ドライフラワーにカビが生えた!どうすれば良いの?
「結婚祝いで頂いたドライフラワーにカビが生えてしまいました。触ると壊れてしまいそうで、どのようにしてカビを取ればよいか分かりません。処分するしかないのでしょうか?」
乾燥していてカビとは無縁にも思えるドライフラワーですが、意外にもカビが生えやすいのです。そこで今回はドライフラワーにカビが生える原因やカビが生えたときの対処法についてご紹介していきます。
目次
1. ドライフラワーにカビが生えてしまったら?
1-1. カビの生えたドライフラワーは速やかに取り除く
結論からお伝えすると、ドライフラワーにカビが生えてしまったら残念ですが処分しましょう。束になったもの全部を捨てる必要はありませんが、カビの生えたドライフラワーとそれに隣接していた花は取り除いた方が良いです。
ドライフラワーにカビが生えたまま放置しているとカビはどんどん広がり状態の良かったものまでカビに侵されてしまいます。花束全てを処分する必要はない、とお伝えしましたが、実際に目に見える形でカビが生えていたということはその周辺のドライフラワーにもカビの胞子が大量に付着している可能性があります。
環境を変えない限り再びカビが生えるのも時間の問題と考えられますので、カビ部分を取り除いた後もしばらくはドライフラワーを風通しの良い場所に置くなどして様子を観察しましょう。
1-2. 消毒用エタノールでカビ取りは可能?
カビなら消毒用エタノールで除去できるのでは?と考えた方もいるかもしれません。たしかに、ドライフラワーに生えるカビの多くはふわふわした白カビであり、消毒用エタノールを吹きかければカビの除去はできます。
しかし、消毒用エタノールは花の色素を脱色させてしまうことがあります。
実際にプリザーブドフラワー(生花に脱色・染色等の加工を施して長期保存できるようにした花)を作る際の脱色液にエタノールを使うこともあります。カビ取りのために軽く吹きかける程度であれば脱色の可能性も少ないですが、花の種類や色によって脱色の程度も異なるためカビが生えたからといって安易に消毒用エタノールを使うことはやめましょう。
2. ドライフラワーにカビが生える原因
そもそもなぜドライフラワーにカビが生えるのでしょうか。水気がないドライフラワーにもカビが生えてしまう原因には次のようなことがあります。
2-1. 湿気の多い場所に飾っている
ドライフラワー自体が乾燥していても湿度の高い場所に置いているとドライフラワーが湿気を吸い、カビが生えてしまいます。結露の影響を受けやすい窓際や玄関に飾っている場合はカビの発生率は高くなります。浴室付近や洗面所の近くも湿度が高くなりやすく、ダイレクトに水がかかることもあるためカビが生えてしまいます。
2-2. 埃がカビの栄養源になっている
埃もドライフラワーのカビの主な原因の一つです。ドライフラワーは生花と違い基本的には手入れ不要で飾っておくだけでいいというのが良さでもあります。
つまり、他のインテリアや家具と同じ状態にあると言えます。まめに手入れをしなくてもよい反面、多くのインテリアや家具は汚れがあれば磨いて掃除することができますし、埃も取り除くことができます。しかしドライフラワーはそういうわけにいきません。
一度飾ると当分の間はそのまま放置してしまっている、という方も多いのではないでしょうか。室内の塵1gあたり一万~一千万個のカビがいると言われていますがドライフラワーにかぶった埃をそのままにしておくことはカビの胞子も被っていると言えます。
そのカビの胞子が空気中のわずかな湿気を利用して成長し、やがて目に見える形となって現れるのです。ドライフラワーの色味や花の種類によっては汚れやカビと見分けがつきにくいということも手入れから遠のく要因にもなっています。
2-3. ドライフラワーの乾燥が不十分
ドライフラワーをご自宅で手作りされている方もいるかと思います。ドライフラワーの作り方にはそのまま乾燥させたり、シリカゲルを使ったりする方法など様々な作り方がありますが、一般的な作り方は生花を逆さまに干して乾燥させていく方法です。このとき、
- 湿度の高い場所で作業している
- 一本一本ばらさず花束の状態で乾燥させている
- 乾燥し切らないまま湿度の高い場所に飾る
といったことをしてしまっているとドライフラワーにカビが生えてしまいます。湿度の高い場所で作業すると当然ながら乾きが進みにくい上に乾燥過程でカビが発生することもあります。また、ブーケのような花束をドライフラワーにする際、本来なら一本一本バラして乾燥させますが、束のまま吊るしてしまうと束ねた部分が十分に乾燥せず、カビが生えてしまいます。
そして、一番やりがちなのが乾燥し切らないまま湿気の多い場所に飾ってしまうことです。乾いたと思っていても茎の内部に水分が残っていることもあります。
乾ききらないうちに、さらに湿気の多い玄関や窓際、水回りに置いてしまうとあっという間にカビが生えてしまいます。
頂き物であったり既製品を購入し、それにカビが生えてしまったような場合は飾る場所と日頃の手入れに原因があると考えられます。ハンドメイドで作っている方は飾る場所や手入れに関することだけでなく作成工程の段階にもカビ発生の要素がなかったか見直す必要があります。
3. ドライフラワーのカビを防ぐ方法
ドライフラワーのカビを防ぐには、飾る場所と埃の除去、飾る時期が重要になります。
3-1. 飾る場所
湿気の多い場所を避け、風通しの良い日陰になる場所に飾るのをおすすめします。風通しの良い場所に飾ることでドライフラワーに湿気が溜まらず埃も蓄積しにくくなります。
また、ドライフラワーは日光により色褪せてしまったり乾燥しすぎて崩れてしまったりするので直射日光の当たる場所も避けましょう。飾りたい場所が湿度の高い場所である場合は、埃の除去をこまめにおこないカビの原因となる要素を減らすようにします。そして、同じ場所に置きっぱなしにせず定期的に風通しの良い日陰に移動させドライフラワーに湿気が溜まらないようにします。
3-2. 埃の除去
埃の除去をするだけでドライフラワーの持ちが格段に良くなりカビも生えにくくすることができます。柔らかいブラシ(メイクブラシがおすすめ)や小さめのハタキを使って付着したホコリを落とします。室内に埃やカビの胞子が舞うのを防ぐために埃を除去する際は屋外でマスクを着けて行います。
3-3. 飾る時期
梅雨や冬の湿度が高くなりやすい時期はドライフラワーを飾るのにはあまり向いていません。手作りでドライフラワーを作っている方もこの時期に作ると乾燥が進まずうまく出来上がらないことが多いです。できたとしても湿気によりすぐに色褪せてダメになってしまうこともあります。
この時期だけ飾るのをお休みする、という手もありますがもし年間通してドライフラワーを楽しみたいという方は除湿機を置く、ドライフラワーを新聞紙でくるむなどの湿気対策をしましょう。
4. 今回はドライフラワーのカビ対策についてご紹介してきましたが、まとめると
● カビの生えたドライフラワーは処分した方が良い
● 花が脱色することがあるためドライフラワーのカビ取りに消毒用エタノールを使わない
● ドライフラワーのカビの原因として、湿度の高い場所に飾っていること、埃が湿気を吸いカビの栄養源になっていること、ドライフラワーの作成過程での乾燥が不十分なことが考えられる
● ドライフラワーは湿度の高い場所、高くなる時期に置かないようにする。どうしてもという場合は除湿機や新聞紙等で湿気対策をする
● ブラシを使ってこまめに埃を除去することでドライフラワーを長持ちさせカビの発生を抑えられる
湿気と埃対策に気を付けてできるだけ長くお気に入りのドライフラワーを楽しめるといいですね。