退去時にカビ発見!大家さんからの請求を最小限にする為のテクニック

人生に何度か訪れる、引っ越しの時期。特に賃貸の家から引っ越す際には、住んだ年数や物件の築年数に比例した原状回復が求められます。ひどい損傷を与えて退去をした場合は、想像以上の修理費用を支払うことにもなりかねません。

しかし引越し時に、部屋の荷物を全て移動して初めて

「え?!こんなところにカビが生えていた!」

と気が付き、敷金がほとんど戻ってこなかった(もしくは、プラスで請求)ということも起こり得ます。

壁紙までカビの色素が沈着して、塗装や壁紙の貼り換えをしないと難しい場合もありますが、自力でのカビ取りを行うことで、プラスでかかるクリーニング費用を少しでも減らせるかも知れません。

退去時にカビを発見してしまうと

  • どれくらいクリーニング費用がかかるのだろうか?
  • 手出しもあるのだろうか?
  • 賠償責任に問われることもあるのだろうか?

と不安になりますよね。特に引っ越し前は荷物の梱包に、ゴミ処分、電気ガスの契約に引っ越し業者の選定、立ち合いなどやることがたくさんあるので、時間がありません。

この記事を読むことで、カビの被害を最小限に抑え少しでも退去後のトラブルを少なくするための方法を解説していきます。

1.カビをそのままにして引っ越すとどうなる?!

1-1.まずは契約書を確認しましょう

カビなどの破損が気になる場合、入居時の契約書を確認してみましょう。カビをそのままにして退去してしまうと、最悪の場合賠償責任を問われることがあります。ですので、引っ越し前にできるだけ綺麗にして原状回復することが望ましいです。

そのためにも、まず契約書がどうなっているのか確認しましょう。また、退去時のガイドラインなども確認しましょう。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によりますと

  • 家具設置による床のへこみ
  • 日照による畳やクロスの変色
  • 冷蔵庫の裏の軽い黒ずみ
  • 画鋲のあと

など通常の使い方でも起こり得る劣化に関しては、特に原状回復する必要はないと言われています。

しかし、借主の大きな過失が認められる場合

「風呂、トイレ、洗面台の水垢、カビ等(考え方)使用期間中に、その清掃・手入れを怠った結果汚損が生じた場合は、賃借人の善管注意義務違反に該当すると判断されることが多い」

とガイドラインにあります。

  • 結露が発生していたのに拭きとらなかった
  • 雨水が入ってきているのに窓を開けっぱなしにしていた
  • 漏水が発生しているのに報告せず放置していた
  • カビが発生しているのに手入れをしなかった

物件自体の問題や水害などやむを得ないケースはありますが、基本的には結露や漏水を放置しカビが発生しているのに自分で対策・報告をしないと、高額なクリーニング・修理費用を請求されることがあります。

大きなトラブルを避けるためにも、日ごろからこまめに掃除をしておくことが大切ですが、家具の裏など見えないところでカビが発生していて、退去の直前に気が付くこともありますよね。

そこで、もしも引っ越しの前にカビに気づいてしまった場合の、カビ取り掃除方法を次に解説していきます。

2.引っ越し前にカビに気づいた時の対策方法

2-1.自力で落ちるカビの対処法

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カビの種類でも、表面だけに生えて自力で何とかできるものと出来ないものがある為、今回はできるカビの対処方法をご紹介します。

準備

まず、マスク、ゴム手袋(あればゴーグル)を着用し皮膚や粘膜を保護します。換気扇をかけ、窓を開けて充分に換気を行った状態で除カビ作業をしていきます。

2-2.壁のカビ

壁に生えたカビは、程度にもよりますが白カビの場合は

・消毒用アルコール

を吹きかけて除去していきます。ドラッグストアなどで売っている消毒用アルコール

(パストリーゼなど)を壁に吹きかけて、雑巾で除去していきます。ただしこの方法はカビの色素が沈着していない方法で活用できる方法です。

出典:Amazon

色素が沈着している場合

白い壁紙の上に黒カビや青カビなどの色素が沈着している場合には、カビキラーなど塩素系のカビ取り剤を使用して除去します。

※ただし色柄のある壁紙は脱色するため使えません

  • カビ取り剤(ハイター)
  • スポンジ
  • 雑巾
  • バケツ
  • 中性洗剤

(マスク、ゴム手袋、ゴーグル)

①洗剤で汚れを落とす

まずは、雑巾を濡らし1、2滴ほど中性洗剤を垂らして水気をよく絞ったものをカビの気になる壁全体に塗布して表面のホコリや汚れを落としていきます。表面に生えたカビは洗剤でも除去できることがあります。

その後、雑巾で2回ほど洗剤を拭きとります。

②塩素系漂白剤を塗布する

次に、バケツに水を入れハイターを入れ、漂白液を作り、雑巾に浸します。良く水気を絞り、カビの気になるカビ部分に塗布していきます。

(希釈目安は、5リットルの水に対してキャップ1杯30ml程度ですが製品のラベルを参考に薄めてしてください)

③何度も水拭きする

5分ほど時間を置き、その後、数回水拭きして漂白液を除去していきます。

※のどや粘膜を痛めることがあるので、長時間は使用せず換気を必ず行いましょう。

④乾燥させる

扇風機などを当てて乾燥させたら完了です。

※くれぐれも、しっかりと換気をした状態でカビ取りしましょう。また、壁紙の素材によっては変色する恐れがあるので、目立たない部分で試してから使うようにしてください。

出典:Amazon

一部だけポツポツとカビが生えている場合

壁にポツポツと一部だけカビが生えている場合には、カビキラーなどをカビ部分に塗布して雑巾で除去します。

ただし、砂壁や木の壁、模様のある壁などは塩素系のカビ取り剤を使う事でかえって変色する恐れがありますので、壁紙専用のカビ取り剤で行いましょう。

また、変色が心配な場合には、目立たない部分に塗布して、確認してから使うようにしましょう。

カビキラーやカビハイターなど市販のカビ取り剤は、お風呂場やトイレなどのカビ取りに適しています。

壁専用のカビ取り剤を通販で買うには時間が無い場合

壁専用のカビ取り剤を通販で注文して使うまでに時間がない!という方は、街のドラッグストアでは見つけられない場合もあるので、東急ハンズやロフト、ホームセンターなどで販売していることがあります。

市販のカビ取り剤を使うのが心配な場合

市販のカビ取り剤も変色が怖くて使えない、消毒用アルコールでカビ取りをしたけど効果がなかった...という場合は「重曹」でカビ取りするという方法もあります。

重曹は弱アルカリ性なので、カビをマイルドに除去する働きがありますが、どちらかというと顆粒による研磨効果の方が期待できそうです。水に濡らしたスポンジに重曹を付けてカビ部分を軽くこすり、濡らした雑巾で除去していきます。

ただし、壁紙を傷めないように優しくカビ除去をしましょう。

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2-3.お風呂のカビ

お風呂のカビは、カビキラーやカビハイターなどの塩素系のカビ取り剤が良いでしょう。

ゴーグルとマスク、ゴム手袋を着用して身体を保護し、換気を必ず行った状態で気になるカビ部分にカビ取り剤を塗布していきます。

この際「すぐに水で洗い流さないこと」がポイントで、15分ほど放置してカビの奥までしっかりと薬剤を浸透させましょう。15分ほど経ったら、スポンジなどで軽くこすりながら流水でよく洗い流します。

天井の場合はカビ取り剤が液だれしやすいので注意が必要です。目や顔に付着しないように、マスクやゴーグルで必ず保護しましょう。

出典:Amazon

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浴室パッキン部分のカビ

浴室の四隅やゴムパッキン部分は、なかなか泡タイプのカビ取り剤が浸透しにくく、すぐに落ちないことがあります。その場合は、粘度の高い”ジェルタイプのカビ取り剤”を使ってカビ除去していきます。

トロっとしたテクスチャーなので、密着しやすく、パッキンなど細かい部分のカビ取りに最適です。

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2-4.トイレのカビ

トイレのカビ取りには、便器内のカビ取りではカビキラーやカビキラーなどの泡タイプの塩素系カビ取り剤が良いでしょう。

もし、カビ取り剤を吹きかけてもとれない場合は、メラミンスポンジで軽く拭きとると落とせることがあります。

※表面に傷がつかないよう優しく拭きとります。

100均などでも売っていますので、引っ越し前はカビ取り剤と共にメラミンスポンジも準備されることをおすすめします。

出典:Amazon

トイレの壁

トイレの壁にカビが生えている場合は、市販のカビ取り剤を使うか、何度も吹きかけるのが面倒だったりカビの範囲が広すたりする場合には、塩素系のハイターを水で薄めて雑巾などで塗布します

(希釈濃度はラベルを参照してください)

こちらも15分ほど時間を置き、キッチンシートやラップなどでパックをして薬剤を浸透させてから、水拭きして拭きとると落ちやすくなります。

※トイレのカビ取りをする際も、換気を必ず行い、マスク、手袋、ゴーグルを着用した上で安全に行いましょう。

2-5.天井のカビ

材質にもよりますが、白カビなどが木材の天井に生えている場合、消毒用アルコールをフローリングワイパーや柄付きスポンジに染み込ませて、塗布する(フローリングワイパーでもOK)方法が、難易度の低い方法です。

ただし、黒カビなどの場合は、消毒用アルコールでは色素を除去することができませんので、水で希釈したハイターを雑巾に染み込ませて、固く絞り、フローリングワイパーなどを使って、塗布しましょう。

※木製天井の場合ハイターで変色する恐れがあるため木製専用のカビ取り剤を使うか業者に依頼されることをおすすめします。

ただし、くれぐれも薬剤が目に入らないように、水気をかたく絞って注意しながらカビ取りをしましょう。

2-6.床のカビ

床に布団や、カーペットを敷きっぱなしにしていると、いざ取り除いたときにカビが発生していることがあります。

白カビであれば、70~80%濃度の消毒用アルコールや、ウタマロクリーナーのような中性洗剤を吹きかけ雑巾などで拭きとる方法で除去できる場合もありますが

青カビや黒カビの色素が沈着している場合には、消毒用アルコールや洗剤での除去は難しいです。

フローリングは、塩素系のカビ取り剤を使うと変色してしまう恐れがある為、できれば木材用のカビ取り剤を使うことをおすすめします。

重曹で落ちる場合もありますので、木材用のカビ取り剤が届くまでの間に試してみる価値はあります。いずれの場合も、床を傷つけないように優しくカビ取りをしましょう。

出典:Amazon

3.市販のカビ取りで落とせない場合

これまで、引っ越し直前でもできそうなカビ取り方法をご紹介しましたが、あまりにカビの色素沈着が頑固ですと、これらの方法を試しても完全に元の状態に戻すことができない場合があります。

引っ越してきた当初からカビが生えていたら、できるだけ早くその旨を管理会社や大家さんに伝えて、相談することが望ましいです。また、雨漏りや漏水などは放置せずに、早めに報告し対応することが大切です。

また、1つの可能性ですが、もしも自力でのカビ除去が難しい場合は、プラスで支払うクリーニング費用よりもカビ取り業者に依頼した方が安くなる場合もあります。いずれにしても壁紙などを剥がす必要がある施工もありますので、管理会社や大家さんに相談しましょう。

その他、構造上の理由や物件由来のカビもあります。

  • 漏水が疑われる
  • 壁紙の下にカビが及んでいる
  • 塗装の下からカビが発生してる
  • カビの色素が繊維に沈着してしまっている

このような場合もありますので、お掃除で手に負えない場合には早めに大家さん、管理会社にご連絡ください。

業者へ相談する場合

①弊社ホームページより問合せ頂き、写真でどのように対応したらいいか相談してください。

②大家さんまたは、管理会社へ相談しておく。(事前に把握しておくのとしてないのでは全然違う)

③大家さんから事前に業者見積を取っておいたほうが良い場合は、弊社までご相談ください。

カビ取りマイスターキット

市販のカビ取り剤では、落ちるかどうか不安!だけどカビ取り業者を呼ぶまでには時間が無い!という場合には、カビ取り業者のハーツクリーンで開発したカビ取りマイスターがおススメです。これまで5000件以上のカビ取りを行ってきた技術を一般の方でも安心してご利用頂けるようにした商品です。

カビ取り業者と同レベルの液剤をご家庭で使用できるので、是非試してみてください。

4.過去に起きた事例

4-1.退去後に賠償責任が生じた例

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10年以上住まわれて退去時の立ち合いで上記のような状態になっていました。

このような状態であると、通常のオーナーさんであればスケルトンにしてリフォームをするため、300万円~400万円程度の費用が発生します。

賃借人は、原状回復の義務を負うため、この金額が請求されることになります。弊社が弁護士に確認したところ

「建物特有の環境として結露が異常に発生する、建物の瑕疵で漏水等があった場合は、オーナー負担の割合が増えますが、特に特有な環境が見られない場合は、全額損害賠償請求が通る場合がある」

とのことでした。掃除不足などに過失が見られる場合には、賃借人に賠償責任が生じる場合もあります。

4-2.カビが生えたら責任の所在は誰にあるのか?

通常の使用で起こり得る劣化なのか、借主に過失があるのかがポイントです。

しかし、自分で取れそうなカビであればなるべくキレイに取っておいて損はありません。

除菌するし美観回復させることで、損害賠償責任を逃れる可能性もあります。弊社は裁判関係に発展した案件を今まで多くこなし、自社でもアパート経営を行っているノウハウがあります。居住者様、オーナー様両社にとって最もメリットが大きくなるアドバイスが出来ますので、困った際は一度お問合せください。

しかし、このような大きな問題になる前に気づと思います。小さなカビであれば市販のカビ取り剤の数百円で解決できる問題です。居住中でもなるべく早めの対策が必要だと言えます。

まとめ

日本は気候柄カビが生えやすい環境ではありますが引っ越し前にカビを見つけたら

  • 消毒用エタノール
  • 重曹
  • 酸素系漂白剤
  • 市販のカビ取り剤(ただし変色の恐れあり)

などを使って除カビしましょう。しかし、あまりにカビの色素沈着が酷い場合、市販の液剤を使っても落ちないばかりか変色したり壁が損傷する恐れもあります。自力では手に負えない範囲でカビが生えてしまった場合には、大家さんや管理会社に相談し、業者によるカビ取りクリーニングも検討しましょう。

  • カビを放置すると賠償責任が生じることも
  • まずは契約やガイドラインを確認する
  • 自力でカビが取れない場合には、大家さんに相談し、プロのカビ取り業者に依頼しよう
  • 早めに相談すればカビ取り費用が少なくて済むことも

また、家具の背面にもカビが生えてしまっている場合、そのまま引っ越しをするとカビの付いた家具や物を新居に持ち込むことになります。

弊社では防カビコーティングも行っておりますので、新居のカビを防ぐために防カビコーティングの施工もおすすめです。

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カビ取りマイスターは相談無料で対応しております。カビ取りについてご不明な点があればいつでもお気軽にご相談ください。