子供服のカビの落とし方は?
子供服はよだれや汗、食べこぼしなどで汚れやすく、普段の洗濯だけでは取り除けない汚れもあり、カビが発生しやすいです。
食べこぼしなどの汚れは気が付いたときにすぐに洗濯できれば良いのですが、うっかり忘れてしまったりすることもありますよね。
目次
子供服のカビの原因とは?
カビが発生する条件は、温度20℃以上、湿度60%以上、栄養分となる汚れのある環境で発生します。
子供服に付着する汚れは、よだれや汗、食べ物、泥、などが考えられます。
これらの汚れはきちんと落とさないと細菌が繁殖し、カビやシミの原因となってしまいます。
洗濯をした後に子供服に黒いものがついていたら、それは洗濯槽からはがれ落ちた黒カビです。
洗濯槽の黒カビは、洗剤のカスや衣類から落ちた汚れに雑菌が付着し、洗濯槽の湿気によって繁殖したことが原因です。
洗濯槽が汚れていると、きれいに洗った子供服も台無しです。
月に一度ぐらいは洗濯槽クリーナーなどを使用して、洗濯槽の掃除をするのがおすすめです。
子供服自体のケアだけでなく、洗濯槽のケアにも気を付けてカビを防ぎましょう。
やさしいクリーナー重曹
やさしい掃除や洗濯に欠かせない重曹。
重曹(ベーキングソーダ)とは、正式には炭酸水素ナトリウム(NaHCO₃)と言って、海水にも含まれている弱アルカリ性の天然ミネラルなのです。
重曹は、私たちの生活にもなじみがある物質で、お菓子を作るときのふくらし粉、野菜のあく抜き、胃薬などの医薬品としても用いられています。
また、日本や欧米では昔から重曹を掃除や洗濯に使用してきました。
近年では、重曹の効果があらためて見直されており、薬局やスーパー、100円ショップなどでも販売されており、手軽に購入できるようになっています。
漂白剤とは?
漂白剤は普通に洗濯しても落ちないカビ、シミや頑固な汚れ、黄ばみ、黒ずみを分解するものです。
漂白剤には大きく分けて酸化型漂白剤と還元型漂白剤があります。
酸化型漂白剤は、酸素を与えて色素を破壊するのに対し、還元型漂白剤は、酸素を奪って色素を破壊します。
酸化型漂白剤には酸素系と塩素系があり、洗濯で主に使用されているのは酸素系漂白剤です。
さらに、酸素系漂白剤には、粉末と液体のものがあります。
酸素系漂白剤
酸素系漂白剤は、塩素系漂白剤に比べて漂白力がおだやかなので、色柄物やさまざまな素材の衣類にも使用することができます。
液体タイプ 漂白力★ ワイドハイター液体など
弱酸性で、色柄物の他に毛(ウール)や絹にも使用することができます。
洗剤を併せてつけ込んだり、汚れに直接塗って洗濯すると効果が高まります。
花王 ワイドハイター EXパワー
出典:Amazon
粉末タイプ 漂白力★★ ワイドハイター粉末など
弱アルカリ性のためアルカリ性に弱い毛(ウール)や絹には使用できません。
液体タイプよりも漂白力が強いため、衣類の色素が抜けてしまうこともあるため注意が必要です。
40℃程度のぬるま湯に溶かして使用するとさらに高い漂白効果が期待できます。
グラフィコ オキシクリーン
出典:Amazon
塩素系漂白剤 漂白力★★★ キッチンハイターなど
漂白力が強く、繊維を傷めることがあります。
毛(ウール)、絹、ナイロン、ポリウレタンには使用できません。
他にも洗濯絵表示でエンソサラシ禁止の表示がある場合は使用できません。
白物の漂白やシミ抜き、頑固な汚れの下洗いに効果がありますが、色柄物には使用できません。
また、塩素系漂白剤は、酸性のものと混ぜると有毒なガスが発生して危険ですので絶対に混ぜてはいけません。
使用時には必ず換気し、ゴム手袋を着用して素手で触れないようにしましょう。
花王 ハイター
出典:Amazon
還元型漂白剤 漂白力★★.5 ハイドロハイターなど
酸化型漂白剤では落とせない鉄分や樹脂加工による黄変のシミが落とせます。
色柄物には使用できません。
子供服のカビの落とし方その1
酸素系漂白剤は40~60℃のお湯に溶かすだけで様々な汚れに効果を発揮します。
用意するもの
- 酸素系漂白剤
- お湯
- バケツや洗面器
- ゴム手袋
①40~60℃くらいのお湯に酸素系漂白剤をよく溶かします。
②カビが発生した子供服を浸け込みます。
③カビの程度によって30分~5、6時間放置したあと洗濯機で通常通りの洗濯をして完了です。
※注意点※
酸素系漂白剤はしっかりとお湯に溶かし、繊維の中まで成分が浸透するのを待ちましょう。
子供服の洗濯絵表示の洗い方を確認してからおこなってください。
やけどに注意し、ゴム手袋を着用してください。
子供服のカビの落とし方その2
カビはアルカリ性に弱いので、重曹を使用してカビを退治することができるのです。
その1の方法で落ちない子供服のカビにはこちらの方法でカビを落としましょう。
用意するもの
- 重曹
- 酸素系漂白剤
- 台所用中性洗剤
- お湯
- 歯ブラシ
- ゴム手袋
①台所用中性洗剤、重曹、酸素系漂白剤を1:1:3の割合でよく混ぜ合わせます。
②歯ブラシでカビが生えている部分に①を塗ってなじませます。
③40℃~60℃くらいのお湯につけ、この過程を1~2回くり返してカビが取れたら丸洗いして完了です。
シャボン玉石けん 重曹
出典:Amazon
※注意点※
やけどに注意し、ゴム手袋を着用してください。
色素の強いカビには、この方法にプラスして粉末のクエン酸を水で10倍に薄めて塗り、つまみ洗いをくり返すと落とすことができます。
落とせなかったときには、クリーニング店へ行きましょう。
汚れているものは下洗いしておく
汚れている子供服は、普段の洗濯をする前に下洗いするか、つけおきしておくのがおすすめです。
また、洗ったばかりの子供服でもなんだかイヤなにおいがすることはありませんか?
このイヤなにおいの原因は洗濯で落としきれなかった汚れが菌により分解されて生じるにおいです。
解消するには、洗剤と酸素系漂白剤でつけおきが効果的です。
45℃くらいのお湯に表示されている量の洗剤と酸素系漂白剤を溶かし、約30分後そのまま洗濯機に移していつもどおりに洗濯をするとすっきりします。
また、子供服に汚れがついている状態で洗濯すると、洗剤の洗浄力が落ちてしまいます。
そのため、汚れが付着しているものは、予洗いしてから洗濯をした方がきれいになります。
洗剤は適量使用で効果が最大限になる!?
汚れがひどいとなんとなく洗剤に表示されている量より多く入れた方がきれいに洗えるのでは?と思ってしまうことはありませんか?
実は、洗剤は適量以上を入れても、洗浄力はあまり変わらないのです。
むしろ、洗剤が多すぎるとすすぎが不十分になり、服に付着したままになってしまいます。
逆に洗剤の量が少なすぎても今度は汚れが落ちないのでカビやにおいの原因になることも。
洗濯物の量に合わせて、洗剤に表示されている使用量を守るのが効率の良い使い方です。
特に、粉末の洗剤の場合には、洗剤が溶けきらずに衣類や洗濯槽に残ってしまいがちです。
あらかじめ洗濯槽に注水して洗剤を溶かしてから衣類を入れるようにしましょう。
洗濯機のコースを時短コースや節水コースなどにしていませんか?
子供服を上手に干しましょう。
子供服をカビから守るためには、干し方にも工夫が必要です。
その1、脱水が終わったらすぐに取り出す
洗濯機で脱水した後に放置すると、洗濯槽の中で子供服が蒸れてしまい雑菌が増え、カビや嫌なにおいの原因にもなります。
夜中に洗濯機を回して翌朝干すという方もいらっしゃいますが、カビの原因になる雑菌を増やさないためには洗濯したらすぐに干すことが大切です。
その2、よく風を通す
子供服が生乾きの状態が長いほど雑菌が繁殖しやすくなります。
短時間で乾くように洗濯物同士が重ならないように間隔をあけて干し、風が通りやすくなるようにします。
室内に干す場合には、扇風機やエアコンのドライ機能や除湿機を活用すると効率よく乾かすことができます。
その3、日光で消毒する
日光には紫外線が含まれており、紫外線には殺菌効果があります。
子供服をしっかりと日光に当てて乾かすことでカビの原因となる雑菌も殺菌することができます。
しかし、直射日光を長時間浴びると、繊維を傷めてしまうので生地を長持ちさせたい場合や色あせを防ぎたい場合には少しだけ日光に当てて、陰干しするようにしましょう。
子供服の保管方法にも気を付けましょう。
洗濯方法、干し方に気を付けたあとはカビを予防する保管方法にも気を配りましょう。
その1、収納の通気性と湿気対策
高温多湿の日本の気候には、湿度や温度の調節をしてくれる杉やひのき、桐などの木製のものが最適です。
密閉できるプラスチック製の収納ケースは、軽くて安価なので便利なのですが、湿気がこもってしまう場合があります。
除湿剤や防虫剤を活用したり、ぎゅうぎゅうに詰め込みすぎないようにしましょう。
防虫剤は天然成分から作られているものがおすすめです。
天然成分由来の防虫剤なら人体への影響もなく、赤ちゃんの衣類にも安心です。
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出典:Amazon
その2、シーズン後には洗って収納
衣替えの季節には、収納する前にきちんと洗濯をしましょう。
長期間汚れが付着したままになっているとカビが発生したりシミになってしまいます。
汚れをしっかりとチェックし、処置してから収納し、次のシーズンも気持ちよく着られるようにしましょう。
デリケートな素材の子供服はクリーニング店におまかせを!
無理にカビやシミなどを落とそうとすると生地を傷めてしまうことがあります。
デリケートな素材の子供服は、クリーニング店に出すようにしましょう。
まとめ
・子供服はよだれや汗、食べこぼしなどでカビが発生しやすい。
・子供服のカビは酸素系漂白剤と重曹を使用して落としましょう。
・汚れている子供服は放置せずに洗濯前に下洗いしておくとカビを防ぐことができます。
・洗剤は適量をよく溶かしてから洗濯物を入れるようにしましょう。
・干し方、保管の仕方にも気を配りカビを予防していきましょう。
<参考文献>
・鈴木玲子 松原美子『サンダーレッドでお洗濯』2013年、文化出版局
・中村祐一『おうちで簡単洗濯上手』2010年、大泉書店
・池田豊『洗濯・衣類のきほん』2007年、池田書店