ホースのカビ取り方法

家庭でカビが生えているのを見落としがちなもののひとつがホースです。ホースは

  • シャワーホース
  • 洗濯機の給水ホース
  • 排水ホース
  • ガスコンロ用ホース
  • 掃除機のホース

などさまざまなものに使用されています。

ホースの素材はゴム、塩化ビニール、プラスチック、金属など用途や種類によって異なっています。

ホースの表面に黒いポツポツがついていることがないでしょうか?この黒いポツポツはカビの可能性が高いです。

ホースが汚れる原因

ホースが汚れる原因は水垢やせっけんカス、皮脂、油はね、ホコリなど設置してある場所やホースの用途によってさまざまなことが考えられます。

またホースをずっと同じ向きで使用していたりする場合には、見えない裏側やシャワーホースの接続部にカビが生えていたということもあります。ホースの外側にカビが生えていた場合には、内部にもカビが生えている可能性が高いです。

ホースの内部は外側に比べて水分を取り除くのが難しいため、乾きにくく、湿気がこもりやすく、汚れていても見えない部分なのでカビに好まれるのです。

また、ホースの素材別で言うと、塩化ビニールはホースを軟らかくするための成分が入っており、この成分がカビや細菌の栄養源となるためカビが発生する可能性が高いです。

ホースのカビ取り方法

ホースのカビは表面に軽度に生えているものはブラシで擦ったり、ぞうきんで拭き取るだけで除去できるものもあります。

拭き取るだけではカビが取れない場合にホースのカビを取る方法は以下の5つあります。

重曹とクエン酸を混ぜて使用する方法

使用するもの

  • 重曹
  • クエン酸
  • スプレーボトル
  • ぞうきん
  • 歯ブラシ
  • キッチンペーパーまたはラップ

重曹は細かな粒子による研磨効果とニオイや水分を吸収する作用もあります。

また、重曹はアルカリ性なので、酸性の汚れである油汚れや皮脂汚れを落とす効果があります。

これに対し、クエン酸は石けんカスや水垢などのアルカリ性の汚れを落とす効果があります。重曹とクエン酸を混ぜることによってつの力を併せ持ったカビ取りに適したアイテムになるのです。

重曹とクエン酸は100円ショップなどでも販売されており手軽に入手できます。

さらに、重曹もクエン酸も食品としても用いられているため、人体に害がなく家中のさまざまな場所の掃除にも使用することができて環境にもやさしい素材です。

①クエン酸水を吹きかける

200ccの水にクエン酸小さじ1を溶かしてスプレーボトルに入れ、ホースに吹き付けます。その上から重曹を粉末のままホースにかけると泡立ってくるので30分放置します。

ホースから垂れ落ちてしまう場合にはキッチンペーパーかラップで湿布のようにホースを覆うと良いです。

②歯ブラシでこする

その後、歯ブラシでホースをこすってカビを落とします。

③すすいで乾燥させる

カビが落ちたら水できれいに洗い流し、ぞうきんでしっかり水分を拭き取り、乾燥させて完了です。

注意点
重曹とクエン酸にはカビの漂白作用はありませんので、カビによる着色は落とすことができません。
カビを漂白したい場合には、酸素系漂白剤または塩素系漂白剤を使用してください。

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出典:amazon

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消毒用エタノールを使用する方法

使用するもの

  • 消毒用エタノール
  • スプレーボトル

(もしくは、スプレータイプの消毒用エタノールを使用)

消毒用エタノールはカビを殺菌・消毒する効果があります。また、揮発性が高いので拭き取る必要がないため手間もかかりません。

①アルコール消毒剤を吹きかける

ホースの水気をふき取り、消毒用エタノールをカビが発生したホースに噴霧します。

②時間を置く

15分ほど時間を置きます。

③ふき取って乾燥させる

ホースのアルコール消毒剤をふき取って、乾燥させます。

注意点
消毒用エタノールは重曹とクエン酸と同様にカビの漂白作用はありませんので、カビによる着色は落とすことができません。

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塩素系漂白剤やカビ取り剤を使用する方法

使用するもの

  • 塩素系漂白剤またはカビ取り剤
  • スプレーボトル
  • ぞうきん
  • キッチンペーパーかラップ
  • 歯ブラシ

塩素系漂白剤やカビ取り剤は重曹やクエン酸よりも強力なカビ取りアイテムです。

垂れ落ちないジェルタイプの塩素系漂白剤も販売されています。

(最近は100円ショップでもジェルタイプのカビ取り剤を取り扱っています)

または塩素系漂白剤と重曹を1:1の割合で混ぜ、少量の水で溶くとカビの殺菌と漂白ができるペーストができます。

ペースト状にすることでホースに薬剤が留まり、湿布と同様の役目を果たします。

キッチンペーパーやラップは最後にゴミとなりますが、重曹と漂白剤のペーストは洗い流すだけなので、エコで後処理がラクです。

ジェルタイプのカビ取り剤を使用する場合にはスプレーボトルやキッチンペーパーは不要です。

カビの根が深いものや、強固なものの場合には漂白剤やカビ取り剤で浸け置きが有効です。

ホースが取り外せるものの場合には、バケツや洗面器、浴槽などにお湯とカビ取り剤や漂白剤を入れてホースを浸けおきします。

1回でカビが落とせない場合には複数回くり返すことでカビを除去できることがあります。

①カビ取り剤を吹きかける

ホースに塩素系漂白剤またはカビ取り剤をスプレーします。歯ブラシを使用してカビをこすり落とします。

あまり強くこするとホースを傷めてしまうので気を付けてください。

②カビがひどい場合はラップでパックをする

薬剤が垂れて流れてしまう場合にはスプレーした上からキッチンペーパーまたはラップでホースを覆います。

こうすることで薬剤をしっかりとホースに密着させることができます。

③流水で洗い流す

5分程放置したらキッチンペーパーまたはラップを外し、水でよく洗い流します。

その後、ぞうきんでしっかりと水気を拭き取り乾燥て完了です。

※注意点※

金属製のホースは変色してしまうため、塩素系漂白剤やカビ取り剤は使用できませんので注意してください。

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出典:amazon

鈴木油脂工業 かびとりいっぱつ

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熱湯を使用する場合

使用するもの

・熱湯

(カビは50℃以上の熱湯で死滅します)

ホースを使用したあとは熱湯をかけることでカビを防ぐことができます。

手順は、ホースに熱湯をかけ、その後、火傷に注意しながら水分をしっかり拭き取ってください。

熱湯を使用するため、火傷に注意してください。

また、ホースの素材によっては熱湯で劣化してしまうものもあります。

お風呂場などのシャワーホースはホース自体の水分を取り除く以外にも入浴後のお風呂場の換気にも気を付けて湿度を低く保つようにしましょう。

日光消毒する方法

日光消毒(紫外線による消毒)を活用したホースのカビ対策方法です。

使用するもの

・特になし

日光に含まれる紫外線と乾燥によってカビを死滅させることができます。

手順→晴れた日にホースを取り外して外に干します。

直射日光に弱い素材や長時間紫外線を浴びることでホースが劣化することがありますので注意してください。

カビ取り時の注意事項

カビ取り剤等の薬剤を使用する際は、換気をしながら作業するようにしましょう。

また、薬剤が直接肌に触れると肌荒れの原因にもなりますのでゴム手袋やビニール手袋などを使用し、皮膚に薬剤が付着してしまった場合にはすぐに水で洗い流してください。

カビ取り剤や漂白剤は刺激臭がありますので、マスクやメガネ、ゴーグルも使用すると安全です。

プロレベルのカビ取りをするならカビ取りマイスターキット

カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取り剤のカビ取りマイスターキットは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品です。

そのため自宅でプロレベルのカビ取りができますし、危険な成分は含まれていないためホースだけでなく、室内のカビ取りにも使用できます。

ホースのカビ予防法

ホースのカビの原因となるものは、湿気や水分、皮脂や油、ゴミ、ホコリなどがあります。

特に、湿度を低く保つために水分を拭き取ったり乾燥させることと、カビの栄養分になりそうな汚れを除去することが最適なカビ予防方法です。

カビの原因

カビは温度、湿度、栄養分の3つの要素がそろうことでどんどん繁殖していきます。

カビが好む温度は25℃前後が最適なのですが、10℃~30℃の間であれば発育します。

カビの発育速度は低温になるにつれ、低下します。

そこで、お風呂やキッチンなど湿気と温度が高いところで使用するホースは使用が終わったら水をかけることで温度を下げ、その後水分を拭き取ることでカビが発生するのを防ぐことができます。

入浴後のお風呂場は湿度が高くなっているので、ホース自体の水分をしっかりと拭き取るだけでなくお風呂場の換気やドアや窓を開放し、壁や床の水分を窓用のワイパーでぬぐうことでカビを予防することができます。

仕上げに消毒用エタノール

ホースの湿気と汚れなどを拭き取ったあとに週に1回程度、消毒用エタノールを吹き付けておくと殺菌・消毒することができるので、さらに万全のカビ対策となります。

カビは目で見える状態になるまでに時間がかかり、目で確認できるようになったときにはかなり成長しています。

カビは目に見えなくなっても根が深く残っていることがあります。

カビが発生し、一度カビを除去できたように見えても、完全に壊滅させることは難しいです。

そのため、カビが目視で確認できなくてもカビの処置をしばらく続けることが根からカビを断ち切る方法となります。

難しい場合はホースを買いかえる

カビの根が深くなかなか取れない場合にはホースの買い替えも検討すると良いでしょう。

各メーカー対応のシャワーホースなどは2000円前後で購入することができます。

さらに、カビの栄養源となる成分を使用していない素材で作られたホースや、内部がフッ素樹脂などでできており、塩化ビニールと比較して汚れがつきにくいので清潔に保つことができるホースなどもあります。

また、オーダーメイドに対応で、ホースの内側に抗菌剤を配合したホースを作成してくれる業者もあります。

しかし、買い替えてからもカビ予防を怠るとまたカビが生えてしまった・・・。なんてことになってしまうので、普段からしっかりとカビ予防を習慣にしていきましょう。

まとめ

・ホースを使用している場所の換気をしてカビが好む高温多湿を避けましょう。

・ホースの汚れやゴミを掃除することでカビの栄養源を取り除きましょう。

・ホースを使用している場所や空間も清潔に保ちましょう。

・ホースの素材や用途別に最適なカビ取り方法をおこないましょう。

・掃除の仕上げに消毒用エタノールを使用するとカビの殺菌と再発予防になります。

皆様のお悩み解決にお役立ていただけますと幸いです。

<参考文献>

・朝倉邦造『カビのはなし‐ミクロな隣人のサイエンス‐』2013年、朝倉書店

・暮らしの便利研究会『暮らしに役立つ!メンテナンス便利帳』2014年、成美堂出版