チェストベッドのカビの放置はNG!正しいカビ取りと対策をプロが伝授

「部屋の収納が少ないからチェストベッドにしたけど、引き出しの中って湿気がこもりやすいの?」

「チェストベッドの引き出しを開けたらカビが生えていた。どうやって除去すればいいんだろう」

チェストベッドとは、引き出しや収納スペースが付いたベッドのことです。

従来のベッドと比べてスペースを有効活用できるため、収納場所が限られている部屋にお住まいの方はとても重宝しているでしょう。

スペースを有効的に使えて便利なチェストベッドですが、実はデメリットもあります。

それはすのこベッドなどと比べると湿気がこもりやすいという点です。

カビは湿気が多い場所に発生するため、しっかりと対策をしなければカビが生えてしまうことがあります。

そこで今回、チェストベッドにカビが生えてしまった時の対処方法や対策について解説いたします。

チェストベッドのカビにお困りの方は是非この記事を参考にしてみてください。

この記事でわかること
・チェストベッドのカビを放置してはいけない理由
・チェストベッドのカビ取り方法
・チェストベッドにカビが発生する原因
・チェストベッドのカビ対策

1.チェストベッドのカビを放置してはダメ!その理由とは

ベッドは大型家具なので、掃除の時に動かすのも一苦労です。

そのため、大掃除の時に久しぶりに動かしたらベッドの側面にカビが生えていた…なんてこともあるでしょう。

また、チェストベッドの場合は、引き出しの中にカビが生えてしまうケースもよくあります。

カビの放置はデメリットしかないので、見つけたらすぐに除去するようにしてください。

1-1.収納しているものにもカビが移ってしまう

チェストベッドの引き出しや収納スペースにカビが発生すると、収納しているものにもカビが移る可能性があります。

特に湿気の多い時期はカビの繁殖スピードが速く、一気に広がってしまうことも考えられます。

また、衣類や布製品は湿気を吸収しやすいため、それらを収納している状態でカビが発生すると、カビの臭いやシミがついてしまうこともあるでしょう。

衣類などのカビ取りは相当の労力や費用がかかりますし、カビが酷い場合は全て捨てなければいけなくなることもあるため、早めの対処が重要です。

1-2.健康被害の恐れがある

ベッドに発生したカビは、見た目は小さくても健康被害を引き起こす可能性があります。

カビが発生している箇所の周りにはカビの胞子が大量に舞っているため、それを吸い込んでしまうことがあります。

カビの胞子が呼吸器や肺に入り込んでしまうと、それが原因で肺炎や喘息を発症する恐れがあり、大変危険です。

特にアレルギー体質や免疫力の低下した人、お子様や高齢者などはカビによる健康被害を受けやすい傾向があります。

ご自身やご家族の健康を守るためにも、早めの除去が大事です。

1-3.悪化すると自力でのカビ取りが不可能になる

カビは徐々に繁殖していくため、放置するとカビの範囲が拡大する恐れがあります。

特に湿度の高い場所では繁殖スピードも速いため、チェストベッドの引き出しのように湿気がこもる場所は悪化しやすいです。

自力で除去できないほど範囲が広がってしまうと、カビ取り業者に依頼するか、ベッドを買い替えるかのどちらかになり、自力でカビ取りするよりも費用が高くなります。

そうならないためにも、定期的な掃除や除湿対策を行ってカビの発生を未然に防ぎ、万が一発生した時にはすぐに除去するようにしてください。

2.ベッドのカビ取りで塩素系カビ取り剤の使用はNG!

浴室やキッチンなど水回りのカビ取りでよく使用されているのが塩素系カビ取り剤です。

塩素系カビ取り剤はカビを殺菌するのに有効ですが、毒性が強い成分も含まれているため、使用できる場所が限られています。

そして塩素系カビ取り剤はベッドのカビ取りには向いていません。

ベッドのように水で洗い流せない場所で使用すると、その中に含まれている成分が残留する恐れがあるからです。

それによって木材が変色や劣化してしまい、ベッドの見た目が悪くなるだけでなく、耐久性が落ちてしまうことが考えられます。

またカビ取り剤の成分が残っていると、それを吸い込んで体調が悪くなることもあります。

そうならないようにするためにも、ベッドのカビ取りでは塩素系カビ取り剤を使用しないようにしましょう。

3.チェストベッドの正しいカビ取り方法

2.ベッドのカビ取りで塩素系カビ取り剤の使用はNG!でお伝えした通り、ベッドのカビ取りでは塩素系カビ取り剤を使用することはできません。

そこでおススメしたいのが、消毒用エタノールを使用したカビ取りです。

カビはアルコールに弱い性質のため、カビを死滅させることが可能です。

ただしエタノールには漂白効果がないので、カビの色素までは落とすことができません。

また消毒用エタノールは揮発性が高いため、カビの状態によっては死滅する前に乾いてしまう可能性があります。

そのため、カビが酷い場合は殺菌力も安全性も優れているプロ用のカビ取り剤を使用したり、カビ取り業者に除去してもらったりするようにしましょう。

3-1.事前準備・注意事項

用意するもの

  • 消毒用エタノール
  • スプレーボトル(必要な場合)
  • 雑巾
  • マスク
  • ゴム手袋

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出典:amazon

カビの胞子を吸い込んだり、手が荒れたりするのを防ぐために、マスクとゴム手袋を身に付けてください。

注意事項

  • 換気しながら作業を行う
  • 火気の近くで使用しない
  • 目立たない場所で試してから作業する

カビ取り作業中はカビの胞子が飛散しやすいので、換気しながら行いましょう。

エタノールは引火する恐れがあるため火の近くでは使用しないでください。

全体をカビ取りする前に目立たない場所で試して、問題がなければ作業を行うようにしてください。

3-2.カビ取り手順

①消毒用エタノールを含ませた雑巾で拭き取る
②消毒用エタノールを吹きかける
③雑巾で消毒用エタノールを拭き取る

①消毒用エタノールを含ませた雑巾で拭き取る
スプレータイプではない消毒用エタノールの場合は、スプレーボトルに注ぎ入れましょう。
雑巾に消毒用エタノールを吹きかけ、その雑巾を使って埃などの汚れを取り除いてください。

②消毒用エタノールを吹きかける
カビが発生している箇所やその周辺に消毒用エタノールを吹きかけます。
浸透するまで10~15分ほど放置します。

③雑巾で消毒用エタノールを拭き取る
雑巾で消毒用エタノールを拭き取って、しっかりと自然乾燥させてください。

4.自力でカビ取りが難しい場合の対処方法

カビは健康被害を引き起こす恐れがあるため、カビが除去しきれずに残っている状態は危険です。

もし自力でカビ取りできないほどカビが広がっている場合は、業者に依頼したり、買い替えたりするのがいいでしょう。

4-1.業者にカビ取りしてもらう

自力でカビ取りできないほどチェストベッドのカビが広がっている時は、カビ取り業者に依頼してみてください。

カビ取り業者は、プロの知識や経験を活かして、効果的なカビ取り方法を提供してくれます。

また、適切なカビ取り剤や機器を使って、しっかりとカビを取り除くことができます。

ただし、カビ取り業者に依頼する場合は、複数の業者を比較して信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

そして料金や作業内容などについても事前にしっかりと確認することをおススメします。

4-2.思い切って買い替える

カビ取り業者に依頼すると費用が発生するので、安価なベッドであれば、思い切って買い替えるというのもいいでしょう。

ベッドのような大型家具は処分に困る方も多いと思いますが、家具店によっては古いものを回収してくれるところもあるので、そのようなサービスを活用してみてください。

ただし、買い替える際には、カビが発生した原因を知り、新しいベッドの選び方にも注意する必要があります。

カビが発生する原因としては、湿気の多い環境や不十分な通気、過度な温度差などが考えられます。

そのような場所ではベッドを新しくしても、またカビが生えてしまうかもしれません。

それを防ぐためにも、通気性の良いベッドや寝具を選び、常にカビ対策を行うことが大切です。

5.チェストベッドにカビが発生する理由とは

チェストベッドにカビが発生するには、以下の4つの条件が揃っている必要があります。

①水分
カビは水分を必要としており、湿度が高い環境で発生しやすくなります。

②温度
カビは比較的温暖な環境で発生しやすく、20〜30℃の温度を好みます。

③栄養源
カビは有機物を栄養源としています。例えば、埃や食べカス、皮脂などがカビの栄養源となります。

④酸素
カビは酸素がある環境で繁殖します。

そしてチェストベッドにはこの4つが全て揃ってしまうことがあります。

5-1.ベッド周りの湿度が高い

チェストベッドにカビが生える原因のひとつとして、寝汗が考えられます。

人間は一晩にコップ1杯ほどの汗をかくと言われています。

その汗は布団やマットレスに染み込み、場合によってはベッドフレームにも到達してしまいます。

寝汗以外にもカビの原因として考えられるのが、窓の結露や部屋全体の湿度です。

窓の近くにベッドを置いていると、結露によって濡れてしまうことがあります。

また日本は多湿な気候のため、春から秋頃までは部屋全体が高湿度になってしまうこともあります。

このようにベッド周りの湿度が高くなると、カビが生育しやすい環境が整ってしまうのです。

5-2.引き出しの中に湿気がこもっている

チェストベッドは、引き出しタイプやリフトアップタイプなどがあります。

こまめに開け閉めしていればいいのですが、そうでない場合はずっと閉め切っている状態になります。

閉め切られている場所というのは、湿気がこもりやすいものです。

そのためチェストベッドの収納スペースの中に湿気が溜まり、カビの繁殖を促してしまうでしょう。

また、引き出しの中に湿っているものを入れると、更に湿気がこもりやすくなるので注意してください。

5-3.通気性が悪い

大型家具の周りは空気が循環しにくくなるものです。

例えばベッドを壁に近づけて設置していると、空気の流れが妨げられてしまいます。

それによってベッドの側面やベッドと触れている壁にカビが発生してしまうことがあります。

そしてチェストベッドの場合は、他のベッドと比べても通気性が悪くなりやすいものです。

脚付きのベッドなら、ベッドの下に空間があるので湿気がたまりにくいですが、チェストベッドの場合が下が収納スペースになっているので、そのまま湿気が溜まってしまいます。

また、引き出しの中に物が詰まっていたり、密閉されていたりすると更に通気性が悪くなります。

通気性が悪い場所には湿気や埃が溜まりやすいため、カビの発生条件が揃ってしまうのです。

5-4.汚れが蓄積している

ベッドのような大型家具は動かして掃除することが少ないため、隙間に埃などが溜まりやすくなっています。

また布団やマットレス、枕には、睡眠中にかいた汗が染み込んでいたり、皮脂や髪の毛、整髪料などが付着したりするでしょう。

これらはカビが繁殖する為の栄養源になるため、そこからカビが広がってしまう恐れがあります。

そしてチェストベッドの場合は、引き出しの中にも汚れが溜まることが考えられます。

汚れたものを保管したり、長期間引き出しの中の掃除をしていないと汚れが蓄積するので注意してください。

6.チェストベッドのカビを防ぐための6つの対策

5.チェストベッドにカビが発生する理由とはでも解説しましたが、カビが発生するには「水分」「温度」「栄養源」「酸素」の4つの条件が揃っている必要があります。

そのため4つの中でどれか1つでも欠けさせるようにすることが、カビを予防に繋がります。

以下の6つの対策はすぐにできるものばかりなので、ベッドのカビにお困りの方は是非試してみてください。

  • 部屋を除湿する
  • 定期的に換気する
  • ベッドを壁や窓にくっつけない
  • 引き出しの中に除湿剤を入れる
  • 引き出しの中に汚れたものを入れない
  • こまめに掃除をする

6-1.部屋を除湿する

カビは高湿度の場所で発生しやすく、湿度が60%以上の環境では繁殖が促進されます。

特に梅雨などのジメジメしている時期や、洗濯物を部屋干ししている時などは室内の湿度が高くなりやすいです。

そこで行っていただきたいのが、部屋の除湿です。

エアコンや除湿機を活用して、湿度を60%以下に保つようにしてください。

室内の湿度が分からない場合は、湿度計を購入して、常に数値を確認できるようにしましょう。

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6-2.定期的に換気する

カビは湿度が高く、空気が滞留するところに発生しやすいものです。

特に引き出しの中は通気性が悪く、湿気がこもりやすい環境になっています。

この状態が長期間続くとカビが発生する恐れがあるので、定期的に引き出しを開けて湿った空気を出すようにしてください。

また、その時に部屋の窓を開けて空気を入れ替えるようにしましょう。

これで引き出しの中だけでなく、部屋全体の空気を循環させて、湿度を下げることができます。

ただし雨の日など湿度の高い日は換気するだけでは湿度が下がらないので、6-1.部屋を除湿するで紹介した除湿も併せて行うようにしてください。

6-3.ベッドを壁や窓にくっつけない

ベッドを壁にピッタリくっつけていると、通気性が悪くなり、空気が滞留します。

そのような場所には湿気や埃などが溜まりやすくなるので、カビの発生リスクが高まります。

数センチでもいいので壁から離してベッドを設置するようにしてください。

また、特に注意してほしいのが窓です。

窓は冷気を通しやすかったり、結露したりするため、周辺は湿度が高くなります。

その近くにベッドを設置していると、その影響を受けてカビが生えやすくなってしまいます。

できるだけ窓の近くにはベッドを置かないように気を付けましょう。

6-4.引き出しの中に除湿剤を入れる

チェストベッドの引き出しのカビを防ぐには、除湿剤を入れるというのも効果的です。

除湿剤には、湿気を吸着する素材が使用されており、湿気がこもりやすい引き出しの中でも湿度を下げることができます。

ただし、除湿剤の交換タイミングには注意が必要です。

特に引き出し用の除湿剤は、一般的な置き型タイプよりも交換頻度が多い物がほとんどです。

除湿剤の効果が切れて湿気が増えると、除湿剤では吸い取りきれない水分が溜まってしまい、カビの繁殖の原因になります。

こまめに確認して、必要であればすぐに新しいものと交換するようにしてください。

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6-5.引き出しの中に濡れたものを入れない

引き出しの中に濡れているものを入れると、湿度が高くなってカビの繁殖を促すことになります。

びしょびしょに濡れているものを引き出しに入れるという方はいないと思いますが、洗濯後に完全に乾く前にしまうということはあるでしょう。

そうなるとカビが生えやすくなるので、しっかりと乾いているのを確認してから引き出しに入れるようにしてください。

また、引き出しの中には汚れているものを入れるのも控えてください。

汚れはカビが繁殖するための栄養源になります。

埃が付いているものなら拭き取ってから入れるなど、汚れを除去してから保管するように心がけましょう。

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6-6.こまめに掃除をする

カビ対策には、部屋の掃除がとても大切です。

掃除を怠ると、ホコリや皮脂、ハウスダストなどが溜まり、それらがカビの栄養源になります。

こまめに掃除して、埃や汚れを取り除き、カビの栄養源を減らしてください。

そしてチェストベッドは、引き出しの中の掃除や整頓も大事です。

面倒にはなりますが、定期的に引き出しに収納している物を出して、掃除するようにしてください。

必要のないものは捨てて整理整頓することで、通気性が良くなり、湿気も抑えられるでしょう。

また空気清浄機を活用することで、空気中の埃やカビの胞子が少なくなり、カビの発生を抑制することができます。

7.まとめ

今回はチェストベッドにカビが生えた時の対処方法や対策について紹介してきました。

ベッドにカビが生えていると、カビの胞子を吸い込んで病気を発症する危険があるため、すぐに除去するようにしましょう。

ベッドのカビ取りでは塩素系カビ取り剤は使用できないので、消毒用エタノールを使用してカビ取りしてください。

①消毒用エタノールを含ませた雑巾で拭き取る
②消毒用エタノールを吹きかける
③雑巾で消毒用エタノールを拭き取る

カビ取りが終わったら、今度は二度とカビが生えないように対策を行うことが重要です。

  • 部屋を除湿する
  • 定期的に換気する
  • ベッドを壁や窓にくっつけない
  • 引き出しの中に除湿剤を入れる
  • 引き出しの中に汚れたものを入れない
  • こまめに掃除をする

この6つの対策をするだけで、チェストベッドのカビの発生率を大幅に減らすことができます。

是非この記事を参考にして、ご自身やご家族の健康を守ってください。

チェストベッドのカビの放置はNG!正しいカビ取りと対策をプロが伝授