階段に生えたカビを除去する方法

「おうちの階段の端っこをよくみると、カビが生えていました。掃除機で定期的に掃除はしていたのですが、まさかカビが生えるとは思わず驚いています。自力で何とか除去できる方法はないのでしょうか」

階段にカビが生えているのを見つけてしまったらショックですよね。自力で対処できる方法があれば費用も安く済みますし試してみたいですよね。そこで今回は、階段に生えたカビの除去方法についてご紹介いていきます。

1. 階段にカビが生えたら?

1-1. 自力で除去できる?

結論からお伝えすると、自力で除去する方法はあるがカビの状態によっては限界がある、ということです。カビが広範囲に広がっていたり、範囲は小さくても長い間放置されてきたカビは奥まで根を張っているためご家庭にあるカビ取り剤で、自力で除去するのは難しくなります。また、階段の材質によってもカビ除去の難易度は異なります。

1-2. 階段の素材と使用できるカビ取り剤

階段には様々な種類の階段材が使われていますが、ほとんどが次の5種類のうちのいずれかの素材から作られた階段になるかと思います。

① 木

② 金属

③ 石

④ ガラス

⑤ カーペット敷き階段

カビの程度と階段材によって使用するカビ取り剤が異なりますのでご家庭の階段材に合わせて選びましょう。それぞれの素材ごとに使えるカビ取り剤は次の通りです。

● 木製の階段・・・中性洗剤、消毒用エタノール、酸素系漂白剤

● 金属製の階段・・・中性洗剤、消毒用エタノール

● 石の階段・・・中性洗剤、消毒用エタノール、酸素系漂白剤、塩素系漂白剤

● ガラス製の階段・・・中性洗剤、消毒用エタノール、酸素系漂白剤、塩素系漂白剤

● カーペット敷き階段・・・中性洗剤、消毒用エタノール、酸素系漂白剤

基本的に中性洗剤消毒用エタノールはどんな素材のものにも使えます。

ただし、軽度のカビに限られます。黒や青などカビの色素がある場合は中性洗剤や消毒用エタノールでは落としきれません。カビの色素は漂白剤を使って落とします。漂白剤は酸素系よりも塩素系漂白剤の方が強力ですが、素材を傷めたり変色・脱色の恐れがあります。

石とガラス製の階段に関しては塩素系漂白剤に対しても比較的耐性があります。それ以外のものは素材を傷める恐れがあるため使わない方がよいでしょう。

特に金属製の階段にはNGです。金属を錆びさせる原因になるため漂白剤の使用はやめましょう。その点酸素系漂白剤は、漂白力は塩素系には劣りますが素材へのダメージは少ないです。それでも脱色・変色の可能性はゼロではありませんので、使う際目立たない場所で試してから使用します。

2. 階段のカビの除去方法

階段のカビの除去方法です。作業に当たっては、マスク・ゴム手袋・ゴーグルを身に着けて身体を保護し、換気をしながら行います。

2-1. 消毒用エタノールを使う方法

~用意するもの~

  • 消毒用エタノール
  • 乾いたタオル
  • スポンジまたは歯ブラシ(ブラシ)
  • 綿棒

~手順~

① カビ部分とその周辺に消毒用エタノールをたっぷり吹きかけます。

② 必要に応じて綿棒や歯ブラシ(ブラシ)を使って細かい部分のカビを落とします。

③ 乾いたタオルでカビを拭き取って完了です。

2-2. 中性洗剤を使う方法

~用意するもの~

  • 中性洗剤
  • スポンジまたは歯ブラシ(ブラシ)
  • タオル2枚
  • 綿棒

~手順~

① 水で濡らしたスポンジまたはブラシに中性洗剤をつけ、カビ部分を擦ります。

② 細かい部分は綿棒や歯ブラシを使って落とします。

③ 水で濡らし硬く絞ったタオルで洗剤を拭き取ります。(タオルを洗いながら複数回繰り返す)

④ 乾いたタオルで水気を拭き取ります。

2-3. 酸素系・塩素系漂白剤を使う方法

~用意するもの~

  • 酸素系または塩素系漂白剤(スプレータイプがおすすめ)
  • (原液を希釈する場合は)スプレーボトル
  • キッチンペーパー
  • タオル2枚
  • スポンジまたは歯ブラシ(ブラシ)
  • 綿棒

~手順~

① カビが生えている部分にキッチンペーパーをあて、上から漂白剤を吹きかけます。

② 10~15分ほど放置します。

③ 時間がたったらカビの状態を確認し、必要に応じて綿棒やスポンジ、ブラシを使って細かいカビを擦り落とします。

④ 水で濡らし、硬く絞ったタオルで漂白液をしっかり拭き取ります。(タオルを洗いながら複数回繰り返す)

⑤ 乾いたタオルで水気を拭き取ります。

カビ取り時の注意点としては、ブラシを使って階段を強く擦ると傷がついてしまうため、力加減に注意しましょう。硬めよりも柔らかめのブラシがおすすめです。

3. それでも落ちない場合は

自力でカビ取りをしてもカビが取り切れなかった場合は、カビ取り専門業者に依頼するというのも一つの方法です。カビの状態や階段の素材などを考慮して適切な薬剤を用いてカビを除去してくれます。

4. 階段のカビを放置すると・・・

階段に生えたカビを放置すると、カビが深刻化するのはもちろんのこと最悪の場合大掛かりなリフォームをしなければならなくなることもあります。それだけでなく、カビによってアレルギーのような症状がでたり頭痛や気分が悪くなるなど健康を害する恐れもあります。

特に免疫力が十分でない小さなお子様や高齢の方が一緒にお住まいの場合は要注意です。階段に生えたカビを、まだ小さいからとみて見ぬ振りせず、気づき次第対処しましょう。

5. 階段にカビが生える原因

5-1. 埃

埃の中には大量のカビの胞子が存在しています。埃1gには一万~一千万個近くのカビの胞子がいると言われています。埃のあるところには同時にカビの胞子もいる、ということになり、そのまま放置すればやがて目に見える形となってカビが現れます。

特に階段の隅や段板の手前(足をかける滑り止めがある部分)の溝には埃が溜まりがちになり、そこにはカビも生えやすくなります。金属やガラス製の階段にカビが生えるのも埃や汚れが原因です。有機物を栄養源にするカビにとって、無機物である金属やガラスを栄養源にすることはありません。それでも金属やガラスにカビが生えてしまうのは、階段に付着した埃や汚れをエサにして生育するからです。

5-2. 人の皮脂や汗

階段を含む室内を素足で歩く習慣のあるご家庭においては、階段に付着した皮脂や汗もカビの栄養源になります。普段は掃除機をかけて階段掃除をしていたとしても、掃除機では階段に付着した皮脂や汗は取れません。それらが蓄積されていくことによって、カビも成長していきます。

5-3. 日当たりが悪い

日光にはカビの殺菌作用がありますが、階段に日が当たらない造りになっているとカビが生えやすくなります。特に、地下室や屋根裏部屋へと続く階段は日当たりが悪い上に湿度も高くなりがちなためカビのリスクは高くなると言えます。

5-4. 階段材(床材)の傷み・劣化

階段材の劣化もカビ発生の大きな要因です。表面の塗装が剥がれたり、何かの拍子に傷や凹みができたりといったように階段材が劣化するとカビが生えやすくなります。

表面塗装があることでカビが根を張るのを防いでいたけれど、それが経年により剥がれてしまい、ガードがなくなった階段にカビが生えてしまうということがあります。

傷や凹みも同様で、傷や凹みがあるとそこからカビが生えやすくなります。傷や凹みには埃も溜まりやすいのでカビの住処になりやすいです。

また、築年数が古い住宅では階段材自体が脆くなっており、加えてさまざまな汚れが付着し、湿気も多量に含んでいます。階段材が劣化していたり傷みがあるとカビが発生しやすいです。

6. 階段のカビを防ぐ掃除方法

階段にカビが生えないようにするには普段どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。

6-1. 劣化が見られる場合は修復を

ひどい傷や凹みがあったり、経年劣化によりカビを繰り返しているような場合はまずその箇所の修復を検討した方がよいでしょう。階段自体が傷んでいるとカビ取りをしてもまたすぐに生えてくる可能性が高いです。傷みや劣化の程度にもよりますが、ひどいようであれば階段の修復から取り掛かるのがいいでしょう。

6-2. 掃除機と重曹水で汚れを落とす

日常の階段掃除には重曹がおすすめです。重曹は弱アルカリ性であるため、酸性の皮脂や汗の汚れに効果を発揮します。

掃除機やモップ等で表面の埃を除去機し、その後重曹水で階段に付着した皮脂・汗汚れを拭き取ります。重曹水は、重曹を水に対して1%の濃度でつくります。重曹は人体に無害ですので、小さなお子様がいるご家庭でも安心して使うことができます。

6-3. 消毒用エタノールも効果的

家ではスリッパを履いているため、階段に皮脂や汗がつく心配はないという場合は重曹水ではなく、消毒用エタノールがおすすめです。

スリッパを履くだけでも階段にカビの栄養源を残さない、という点でカビ対策になりますが、さらに消毒用エタノールを使うことで殺菌効果によりカビの発生を防ぐことができます。手間としては水拭きと同じなのでただ水拭きするよりもおすすめです。

6-4. こまめに換気する

換気もカビ対策には非常に効果的です。換気をすることで湿度を下げ、カビを防ぐことができます。階段の途中に窓があるような造りであれば、窓を開けて換気しましょう。近くに窓がない場合は、他の部屋の窓を開けて家全体を換気しましょう。そうすることで階段だけでなく家全体のカビ予防ができます。

7. まとめ

今回は階段にカビが生えたときの対処法についてお伝えしてきましたが、まとめると

● 階段に生えたカビを自力で除去する方法はあるが、カビの状態によっては限界がある。

● 階段の素材とカビの程度に合わせて適切なカビ取り剤を選ぶ。錆の原因になるため金属製の階段には酸素系・塩素系いずれの漂白剤も使わない。

● 自力での対処が難しい場合はカビ取り業者に依頼する。

● 階段のカビの原因は、埃や皮脂や汗などの汚れがカビの栄養源になっている。日当たりが悪い階段や、傷みや劣化がみられる階段にはカビが生えやすい。

● 階段のカビ対策として、階段がひどく劣化している場合はまず修復を検討する。

● 重曹水で拭き取ることでカビの栄養源となる皮脂や汗を除去することができる。また消毒用エタノールで拭き取ることでカビ予防ができる。

<参考>

  • 高鳥浩介、久米田裕子 『カビのはなし ミクロな隣人のサイエンス』 NPO法人カビ相談センター
  • 本橋ひろえ 『ナチュラルおそうじ大全』 株式会社主婦の友社
  • 浜田信夫 『カビの取扱説明書』 角川書店