地下ガレージがカビだらけになった時のカビ対策方法

1. 地下ガレージとは

地下ガレージとは、宅地の地盤面の下にある車庫のことをいいます。宅地の下にあるため地下ガレージと呼ばれます。高低差のある土地や住宅密集地で多く取り入れられる工法です。敷地を有効活用しながら、安全に車を保管し悪天候から車を守ってくれるというメリットがあります。

2. 地下ガレージにカビが生える原因

メリットの多い地下ガレージですが、実は地下ガレージはカビが生えやすいという問題があります。地下ガレージにカビが生えてしまう原因には次のようなことがあります。

2-1. 日当たり・通気性が悪い

地下ガレージは左右、天井、背面が壁に囲まれています。シャッター付きであれば全面が囲まれ、日光が当たらない密閉空間になります。日光が届かず通気性も悪い地下ガレージは湿度が高くカビが生えやすい空間なのです。また、ガレージ内に物が多く物置と化している場合も通気性が悪くなりカビの原因になります。

2-2. コンクリートに含まれた水分によるカビ

地下ガレージの外壁に使われるコンクリートや土は適度に水分を含んでいます。特に新築やリフォーム工事後はコンクリート内の水分が乾ききっていません。

ただでさえ日当たり・通気性の悪い地下ガレージですが、コンクリートの水分も加わることでより湿度が高くなりカビが生えてしまいます。

2-3. 結露

地下ガレージは、居住空間と違い断熱性は重要視されません。そのため、ガレージには断熱材がないことも多くそれによりガレージ内に結露が生じます。発生した結露によりガレージ内の湿度が高くなりカビが生えてしまいます。結露は天井の隅に発生しやすく、そこにカビが集中して生えている場合は結露が原因である可能性が高いです。

2-4. 浸水

地下ガレージは悪天候の影響を受けやすいです。地下ガレージは宅地よりも下にあり、水が入ってきても逃げ場がないため大雨の時には浸水してしまうことがあります。水はけが悪いと何日も濡れたまま、なんてこともあります。日当たりも悪いため乾きにくくその間にカビが生えてしまいます。

2-5. 雨漏り

住宅部分の防水工事が不十分であったり、ガレージの建材の劣化、ひび割れがあると地下ガレージに雨漏りが発生することがあります。雨漏りが続くとその部分からカビが生えてしまいます。

2-6. 枯葉やごみがカビの栄養源に

地下ガレージは周囲を壁に囲まれているため、枯葉やゴミが入り込むと掃除をしない限り溜まっていく一方になります。枯葉やゴミはカビの栄養源となるため、それらが溜まっている地下ガレージはカビが発生・成長しやすくなります。

3. カビが広がるとどんなリスクがある?

地下ガレージのカビが広がるとどんなリスクがあるのでしょうか。

3-1. 住宅の強度が下がる

カビの原因が雨漏りである場合特に危険なリスクがあります。雨漏りを長期間放置したことで建材が錆びついたり劣化したりすると地下ガレージが脆くなり、ガレージ天井部の崩れが起き最悪の場合住宅が傾く危険性があります。もちろん、カビ自身もガレージの建材を傷めてしまうため住宅の強度に影響を与えてしまいます。

3-2. 車やその他収納物にカビが生える

地下ガレージにカビが生えると、ガレージ内に停めている車や収納物にもカビの胞子が付着し、そこから新たなカビが発生するリスクがあります。車にカビが生えるの?と思われるかもしれませんが、マンションの機械式地下駐車場の最下層に停めていた車の車内にカビが生えたという話もあります。

4. 地下ガレージにカビが生えたら?

では地下ガレージにカビが生えたらどうしたらよいのでしょうか。

4-1. カビの原因を考えてみる

まずはガレージにカビが生えた原因を考えてみるといいでしょう。専門家でなければ原因究明には限界があるかもしれませんが、それでも、雨漏りはしていないか、湿気・換気・掃除は十分だったか、物を置きすぎていないか、収納物に生えたカビがガレージにうつった可能性はないか、などカビ発生の原因を自分なりに考えてみるもの大事です。心当たりが見つかれば、それに応じた対策をとっていきましょう。

4-2. 軽度のカビであれば自力で去できることも

カビが比較的軽度であったり、生え始めのカビであればある程度は自力で除去することも可能です。カビ取り作業は天気の良い日におこない、使用するカビ取り剤は建材に合わせたもの(コンクリート用など)を使いましょう。消毒用アルコール逆性石けん、コンクリートに使用可能なカビ取り剤などを使って除カビしていきます。

出典:Amazon

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カビ取りマイスター

カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取りマイスターはコンクリートのカビ取りにもご使用いただけます。

カビ取り方法は次の通りです。

  1. マスク、ゴム手袋、ゴーグル、長袖長ズボンを着用し、身体を保護します。
  2. カビ取り剤に記載されている使用方法に従い、カビ部分にカビ取り剤を吹きかけます。
  3. 少し時間を置き、カビの落ち具合によってはブラシを使ってこすり落とします。
  4. カビが取れたら水で洗い流します。高圧洗浄機を使える材質であれば高圧洗浄機を使うのもおすすめです。
  5. 最後に乾いたタオルで水気を拭き取ります。(乾燥している間にコンクリートに水がしみ込んでいくため自然乾燥はせずきちんと手で拭き取る)

ただし、カビの生えている範囲が広すぎる場合にはプロに相談しましょう。

4-3. 手に負えないときは業者に依頼を!

カビの状態がひどかったり、カビの生えている場所が高くて手が届かない、カビ取りをしてみたけれど除去しきれなかった・カビが再発してしまった、という場合はカビ取り専門の業者に依頼するのも一つの方法です。広範囲で頑固なカビでもプロであればキレイに除去してくれます。

4-4. 雨漏りしている場合は修繕が最優先

カビの発生が雨漏りによるものであった場合、いくら表面のカビを除去してもまたすぐにカビが生えてきてしまいます。まずは雨漏り箇所を修繕し、カビの根本原因をなくすことが最優先になります。

5. 地下ガレージのカビを防ぐ方法

地下ガレージはカビが生えやすいからこそ、日頃から気をつかいカビを未然に防ぐことが大切になります。カビを防ぐには次の方法を試してみてください。

5-1. こまめに掃除する

ガレージ内に入り込んだ枯葉やゴミはこまめに掃除しましょう。また車以外に物を置いている場合は、それらの汚れや埃の除去もおこないましょう。こまめに掃除をすることでカビの栄養源を減らすことができます。特に雨風が強かった日の翌日は濡れた葉っぱやゴミが入り込んでいることが多いのでできるだけ早いタイミングで掃除をしましょう。

5-2. 湿気対策

地下ガレージのカビを防ぐには湿気対策が非常に重要です。具体的な湿気対策として、

  • 換気扇を設置する
  • サーキュレーターをまわす
  • シャッターを開けておく時間を作る

といったことがあります。換気扇の設置は工賃がかかってしまいますが、結露が発生しやすく湿気がたまりやすい、空気が滞りがちの地下ガレージには非常に有効な湿気対策になります。常に換気してくれているので湿気対策に要する労力が減るというメリットがあります。

換気扇以外には、サーキュレーターをまわすという方法もあります。換気扇ほどの換気能力はありませんがサーキュレーターをまわしておくことで空気の淀みを解消しカビを防ぐ効果があります。カビが生えやすい天井の隅に向かってまわすと結露によるカビを防ぐことができます。

他にも、シャッター付きのガレージであれば、外出時などガレージが空になる際にはシャッターを開けておくことで湿度が下がりカビを防ぐことができます。

5-3. 物を置きすぎない

地下ガレージには必要以上に物を置かないようにし、通気性を確保するようにしましょう。

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6. まとめ

今回は地下ガレージのカビについてお伝えしてきましたが、まとめますと以下の通りです。

  • 地下ガレージは日当たり・通気性が悪く湿気がたまりやすいことや断熱性の低さからカビが生えやすい。
  • 悪天候時の雨漏りや浸水によってカビが生えることもある。
  • 地下ガレージにカビが広がると、車にもカビが生えることがある。またカビの原因が雨漏りである場合はガレージ天井部の崩れがおき、住宅の強度にも影響を与える危険性がある。
  • 地下ガレージにカビを見つけたら、軽度であれば自力で除去できることもある。その際は建材に合わせたカビ取り剤を使用する。カビがひどい場合はカビ取り業者に依頼する。
  • 地下ガレージのカビを防ぐにはこまめな掃除と湿気対策を心掛ける。換気扇を設置したりサーキュレーターを回す、ガレージが空になるときはシャッターを開けておくなど湿気がたまらないよう工夫する。

<参考>