カビ臭い服ってどんなニオイ?天日干しの効果・効果的な除去方法・再発防止まで完全ガイド

久しぶりにクローゼットから取り出した冬物のコートやお気に入りの服から、絵の具や墨汁に似たニオイが漂ってきたことはありませんか?
洗濯してもなかなか取れないその不快なニオイは、カビ菌やその排出物が繊維に残っているサインかもしれません。
カビはアレルギーや喘息、肌荒れなどの健康被害を引き起こすことがあるため、「ニオイだけだから」と放置せず早めに対処することが大切です。
この記事では、天日干しの効果や干し方のコツ、ニオイを取り除く方法、そして洗濯や収納環境の見直しポイントまで、実践的にわかりやすく解説します。
カビ臭の悩みを解消するためにも、ぜひ最後までお読みください。
この記事でわかること |
・カビ臭と生活臭・生乾き臭の見分け方 ・天日干しの効果と干すときのポイント ・重曹や漂白剤など、家でできるニオイの取り方 ・洗濯機や収納の湿気対策で再発を防ぐ方法 ・取れない臭いに効くクリーニング・ガス滅菌の業者 |

目次
1. カビ臭いってどんなニオイ?見分け方と注意点

「洗ってあるはずなのに、なんだか服が臭う…」
そんな違和感を覚えたときは、そのニオイがカビによるものかどうかを見極めることが大切です。
カビ臭は、生活臭や生乾き臭と混同しやすく、対処を間違えると逆効果になることもあります。
まずは、カビ特有のニオイの特徴や、他の臭いとの違い、そして健康への影響を正しく理解し、適切に対処できるようにしておきましょう。
1-1. 絵の具や墨汁のようなニオイの正体とは?
カビ臭は、「絵の具のようなニオイ」や「墨汁のようなニオイ」と表現されることがよくあります。
この独特のニオイは、カビが発生・繁殖する際に放出する揮発性有機化合物(MVOC:微生物揮発性有機化合物)が原因です。
- 長くしまっていた衣類を取り出したときに漂う、押入れの奥のような湿っぽいニオイ
- ほこりと湿気が混ざったような、古いタンスや木箱のようなニオイ
このような独特なニオイを感じた場合、カビが繊維の奥に潜んでいる可能性があります。
市販の消臭剤で一時的にごまかせることもありますが、根本のカビ菌を除去しなければ、時間が経つとまた臭ってくるのが実情です。
1-2. 汗臭・皮脂臭・生乾き臭との違い

服から不快なニオイがするとき、「これはカビ臭なのか、それとも別のニオイなのか」と迷うことはないでしょうか。
それぞれのニオイには特徴があるため、違いを知っておくと見分けやすくなります。
ニオイの種類 | 特徴 | 主な原因 |
カビ臭 | 絵の具、墨汁、古本のようなニオイ | カビが放出するガス(MVOC) |
汗臭 | ツンとしたアンモニアのようなニオイ | アポクリン腺からの分泌物 |
皮脂臭 | 油っぽく酸化したようなニオイ | 皮脂の酸化 |
生乾き臭 | 雑巾のような、こもった嫌なニオイ | モラクセラ菌などの雑菌の繁殖 |
なかでもカビ臭は時間が経っても残りやすく、徐々に衣類全体に染み込んでいくのが特徴です。
放置すると、洗濯を何度繰り返しても完全には落ちなくなるケースもあるため、早めに正しく見極めて対処することが大切です。
1-3. カビ臭を吸い込むリスクと対処法
カビ臭がするということは、空気中や衣類にカビの胞子や菌が存在している可能性が高いということでもあります。
とくに注意したいのは、以下のような健康リスクです。
- 喉や鼻の粘膜が刺激され、咳や鼻づまりが起きやすくなる
- アレルギー体質の人は、喘息や皮膚炎を引き起こすことがある
- 小さな子供や高齢者のいる家庭では、症状が重くなる場合もあるため注意が必要
また、「カビ臭がするかも?」と何度も深くニオイを嗅ぐ行為は、胞子を直接吸い込むリスクがあるため避けましょう。
カビ臭を感じたときは、次のような対処が効果的です。
- 衣類を風通しのよい場所で陰干しまたは天日干しする
- セスキ炭酸ソーダ、重曹、酸素系漂白剤などを活用して洗浄する
- カビがひどい場合や水洗いできない素材には、クリーニングやガス滅菌の利用も検討する
まずは、手軽に始められる天日干しによるカビ対策について、次の章で詳しくご紹介します。
2. 天日干しは効果ある?紫外線殺菌と干し時間・素材別の注意点

「服を干すだけで本当にカビ死滅するの?」と疑問に思う方もいると思いますが、実は天日干しにはカビの殺菌・消臭に一定の効果があります。
ここではその仕組みと、効果を最大限に引き出す干し方を解説します。
2-1. 紫外線と乾燥がカビに効く理由
天日干しがカビ対策に効果的な理由は、紫外線(UV)による殺菌作用と乾燥によるカビの活動阻害にあります。
紫外線は、カビの細胞構造を破壊し、増殖を抑える効果があります。
また、カビは湿度60%以上・気温20〜30℃・栄養分(汗や皮脂)が揃うと活発に繁殖しますが、水分がなければ生き延びることができません。
つまり、紫外線による殺菌+乾燥による除湿が、家庭でできる最も基本かつ効果的なカビ対策といえるのです。
実際、ブドウ球菌を含んだ綿布を日光にさらし、時間経過による菌数の変化を調べた実験では、次のような結果が得られています。
日光曝露時間 | 菌数(cfu) |
曝露前 | 約8,100万 |
10分後 | 約13,000 |
30分後 | 約360 |
60分後 | 検出されず(0) |
一方、日陰に置いた布では、60分後も約270万の菌が残っていました。
この試験対象はカビ菌ではなくブドウ球菌ですが、紫外線による殺菌効果の参考データとして有用です。
このように、晴れた日に衣類を日光にしっかり当てるだけでも、目に見えない菌や臭いの原因物質を減らすことができます。
参考: エフシージー総合研究所
2-2. 干す時間の目安とおすすめの時間帯

天日干しで効果的にカビ対策をするには、干す時間やタイミングに注意することが大切です。
干す時間の目安は季節によって異なります。
- 夏場:1〜2時間程度
- 冬場:2〜3時間程度
夏場は気温が高く、衣類の表面温度も上がりやすいため、比較的短時間でも殺菌や乾燥の効果が期待できます。
一方、冬場は気温や紫外線の量が低くなるため、やや長めに干すことで十分な効果を得ることができます。
また、干している途中で衣類を裏返し、両面にまんべんなく日光を当てるのも効果的です。
干す時間帯は、午前10時から午後2時ごろが最適とされています。
この時間帯は紫外線が最も強く、空気中の湿度も低くなるため、殺菌と乾燥の両方で高い効果が得られます。
2-3. 素材によっては陰干しが安全
天日干しはカビ対策に効果的ですが、素材によっては生地を傷める原因になることもあります。
たとえば、シルク・ウール・カシミヤなどの繊細な生地は、紫外線によって以下のようなダメージを受けやすくなります。
- 黄ばみ
- 繊維の劣化
- 色あせや変色
また、衣類に使われている木製ボタン・金属パーツなどの天然素材の装飾も、直射日光で変質・劣化する恐れがあります。
こうした衣類は、風通しのよい日陰で乾かす「陰干し」が安心です。
干す前には、必ず洗濯表示を確認し、素材に合った干し方を選びましょう。
3. カビ臭を落とす!自宅でできる4つのニオイ対策
天日干しでは完全にカビ臭が取れなかった場合は、家庭にあるアイテムや洗剤を使った対策がおすすめです。
ここでは、自宅で手軽にできるカビ臭対策を4つご紹介します。
3-1. セスキ炭酸ソーダで汚れと臭いを分解

セスキ炭酸ソーダは、弱アルカリ性(pH 約9.8)の洗浄剤で、皮脂やタンパク質汚れを中和・分解する働きがあります。
カビそのものを殺菌する作用はありませんが、ニオイの原因となる汚れを浮かせて落とす効果があるため、軽度のカビ臭対策に有効です。
用意するもの
- セスキ炭酸ソーダ(粉末)
- 衣類用洗剤

レック 激落ちくん セスキ炭酸ソーダ
出典: Amazon
注意点
- 殺菌効果はないため、強いニオイには漂白剤や高温洗浄を併用する
- ウールやシルクなどの繊細な素材には使用しない
- 漂白力はないため、シミや変色には不向き
手順

- ① 洗濯機にセスキ炭酸ソーダを入れる
洗濯するときに、いつも使っている衣類用洗剤に追加でセスキ炭酸ソーダを大さじ1杯投入します。
- ② 通常通り洗濯して、乾燥させる
通常通り洗濯し、しっかり乾かしましょう。
3-2. 重曹で消臭効果を高める
重曹(炭酸水素ナトリウム)は弱アルカリ性の性質を持ち、酸性のカビ臭や汗臭を中和して和らげる効果があります。
殺菌力はありませんが、軽〜中程度のニオイの緩和に有効で、吸湿性もあるため収納前のケアにもおすすめです。
用意するもの
- 重曹(粉末)
- 衣類用洗剤
- 洗面器
- ぬるま湯(40℃前後)

シャボン玉石けん 重曹
出典:Amazon
注意点
- 殺菌効果はないため、ニオイが強い場合は漂白剤や高温洗浄を併用する
- カビの根本除去には不向き。補助的な脱臭対策として使う
- 水に溶けにくいため、よくかき混ぜてから使う
手順

- ① 重曹をぬるま湯に溶かす
洗面器に40℃前後のぬるま湯をため、大さじ1〜2杯の重曹をしっかり溶かします。
- ② 衣類をつけ置きする

カビ臭が気になる衣類を入れ、30分ほどつけ置きします。
- ③ 通常通り洗濯し、しっかり乾燥させる

つけ置き後は通常通り洗濯し、しっかり乾かして仕上げます。
3-3. 酸素系漂白剤で根こそぎ殺菌
酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)は、水に溶けると過酸化水素(H₂O₂)と炭酸ナトリウムを発生させ、酸素の力でカビの細胞膜を酸化破壊します。
菌糸まで届くため、繊維の奥に入り込んだカビにも効果があり、色柄物にも比較的安全に使えるのが特長です。
用意するもの
- 酸素系漂白剤(粉末タイプ)
- 衣類用洗剤
- 洗面器
- ぬるま湯(40℃前後)

グラフィコ オキシクリーン
出典:Amazon
注意点
- 金属パーツや天然皮革には使用しない(変色・腐食のリスクあり)
- シルクやウールなどの天然素材には不向き
- 一部の耐熱性菌には効果が弱いため、重度の汚染には高温処理や業者対応を併用する
手順

- ① 酸素系漂白剤をぬるま湯に溶かす

洗面器に40℃前後のぬるま湯をためて、漂白剤をよく溶かします。
(オキシクリーンの場合は、4Lでキャップ1杯が目安)
- ② 衣類をつけ置きする

ニオイの気になる衣類を30分ほどつけ置きます。
- ③ 通常通り洗濯し、しっかり乾燥させる

つけ置き後は洗濯機で洗い、風通しのよい場所で十分に乾かします。
3-4. 高温つけ置きで熱殺菌

カビや雑菌は熱に弱く、60℃以上での加熱処理により短時間で死滅するといわれています。
特に60℃で10分以上、または70℃で数分間のつけ置きは、多くの真菌や細菌をほぼ完全に除去できると複数の研究で報告されています。
用意するもの
- 60℃前後のお湯
- 衣類用洗剤
- 洗面器
- 温度計(あれば安全)
注意点
- 素材が耐熱かを必ず確認し、心配な場合は目立たない部分で色落ちテストを行う
- やけど防止のため、温度管理と取り扱いに注意する
- より強力に処理したい場合は、乾燥機やスチームアイロンの併用も効果的
手順

- ① お湯を準備する
洗面器に60℃程度のお湯を用意します。
- ② 衣類をつけ置きする
カビ臭が気になる衣類を入れ、10〜30分程度つけ置きします。
素材の耐熱性に応じて調整しましょう。
- ③ 通常通り洗濯し、しっかり乾燥させる
つけ置き後は洗濯機で洗い、風通しのよい場所で十分に乾かします。
4. プロに頼む判断基準とおすすめの対処法

ここまでご紹介した方法を試しても、「カビ臭がなかなか取れない」「黒いシミが残ってしまった」など、自宅でのケアでは限界を感じるケースもあるかもしれません。
そんなときは、無理をせずプロの力を借りる判断も必要です。
ここでは、どんな場合に専門業者への依頼を検討すべきか、その目安とおすすめの対処法をご紹介します。
4-1. 水洗い不可素材や黒カビはクリーニングへ
水洗いできない衣類や、黒カビが目立つ衣類は、自宅での処理が難しいため、早めにクリーニングの利用を検討しましょう。
特に以下のような衣類は、家庭での対処では限界があります。
- コートやスーツなど、水洗い不可の衣類
- ウール・シルク・カシミヤなどの天然素材製品
- 黒カビの斑点が見られる衣類(繊維の奥に菌糸が入り込んでいる)
- 色移り・変色などが心配な高級衣料やデリケートな服
中でも黒カビは、表面の汚れが落ちたように見えても、菌糸が繊維の深部に残りやすく、通常の洗浄や漂白では完全に除去できないことが多いです。
そのため、カビのシミや臭いが残る場合は、「シミ抜き」や「防カビ加工」などの対応ができる店舗を選ぶことがポイントです。
4-2. カビの臭いが残るときはガス滅菌を検討

「見た目のカビは取れたけど、ニオイだけが残っている…」
「衣類が多すぎて、すべて洗うのが手間…」
そんな方には、ガス滅菌という選択肢があります。
ガス滅菌とは、特殊な密閉空間で安全性の高いガスを用い、カビ菌・細菌・ウイルスをまるごと除菌する方法です。
衣類だけでなく、帽子・ぬいぐるみ・靴など、水洗いできないアイテムにも対応可能です。
ガス滅菌のメリットは以下の通りです。
- 素材を傷めず、まるごと殺菌できる
- 洗えないアイテムもまとめて処理できる
- 自宅での作業は不要で、箱に詰めて送るだけ
ただし注意点として、カビによる変色やシミはガス滅菌では除去できません。
臭いや菌を除去したあとに、シミ抜きや再洗浄が必要になるケースもあります。
4-3. カビ取り専門のハーツクリーニングがおすすめ

ガス滅菌でカビ菌やニオイは除去できますが、繊維の奥に入り込んだ黒カビの色素やシミまでは落とせないという限界があります。
そこでおすすめなのが、ガス滅菌とプロのシミ抜きを組み合わせた「ハーツクリーニング」です。
ハーツクリーニングは、カビ対策に特化した専門サービスとして、次のような特長があります。
- 特殊改造された医療用ガス滅菌庫で、デリケートな衣類にも安心して使用可能
- 熟練の職人が1枚ずつ丁寧に洗浄・シミ抜きし、見た目までしっかり回復
- 世界初の特許技術を応用した防カビコーティングで再発リスクを最小限に抑制
黒カビによるシミや変色が気になる大切なコートやスーツ、水洗いが難しい高級素材の衣類、ぬいぐるみ、靴などを安全に処理したい方には、ハーツクリーニングがぴったりです。
もう捨てるしかないかも…とあきらめる前に、ぜひ一度ご相談ください。

5. 再発させないための衣類のカビ対策
カビ臭を取り除いても、洗濯・乾燥・収納の環境が整っていなければすぐに再発してしまいます。
特に湿度の高い季節や、洗濯後の乾き残しがある状態は要注意です。
ここでは、衣類のカビ再発を防ぐために重要な5つの対策を紹介します。

5-1. 洗濯後はすぐにしっかり乾かす

カビがもっとも好むのは「湿気」です。
洗濯後の衣類が乾ききらないまま放置されると、わずか数時間でもカビが繁殖するリスクがあります。
そのため、以下のポイントに注意しましょう。
- 洗濯後はできるだけ早く干す
- 晴れた日は屋外で天日干し、難しい場合は浴室乾燥機・衣類乾燥機・アイロンを活用
- 室内干しの場合は、扇風機と除湿機を併用すると効果的
- 厚手の服や重ね干しは避け、空気が通るように間隔をあけて干す
衣類のカビを防ぐには、湿った状態をできるだけ短く保つことが重要です。
5-2. 残り湯で洗わない+粉末洗剤を使用する
洗濯のやり方ひとつで、衣類にカビが再発するリスクは大きく変わります。
なかでも注意したいのが、「お風呂の残り湯」を使って洗濯する習慣です。
入浴後の湯には皮脂や雑菌が多く含まれており、そのまま使うと洗濯中に衣類へ再付着するおそれがあります。
さらに、一晩放置した残り湯では、細菌数が最大で数百から数千倍に増加するという報告もあります。
どうしても残り湯を使いたい場合は、「洗い」にのみ使用し、「すすぎ」は必ず清潔な水道水で行うようにしましょう。
また、使用する洗剤は、粉末タイプで弱アルカリ性、かつ酵素入りのものを選ぶと、皮脂やカビの栄養源を効果的に除去できます。
参考:お風呂の残り湯は使ってもよい?|株式会社 衛生微生物研究センター

花王 アタック高活性バイオパワー
出典:Amazon
5-3. 洗濯槽を月1回洗浄する

カビが生えてしまった衣類の多くは、実は洗濯槽が原因です。
普段は見えない洗濯機の内側や裏側に、黒カビや雑菌がびっしりと付着していることも珍しくありません。
洗濯後は、洗濯機のフタを開けたままにして、槽内をしっかり乾燥させることが大切です。
さらに、月に一度は洗濯槽クリーナーを使って定期的に洗浄しましょう。
黒いペラペラした汚れが洗濯物についたり、洗濯機からカビ臭がするようになった場合は、内部のカビ汚れが相当進んでいるサインです。
そのようなときは、分解清掃を依頼するか、洗濯機の買い替えを検討する必要があります。

ジョンソン 洗たく槽カビキラー
出典:Amazon

5-4. 部屋干し・梅雨時は乾燥環境を整える
雨の日や梅雨の時期に室内干しをすると、湿気がこもりやすくなり、生乾き臭やカビの発生が一気に進みます。
そんなときは、次のようなアイテムを活用して、乾燥環境を整えることが大切です。
- コインランドリー:80℃以上の高温乾燥で除菌・除湿
- 浴室乾燥機:湿気を逃がしながらムラなく乾燥
- スチームアイロン:高温スチームで表面の菌やニオイを除去
- サーキュレーター+除湿機:室内に風を送りながら湿気を吸収し、乾燥スピードを大幅アップ
ちょっとした工夫を加えるだけで、部屋干しのストレスを減らし、衣類を清潔に保つことができます。

シャープ 衣類乾燥機除湿機 プラズマクラスター
出典: Amazon
5-5. 収納場所の湿度をコントロールする
どんなに衣類を丁寧に洗っても、収納環境に湿気がこもっていれば、カビはあっという間に再発します。
特に、クローゼットや押入れなど通気性の悪い場所は要注意です。
カビを防ぐためには、以下の対策を行いましょう。
- 湿度計を設置し、常に60%以下を保つ
- クローゼットは週に数回、扉を開けて風を通す
- 除湿剤・炭・新聞紙などを設置して湿気を吸収(湿気を吸ったらこまめに交換)
- 長期保管する衣類には、不織布製など通気性の良いカバーを使用
- 北側の部屋や梅雨時期には、除湿機やエアコンのドライ機能の併用が効果的
収納スペースの湿度をコントロールできれば、衣類のカビ対策はぐっとラクになります。
小さな工夫の積み重ねが、清潔な保管環境をつくります。

タニタ 温湿度計
出典:Amazon

オカモト 水とりぞうさん
出典: Amazon
6. 衣類のカビに関するよくある質問(FAQ)

衣類のカビ対策について、日々のお手入れや洗濯方法に関して多くのご質問をいただきます。
ここでは、実際によく寄せられる疑問とその対策について、わかりやすくお答えします。
6-1. 日陰干しでも意味はありますか?
はい、あります。
ただし天日干しとは目的が異なります。
日陰干しには乾燥によるカビ予防効果がありますが、紫外線による殺菌効果は期待できません。
シルクやウールなど紫外線に弱い素材の衣類は、風通しの良い日陰で湿気をしっかり飛ばすことで、カビの繁殖を防ぐことができます。
6-2. 1回干しただけで臭いが残るのはなぜ?
カビや雑菌のニオイの原因が、繊維の奥深くに残っていることが多いためです。
表面の湿気や菌は天日干しである程度除去できますが、根を張ったカビや皮脂汚れが残っていると、再び臭いが出てしまいます。
酸素系漂白剤によるつけ置きや、60℃の熱処理などを併用するのがおすすめです。
6-3. 洗濯槽クリーナーはどのくらいの頻度で使う?
洗濯槽クリーナーは、月に1回程度の使用が理想的です。
特に梅雨時や湿度の高い季節は、2〜3週間に1回のペースでの掃除をおすすめします。
酸素系クリーナーを使用する場合は、50℃程度のお湯で槽を満たしてから洗浄すると、カビや雑菌の繁殖をより効果的に抑えられます。
なお、ドラム式洗濯機の場合は、塩素系クリーナーを推奨されていることが多いため、必ず機種ごとの取扱説明書を確認のうえ、適切な洗浄方法を選んでください。
6-4. 除湿剤やカバーはどれくらい効果がありますか?
正しく使えば、どちらもカビ予防に効果的です。
- 除湿剤(シリカゲルなど):効果の目安は1〜2か月。湿気を吸ったらすぐ交換しましょう。
- 衣類カバー:通気性のある不織布製がおすすめ。ビニール製は湿気がこもりやすいため避けましょう。
あわせて湿度計を設置し、収納の湿度を60%以下に保つことがカビ予防の基本です。

アストロ 衣類カバー ホワイト マチ付き ロングサイズ
出典:Amazon
6-5. 天日干しと乾燥機、どちらが効果的?
天日干しと乾燥機は、どちらも衣類のカビ対策に有効ですが、それぞれに異なる特長があります。
項目 | 天日干し | 乾燥機 |
殺菌力 | ◎(紫外線) | ◯(高温) |
乾燥スピード | △(気象次第) | ◎(短時間) |
素材へのやさしさ | △(直射日光で劣化の可能性) | ◯(低温設定なら安心) |
目的や素材、天候に合わせて使い分けることで、より効果的に菌や湿気を取り除くことができます。
7. まとめ
今回はカビ臭い衣類の原因から、効果的な除去方法、そして再発を防ぐための習慣改善までを網羅的にご紹介しました。
カビ臭の正体は、カビが繁殖する過程で発生する微生物由来のガス(MVOC)や、繊維に残った汚れ・雑菌によるニオイです。
そのままにしておくと、衣類の劣化だけでなく、アレルギーや肌荒れなどの健康被害につながる可能性もあるため、早めの対処が大切です。
カビは紫外線に弱いため、天日干しは効果的な対策のひとつです。
- 干す時間は夏場で1〜2時間、冬場は2〜3時間が目安
- もっとも紫外線が強い10〜14時ごろに干す
- 衣類は途中で裏返して、両面に日光が当たるようにする
一方で、天日干しができない、あるいは臭いが残る場合には、以下の方法も効果的です。
- セスキ炭酸ソーダ:軽度な汚れや臭いを中和
- 重曹:酸性のニオイを中和し、除湿効果もあり
- 酸素系漂白剤:繊維の奥の菌やカビの根まで除菌
- 熱処理(60℃以上):カビや雑菌を熱で死滅させる
それでも臭いやシミが取れない場合は、プロのクリーニングやガス滅菌など専門的な対処を検討しましょう。
中でも、カビ取り専門の「ハーツクリーニング」では、ガス滅菌による除菌と、熟練職人による丁寧なシミ抜きで、衣類に深く入り込んだカビを徹底的に除去し、さらに独自の防カビコーティングで再発も防ぎます。
ニオイ・見た目・再発リスクを同時にケアできる、他にはない専門サービスだからこそ、「もう着られないかも」と感じた衣類でも、再び安心して使える状態へと蘇らせられる可能性があります。
大切な一着を諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。

そして、衣類のカビ対策は一度やって終わりではなく、日常の習慣として続けることが何より大切です。
以下のカビ予防の習慣を日々の生活に取り入れてください。

カビ臭は正しい知識と日々のちょっとした工夫で防ぐことができます。
衣類を清潔に保ち、暮らしの快適さと健康をしっかり守っていきましょう。
