宿泊先のホテルがカビ臭かったらどうする?事前チェックから現地での対応・持ち物まで完全ガイド

楽しみにしていた旅行。
宿泊先のホテルのドアを開けた瞬間、なんだかカビ臭い…!そんな経験はありませんか?

実は、エアコンの全館空調によるカビ臭やホテルや旅館でも湿気や換気不足などの理由で、カビ臭がする部屋に当たってしまうことがあります。後ほど詳しく触れますが、最もカビ臭いを酷くしているのがエアコンなんです。

せっかくの旅行がカビで台無しになるのを避けるためにこの記事では、予約時にチェックしておきたいポイントや、緊急性が高いと思いますが、カビ臭い部屋に当たってしまった場合の対処法準備しておきたい持ち物まで詳しくご紹介します。

カビ臭に悩まされずに旅行を快適に過ごすため、ぜひ活用ください。

この記事で分かること
・宿泊先を予約する際のチェックポイント
・ホテル・旅館にカビが生える原因
・宿泊先がカビ臭かった場合の対処法
・旅行でカビに悩まないための持ち物

1. ホテル探しを自分でするときの注意点

ホームページを見たり、口コミや評価を参考にしてホテルを決めましょう

自分でホテルを探して予約する場合、インターネットなどの口コミ、評価をしっかり読んでおくことをおすすめします。その中でもホテルのクレーム対応がどうであったか、誠意があったかどうか、が一番知っておくべきポイントです。

部屋がカビ臭い場合には、もしかしたら過去に訪れた宿泊客も同じような体験をしている可能性が高いです。予約時にチェックしておくことをおススメします。

特に、口コミで「カビ臭かった」と多数書いてある宿泊施設の予約は避けるようにすると良いでしょう。

またその宿泊施設しか泊まるところが無い場合は、予め宿に”カビ臭くない部屋を希望します”と伝えると少しは配慮をしてくれる場合もあります。

ホテルや旅館でカビ臭がするなんてあり得ることなの?

ホテルや旅館の部屋に入った瞬間、「カビ臭い」と感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。特に日本の宿泊施設では、季節や環境によってカビ臭が発生することが珍しくありません。

日本は湿潤な気候であるため、室内には常に湿気がこもりやすい環境が整っています。ホテルの部屋は、自宅に比べて日常的に人が出入りせず、空調が止まっている時間が長いため、空気が淀みがちです。また、清掃が十分でない場合、特に部屋の稼働率が低く空室期間が長いほど、カビの繁殖リスクは高まります。

カビは、空気中に漂う胞子が埃に付着し、湿度・温度・栄養源(埃や有機物)・酸素という条件がそろった環境下で増殖します。ホテル客室内では、カーペットやエアコンの内部、クローゼットの奥など、目が届きにくく埃が溜まりやすい場所で繁殖が進むことが多く、そこからカビ臭が広がるケースが多いのです。

エアコンは、冷暖房使用時に内部で結露が発生し、湿った状態が長期間続きやすいため、カビの温床になりがちです。エアコンが稼働していない期間が長い部屋では、内部に付着したカビが増殖しやすくなります。また、客室の浴室・洗面所からの湿気が換気不十分な状態で部屋に滞留すると、寝室の壁や家具などにもカビが生えやすくなります。

露天風呂付の客室においても同様の問題が生じます。室内外の境界があいまいで湿気が室内に入りやすく、風通しが悪い場合には、室内に湿気が蓄積し、カビの原因となります。

それ以上にカビ臭の元凶になっているのは全館空調・・・

実際のホテルのカビ臭の原因として非常に多いのが、全館空調システムのエアコンです。過去に、カビ臭を理由に販売中止となったホテル約20箇所を調査したところ、実にその60%のケースで全館空調エアコンが臭いの発生源であることが判明しました。この結果からも、全館空調型エアコンが宿泊施設におけるカビ臭の主要な元凶となっていることが裏付けられています。単一の壁掛けに比べて、掃除がしにくく埃がたまり結果カビ臭の元凶になっていることが多いです。

2. せっかくの旅行をカビ臭で台無しにしないためにすべきこと

部屋に入ってカビの臭いが気になったら、すぐにフロントに連絡を

カビ臭などの不快な臭いを部屋で感じた場合、まず速やかにフロントや宿泊施設の管理者に相談しましょう。部屋の空き状況にもよりますが、多くの場合、別の部屋に替えてくれるはずです。

ここで重要なのは、臭いが気になった時点で部屋をできるだけ使わないことです。水を使用したり、ベッドに荷物を広げたり、服を脱いだりする前に、まずはフロントに連絡してください。換気のために開いている窓を一度閉めてみて、臭いがより強く感じられた場合は、カビが原因である可能性が高いと言えます。

ホテル側には「部屋の臭いが気になるので別の部屋をお願いします」と、はっきり伝えましょう。これは宿泊費用の高低に関わらず当然の要求です。このような場合、ホテルの対応力が問われることになりますから、事前に口コミなどでホテルの対応について調べておくのも賢明です。

海外旅行中でもカビ臭い部屋に遭遇することがあります。その際は「私はカビアレルギーなので、部屋を替えてください(I have a mold allergy, so could you please change my room?)」と伝えると効果的です。英語に自信がなくても、スマートフォンの翻訳機能を利用してスタッフに伝えることができます。

実際に私はカビアレルギーを持っているわけではありませんが、沖縄のホテルに家族で宿泊した際、ひどいカビ臭が気になり部屋を交換してもらった経験があります。しかし、替えてもらった部屋にも同じようなカビ臭があり、一度交換したことへの遠慮から再度申し出ることができず、無理に宿泊を続けたところ、喉の違和感や鼻水などアレルギー症状が現れてしまいました。

このようなことからも、臭いが気になる場合は決して無理をせず、遠慮なくフロントに相談することを強くおすすめします。

3. どうしてもカビ臭い部屋に宿泊せざるをえない場合はどうしたら良い?

しっかりと換気をしよう

すぐにできるカビ臭対策として最も効果的なのが「換気」です。室内の収納庫やクローゼットなどの扉をすべて開き、換気扇を回し、窓を可能な限り開放して部屋全体の空気を入れ替えましょう。ホテルの場合、安全上の理由から外窓が完全には開かないことがありますが、その際はフロントに相談すると、スタッフが窓を開けてくれることもあります。カビアレルギーの方は症状が悪化しないよう、早めにマスクを購入して鼻や喉を保護しつつ換気作業を行うことをおすすめします。

部屋を替えてもらうことが不可能だった場合、消臭スプレーに替わるものを考えてみましょう

消臭対策としては、市販の消臭剤以外でも、身近にあるものを工夫して使う方法があります。ホテルのバスルームに備え付けられている香りつきのシャンプーやボディソープを活用して水溶液を作り、それをコップや容器に入れて部屋の数箇所に置くだけでも、カビ臭をある程度緩和することができます。

また、出張や旅行が多い方は、自分なりに手軽に持ち運べる香りアイテムを持参するのも効果的です。私の場合は、香りつきの固形入浴剤をよく持っていきます。バスタブに入浴剤を入れてお湯を溜めることで、浴室から室内に良い香りが流れ込み、不快なカビ臭を上手にカバーしてくれます。

さらに、より手軽な方法として香水やアロマオイルを利用するのもおすすめです。ティッシュペーパーやコットンに少量を含ませて部屋に置いておくだけでも、短時間で部屋全体を快適な香りに包むことができます。これらは手荷物に簡単に入れて持ち歩けるので、旅行中や出張先で急に不快なニオイに遭遇したときに役立ちます。

携帯サイズのアルコールスプレーを持ち歩く

また、個人的におススメなのが旅行や出張時に携帯のできるアルコールスプレーを持ち歩くということです。洋服の消臭にも使えますし、手指の殺菌にも使えますがカビの消臭、除菌にも使えます。少し荷物にはなりますが、色んな用途があるのでカビが苦手な方は携帯しておくことと良いでしょう。

自宅に消毒用アルコールがある場合は100均のスプレーボトルなどに移し替えておくのも良いでしょう。

出典:Amazon

マスクをして寝る

カビアレルギーのある方は、旅行や出張などで宿泊施設を利用する際、念のためマスクを持ち歩くことを強くおすすめします。もし宿泊先の部屋がカビ臭く、さらに満室で部屋の交換ができないという最悪のケースに備えておくためです。

一般的な不織布マスクを正しく装着することで、空気中に漂うカビ胞子やハウスダストを約70~80%程度低減できます。ただし、マスクの密着性が高いほど効果が向上しますので、立体型の不織布マスクや医療用のサージカルマスク、N95規格マスクを利用すると、さらに防御効果が高まります。

また、アロマや香料つきのマスクを使えば、カビ臭自体の不快感もある程度和らげることができます。就寝時には、マスクをしたまま寝ることで、直接的にアレルゲンを吸い込むリスクを減らせるでしょう。アレルギー症状を完全に防げるわけではありませんが、何もせずにそのまま宿泊するよりは遥かに安全で症状の悪化を抑えられるため、緊急時の対策としてぜひ覚えておいてください。

4. まとめ

楽しみにしていた旅行も、宿泊先のホテルでカビ臭い部屋にあたってしまうと台無しになってしまいます。実は日本の宿泊施設では、湿潤な気候や清掃頻度、換気不足などが原因で、カビが発生しやすい環境が整っています。特に全館空調システムを採用している施設は、清掃や管理が難しいことから、エアコン内部にカビが発生し、カビ臭の元凶となっていることが多いのです。実際、過去に調査した約20のホテルでは、カビ臭の主な原因の約60%が全館空調エアコンでした。

予約時には口コミをしっかりと確認し、特にカビ臭に関する評価やホテル側のクレーム対応について注意深く調べることが大切です。また、カビ臭が心配な場合には、予約時に「カビ臭くない部屋」を希望すると伝えるのも効果的です。

ホテルに到着して部屋のカビ臭が気になった場合は、遠慮せずにすぐにフロントへ連絡し、別の部屋をリクエストしましょう。臭いが気になった時点で部屋を使わず、まず換気のために窓を閉めて臭いの原因を確かめてから伝えるとよいでしょう。

万が一、部屋の変更が難しい状況にある場合は、まず換気を徹底的に行いましょう。収納スペースやクローゼットの扉を開け、換気扇を回し、窓を可能な限り開けて空気を入れ替えます。フロントにお願いすれば、窓を安全な範囲で開けてもらえる場合があります。

さらに、身近なアイテムで簡単に消臭対策を行う方法もあります。ホテルに備え付けの香りつきのシャンプーやボディソープを薄めて水溶液を作り、容器に入れて置くだけで臭いが和らぎます。また、固形入浴剤をバスタブに入れて香りを広げる方法や、香水やアロマオイルをティッシュやコットンに染み込ませて部屋に置く方法も効果的です。

個人的な対策としては、携帯用のアルコールスプレーを持参すると便利です。衣類の消臭や手指の除菌にも使用でき、カビ臭の軽減にも役立ちます。また、カビアレルギーの方は、不織布マスクやN95規格マスクを常備するとよいでしょう。マスクを装着することで空気中のカビ胞子を70~80%低減でき、特に密着性の高いマスクなら防御効果がさらに向上します。

宿泊とは快適に過ごすためのサービスですから、不快な臭いを我慢する必要はありません。事前に対策や心構えを持ち、万が一カビ臭い部屋に当たってしまった場合には、遠慮なくホテル側に善処を求めましょう。またホテルや旅館を経営されていてカビ対策にお困りの場合は、専門的なカビ除去のサービスを提供しているハーツクリーンまでぜひご相談ください。