イヤホンが原因で耳にカビ!?イヤホンの種類別のお手入れ方法と対策

「イヤホンに汚れが溜まってしまったから綺麗にしたい」

「耳が痒くなって耳鼻科にいったら、耳にカビが生えていると言われた。もしかしてイヤホンのせい…?」

通勤・通学時、勉強中やオンライン会議中など、イヤホンはあらゆる場面で使用されます。

普段からイヤホンを使用されている方の中にも、全くイヤホンの手入れをしていなくて、気付いたら汚れが大量に溜まっていた…という経験がある方も少なくないと思います。

イヤホンのスピーカー部分に汚れが蓄積していると、音が詰まったように聞こえて、音質が悪くなりますが、実はデメリットはそれだけではありません。

イヤホンの使用状況によっては、耳にカビが生えてしまうことがあるのです。

そうならないためにも、イヤホンを清潔に保ち、使用時間を守る必要があります。

そこで今回は、イヤホンの種類別のお手入れ方法を詳しく解説いたします。

どのようにイヤホンを手入れすればいいのか分からない方は、是非この記事を参考にしてみてください。

この記事でわかること
・外耳道真菌症とは何か
・イヤホンに汚れが付着する原因
・イヤホンの種類別のお手入れ方法
・イヤホンを清潔に保つための対策

1.イヤホンが原因で外耳道真菌症の恐れがある

イヤホンに汚れが蓄積していると、スピーカー部分が詰まって音が聞こえにくくなったり、音質が悪くなったりします。

またそれがイヤホンの故障の原因にも繋がってしまうこともあります。

しかし、イヤホンの汚れで一番怖いのは、耳の病気です。

耳の病気には様々ありますが、耳の中にカビが生えてしまう外耳道真菌症という病気があります。

「耳にカビ!?」と驚く方も多いと思いますが、この病気を発症する方は少なくないのです。

1-1.外耳道真菌症とは

耳にカビが生える病気として知られているのが、外耳道真菌症です。

外耳道とは耳の入口から鼓膜までの部分を指します。

そして真菌とはカビの菌のことです。

外耳道真菌症とは、外耳道の粘膜に真菌(カビ)が感染し、それによって炎症を起こす病気のことを言います。

原因としては、耳かきのしすぎなどで外耳道が傷ついている状態で、カンジダやアスペルギルスなどの真菌が寄生することで発症します。

1-1-1.症状

外耳道真菌症の主な症状としては、耳のかゆみ、痛みがあります。

また繁殖した真菌の塊によって鼓膜が覆われると、耳が詰まったような感じになったり、聞こえにくさを感じたりするでしょう。

他にも、耳掃除の時に黒っぽい耳垢が出てくることもあります。

外耳道真菌症は自然治癒が難しいため、放置していると悪化して、外耳道が腫れたり、出血するケースもあるので、早めの治療が大事です。

1-1-2.治療法

外耳道真菌症は自然治癒することがほとんどないため、耳鼻科に通院してしっかりと治療するようにしてください。

外耳道真菌症を治すためには、耳の中の真菌を取り除き、繁殖を防がなければなりません。

治療方法としては、外耳道内で繁殖しているカビを除去し、消毒液などで洗浄・消毒していきます。

それから抗真菌薬を塗って真菌が再び繁殖することを防ぎます。

腫れや痛み、かゆみが酷い時は内服薬を服用することにもあります。

1-2.外耳道真菌症にならないためには

外耳道真菌症は外耳道が傷つき、そこに真菌が感染することで発症します。

そのため、まずは耳掃除のしすぎには気を付けて、耳を傷つけないようにしてください。

そしてもう1つ気を付けてほしいのが、イヤホンの使用です。

イヤホンを装着することで、耳の中は密閉状態になり、高温多湿になります。

カビは性質上高温多湿の場所を好むため、イヤホンを長時間使用しているとカビが繁殖しやすい環境になります。

また、汚れているイヤホンにはカビの胞子が付着している可能性があり、もしその状態で耳に装着してしまうと、カビが繁殖しやすくなるでしょう。

そのためイヤホンの長時間の使用を控え、イヤホンは常に清潔に保つようにしてください。

2.イヤホンに汚れが付着しやすい理由

イヤホンは手入れを怠っていると、汚れが蓄積していき、時間が経つと除去しにくくなります。

イヤホンが汚れてしまう理由としては、手垢や耳垢の付着、もしくは保管場所や保管環境が原因が考えられます。

2-1.手垢や耳垢

日常生活では、外出先や公共の場所でさまざまな物に触れるため、手には汚れや微生物が付着しているものです。

その汚れが付着した状態でイヤホンを触ってしまうと、手垢や皮脂、雑菌などがイヤホン移ってしまいます。

こまめに手入れを行っていれば問題ありませんが、汚れたまま放置していると、カビや雑菌の温床になるかもしれません。

またイヤホンは直接耳の中に装着するものなので、耳の中に溜まっている耳垢も付着してしまうでしょう。

これらの原因でイヤホンには汚れが蓄積してしまうのです。

2-2.バッグなどの汚れ

イヤホンを携帯する為に、バッグやポケットの中に入れている方も多いでしょう。

例えばバッグの中は、,財布やポーチなどたくさんの物を入れて持ち歩いているため、埃や塵など汚れが溜まりやすい場所です。

その中にイヤホンを入れることで、バッグの中の汚れが付着してしまうことがあります。

またバッグの中に鍵やキーホルダーなど硬いものが入っていると、それと触れることでイヤホンの表面が傷つくことがあります。

傷がついていると、その隙間に汚れが溜まりやすくなってしまうので、注意が必要です。

3.イヤホンの種類別のお手入れ方法【カナル型】

カナル型イヤホンは、耳の中に直接挿入するタイプのイヤホンです。

シリコン製のイヤーピースが耳の中に密着するため、外部の騒音を遮断し、高音質で音楽を聴くことができます。

また耳の中にしっかりフィットするため、動いてもずれにくく、運動する時にも重宝するでしょう。

しかし、耳に密着するということは、それだけ耳垢が付着しやすいということです。

しばらく放置していると、耳垢などの汚れがビッシリこびりついてしまうこともあるので、しっかりと手入れをしましょう。

用意するもの

・歯間ブラシ
・除菌シート
・ティッシュ

カナル型のお手入れの手順

①イヤーピースを取り外して、除菌シートで拭く
②歯間ブラシで掻き出す
③ケーブルなども拭き取る

①イヤーピースを取り外して、除菌シートで拭く
イヤホン本体とイヤーピースを分解できるものは、イヤーピースを取り外してください。
そしてイヤーピースを除菌シートで拭いていきます。
その時にイヤーピースの裏側もしっかりと拭き取るようにしましょう。

②歯間ブラシで掻き出す
イヤホンの本体のスピーカー部分にも汚れが溜まっているはずなので、歯間ブラシを使って溜まった汚れを掻き出してください。
掻き出した汚れは都度ティッシュで取り除きながら行ってください。

③ケーブルなども拭き取る
ケーブルなどにも汚れが付着しているので、除菌シートで拭き取ってください。

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出典:amazon

4.イヤホンの種類別のお手入れ方法【インナー型】

インナー型イヤホンは、耳の入り口に乗せるタイプのイヤホンです。

カナル型イヤホンと比べて接着面が少ないため、外れやすかったり、音漏れしやすいというデメリットがあります。

耳を密閉しないので、外の音を聞きながら音楽などを聴くことができます。

用意するもの

・歯間ブラシ
・除菌シート
・ティッシュ

インナー型のお手入れの手順

①歯間ブラシで掻き出す
②ケーブルなども拭き取る

①歯間ブラシで掻き出す
スピーカー部分に溜まっている汚れを歯間ブラシで掻き出し、その都度ティッシュペーパーで拭き取ってください。

②ケーブルなども拭き取る
ケーブルなどにも汚れが付着しているので、除菌シートで拭き取ってください。

5.イヤホンの種類別のお手入れ方法【ワイヤレス】

ワイヤレスイヤホンは、再生デバイスとケーブルがなく、無線で接続することができるイヤホンです。

基本的にはBluetooth(ブルートゥース)という、近距離無線通信の規格で繋いでいます。

ワイヤレスイヤホンは、これまでのイヤホンのように再生デバイスと繋がっている必要がないため、自由度の高い移動やスポーツ時に便利です。

ワイヤレスイヤホンの中にもいくつか種類があり、左右一体タイプ、左右独立タイプ、片耳タイプなど様々です。

また装着部分も、カナル型もインナー型もあります。

用意するもの

・歯間ブラシ
・除菌シート
・ティッシュ
・無水エタノール
・綿棒

ワイヤレスのお手入れの手順

①イヤホンの装着部分の汚れを取り除く
②ケースの汚れを取り除く

①イヤホンの装着部分の汚れを取り除く
ワイヤレスイヤホンがカナル型であれば、3.カナル型のお手入れの手順を参考にして装着部分の汚れを除去してください。
ワイヤレスイヤホンがインナー型であれば、4.インナー型のお手入れの手順を参考にして装着部分の汚れを除去してください。

②ケースの汚れを取り除く
ワイヤレスイヤホンの場合、ケースにも汚れが溜まることがあるので、お手入れを忘れないようにしましょう。
綿棒に無水エタノールを染み込ませて、奥の方に溜まった汚れを除去してください。

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出典:amazon

6.耳のカビを防ぐ!イヤホンを清潔に保つための対策

イヤホンは耳に密着するため、耳垢などの汚れが溜まりやすい構造です。

お手入れを放置していると音質が低下したり、耳の病気に繋がる恐れもあるので、イヤホンを常に清潔に保つように心がけてください。

6-1.こまめにお手入れする

イヤホンを清潔に保つために重要なのは、やはりこまめなお手入れです。

例えば、イヤホンを使用した後にティッシュで軽く拭き取るだけでも、イヤホンに付着した耳垢や皮脂を除去することが可能です。

これで汚れが蓄積しにくくなるでしょう。

そして定期的に先ほど紹介したお手入れをすることで、更に綺麗にすることができます。

また、長期間使用しない時などは、一度清潔にしてから保管するようにしましょう。

6-2.ケースに入れて持ち歩く

外出先でイヤホンを使用する場合、イヤホンを直接バッグに入れてしまうと汚れが付着しやすくなります。

久しぶりにバッグの中身を出したら、底の方に砂や埃など細かいゴミが溜まっていたという経験がある方もいらっしゃると思います。

例えばそのように汚れている場所に、冷えたペットボトルなど濡れたものを入れると、カビが繁殖しやすい環境になります。

そんな場所に直接イヤホンを入れてしまったら、汚れだけでなく、雑菌やカビも付着してしまいます。

もし耳の中が傷ついている状態で、そんな不衛生なイヤホンを使用すると、耳の中でカビが発生する恐れがあります。

そのような事態を避けるためにも、イヤホンはケースに入れて持ち歩くようにしましょう。

これはイヤホンが汚れにくくなるだけでなく、イヤホンの故障も防ぐことができます。

また、定期的にケースのお手入れをするのも忘れないようにしましょう。

6-3.長時間の使用は控える

外耳道真菌症などの耳の病気を防ぐためには、イヤホンの長時間の使用は控えてください。

カビは湿度が高く、暖かい場所を好む傾向にあります。

イヤホンを装着した耳の中は密閉状態になり、高温多湿になります。

これではカビが繁殖しやすい環境が整ってしまいます。

それを防ぐためにも、イヤホンを外して耳の中を乾燥させて、カビの繁殖を抑制しましょう。

またイヤホンの長時間の使用は外耳道真菌症だけでなく、イヤホン難聴(音響性聴器障害)を引き起こすこともあります。

これはWHOも警鐘を鳴らしているのですが、一度発症すると二度と回復しないとも言われています。

若い方の難聴も増えているので、頻繁にイヤホンを使用している方は気を付けてください。

6-4.カナル型なら耳垢ガードを使う

イヤホンは耳の中に入れて使用するものなので、耳垢が付着するのを防ぐのは難しいです。

特にカナル型のイヤホンは、しっかりと耳に密着するので耳垢が付着しやすい仕様になっています。

カナル型はイヤーピースの部分が取り外しできるものが多いので、これを耳垢ガードが付いているものを選ぶことをおススメします。

また、イヤーピースは定期的に新しいものと交換することで清潔に保つことができるので、汚れが気になってきたら交換するようにしてください。

7.まとめ

今回は耳にカビが生えてしまう原因や、イヤホンのお手入れ方法について詳しく解説してきました。

外耳道が傷ついている状態で真菌が繁殖することによって、外耳道真菌症を発症することがあります。

外耳道真菌症は耳が痒くなったり、詰まったような感じになって聞こえにくくなることがあります。

この病気になってしまう理由の1つとして、イヤホンの使用が考えられます。

イヤホンを長時間使用したり、雑菌まみれのイヤホンを使用することで発症しやすくなります。

それを防ぐためにも、まずはイヤホンのお手入れをしましょう。

イヤホンの種類によって、お手入れ方法が異なります。

カナル型イヤホンのお手入れ方法
①イヤーピースを取り外して、除菌シートで拭く
②歯間ブラシで掻き出す
③ケーブルなども拭き取る

インナー型イヤホンのお手入れ方法
①歯間ブラシで掻き出す
②ケーブルなども拭き取る

ワイヤレスイヤホンのお手入れ方法
①イヤホンの装着部分の汚れを取り除く
②ケースの汚れを取り除く

しかし、使用する度にこのお手入れをするのは手間が掛かると思います。

ですので、普段は使用後に軽くティッシュなどで拭き取り、たまにこのお手入れ方法を行うようにしてください。

また持ち運ぶ時は、ケースに入れて汚れを付着しにくくしたり、耳の中が高温多湿にならないように長時間のイヤホンの使用は控えてください。

外耳道真菌症は一度発症すると完治するのに時間が掛かり、さらに治ったと思っても再発しやすい病気です。

そのため、まずは病気を発症しないように、しっかりと対策を行いましょう。

イヤホンのカビや耳の中のカビでお困りの方に、この記事が届くことを願っております。

イヤホンが原因で耳にカビ!?イヤホンの種類別のお手入れ方法と対策