カビの原因にも?!冬ダニの原因と対策方法

ダニというと、ジメジメとした高温多湿の時期に増えるイメージかもしれません。しかし、冬場でも室内でダニは増殖します。また、ダニが増えるとカビの原因にもなることから、冬の時期にできる防ダニ・防カビ対策について解説していきます。

1. 冬ダニとは

湿気の多い梅雨や夏場に繁殖するイメージのあるダニですが、寒い冬でも繁殖することがあるのです。

1-1. 冬場に繁殖するダニの種類

ダニは季節に限らず、適度な湿度と温度、栄養源があると繁殖します。一般住宅に発生するダニは「ヒョウヒダニ」(チリダニ)という種類で室温20~30℃、湿度60%以上で繁殖します。

そのため高温多湿となる梅雨~夏にかけて大繁殖します。しかし、冬になって寒くなると室温15℃程度、湿度70%以上の条件で発生する「イエニクダニ」という種類のダニが活動を始めます。これがいわゆる冬ダニです。低温でも繁殖できるため冬でも油断できないのです。

1-2. 冬ダニの繁殖場所

冬ダニは、夏場に発生するダニと同じように適度な温度と湿度が保たれ、人のフケやアカ、汗などの栄養源がある場所に繁殖します。具体的には、暖かく吸湿性のあるような布団や枕、カーペットやソファ、クッションなどの布製品を繁殖場所にします。

布製のものが多いクローゼットや押し入れにも発生しやすいです。寝室とリビングは要注意と言えるでしょう。座布団や畳にも繁殖します。こういった場所に加え、比較的低温高湿でも繁殖できる冬ダニは結露ができやすい窓周り、風通しの悪い家具裏、食品にも発生することがあります。

2. 冬ダニが発生する原因

そもそもなぜ冬でもダニが繁殖してしまうのでしょうか。その原因には次のようなことがあります。

2-1. 暖房と加湿器の使用

冬になると暖房や加湿器を使用するご家庭は多いかと思います。暖房も25℃前後で設定しているのではないでしょうか。25℃前後はダニが最も繁殖しやすい温度であり、そこで加湿器も使用することで室内は人にとって過ごしやすくなると同時にダニの大量繁殖も招いてしまうのです。

暖房と加湿器を併用しながらの睡眠は、快適な温度と湿度の中で人の汗やフケ、アカという栄養源も得られるダニにとって非常に快適な繁殖環境になるのです。

2-2. 大型布製家具の洗濯頻度の減少

冬になると洗濯物がなかなか乾きませんよね。夏場はマメに洗濯できていたベッドカバーやソファカバー、枕カバーやラグなども冬になるとその乾きにくさから洗濯頻度が落ちがちです。冬だからそんなに汗もかかないし汚れていないだろうという油断もでてきてしまいます。

洗濯・乾燥をしなくなるとフケやアカなどの栄養源がどんどん蓄積されるとともにダニも増えていきます。

2-3. カビが冬ダニを寄せ付けている

温度20~30℃、湿度60%以上で発生するのはダニだけではありません。実はこれはカビの発生条件と同じなのです。それだけでなくダニにとってカビは恰好の栄養源なのです。そのためカビが生えた場所にはもれなくダニもいる可能性が高いです。

特に、冬に繁殖するイエニクダニはカビを好んで食べます。冬は暖房の使用により外との寒暖差が大きくなり室内の窓周りには結露が発生しやすいです。結露が発生した場所にはカビが生え、後を追うようにダニが寄ってきてしまうこともあります。また、冬ダニは変質した食品も好むため、カビが生えた食品は冬ダニの栄養源の宝庫と言えるのです。

3. 冬ダニを放置すると?

冬ダニの発生に気付かず放置していると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。いわゆるダニアレルギーと呼ばれるものです。ダニに噛まれるとかゆみが出るたり赤い発疹がでるというイメージがありますが、それだけでなく、ダニのフンや死骸が混じった室内塵にさらされることで痒みの原因になることも。

慢性化すると喘息症状も伴うようになります。最近だと、体調に変化があると風邪を疑いそうになりますが、不調の原因は冬ダニによるものかもしれません。

4. 冬ダニを防ぐ方法

冬ダニの発生を防ぐにはどのような方法があるのでしょうか。

4-1. カビの発生を防ぐ

ダニの栄養源となるカビを防ぐことで冬ダニの増殖を抑えることができます。カビの発生を防ぐには、こまめな換気と掃除、結露の除去、消毒用エタノールによる殺菌が効果的です。加えて天気の良い日は布団やカーペットを干すようにすると日光の殺菌効果でカビを死滅させることができます。

ちなみに、ダニ駆除に効果的と思われている天日干しですが、実はダニに対してはあまり効果がありません。ダニは50℃で30分、60℃以上で一瞬で死滅します。しかし天日干しではここまで高温になることはなく、気温の低い冬だとなおさらです。天日干しは冬ダニを直接死滅させるものではなく、繁殖要素となるカビを殺菌する目的として取り入れてみてください。

4-2. ダニ除去アイテムを使う

ダニ除去アイテムを使うこともおすすめです。最近は、マット・シートタイプのものやスプレータイプ、燻煙タイプなどが販売されており目的に合わせてダニ除去ができます。マット・シートタイプはカーペットやベッドシーツの下、衣類収納棚に入れておくとダニの繁殖を防ぐことができます。スプレータイプはスプレーするだけで手軽にダニ退治ができる便利なアイテムです。

ベッドやソファ、クッションやぬいぐるみなど様々な布製品に使えます。燻煙タイプは、薬剤成分が入った煙が部屋の隅々まで行き渡り部屋に住むダニを駆除してくれます。他にも、ダニ予防ができる洗濯洗剤も市販されており、衣類のダニが気になる方は使ってみるのもおすすめです。

4-3. 布団乾燥機と掃除機のダブル使い

ダニが繁殖しやすい布団は布団乾燥機を使うことでダニを駆除します。布団乾燥機のダニ退治モードは50℃以上の温風を継続して送り続けてくれるのでダニ駆除には非常に効果的です。ただし、室温が低かったり湿度が高かったりすると布団が温まりにくくダニが駆除しきれないこともあります。

布団乾燥機を使ってダニ退治をする際は暖房を使うなどして部屋を暖めながら行うと効果的です。ダニ退治モードがない場合は、通常の倍の時間乾燥させます。布団乾燥機でダニを死滅させたら、仕上げに掃除機がけをしてダニの死骸を残さないようにします。

アイリスオーヤマ 布団乾燥機

出典:amazon

4-4. コインランドリー

家に布団乾燥機がない、カーペットやラグのような大型の布製品は自宅で洗濯・乾燥できない、そんなときはコインランドリーを利用するのも一つの方法です。コインランドリーにある大きい洗濯乾燥機を使うことで蓄積した皮脂や汗、フケやアカなどの汚れを落とし、高温乾燥によってダニやカビを駆除することができます。

5. まとめ

今回はカビとの関係も深い冬ダニについて、発生原因や対策をお伝えしてきましたが、まとめると

● 多くのダニは温度20~30℃、湿度60%以上で繁殖するが、冬には気温15℃、湿度70%の低温高湿で繁殖する冬ダニが活動し始める。

● 冬ダニは人のフケやアカ、皮脂、汗が蓄積した寝具や布製家具に生息し、食品やカビをも栄養源にする。

● 外気との寒暖差によって室内に発生した結露にはカビが発生し、そのカビを狙って冬ダニが寄ってくることもある。

● 冬ダニを放置するとアレルギー症状を発症することがあり、慢性化すると喘息を引き起こすこともある。

● カビの発生を防ぐことで、カビを好む冬ダニの発生を抑えることができる。カビを防ぐにはこまめな換気と掃除、天日干しや消毒用エタノールでの殺菌が効果的。

● 用途に合わせてダニ除去アイテムを使ったり、布団乾燥機と掃除機の併用によるダニの駆除、自宅での洗濯・乾燥が難しい場合はコインランドリーを利用するなどしてダニを駆除&予防する。

<参考>

カビの原因にも?!冬ダニの原因と対策方法