新築の床下にカビが生えてしまったら

待ちに待った新築の完成。新しい家で新しい生活が始まると思うとわくわくしますよね。ですがそんな気持ちをよそに、新築にも関わらずカビが生えてしまうことがあるのです。

完成したばかりの新築にカビが生えていることが分かったら本当にショックですよね。そして新築の床下は特にカビが生えやすくなっているのです。そこで今回は新築の床下にカビが生えてしまう原因と生えてしまったときの対処法をご紹介します。

新築の床下にカビが生える原因

 そもそもなぜ新築の床下にカビが生えてしまうのでしょうか。原因は大きく3つあります。

原因その① 高気密・高断熱の造りがカビを生む

 新築の家の造りとして高気密・高断熱という特徴があります。最近の家は機密性が高いため通気性が悪く空気が逃げにくい造りになっています。また断熱性能にも優れていることから冬でも室内温度が高い状態を保つことができます。

しかしその断熱性により室内と床下に大きな温度差ができ結露が生じることで床下にカビが発生してしまいます。昔の家の床下は土壌がむき出しになっていることもありましたが最近は防湿シートが敷かれ、その上からコンクリートが敷かれます。様々な処理が何層も施されることで高気密・高断熱の住宅ができるわけですがそれが返ってカビを発生させる原因にもなるのです。

原因その② 建築時のコンクリートに含まれた水分の影響

 新築の場合、建築時のコンクリートに含まれた水分の影響で床下にカビが生えることがあります。特に鉄筋コンクリートは耐震・遮音性に優れている一方で、コンクリートに含まれる水が抜け切るのに数年かかると言われています。

鉄筋コンクリートでなくても、春先に引き渡した家が梅雨~夏を経験し、しばらくすると床下にカビが生えるということが起こります。これは建築時に水分を含んだコンクリートなどが乾ききらないうちに夏場の長雨という高温多湿の条件が加わることでカビを発生させます。そして新築特有の気密性も相まってカビが大繁殖するというわけです。新築の完成から1年程度は特にカビが生えやすい期間になるため注意が必要です。

原因その③ 立地

 新築の床下にカビが生える原因として立地条件も関係していることがあります。具体的には、

  • 敷地が低い場所にある
  • 隣の住宅との間が狭い
  • 雨天が多い地域、湿地

などです。土地が周囲よりも低いとその場所に水が流入するため、カビが生えやすくなります。傾斜地の下の方に建っている場合も同様です。また隣の住宅との間が狭いと床下の通気口が塞がれ、通気性が悪くなり床下にカビが生えることがあります。雨の多い地域や元々が湿地であった場所も床下にカビが生えやすいです。

もちろん、ハウスメーカーは立地条件も考慮して家を建てますので心配しすぎることはありませんが環境によっても床下にカビが生えることがあるとは言えるでしょう。

 以上が新築の床下にカビが生える主な原因になります。では新築の床下にカビが生えてしまったらどんな影響があるのでしょうか。

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床下にカビが生えた場合の対処方法

カビを放置することのリスク

 床下にカビが生えると、当然のことながら家を支える建材の劣化に繋がります。新築ですからすぐに影響がでることは少ないですが、そのまま放置しておくと建材が傷んで危険なだけでなくシロアリやダニまでも発生させてしまう恐れがあります。

 また、床下にカビが生えると、室内の床下に近い部分からカビに侵され始めます。特に床下収納庫や、素材の柔らかい畳は真っ先にカビの胞子が付着します。そうなるとカビの胞子はまんまと室内に入り込むことができたわけですから、その後は胞子を飛ばして室内のいたるところにカビを繁殖させていきます。

さらにカビの胞子が室内にまで及ぶことで、健康被害に発展することもあります。床下から侵入したカビの胞子を吸い込むことによってアレルギー疾患を含むシックハウス症候群を引き起こすことがあります。

結婚・出産を機に新築を建てたご家庭は小さなお子様がいる可能性もありますし、ご両親の介護のために新築・増築した場合はお年寄りと暮らすことになるわけです。小さな子供も年配の方も免疫力が低いですからカビによる健康被害を受けやすくなります。

新築にもかかわらず床下にカビが生え、さらには健康被害にまで発展する可能性があるなんてやりきれない気持ちになりますよね。まさか新築の床下にカビが生えているとは思わないですし、普段床下に入ることもないですからカビが生えているかどうかを知ることは難しいと思います。

そこで室内にいても床下にカビが生えているかを知るヒントがありますので以下の項目をチェックしてみてください。

床下にカビが生えやすい度チェック

☑ 床下収納庫にカビが生えている

☑ 一階の押し入れにカビが生えている

☑ 一階の畳がしめっぽい

☑ 新築なのにゴキブリがでる

です。一つでも当てはまるものがあれば床下にカビが生えている可能性がありますので心当たりがあれば一度床下の状態を確認してみてください。

床下にカビが生えていたらどうする?

 では実際に新築の床下にカビが生えてしまったらどうしたらよいのでしょうか。対処法としては

① ハウスメーカーに問い合わせる

住み始めてしばらくたってからカビに気付き問い合わせても、使い方が悪いなどの理由から対応してくれないこともあるようですが、まずは家を建てたハウスメーカーに問い合わせてみるのがよいでしょう。

② 専門のカビ取り業者に依頼する

 ハウスメーカーに問い合わせても残念ながら対応してもらえなかった場合は、個人でカビ取り業者に依頼してみてください。室内や食べ物に生えるカビとは規模が違いますし、一般人で床下のカビ除去ができる人はそうそういないと思います。たとえ自力でカビ取りを試みたとしても中途半端になってしまい、再発させてしまうこともあります。これから長く住んでいく家ですから、確実にカビを除去してくれるプロに依頼するのが得策でしょう。

③ 床下換気扇を設置する

初めにもお伝えしましたが新築は気密性・高断熱が特徴です。そのため新築の床下は通気性が悪くカビが生えやすい空間です。

床下換気扇を設置することで空気を循環させ、床下にカビが生えるのを防ぐことができます。隣の家との距離が近く、通気口が塞がれているといった家の場合は床下換気扇の設置をおすすめします。

ただし、換気扇ですからカビがすでに生えてしまっている状態で設置するとカビの胞子をまき散らしてしまうので設置する際はカビの除去が済んでからおこないましょう。また、設置の工事費用が10~30万近くかかりますので、立地条件なども考慮して長い目でみて検討してみてもよいかと思います。

床下のカビ予防法

では、新築の床下にカビが生えないようにするために日ごろできるカビ対策にはどんなことがあるのでしょうか。気をつけるポイントとしては、

・床下の通気口の付近に物を置かない、雑草などで通気口が塞がれないようこまめに手入れをする

・床下収納庫に物を入れすぎない、腐る可能性のあるものを入れない

といったことに気をつけましょう。床下そのものは簡単には変えられませんからできるだけ通気性をよくし、カビの生える要因をなくすようにしましょう。

まとめ

今回は新築の床下にカビが生える原因と対処法についてお伝えしてきましたが、まとめますと

● 新築は高気密・高断熱のため床下の通気性が悪い上結露が発生しやすくカビが生えやすい

● 建築時のコンクリートには水分が含まれており、その湿気により床下にカビが生える

● 床下にカビが生えることで健康被害に及ぶことがある

● 新築の床下にカビが生えてしまったらカビ取り専門業者にカビの除去を依頼する

となります。新築の床下にカビが生えていることが分かったら本当にショックだと思いますが、早めに気づけてよかったと切り替えて、今後カビが生えないように対処していきましょう。