家の中の隠れカビ発生スポットは?カビを防ぐ日ごろのお手入れ方法をカビ取りのプロが伝授!
カビといえば、浴室や洗面所、キッチンなどの水回りをイメージされる方は多いともいます。ですが実際は、カビは家中の至る所に潜んでいるのです。そこで今回は家の中の隠れたカビの発生スポットについてお伝えしていきます。
目次
1. 家の中の見落としがちなカビ発生スポット
見落としがちだけれど、カビが生えやすい場所には次のような場所があります。
1-1. 換気扇・エアコンのフィルター
キッチンや浴室の換気扇、エアコンのフィルターにもカビが生えることがあります。浴室やキッチンの掃除はマメにしていてもフィルターはつい忘れてしまうという方は多いのではないでしょうか。換気扇やエアコンをつけるとカビ臭がする、という場合は中のフィルターにカビが生えている可能性があります。
1-2. 窓のサッシ・レール
窓のサッシ・レール部分にもカビが生えます。もしかすると、カビに気づいてはいるけれどひどくないから大丈夫、細かい作業が苦手で隙間に生えたカビをつい放置してしまっている、単純に面倒くさいなどカビをそのままにしている方もいるかもしれません。窓のサッシのカビを放置すると、壁や天井、カーテンにまでカビが広がってしまいます。
1-3. 冷蔵庫のパッキン
カビは、暖かく、湿度の高い場所に生えるものと思っている方は多いと思います。たしかに、温度25℃前後で湿度が65%以上の環境ではカビが発生しやすいです。ですが、カビの種類によっては10℃以下の低温でも生育可能なカビもいます。成長スピードはゆっくりですが、見落としがちなため気づいたときにはパッキンの隙間が真っ黒!なんてこともあります
1-4. 洗濯機内のカビ
定期的に洗濯機のカビ対策をしている方はどれくらいいるでしょうか。私自身、洗濯槽の洗浄の目安とされる月に一回というタイミングをすっかり通り越していることがあります。
見てわかる場所の掃除はこまめにおこなっていても、表から確認できない洗濯槽のカビ対策は忘れがちです。日ごろの洗濯に追われ、洗濯機自体の洗浄は後回しになっているご家庭もあるかもしれません。洗濯直後なのに衣類からカビ臭やこもったような臭いがする、洗剤や柔軟剤の効きが悪い感じがするという場合は洗濯槽内にカビが発生している可能性が高いです。
1-5. 段ボール
コロナの影響によりネット通販を利用する人も増え、家に段ボールがたまっているというご家庭もあるのではないでしょうか。段ボールを家具や冷蔵庫、シューズボックスなどの隙間に入れていると、カビが段ボールの下の方から生えてきます。また、暗くてジメジメした場所を好むのはカビだけではありません。適度な保温性があり湿気を吸った段ボールはゴキブリの産卵場所になりやすいと言われています。段ボールを捨てずにためておくことはカビだけでなくゴキブリも寄せ付けてしまいます。
2. どうしてカビが生えたの?
カビは、
- 湿度
- 温度
- 酸素
- 栄養源
の4条件が揃うと発生します。
具体的には、窓のサッシやレール、冷蔵庫のパッキンは主に結露が原因でカビが発生します。結露がある=湿度100%の場所には当然ながらカビが生えてしまいます。加えて、冷蔵庫のパッキンには食材カスやこぼれた調味料などのカビの栄養源も付着しています。換気扇やエアコンのフィルターは吸い込んだ室内の埃がフィルターに付着し、埃を栄養源にしてカビが生えてしまいます。
フィルターを長期間掃除しないでいると、エアコンや換気機能が落ちるだけでなくカビも生えやすくなります。
また、保温性と吸湿性のある段ボールはカビにとって最適な住処になるだけでなく段ボールそのものを栄養源にします。捨てずに放置すればするほどカビにとって快適な環境になっていくのです。
いずれの隠れカビ発生スポットも、パッと見ただけではカビに気がつきにくく、さらにカビが生えても生活する上ですぐに悪影響が出るわけではない点が、見落としがちになってしまう理由と言えるでしょう。
3. カビを放置するとどうなる?
隠れたカビに気がつかず、長期間放置してしまうとカビ被害が拡大し、その周辺にまでカビに汚染されてしまいます。フィルターのカビにより、カビの胞子がエアコンや換気扇から部屋に放出され部屋全体のカビにつながります。
また、その空気を吸い込むことにより健康を害する恐れもあります。冷蔵庫のパッキンのカビについては、パッキンが破損したり冷蔵庫内部の食品までカビに汚染される可能性があります。
また、洗濯槽内のカビを放置してしまうと洗濯しても汚れが落ちにくかったり、柔軟剤の効果を感じにくくなります。そこでさらに洗剤や柔軟剤の量を増やしてしまうと、洗剤成分を栄養源にするカビによってさらにカビを悪化させる事態になり悪循環になります。
4. カビを防ぐお掃除方法
見落としがちな場所は、カビの存在に気がつきにくいからこそ異変に気がついたときにはすでにカビが深刻化している、ということがあります。隠れカビ発生スポットのカビを防ぐには、他の場所と同様にカビのリスクがあり、定期的な掃除が必要な場所であるということを認識しておくことが大切です。
4-1. 具体的なメンテナンス日を決める
忘れがちな場所は、毎月〇日、第〇〇曜日といったように掃除する日を決めることをおすすめします。フィルターや洗濯槽は月に一回程度はしっかり掃除するタイミングを設けましょう。洗濯槽は洗濯洗浄液を使い、フィルターは中性洗剤を使って掃除します。
4-2. 消毒用エタノールでカビ予防
消毒用エタノールには、すでにあるカビの殺菌とカビ予防効果、軽度な汚れに対する洗浄効果があります。窓のサッシや冷蔵庫のパッキンは消毒用エタノールを使って殺菌・予防・洗浄をしましょう。消毒用エタノールは、窓のサッシやゴムパッキンに限らず家中のほとんどの場所で使うことができます。普段は水拭きしているような場所を消毒用エタノールでの拭き取りに変えるだけでカビのリスクがぐんと減ります。
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4-3. 結露はすぐに拭き取る
窓やパッキンに発生した結露は気がついたらすぐに乾いたタオルで拭き取りましょう。そのうち乾くからと放置していると周囲に水分が吸収され、表面上は乾いて見えても内部には水分が浸透してしまっています。また、冷蔵庫の開閉の頻度が多いと庫内に結露が発生しやすいため、頻繁な開け閉めは控えた方がいいです。
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4-4. 不要な段ボールはすぐに処分する
不要な段ボールはできるだけはやめに処分しましょう。段ボール一つのために処分の手間をかけるのがおっくうだ、という方もいるかもしれません。ですが段ボールを置いておくことはカビとゴキブリの家を提供しているようなものです。段ボールはためずに、タイミングをみて早めに処分しましょう。
5. まとめ
今回は、家の中の隠れカビスポットと掃除のポイントについてお伝えしてきましたが、まとめると
● 家の中の隠れカビ発生スポットには、換気扇・エアコンフィルター、窓のサッシ・レール、冷蔵庫のゴムパッキン、洗濯機内部や放置された段ボールなどがあり見落とされがちである。
● 隠れカビ発生スポットは、カビ発生の条件が揃っているにもかかわらず表からは見つけにくい上に悪影響にも気がつきにくいゆえに見落としてしまう人が多い。
● カビに気がつかず放置してしまうと、カビ汚染が拡大するだけでなく健康を害する恐れもある。
● カビを防ぐには、掃除漏れがないようにメンテナンス日を決めるとよい。
● カビ対策には、カビの殺菌・予防、汚れの洗浄ができる消毒用エタノールがおすすめ。カビの原因となる結露は自然乾燥ではなく拭き取りを心掛ける。
<参考>
宝島社「カビ・ホコリ・菌を撃退!正しい掃除ワザ」 松本忠男