洋服をジップロックに入れて収納したらカビが生えるの?

ジップロックをはじめフリーザーバッグは、野菜などの食品を保存するのに使用するイメージがありますが、最近ではさまざまなサイズや用途が展開され、整理や収納に便利なアイテムです。

ジップロックは旭化成ホームプロダクツが販売するプラスチックバッグの商品名です。フリーザーバッグ、フリージングバッグ、保存バッグ、プラスチックバッグ、ジッパーバッグなどと言われることもありますが、ここではジップロックとまとめて表現していきます。

手でおさえて簡単に空気を抜くこともできるので、旅行やおでかけの際にかさ張るような衣類もジップロックを使えばコンパクトに持ち運びができます。

また、タンスやクローゼットの中もきれいに整理して収納するのに役立ちます。

そんな便利なジップロックですが、洋服を入れて長期間収納できるの?カビは生えるの?という疑問を持った方もいらっしゃるかと思います。

今回はそんな疑問にお答えしつつ、ジップロックで洋服を収納する際の注意点やカビ予防方法などもご紹介していきます。

カビが発生する条件とは?

カビは酸素、20℃以上の温度、湿度60%以上、栄養分となる汚れがある状態がそろうと発生します。

洋服についた汗や皮脂などの汚れをしっかりと落とし切れていない状態やしっかり乾いていない状態で洋服をしまうと汚れの上にカビが生えたりします。

また、デンプン糊をつけて長い間しまっておいてもデンプン糊がカビの栄養源となりカビが発生します。

カビは一度繁殖するとなかなか落とせないこともあります。

特に黒カビは根が洋服の繊維の奥深くまで入り込むため、落とすのが困難になります。

一見落とせたように見えても、目に見えない菌糸が服に残っていたりすることがあります。

すると、時間が経過してからカビが再発してしまうのです。

カビは目に見えないうちから対処しておくことが重要です。

服にカビが発生する原因とは?

服は普通に着用しているだけでも、汗や皮脂汚れ、砂ぼこりなどの汚れが付着します。

普段の洗濯で除去できる汚れもあるのですが、中には見えない汚れが蓄積されたことで嫌なにおいやカビが発生してしまうことがあります。

また、服を洗濯する際に洗剤がきれいに洗い流せていない場合にもカビが発生することがありますので、洗剤の量は記載のとおり守るようにしましょう。

さらに、洗濯をしても頻繁に洋服にカビが発生するというときには、洗濯槽にカビが発生している場合やタンスやクローゼットなどにカビが発生している場合も考えられます。

洗濯機は一見きれいに見えても洗濯槽の見えない部分などにカビが発生していることがあります。

洗濯をした際に服に黒い海苔のようなペラペラした汚れがついていたり、洗濯物がなんだか臭うことはありませんか?

それは洗濯槽に発生したカビや汚れが原因です。

タンスやクローゼットなど洋服を保管している場所にもカビが発生していないか、同じ場所に保管している他の服にもカビが生えていないかなども確認してみると良いでしょう。

ジップロックに服を収納するメリットとデメリット

ジップロックはホコリや汚れなどから服を守ることはできますが、洋服が湿気を帯びている場合には湿気がジップロックの中にこもってしまいます

そうすると湿気と服に付着しているホコリや汚れを栄養源としてカビが発生していしまいます。

圧縮などで真空に近い状態にできればカビの発生を防ぐことはできるかもしれません。

しかし、服を真空に近い状態まで圧縮すると、物によってはシワになってしまったり、縮んでしまう

ものもあります。

ジップロックに収納だけではカビ予防にならない!?

実際にジップロックの商品にはストックバッグ、ストレージバッグといった衣類を整理・収納するための商品があり、そのような使い方も紹介されています。

ジップロックに服を収納すればカビの原因となるホコリや汚れもつかないし、密閉されてるから湿気も入らないのでカビが発生しない状態を保てそうなイメージがありますよね?

ジップロックは確かにホコリや湿気からも守れて安心なのですが、完全密封ではないので、完全にホコリや湿気から守ることはできませんという注意書きがされています。

そのため、ジップロックに洋服を収納しただけでは完全なカビ予防にはならないので、注意が必要です。

新品の服でも保管する際には注意が必要です。

クローゼットやタンスは閉め切っていると湿気がこもりカビの原因となります。

さらにデンプン糊をつけて長い間しまっておいてもカビが発生します。

新品の服をそのままクローゼットやタンスで長期保管する際にも注意が必要です。

ジップロックで服を収納する際の注意点

基本的には、旅行や使用後の水着入れなど短期間出掛ける場合の洋服の収納袋として利用することが望ましいですが、もしもお引越しなどで短期間でもジップロックに入れて洋服を保管したい場合には、以下のポイントを押さえましょう。

1、防カビ剤や除湿剤を入れる。

ジップロックの中に防カビ剤や除湿剤を入れ、こまめに入れ替えるようにするとカビが発生するのを予防することができます。

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2、湿気をとばし乾燥させてから収納する。

ジップロックに洋服を収納する際には、アイロンがけをするなどして湿気をとばし、洋服が完全に乾いた状態で収納するようにしましょう。

3、クリーニングに出してから収納する。

洋服には普段の洗濯では落としきれていない汚れが付着していることもあります。

そのため、クリーニングに出して汚れをしっかり落としてからジップロックに収納するようにしましょう。

4、長期間の収納は避ける。

ジップロックに洋服を収納し、長期間そのままにしているとカビが発生した場合にすぐに気が付かずにカビが大繁殖してしまうことも考えられます。

そのため、ジップロックに洋服を収納する際には長期間の収納は避け、旅行やおでかけの際の短期間だけにするか普段から洋服をローテーションして着るようにしたり、カビが発生していないかのチェックをするのが安全です。

5、保管場所の環境の管理をする。

クローゼットやタンス自体を清潔に保ち、湿度が高くならないように管理しましょう。

また、クローゼットやタンスを設置しているお部屋の掃除も併せてするようにしましょう。

クローゼットやタンスなどの保管場所のカビ予防は次の項目で詳しく説明していきます!

クローゼットやタンスのカビ予防方法

1、クローゼットやタンス内も除湿しましょう。

クローゼットやタンス服をしまう際には除湿剤を活用したり、クローゼットやタンス内に新聞紙を敷くだけでも除湿効果があります。

新聞紙だと見た目が気になるという方には、タンスやクローゼットに敷くだけで防カビ効果のあるシートなども販売されていますので、購入して活用してみましょう。

2、除湿剤や新聞紙は定期的に新しいものに交換しましょう。

除湿剤や新聞紙は湿気を吸ったら、定期的に新しいものに交換するようにしましょう。

除湿剤や新聞紙は湿気を一度吸ったら使い切りのものです。

特に、除湿剤は湿気を吸うと、容器の中に水が溜まります。

そのまま放置してしまうと、容器の中の水が湿気を発生させる原因となりカビが発生するということもありますので、除湿剤は使用期限を守って、新しいものに交換するようにしてください。

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3、クローゼットやタンスはときどき開放するようにしましょう。

クローゼットやタンスは閉めたままにせず、ときどき開放して空気の入れ換えをして湿気が滞留しないように心がけましょう。

晴れた日の日中や来客がないときなどに開放するのがおすすめです。

また、風通しの悪い場所にクローゼットやタンスが設置されている場合には、扇風機を回して空気の循環をおこなうのも有効です。

4、クローゼットやタンスの掃除をしましょう。

普段洋服を収納しているタンスやクローゼットなどの掃除は忘れてしまいがちですよね。

衣替えの時などに服を入れ替えるタイミングでクローゼットやタンスの掃除をする習慣をつけましょう。

クローゼットやタンスはホコリや髪の毛など気付かないうちにゴミや汚れが蓄積していたりします。

ホコリや髪の毛は掃除機をかけて除去し、清潔に保つようにするとカビ予防にもなります。

5、定期的に着るようにしましょう。

洋服はあまり着ないものよりもよく着る洋服の方がカビが発生しにくいです。

その理由は、よく着る服は洗濯をするのでしまったままの服よりも頻繁にお手入れされていることからカビが発生しにくく、万が一カビが発生したとしても普段から着用する機会が多ければすぐに気づくことができます。

ですので、服はしまったままにせず定期的に着るということも大切なカビ予防方法になります。

服を長期間保管するときには不織布のカバーがおすすめです。

最近では、光触媒加工された衣類カバーが販売されています。

光触媒とは、太陽光や室内の蛍光灯などの光に反応し、カビの発生を抑制する物質のことです。

服を保管する際に、かぶせておくだけで服をカビやホコリやにおいから保護することができます。

100円ショップでも取り扱いがある店舗もありますので手軽に入手できるのも便利です。

ジップロックやクリーニングに出したあとのビニールのカバーは空気を通さずに湿気がこもってカビが生えてしまう可能性がありますので通気性の良い不織布でできたカバーを使用するようにしましょう。

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出典:amazon

クリーニング店に依頼しましょう。

洋服にカビが発生した際には、クリーニング店にカビ取りを依頼してみましょう。

黒カビの場合にはカビを除去するのが困難な場合が多いため、断られてしまうこともあります。

そのためカビが発生しないように予防していくことが大切です。

また、クリーニング店によっては、洋服の防カビ加工を実施している店舗もあります。

ご家庭でできるカビ防止対策と併せておこなうとより効果的です。

まとめ

・ジップロックに洋服を収納するのはメリットとデメリットがあります。

・ジップロックに洋服を収納するときはさまざまな工夫をしましょう。

・ジップロックで洋服の保管は長期間は注意が必要です。

・長期間の洋服の保管は不織布カバーがおすすめです。

・カビが発生する前に予防することが大切です。

<参考>

・本橋ひろえ『ナチュラルおせんたく大全』2020年、主婦の友社

・井野良介『暮らしの「スゴ技」大百科』2014年、宝島社

・おそうじ本舗『おそうじ本舗の速攻そうじ術』2016年、宝島社

・ジップロックⓇ 商品紹介 旭化成ホームプロダクツ