強いカビと弱いカビってあるの?!カビの種類別対策方法

「カラーボックスを移動させていたら、裏に青カビが生えているのを発見!キッチンシンクには、黒カビが生えていたが、何度除去しても忘れた頃に、ポツポツと生えている...このカビの色の違いは種類の違いなの??強いカビとか弱いカビとかあるのだろうか」

掃除をしていると、同じカビといっても場所によって色が違うことに気が付くかも知れません。そこで疑問となるのが、カビは種類によって取り除きにくかったり毒性が違ったりするのかということ。

今回はそんな疑問に答えるとともに、カビの種類別の対策についてもご紹介します。

この記事を読むと

  • おうちで見られるカビの種類と特徴について
  • カビを防ぐための対策方法について

など、カビに関する素朴な疑問を知ることができます。

カビによって強い・弱いはあるの?!

強さの定義にもよりますが、人間視点からいう除去しやすい、除去しにくい、再発しやすい、人体に影響するという意味で「強い(除去しにくく厄介だ)・弱い(除去しやすい)」ということは言えるのではないでしょうか。

そもそもカビの種類は現在3万種類以上。しかもこれは現在発見されているだけの数で、毎年新種が発見されています。これだけ種類が多ければカビによって特徴が違うのも当たり前と言えるでしょう。

もちろん、知識も道具もない一般人が3万にも及ぶカビの中から種類を特定することは不可能です。

カビの種類

①黒カビ

黒カビは、除去する人間視点では「強い(厄介)なカビ」と言えます。

カビと言えば黒をイメージする方も多いでしょう。お風呂場やカーテン、エアコンなど家のいたるところで発生する黒カビはクラドスポリウムという種類のカビが中心となっており、実際は黒ではなく濃い緑色をしています。他のカビ以上に強い生命力を持っており、一度発生すると除去が難しいのが特徴。一度除去できたように見えても根が除去できておらず、再発することも多いカビです。また人間にとって特に危険なカビとされるエクソフィアラも黒カビに含まれています。

室内に小さな斑点のようなカビを発見した場合、黒コウジカビ(アスペルギルス・ニガー)ということもあります。

黒カビは一度生えてしまうと、除去が難しいので、広範囲に広がっている場合や再発を繰り返している場合にはカビ取りの専門業者に除去依頼した方が良いでしょう。

②青カビ

青カビは腐ったみかんやパンに生えることの多いカビです。青カビといっても種類が様々で、ペニシリンの元となるなど有用なカビもありますが、除去という観点でいうと、ちょっと厄介なカビの1つです。

しかし、肉眼では判断ができないので、食品にカビが生えてしまったら、食べない方が良いでしょう。

③白カビ

白カビは食品や木材などの自然素材に発生しやすいカビです。見た目が綿のようにふわふわとしていることからホコリと間違えることもあるでしょう。木材に発生しやすいという特性から、押し入れやクローゼット、衣類などに生えることが多いカビです。

綿素材でも繁殖しやすいカビであるため、押し入れに収納した布団がいつの間にかカビだらけになっていた、という経験をされた方も少なくないはずです。

④赤カビ

畑などの土に生息し、作物に取り付いて繁殖することが多い赤カビ。家の中ではごはんやパン、金属に生えます。マイコトキシンという毒素を生成することもあります。これが人の体に入ると嘔吐や下痢といった症状を引き起こします。ところで赤カビというとキッチンやお風呂で見られる赤い汚れも赤カビなのでは?と考える方も多いでしょう。実はこちらは赤カビとは別物。ルドトルラという酵母菌の一種でそもそもカビではありません

なお余談ですが、ルドトルラは人間の皮脂や石鹸カスを栄養にし、繁殖するスピードは黒カビの10倍とも言われています。洗剤などでこすると落とせるのですが放置するとカビのエサとなるため、発見したらなるべく早く除去しましょう。

カビの種類別対策方法

カビが生えてしまったらどうすれば良いのか。ここからは種類別の対策方法をご紹介します。

基本的に、黒カビや青カビの場合、「色素が沈着しているか否か」が除去する際のポイントとなります。色素が沈着し素材の奥まで菌糸を伸ばしている場合、表面だけ除去をしても再発する可能性があります。

また、殺菌剤でカビ自体は殺菌できたとしても、カビの産生した色素が沈着していると色素だけ残ることがあります。この場合は漂白効果のある除カビ剤を使用しなければなりません。

そのため、カビを発見したときの除去手順はカビの生えた素材にもよりますが基本的には

  1. 消毒用エタノールや逆性せっけん、次亜塩素酸水などを使ってカビを殺菌する
  2. 色素が残っている場合には漂白効果のあるカビ取り剤を使用して色素を漂白する
  3. それでも落ちない場合(素材の奥まで発生している)には業者へ相談する

このステップが理想的です。お風呂やシンクなどすぐに流水で洗い流せる場所の場合は、1を飛ばして2から実行しても構いません。

(具体例:カビキラーなどの塩素系カビ取り剤で、シンクの黒カビを除去する 等)

それでは、具体的にカビの種類と特徴別の対策方法をみていきましょう。

1:黒カビ

黒カビは他のカビと違い、簡単に除去することができません。除去にあたってはカビ取り剤のような強力な薬品を使って対処する必要があります。

ただ、強力な薬品になればなるほど「絶対に換気をすること」「他の薬品と混ぜないこと」といった使用上の注意が多くなり、安全面の配慮をより重視する必要が出てきます。

  • 風呂
  • トイレ
  • キッチン

など、水回りであればすぐに流水で洗い流すことが可能なので、殺菌力の強い塩素系カビ取り剤を使用して黒カビを除去します。

しかし、壁紙や天井、床や広範囲(1㎡以上)にカビが発生している場合には、液剤の発する塩素ガスを吸い込み体調を崩す恐れがあり、また液剤を塗布したあとの除去が大変です。

そのため、カビ取りが難しそうと感じたり、何度もカビが再発するようであればカビ取り専門の業者に相談すると良いでしょう。

カビ取りのご相談はコチラ

2:青カビ

青かびの場合は、表面に発生している程度であれば

  • 消毒用エタノール
  • 次亜塩素酸水
  • 逆性石けん(水で希釈)

などを使って除去することができます。

除去方法は、消毒用エタノール(次亜塩素酸水、逆性石けん等)を布巾や刷毛などに染み込ませて、カビ部分に塗布し数分時間を置いた後に布で除去していきます。

しかし、素材の繊維の奥深くまで菌糸を伸ばして色素を産生している場合や色素沈着を起こしている場合には、漂白効果のある液剤を使用しましょう。

壁紙などにびっしりと青カビが生えて自力での除去が難しい場合には、カビ取り業者へ相談されることをおすすめします。また、場合によっては壁紙の張り替え工事が必要なこともあります。いずれの場合でも、自力での対処が難しい場合には、早めに業者へご相談ください。

3:白カビ

白カビは、畳やフローリング、木材や布製品などに発生します。

見た目がホコリと似ているため掃除機で吸ってしまおうと考える方もいるでしょう。しかしカビに掃除機をかけると排気口からカビの胞子をまき散らすことにつながります

また、水拭きだけで掃除を済ませるのもNG。一時的には取り除けたように見えても、カビは湿気を好むため、再発してしまいます。

白カビが発生した場合には、消毒用エタノールや次亜塩素酸水、逆性石けんなどを使って除去していきます。※ただし使用できる素材かラベルを確認しましょう。

衣類などであれば、専門のクリーニング屋さんに相談するのも1つの方法です。

4:赤カビ

赤カビは、酵母なのかカビなのか見分けにくい場合があるため、基本的には洗剤等を使って除去し、消毒用エタノールや次亜塩素酸水等を使って殺菌します。

金属に生えた場合は削り取るという方法もあります。

カビの発生を防ぐために

最後に、カビの発生を予防するためのポイントをご紹介します。

  1. 換気をこまめにおこなう
  2. ホコリや汚れを残さない
  3. 不用品は処分しモノをなるべく減らす
  4. 結露対策をする
  5. 湿度管理をする

カビの生えやすい場所は、空気が停滞しジメジメしていて、カビの栄養源がある場所です。お風呂の排水口などをイメージしていただけると分かりやすいのではないでしょうか。

換気をしっかりと行う事で空気の循環を良くします。また、カビの栄養源となるホコリやゴミ、汚れはこまめに取り除きます。特に水回りなどは洗剤で汚れを取り除き、水気を拭きあげるようにしましょう。また、日当たりの悪い部屋には、サーキュレーターや扇風機を設置するなどして、空気の流れを作りましょう。

そして、最も重要なのが「モノを増やし過ぎないこと」です。物が多いと室内の空気の循環が悪くなると共に、物自体にカビが生えてしまいます。また掃除の負担もかかります。

物が多く減らせない場合でも

  • 「床に物を置かない」
  • 「除湿機を置いて湿気を取り除く」
  • 「毎日換気をする」

など意識して、カビ予防しましょう。

また、結露はこまめに拭きとり、水滴を長時間残さないようにしましょう。雨漏りや漏水が発生している場合には早めに修理業者に相談するようにしてください。

まとめ

以上、カビの種類と対策方法についてご紹介しました。自分ですべてのカビを取り除ければそれが一番ではありますが、中には黒カビのように一般家庭では対処の難しいカビがいることも事実です。

換気やこまめな掃除を意識していたとしても、雨が長く続いたり、立地などの影響でカビが生えてしまうこともあります。カビが放置するとあっという間に部屋中に広がり、カビによる健康被害を引き起こす原因にもなるため、発見次第、早めに対策をしましょう。

自力では難しそうな場合には、業者へご相談ください。

強いカビと弱いカビってあるの?!カビの種類別対策方法