というわけではありません。むしろその分カビは強く根を張り、頑固な黒カビとして現れてしまいます。

自然由来の素材は肌に優しい反面カビが生えやすく、化学繊維でできたものはカビの成長は遅いものの通気性の悪さも相まって頑固なカビが生えてしまうのです。

■関連記事■麻素材のカビ対策

3. スリッパにカビが生えてしまったら

では、スリッパにカビが生えてしまったらどうしたらよいのでしょうか。カビがひどかったり、長期間使用してきたスリッパであれば買い替えをおすすめします。

比較的カビの程度も軽く使用期間も短ければ次の方法である程度カビを除去することができます。

3-1. スリッパのカビ取り方法

~カビ取りに必要なもの~

  • ゴム手袋
  • マスク
  • 酸素系漂白剤
  • スプレーボトル
  • キッチンペーパー
  • 歯ブラシ

~手順~

① マスク、ゴム手袋を着けてカビを吸い込んだり直接触れないよう身体を保護します。

② スプレーボトルに50℃程度のお湯で希釈した酸素系漂白剤を入れ、漂白液を作ります。

③ スリッパにキッチンペーパーをあて、その上から漂白液を噴射します。カビが生えやすい内側の指先部分は重点的に噴射します。

④ 10分程度放置します。

⑤ 時間が経ったらカビの状態を確認し、黒く残っている箇所は歯ブラシで擦ります。

⑥ 水で濡らしたタオルで漂白液を拭き取ります。(手早く水ですすいでもOK)

⑦ 風通しの良い場所で陰干しします。このとき、足先側が上向きになるように吊るして干します。

3-2. カビ取りをする際の注意点

スリッパのカビ取りをするにあたって注意点と補足があります。まず、使用する漂白剤についてです。漂白剤には塩素系と酸素系がありますがスリッパのカビ取りには酸素系漂白剤を使用します。塩素系漂白剤には強力な漂白力がありますが、スリッパの生地を脱色させてしまいます。ですので、色柄物のスリッパには塩素系ではなく酸素系漂白剤を使用します。

また、スリッパには洗えるタイプのものもあります。お持ちのスリッパが洗えるタイプのものであれば、スリッパが入るサイズのバケツなどを用意して、そこに漂白剤とともに浸け置きしてもいいでしょう。ただしキッチンペーパーで浸す方法に比べて多くの水分を含んでしまいますので、すすぎ後十分に乾かす必要があります。

表面的に乾いても内部はまだ湿っている、ということもありますのでカビの再発を防ぐためにも時間をかけて乾かします。乾かす際は、紫外線によりスリッパが変色することがあるため天日干しではなく陰干しします。

最後に、スリッパの使用期間にかかわらず染みついた皮脂や汗などの成分はたとえ洗濯・漂白をしても完全に取り切ることはできず残ってしまいます。そのため、長期間使用したスリッパはもちろん、使用期間が短いスリッパでも再び同じように使用・保管し続ければカビが再発するのも時間の問題と言えるでしょう。カビを繰り返すようであれば潔く買い替えることをおすすめします。

4. スリッパのカビを防ぐ方法

カビの温床になりやすいスリッパですが、カビを防ぐ方法はないのでしょうか。毎日履き、人の皮脂や汗を多量に含みなおかつ洗濯もしないスリッパは何もしなければアッと今にカビが生えてしまいます。そのため日頃からできるだけスリッパにカビが生えないようにする工夫が必要になります。

① 通気性の良い場所に保管

湿度の高い場所や通気性の悪い場所に置いておくことはやめましょう。来客用など必要な時に出し、それ以外は物置などにしまっている場合でも通気性の良い入れ物に入れる、除湿剤を一緒に入れるなどして湿気対策をします。

② スリッパラックを使う

スリッパラックを使うことでスリッパの変形を防ぐことができ、足先部分まである程度通気性を維持することができます。床の掃除も楽になるのでおすすめです。

③ 洗濯可能なスリッパに変える

スリッパは水に弱いとお伝えしましたが、洗濯可能なスリッパも多く販売されています。季節やスリッパの使用頻度にもよりますが月に一回以上は洗濯するのが望ましいです。

④ 消毒用エタノールを吹きかける

毎日できるお手入れとして、消毒用エタノールを吹きかけるのもおすすめです。消毒用エタノールには強い殺菌作用がありますが素材へのダメージはほぼありません。手軽にカビ予防ができます。消毒用エタノールでなくても、スリッパや靴に使える消臭・抗菌作用のあるスプレーも販売されていますのでそういったものを使ってもいいでしょう。

⑤ 汚れた足のまま履かない

玄関で靴を脱いだ流れでスッとスリッパを履きたくなりますが、スリッパを履く前に汚れた靴下は脱ぎ、足に着いた汚れも拭き取ったり洗い流すなどしてからスリッパを履くようにしましょう。カビの栄養源となるものをできるだけスリッパにつけないようにします。

5. まとめ

今回はスリッパにカビが生える原因とその対処法についてお伝えしてきましたがまとめると、

  • スリッパには、カビの栄養源となる人の皮脂や汗、埃などの汚れが多量に付着している。
  • スリッパの繊維自体もカビの栄養源となり、生地が自然由来のものはカビの生育スピードがはやい。
  • 衣類と違い簡単に洗えないこともカビの発生を助長させている。
  • スリッパのカビは酸素系漂白剤を使って除去する。カビの程度がひどい、長期間使用してきたものであれば新しいものに買い替える。
  • スリッパのカビを防ぐには、スリッパラックを使って通気性の良い場所に保管する。洗えるものは定期的に洗い、それ以外の日は消毒用エタノールでカビを防ぐ。 

となります。毎日使い肌に触れるもの、という意味ではスリッパも他の衣類と感覚としては同じです。臭いや汚れ、カビを気にかけながらできるだけ清潔な状態を保っていきましょう。

<参考>

高鳥浩介・久米田裕子 『カビのはなし ミクロな隣人のサイエンス』 2013