秋の衣替えで衣類のカビを防ぐコツ

秋になり涼しくなってくると衣替えのシーズンがやってきます。最近は秋でも暖かい日が多く衣替えのタイミングが難しいところではありますが、季節関係なくクローゼットに衣類がごちゃ混ぜになっていると、衣類が清潔に保たれずときにカビが生えてしまうこともあります。

そこで今回は、カビを防ぐ衣替えのコツについてご紹介していきます。

1. 夏物を収納する前の準備

衣替えは、単純に夏物を収納して秋・冬物と入れ替えるだけではありません。衣替えにあたっては、

  • 夏物の要・不要を検討する
  • 衣類に汚れがないかチェックする
  • 収納スペースに応じた衣類の量を収納する

といったことを考慮する必要があります。

1-1. 夏物の要・不要を検討する

夏物を収納する前に、今シーズン着なかったものやもう着ないであろう服を仕分けします。高かったし処分するのはもったいない、もしかしたらまた着るかも、と思うかもしれませんが着ない服をしまっておくと収納スペースを圧迫するだけでなく、衣類が埃や湿気を寄せ付け、カビの発生源となってしまう恐れもあります。

1-2. 衣類に汚れがないかチェックする

仕分けをして必要と判断した衣類に汚れがないかチェックします。食べこぼしや、化粧品の付着、皮脂汚れ、泥汚れ、埃っぽさや湿気などが衣類に残っていないか確認します。汚れがあれば洗濯したりクリーニングに出したりして衣類をきれいな状態にしてから収納します。汚れを残したまま収納してしまうと、汚れがカビの栄養源となりそこからカビが生えてしまいます。

1-3. 収納スペースに応じた衣類の量を収納する

夏物を収納する際は、収納スペースを考慮した衣類の量であるかを考えます。夏物の要・不要を検討する段階で収納スペースのことも頭の片隅におきながら仕分けするといいですが、選んだものをいざ収納、というときに意外と入らなかった、ということもあります。

衣類をぎゅうぎゅうに詰めてしまうと、収納場所(ケース)の湿度が高くなり衣類にカビが生えてしまうことがあります。衣類が容量オーバーになるようであれば収納の仕方を工夫したり、場合によっては一部処分も検討します。

2. 収納スペースのカビ対策も忘れずに!

気を付けるのは衣類のカビ対策だけではありません。夏物を収納するクローゼットや押し入れ、衣装ケースのカビ対策も必要です。いくら衣類を清潔にしても収納場所の湿度が高かったりカビが生えていたりすると意味がありません。基本的には掃除と換気、必要であれば除カビをして保管中のカビを防ぎます。

2-1. 掃除

夏物衣類を収納する前に収納場所の掃除をします。埃は吸湿しやすいという特性があり、埃には大量のカビの胞子が付着しています。収納スペースに埃や汚れがたまっているとカビが生えやすくなります。収納前に一度収納スペースの掃除をしましょう。

2-2. 換気

季節ものをしまっておく押し入れやローゼットは普段あまり使用することがないため空気が滞りがちになり湿気もたまりやすくなります。

特に、太陽光があたらず地面からの湿気の影響を受けやすい一階の北側の部屋や、戸建て住宅における二階以上の押し入れや屋根裏部屋は温度が高く、また外気の影響を受けて結露が発生しやすくなります。夏物を収納する前には十分な換気をし、オフシーズンの間も定期的な換気が必要です。

2-3. 除カビ

収納場所自体にすでにカビが生えてしまっている場合は、カビの除去をしてから収納します。カビが生えたまま収納してしまうと、クローゼットや押し入れ内全体さらには収納している衣類にまでカビが広がってしまいます。カビは、消毒用エタノールまたは酸素系漂白剤で除去します。頑固な黒カビには塩素系漂白剤を使いたいところですが、塩素系漂白剤は素材を傷めたり脱色・変色させる可能性があるため使用は控えましょう。

出典:Amazon

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3. 衣替えにおすすめの収納・カビ対策アイテム

衣替えをすると基本的には翌年まで取り出すことがありません。そのため、衣類の収納方法やカビ対策には気を配る必要があります。

3-1. 除湿剤

安価で手に入れやすく、置いておくだけで除湿ができる除湿剤は長期のカビ対策におすすめのアイテムです。もちろん効果が持続する期限はありますが基本的には放置でよいというのが楽なポイントではあります。クローゼット全体の除湿には置き型や吊り下げタイプのものを、収納ケースにはシートタイプを使うなどご自宅の収納に合わせて使用しましょう。また、除湿剤は一個だけではなく、個数や吸湿力はスペースに応じたものを選びます。

出典:Amazon

エステー ドライペット クローゼット用

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3-2. 小型除湿機・サーキュレーター

ご自宅の収納場所の湿度が高くなりがちな場合は、小型除湿機を使ってみるのもいいでしょう。コンセントいらずのものも販売されているため収納場所の近くにコンセントがなくても使うことができます。他にもサーキュレーターもおすすめです。

空気を循環してくれるので湿度を下げ、埃も堆積しにくくなります。サーキュレーターは基本的につけっぱなしがいいですが、難しい場合は除湿剤や除湿機と併用しながら定期的に回すといいでしょう。

アイリスオーヤマ サーキュレーターアイ

アイリスオーヤマ サーキュレーターアイ

出典: Amazon

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3-3. 衣類用圧縮袋

収納の工夫として、衣類用圧縮袋を使うという方法もあります。広いスペースはないけれどできるだけ衣類の処分はしたくないという方におすすめです。注意点としては、たくさん収納したいからと圧縮袋に衣類を詰めすぎたり、空気を抜きすぎると服にシワがついてしまいます。

圧縮袋の空気は完全には抜かず、圧縮袋用の脱酸素剤(防虫剤や除湿剤は不要)を一緒に入れます。カビやダニなどが発生するには酸素が必要です。空気が抜かれ、さらに脱酸素剤により酸素がほとんどない状態の圧縮袋内ではカビもダニも生育しにくくなります。

3-4. 衣類カバー・衣装ケース

衣類を吊るして収納している方は衣類カバーを、たたんで収納している方は衣装ケースを使用します。押し入れやクローゼット、物置部屋に衣類をむき出しで置いているという方は少ないと思いますが、服を裸のまま収納してしまうと埃まみれになり、さらには衣類が湿気を吸いカビが生えてしまいます。虫にも食われやすくなります。基本的なことではありますが、オフシーズンの衣類は衣類カバーや衣装ケースに収納しましょう。

4. 夏物を収納する際の注意点

最後に、衣替えで夏物を収納する際の注意点です。

4-1. 段ボールに収納する際は注意

衣類を段ボールに収納することはあまりおすすめしません。大きな段ボールなら夏物をひとまとめにできて便利!と考える方もいるかもしれませんが、段ボールには吸湿性と適度な保温性があるため収納した衣類にカビが生えてしまうことがあります。

さらに、段ボールの吸湿・保温性によりカビだけでなくゴキブリの温床となることも。できれば専用の収納ケースに除湿剤を入れて収納した方が良いですが、段ボールで保管する場合には、中を清潔にして定期的に箱を開けて換気をしたり、除湿剤で湿気を取り除くなど工夫しましょう。

4-2. 衣替えは10月初旬~中旬の晴れた日に行う

衣替えの時期もある程度考慮する必要があります。そろそろ衣替えしようかな~となんとなく衣替えを済ませているかもしれませんが、時期や天気を考慮することで衣類をよりよい状態で収納することができます。

衣替えは、できれば10月初旬~中旬までの間の天気がよく、空気が乾いた日がおすすめです。曇りや雨天に衣替えすると衣類が湿気を帯びた状態で収納されることになるため、保管中のカビの原因になります。洗濯、乾燥、収納は晴れた日に行いましょう。

5. まとめ

今回は秋の衣替えに役立つカビ対策についてお伝えしてきましたが、まとめると以下の通りとなります。

  • 衣替えにあたっては、収納前に夏物衣類の要・不要を検討し、必要なもののみ収納する。その際収納スペースも考慮する。収納前に衣類の汚れがないかもチェックする。
  • 皮脂や食べこぼし、化粧品など衣類残った汚れはカビの栄養源となる。収納前に洗濯したりクリーニングに出したりして汚れを除去する。
  • 収納スペースは予め掃除と換気をし、すでにカビが生えている場合は消毒用エタノールまたは酸素系漂白剤で除カビする。
  • 衣替えの際は、除湿剤や小型除湿機、サーキュレーターなどを使い湿気対策をおこなう。衣料用圧縮袋を使ったり衣装ケース・衣類カバーを使うことで収納しやすくなり、カビ・虫食い対策もできる。
  • カビやゴキブリを寄せ付けてしまうため衣類は段ボールにはなるべく収納しない。衣替えは10月初旬~中旬の晴れて、空気が乾燥した日におこなう。

年に数回の衣替えですが、この機会を衣類とクローゼットのカビ予防の日と思って、ワンシーズン頑張ってくれた洋服たちのお手入れをしましょう。