カビ対策でアルコールを効果的に使う方法とは

カビ対策と一口にいってもその方法はさまざま。結局どの方法を採用すれば良いのか分からないという方も多いでしょう。そこで今回は代表的なカビ対策の方法、またその中でもアルコールによる対策方法について詳しくご紹介します。

カビに効果的な方法

カビに効果的な対策は1つだけではありません。方法はいくつかありますが、そのどれかが最も優れているというわけではなく一長一短。まずは代表的なカビ対策の方法を3つ取り上げ、それぞれのメリット・デメリットについてご説明します。

①次亜塩素酸ナトリウム

カビキラーなど、市販の塩素系カビ取り剤に含まれているのが次亜塩素酸ナトリウムという物質です。次亜塩素酸ナトリウムには殺菌効果、消毒効果、漂白効果があり、カビ取り剤以外にもプールの消毒にも使われています。

次亜塩素酸ナトリウムがカビに効果的である理由は、カビそのものを化学的に変化させるからです。カビは菌糸という糸が複雑につながりあったものなのですが、次亜塩素酸ナトリウムはこの菌糸を化学的分解します。その結果カビがもろくなり、水ではがれやすくなるのです。さらに漂白効果もあるため、カビが残した色素すらも消せるというメリットがあります。

しかし次亜塩素酸ナトリウムは強力過ぎるため、臭いや刺激も強いというデメリットがあります。使用の際にはゴム手袋やマスクで体を守ることが欠かせませんし、換気も十分に行わなくてはいけません。特に小さな子供のいる家庭ではより一層の注意が必要です。

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花王 カビハイター

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②重曹

料理にも掃除にも使えると評判の重曹はカビ取りにも効果的です。料理に使われるというだけあり、口に入っても問題ない成分であるため他の薬品よりも安心して使えます

カビ対策をする場合はお酢と組み合わせて使用します。お酢にはカビを溶かす働きがあり、重曹には汚れを分解する働きがあるためこの2つの相性が良いのです。ただし重曹には研磨作用があるため、傷がつきやすい材質に使うには不向きです。

レック 激落ちくんの重曹

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シャボン玉石けん 重曹

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③アルコール

消毒用に使われることで有名なアルコールにはもちろん殺菌効果があります。カビは菌の一種ですので、殺菌効果のあるアルコールはカビにも効果を発揮します。

病院など施設の入り口に消毒用アルコールが置かれていることも多いですよね。この例からも分かる通り、アルコールは多少手についたくらいでは問題ありません。また、揮発性が高くすぐに乾燥するため、水分に弱い材質に使えます。

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カビ退治に効果的なアルコールの選び方

アルコールがカビ退治に効果的とはいっても、どのようなアルコールでも良いわけではありません。ここではカビに効かないアルコール、効くアルコールとは何かについて解説します。

①カビに効かないアルコール

机などに吹きかけるアルコール除菌スプレーは残念ながらカビ退治には不向きです。たしかにアルコールを吹きかけた面を清潔にする効果はあるのですが、カビを除去するためにはアルコールの濃度が低すぎます。

②カビに効くアルコール

カビ退治には消毒用のエタノールを使いましょう。エタノールはアルコールの1種。薬局などで購入できます。

薬局で販売しているエタノールには無水エタノールと80%程度に薄められたエタノールがあります。無水エタノールはその名の通り、水が混ぜられていない濃度100%のエタノール。80%に薄められたエタノールは消毒用として販売されています。

カビ取りには薄められたエタノールを使ってください。薄くない方がカビに効果的なように感じるかもしれませんが、実は薄められたエタノールの方が殺菌力が高いのです。なぜなら水にはカビの中までエタノールを浸透させる働きがあるからです。エタノールだけではカビに浸透せず、また揮発性が高いため効果を発揮する前に蒸発してしまいます。間違って無水エタノールを買ってしまった場合も、濃度が70~80%になるよう薄めて使えば問題ありません。

掃除の際はまず表面の汚れをタオルなどで拭き取り、カビが生えている箇所にエタノールを吹きかけます。ただ、あくまでアルコールはカビを殺菌するだけですので、カビが残す色素まで消すことはできません。色素も消したい場合はエタノールが完全に乾燥してから漂白剤を使いましょう。

アルコールを使うときに注意すべきこと

アルコールはカビ取り剤ほど刺激やにおいが少ないとはいえ注意は必要です。間違った使い方は最悪命の危険にすらつながることがあるため、必ず以下のポイントを守って使用してください。

①火気のある場所で使わない

アルコールは非常に燃えやすい薬品です。台所など、火を使う場所での使用は避けましょう

また電化製品の周りで使う場合も注意が必要です。火花がアルコールに引火する可能性もあるため、必ずコンセントからプラグを抜いてください。

②塩素系の漂白剤と組み合わせない

アルコールは塩素系の漂白剤と混ぜることで有毒なガスが発生することがあります。場合によっては意識を失ってしまうなど、命の危険もあるほど。この2つは絶対同時に使用しないでください。

③換気しながら使う

アルコールは揮発性が高い薬品です。多少であれば皮膚に触れても問題はありませんが、気体となったアルコールが口や鼻から入り込むことがあります。

アルコールが体内に入ると酒を飲んだときのように酔ってしまうことがあるので、アルコールに耐性がない人や子供の場合は注意が必要です。アルコールを使用する際は換気も一緒に行ってください。

まとめ

殺菌効果のあるアルコールは菌類の仲間であるカビにも効果的です。しかし漂白効果はないため黒カビなどが残した色素まで落としきることはできません

どうしてもカビの色素が取り除けない場合はカビ取り専門の業者に依頼するのも1つの手です。