カビキラーの放置時間はどれくらい?放置しすぎるとどうなる?
頑固な黒カビを取るのに役立つカビキラー。

カビ取りといえばカビキラーやカビハイターというイメージがある方も多いと思います。この記事にたどり着いたあなたもきっとご自宅にカビキラーをお持ちで、そしてどのくらい放置したらよいか分からない、そんな状況なのではないでしょうか。
そこで今回は、カビキラーを使用する際の放置時間と、放置しすぎるとどうなってしまうのかについてお伝えしたいと思います。
目次
カビキラーの成分

そもそもカビキラーとはどのようなものなのでしょうか。カビキラーはジョンソン株式会社が販売している塩素系のカビ取り剤です。
カビキラー公式ブランドサイトによるとカビキラーの成分は、
- 水(溶剤)
- 次亜塩素酸塩(酸化剤)
- 安定化剤
- 水酸化ナトリウム(アルカリ剤)
- アルキルアミンオキシド(界面活性剤)
- アルキルスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)
- アルキル硫酸エステルナトリウム(界面活性剤)
- 香料

となっています。水酸化ナトリウムがカビの細胞壁に科学的に作用するとともに、次亜塩素酸塩がカビ細胞内部に浸透するのを助けます。この次亜塩素酸塩がカビの色素を除去する主要成分になります。カビの細胞内に入り込んだ次亜塩素酸塩が組織や酵素を破壊するとともに、カビによって生産された色素を分解します。そして界面活性剤が、分解したカビ汚れを浮かし、水で流しやすくします。また、カビキラーには、カビだけでなくその他の菌やバクテリアも除菌する効果があります。

カビキラーは目に見えるカビだけでなく、目に見えないカビの根の奥まで浸透してカビを除去してくれるのです。
カビキラーの正しい使用方法
カビキラーの用途
そんな強力なカビキラーですが、みなさんはどのような場所に、どんなふうに使用していますか? カビキラー本体の裏面をみてみると用途の欄には
浴室内のカビ汚れ ■壁やタイル・目地■マット・小物類■シャワーカーテン■扉等のゴムパッキン
となっています。浴室での使用がキホンのようですね。
カビキラーの使用方法
次に基本的なカビキラーの使用法をみていきます。

- ノズルの「出」をきちんと黄色部品中央の溝に合わせる。
- カビ汚れから焼く15cm離して直接スプレーする。
- 数分後、水で充分洗い流す。※ひどいカビ汚れには、約20~30分置くと効果的。
- 使用後はノズルの「止」を黄色部品中央の溝に合わせる。
となっています。ここで、気になるのがカビキラーの放置時間です。使用方法には
数分後、水で充分洗い流す。ひどいカビ汚れには、約20~30分置くと効果的
とあります。長くても30分までということが分かりますね。ですがカビキラーをスプレーして最低どのくらい放置したらよいのでしょうか。また、30分以上放置してしまうとどうなってしまうのでしょうか。ここからは、カビキラーの放置時間について具体的にみていきます。
今回は実際に浴室のゴムパッキンに生えたカビを利用して放置時間を検証していきます。方法としては
- カビキラーを噴射してから5分経過した時点で一度洗い流し、状態を確認します。
- そこでカビが残っているようであればもう一度カビキラーをかけ、さらに5分追加したのち洗い流します。
これを10分後の状態とします。カビキラーなどの塩素系の漂白剤を使用する際の注意点として、必ず
- ゴム手袋
- マスク
- ゴーグル
を着用し、しっかりガードしてからおこないます。では、さっそくはじめていきます。
カビキラーをスプレーして放置時間による違いを調べてみた
カビキラー使用前

まずはカビキラー使用前の状態です。ゴムパッキンの部分に汚れやカビが発生していることが分かります。
放置5分後

カビキラーを使用してから5分経過したカビの状態です。使用前より汚れもカビもかなり落ちたように感じますが深く根をはったカビはまだ残っています。
放置10分後

10分経過したカビの状態です。まだうっすらとカビが残っていますが5分経過時点よりもさらにきれいにカビがとれていることがわかります。
今回はゴムパッキンというカビが取れにくい箇所を選んだこともありますが、放置時間が10分経過した時点で9割近くのカビが除去できました。元のカビの程度やカビが生えている部分の材質にもよるとは思いますが、カビキラーを噴射してから10~15分の放置時間で大部分のカビがとれる、と考えてよいでしょう。ひどいカビの場合は、カビキラー本体にも記載されている通り、放置時間を20~30分程度まで延ばしてみてください。
放置時間について通常は10分~、長くても30分程度がよいことはお分かりいただけたかと思います。では、カビキラーを噴射してから30分以上放置してしまった場合はどうでしょうか。放置時間が長いほうがより効果がでると思いあえて長く放置している方もいるのではないでしょうか。ここからはカビキラーを長く放置しすぎるとどうなるのかをみていきます。
先の検証をおこなった翌日に、同じ箇所で放置時間を30分と1時間に変えて追加の検証をおこないました。
方法としてはカビキラーをかけてから30分経過時点で一度洗い流します。その後再度カビキラーをかけプラス30分、合計1時間として観察していきます。では始めていきます。
放置30分後

カビキラーを噴射して30分後の様子です。昨日の10分経過時点よりもさらにカビや汚れが落ちました。自分では軽いカビと思っていたもので、10分程度で切り上げていたカビ汚れでも30分近く放置した方がよい場合もあることが分かりました。
放置1時間後

カビキラーの放置時間の合計が1時間の状態です。30分の時点ではゴムパッキンの下の部分にまだカビや汚れが残っていましたが1時間後にはそれも消え、すっきりきれいになりました。
放置時間が30分では取れなかったカビが1時間では取れたということは、放置時間は長ければ長いほどいいということでしょうか?ではなぜカビキラーの本体には放置時間の最長が20~30分であると記載がされているのでしょうか。
カビキラーの放置時間は30分までが良い理由
カビキラーは次亜塩素酸塩を主成分とする塩素系の漂白剤です。そのため、強力な漂白効果がある一方で噴射とともに強い塩素臭を発します。長時間放置するとその時間だけ臭いを発し続けることになります。
実際、今回一時間放置しましたが当然その一時間は強いにおいを発し続けていました。検証するにあたって、換気扇をつけ、浴室の扉も開けた状態でおこないましたが浴室内だけでなく少し離れた場所にまでツンとした臭いが広がっていました。
1時間も放置すると塩素ガスによる影響も
前日の10分経過時点では気になりませんでしたが、翌日の1時間後の検証の際には、塩素ガスによる気持ち悪さと少しの頭痛を感じました。ですので、呼吸器系に疾患のあるお年寄りや小さなお子様がいるご家庭では、使用した本人に影響がなくてもそういった方たちに悪影響を与えてしまう恐れがあります。カビキラー本体の裏面にも

一度に大量に使ったり、長時間連続して使わない
と書かれています。
放置時間が長すぎると素材を傷める可能性も
また、放置時間が長いとカビキラーを使用したこと自体を忘れてしまうことがあります。思わず触ってしまい、肌が荒れてしまうことにもなりかねません。肌がデリケートな方や小さなお子様は特に注意が必要なのです。さらに、放置時間が長くなることで使用した素材を傷めてしまう可能性もあります。以前使ったときは大丈夫だったから今回も大丈夫、とは限りませんので適切な放置時間の中で様子を見ることが大切です。
カビキラーを30分放置しても除去しきれない場合
もし、30分置いても取り切れないカビがある場合は日を変えておこなうことをおすすめします。もし、カビキラーを使用したことを忘れてしまい、長時間放置してしまった場合でも思い出した時点で水でしっかり洗い流せば臭いは消えますので焦る必要はありません。
ちなみにですが、思わぬところにカビキラーが垂れてしまいその部分が変色してしまったという声もあるようですが、それはカビキラーによる変色ではなく水アカ汚れです。カビキラーの公式サイトでも、
皮脂汚れや石鹸カス汚れは「カビキラー」など、浴室用の洗剤で落とすことができますが、水アカ汚れは、浴室用洗剤やカビ取り剤では落とすことができません。白く見えるのは、皮脂汚れや石鹸カス汚れがクリーナーで除去された後に、落とすことができない水アカ汚れが目に見えるようになったものです。
とあります。
そのような水アカ汚れは、浴室用のクイームクレンザーなどで落とすことができます。
まとめ
これまでカビキラーの放置時間についてお伝えしてきましたが、まとめますと
- 通常の場合カビキラーの放置時間は10~15分がよい(MAXでも30分)
- 放置時間を長くすることで落とせるカビもあるが、健康に悪影響を与えることもある
- カビキラーは記載通りの使用方法・放置時間で使用する
となります。
カビキラーは10分程度の放置時間でも十分効果を実感することができましたし、健康や素材に影響がでない限界の放置時間が30分であるということも分かりました。
今回の記事では数あるカビ取り剤の中でもカビキラーに焦点を当ててお話してきましたが、カビキラーでないとカビは落とせないというわけではありません。カビキラーと似たような商品には以下のようなものもありますのでご自宅にあるかどうかぜひチェックしてみてください。
カビキラーと同じようにカビ取りのできる商品
花王 カビハイター(塩素系)
花王 キッチンハイター(塩素系)
花王 ワイドハイターEXパワー(酸素系)
ワイドハイターEXのような酸素系漂白剤は塩素系のものと比べると漂白効果は弱いため頑固な黒カビにはあまり向かないのですが、塩素系漂白剤のような強いにおいはなく、素材を傷める心配もありません。また脱色の心配な衣類や繊維・小物類などに使用することができます。
大切なことは、どのようなカビ取り剤を使用するにしても、使用方法や放置時間を守り、正しく使用することです。
カビキラーでカビが落とせなかったら...
もしカビキラーなどの強力な漂白剤でも落とせない頑固なカビが発生した場合はカビ取りの専門業者に依頼してみる、という手もありますので、困ったときはプロに頼るものいいかもしれませんね。
出典
【公式】カビキラーブランドサイト ジョンソン株式会社
【公式】Kao 花王株式会社