布団や衣類を圧縮袋に入れてもカビが生える!?原因と対策について解説

「久しぶりに使おうと布団圧縮袋に入っている布団を取り出したらカビが生えていた」
「クローゼットのスペースが狭いから衣類圧縮袋を使いたいけど、気を付けることはあるの?」

クローゼットや押入れの中に、滅多に使用しない布団や衣類が入っていると「場所を取って邪魔…」と感じる方もいるでしょう。

そんな時に便利なのが圧縮袋です。

布団や厚手の服がぺちゃんこになるので、一気に収納場所にスペースを作ることができます。
また、圧縮袋に入れていれば埃やダニを防ぐこともできるので、日頃から愛用されている方も多いのではないでしょうか。

しかし圧縮袋にはいくつかデメリットがあります。

また、「密封されているからカビが生えにくいのでは?」と考える方もいると思いますが、圧縮袋の中でもカビは発生します。
むしろ通気性が悪くて密集しているため、カビが発生した際のリスクは大きいです。

そこで今回は、圧縮袋にカビが生える原因やカビ対策について解説いたします。
日常的に圧縮袋を使用されている方や、これから使用を考えている方は、是非こちらの記事を参考にしてみてください。

この記事でわかること
・圧縮袋にカビが生える原因
・圧縮袋を使用する時のカビ対策
・衣類や布団にカビが発生した場合の対処方法

1.圧縮袋にカビが発生する理由

まずは圧縮袋に入っている布団や衣類にカビが発生する理由について解説します。

カビが発生する場所には、以下の4つが揃っている必要があります。

  • 水分・湿度(60%以上)
  • 温度(20~30℃)
  • 栄養源(埃やダニの死骸など)
  • 酸素

では、どのようにしてこの4つの条件が圧縮袋の中で揃ってしまうのか見ていきましょう。

1-1.通気性が悪い

当たり前ですが、圧縮袋の中は通気性が悪いです。
通気性の悪い場所は閉じ込められた湿気が蒸発しにくいため、高湿度の状態が維持されてしまいます。
そのため詰めこむときに、カビの発生条件になるようなものを極力入れないようすることが重要になってきます。

ちなみに、「圧縮袋は空気を抜くから、酸素がなくてそもそもカビが生育できないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、圧縮袋の中は真空というわけではないので、わずかに酸素は残ります。
カビはそのわずかな酸素でも生育することができるため、圧縮袋の中でもカビが発生するのです。

1-2.湿気が入り込む

カビは水分を好むため、高湿度の環境では繁殖が促進されます。

圧縮袋に詰め込むときに衣類に湿気を含んでいたり、高湿度の環境だったりすると、湿気が一緒に入り込んでしまいます。
その状態で圧縮してしまうと、湿気が閉じ込められてしまい、カビが発生しやすくなります。
そのことに気付かずに保管を続けていると、気付かないうちにカビが繁殖していた…という事態になるのです。

1-3.汚れが付着している

着用後の衣類や使用後の布団には、汗や埃、皮脂などの汚れが付着しています。
これらはカビが生育する時に必要な栄養源になるため、繁殖を促進してしまいます。

また、空気中には常にカビの胞子が浮遊しているものです。
圧縮袋に入っている衣類等にカビの胞子が付着していると、そこから広がってしまう恐れがあるため注意しましょう。

1-4.保管場所が高湿度

衣類や布団を圧縮袋に入れたあとは、押入れやクローゼットで保管することが多いでしょう。

圧縮袋の中は真空なわけではないため、周りの湿度の影響を受けます。
そのため、収納場所が高湿度だった場合は圧縮袋の中にカビが発生してしまう恐れがあるのです。

2.圧縮袋の中身のカビを防ぐ方法

1.圧縮袋にカビが発生する理由でお伝えした通り、圧縮袋の中に入れていても条件が揃うとカビが発生してしまうことがあります。
そのためここでは、圧縮袋の中身をカビから守る方法を紹介します。

衣類圧縮袋や布団圧縮袋を使用する方は是非参考にしてみてください。

  • 収納する前に洗濯やクリーニングをする
  • 収納する前に完全に乾燥させる
  • 圧縮する時にしっかりと空気を抜く
  • 乾燥剤を活用する
  • 定期的に取り出して通気させる

2-1.収納する前に洗濯やクリーニングをする

使用後の布団や衣類には汗や埃、皮脂などが付着しているものです。
その状態で圧縮袋に入れると、栄養源が豊富にある状態になってしまい、カビの発生リスクが高まります。
カビのリスクを軽減するためにも、洗濯して綺麗にしてから圧縮袋に入れるようにしましょう。

素材的に洗濯できないものや、布団など大きなものはクリーニングに出すようにしてください。
これで付着している微生物や不純物を取り除くことができるので、清潔な状態に保つことができます。

2-2.収納する前に完全に乾燥させる

せっかく洗濯しても湿気を含んだ状態で圧縮袋に入れてしまうとカビの発生を促してしまいます。
風通しの良い場所に干したり、布団乾燥機などを活用したりして、湿気を蒸発させてから圧縮袋に入れるようにしてください。

また、しっかり乾かしたとしても、圧縮袋に入れる時に高湿度の環境だとどうしても湿気が入り込んでしまいます。
季節や天候に注意し、湿度の低い日に衣類を収納するよう心がけましょう。

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出典:amazon

2-3.圧縮する時にしっかりと空気を抜く

空気が残っていると湿気が溜まりやすくなるため、しっかりと圧縮袋の中の空気を抜くことでカビを発生しにくくすることができます。

ただし入れるものによっては、圧縮しすぎると元に戻らなくなるものもあるため、素材などには注意しましょう。

2-4.乾燥剤を活用する

圧縮袋に入れる時、気を付けていても少量の湿気は入り込んでしまいます。

そこで乾燥剤を活用するという方法があります。
衣類や布団と一緒に乾燥剤も入れることで、袋内の湿気を吸収し、カビの発生を防いでくれます。

特に湿度の高い環境や季節において、乾燥剤は有効な予防手段となるでしょう。

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出典:amazon

2-5.定期的に取り出して通気させる

長期間にわたって衣類を圧縮袋に保管する場合は、定期的に取り出して通気させることが大事です。
袋を開け、衣類を風通しの良い場所で数時間放置することで、湿気や嫌な臭いの発生を防いでくれます

また、すでにカビが発生している場合でも、定期的に取り出すことで早めにカビに気付くことができます。
悪化する前に除去することができるので、最悪の事態を防げるでしょう。

3.衣類にカビが発生している場合の対処方法

もし圧縮袋に入れて収納していた衣類にカビが発生した場合は、早急に対処してください。

対応方法としては以下の3つのどれかになるでしょう。

  • 自力でカビ取りをする
  • クリーニングに出す
  • 処分する

ここでは自力でカビ取りする方法を紹介します。

洗濯できない素材だった場合や、自力で対処が難しいほどカビが広がっている時は、クリーニング業者に出すのがいいでしょう。
そちらに関しては4.洗濯できない衣類や布団のカビはクリーニングに出すのがベストを参考にしてください。

3-1.酸素系漂白剤で除去する

オキシクリーンなどの酸素系漂白剤を使用したカビ取り方法を紹介します。

カビ取りをする前に、必ず洗濯表示マークの確認をしましょう。

この時、特に注意して見てほしいのが「洗濯」と「漂白」のマークです。
もし「家庭での洗濯禁止」や「塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止」のマークが記載されていた場合は、酸素系漂白剤を使用してカビ取りすることはできません。
その場合は、3-2.消毒用エタノールで除去するで紹介するやり方で行うか、クリーニング業者に任せるようにしてください。

ちなみに酸素系漂白剤には粉末タイプと液体タイプがあります。
粉末タイプの方が洗浄力が高いためそちらの方がおススメですが、デリケートな素材の場合は液体タイプを使用する方が安心でしょう。

用意するもの

  • 酸素系漂白剤
  • 綿棒
  • 洗濯用洗剤
  • マスク
  • ゴム手袋

カビの胞子を吸い込んだり、手が荒れたりするのを防ぐために、マスクとゴム手袋を身に付けてください。

グラフィコ オキシクリーン

出典:amazon

カビ取り手順

①綿棒でカビの部分に酸素系漂白剤を塗る
②桶にぬるま湯と酸素系漂白剤を入れる
③桶に衣類等を漬ける
④洗濯する
⑤完全に乾くまで干す

①綿棒でカビの部分に酸素系漂白剤を塗る
綿棒に酸素系漂白剤を付けて、カビの部分に塗り込んでいきます。

②桶にぬるま湯と酸素系漂白剤を入れる
桶にぬるま湯を入れて、酸素系漂白剤を溶かします。

③桶に衣類等を漬ける
桶に衣類を入れて、しばらく漬けます。
目安としては1時間程度ですが、カビの状況を見て判断してください。

④洗濯する
洗濯機での洗濯が可能な製品の場合は、軽く絞ってから洗濯機に入れて洗ってください。
手洗いのみ可能なものは洗濯機を使わず、流水でもみ洗いして、漂白剤が残らないようにしましょう。

⑤完全に乾くまで干す
風通しの良い場所に干して、しっかりと乾かしてください。

3-2.消毒用エタノールで除去する

漂白剤の使用が出来ない製品にカビが発生した場合は、消毒用エタノールでカビ取りしましょう。
カビはアルコールに弱いため、消毒用エタノールで死滅させることが可能です。

ただし、消毒用エタノールには漂白効果がないため、カビの色素を落とすことはできません。
また、カビが見えない部分にも広がっている恐れがあるため、完全に除去しきれない可能性もあります。

そのためこのやり方は応急処置程度に考えておいて、できればクリーニングに出すようにしましょう。

用意するもの

  • 消毒用エタノール
  • 衣類用粘着テープ
  • マスク
  • ゴム手袋

カビの胞子を吸い込んだり、手が荒れたりするのを防ぐために、マスクとゴム手袋を身に付けてください。

ドーバー パストリーゼ77

出典:amazon

カビ取り手順

①屋外でカビを払い落とす
②衣類用粘着テープで表面のカビを除去する
③消毒用エタノールを吹きかける
④残っている消毒用エタノールを布で拭く
⑤完全に乾くまで干す

①屋外でカビを払い落とす
屋外に出て、衣類に付着しているカビを払い落します。
使用後にそのまま捨てられるように、不要な古い布を使用するのがいいでしょう。

②衣類用粘着テープで表面のカビを除去する
大まかなカビを払い落とした後に、衣類用粘着テープでカビを取り除きます。

③消毒用エタノールを吹きかける
表面のカビを取り除いた後は、消毒用エタノールを吹きかけます。
繊維の奥まで消毒用エタノールを染み込ませるために、15分ほど放置しましょう。

④残っている消毒用エタノールを布で拭く
消毒用エタノールが乾いていないようなら、布で拭き取ってください。
擦るのではなく、軽くポンポンと叩くようにしましょう。

⑤完全に乾くまで干す
風通しの良い場所に干して、しっかりと乾かしてください。

4.洗濯できない衣類や布団のカビはクリーニングに出すのがベスト

自宅で洗濯が難しい衣類や布団にカビが発生した場合や、カビが酷くて漂白剤に漬けただけでは除去できなかった場合は、クリーニング業者に任せるのがいいでしょう。

方法としては、「近所のクリーニング店に持ち込む」「宅配クリーニング業者に送る」のどちらかになると思います。

手軽なのは近所のクリーニング店に持ち込むというやり方でしょう。
宅配クリーニングよりも仕上がりが早いケースが多いですし、直接店員さんと話すことができるので要望を伝えやすいというメリットがあります。

宅配クリーニングは店舗まで出向かなくていいというメリットがあります。
お子様がいて自由な時間が取りにくい方や、仕事が忙しくて店舗が開いている時間に来店できないという方にピッタリです。

また、衣類のカビに困っているということであれば、宅配クリーニングの中でもカビに特化したクリーニング業者を選ぶのが一番です。
ハーツクリーニングなら、医療機器の滅菌処理にも使われているほど強力なエチレンオキサイドガス(EOG)を使用したガス滅菌で、しぶといカビの菌(真菌)や害虫の卵などを死滅させることが可能です。
また提携している老舗のクリーニング店の熟練した技術によって、繊維に入り込んでいるカビの色素も除去してくれます。

5.圧縮袋を使用する時はデメリットを知ってから

これから圧縮袋を使用して布団や衣類を保管するつもりなら、まずはそのデメリットを知る必要があります。
それを理解した上で、使用するようにしましょう。

  • 条件が揃うとカビの発生する
  • 布団や衣類の寿命を縮める
  • 布団形状が元に戻らない
  • 衣類がシワシワになる

先ほどからお伝えしている通り、圧縮袋の中は通気性が悪いため、収納する前に湿気や汚れを取り除いておかないとカビが発生する恐れがあります。

また、圧縮袋に入れていると布団や衣類を傷めて、寿命を縮めさせる可能性もあります。
布団やクッションなどは圧縮袋から取り出しても元の形に戻らずに潰れたままになることもありますし、衣類の場合はシワシワになってしまい、洗濯してもアイロンをかけても戻らないということも考えられます。

圧縮袋はスペースを有効活用できるようになったり、埃や虫から守ったりできるので非常に便利ですが、その分デメリットがあるということを理解し、正しく使用しましょう。

6.まとめ

今回は、衣類や布団を圧縮袋に入れることでのカビのリスクや原因、対策について解説しました。

圧縮袋に入れることでダニや埃から守ることはできますが、真空になるわけではないため完全にカビを防ぐことはできません。

ただし対策をすることで、カビのリスクを大幅に減らすことは可能です。

  • 収納する前に洗濯やクリーニングをする
  • 収納する前に完全に乾燥させる
  • 圧縮する時にしっかりと空気を抜く
  • 乾燥剤を活用する
  • 定期的に取り出して通気させる

もし対策をしてもカビが発生してしまった場合は、早急に対処しましょう。

カビは少しでも残っているとそこから再発してしまうため、できればクリーニング業者に依頼して徹底的にカビ取りしてもらうのが一番です。
カビが酷い場合はカビ取り専門のクリーニング業者も検討してみてください。

圧縮袋を正しく使用し、大切な衣類や布団をカビから守りましょう。

布団や衣類を圧縮袋に入れてもカビが生える!?原因と対策について解説