新築の木材にカビが生える原因とは?
新築の家の木材や合板にカビが発生することがあります。
古い家にカビが生えてしまうならまだしも、新築の家の木材にカビが生えるのはとてもショックですし嫌ですよね。
もしかして欠陥住宅!?なんて思ってしまうことも。
しかし、新築だからカビが生えただけでそう思い込んではいけません。
今回は新築の木材にカビが生える原因や対策をご紹介していきます。
目次
新築の家の木材にカビが生える原因とは?
建築中の住宅は、雨などで濡れないように養生をしています。
養生をしていても建築中の家を台風や豪雨などから守るのは大変です。
雨により木材が水分を吸収しますが、その後晴天で木材が乾燥し水分が減れば問題がありません。
日当たりが悪い場所などは木材が水分を含んだままになるので防カビ工事や、木材の交換をします。
しかし、そのまま建てられた家はカビが発生することがあります。
湿気が原因になることも
カビは目に見えなくても空気中に必ず浮遊しています。
家の中のカビの数は建物の造りに大きな影響を受けます。
例えば、風通しの良い建物では屋内外でカビの数に大きな差は見られません。
しかし、気密性の高い建物の場合、その差は大きくなる傾向が見られます。
さらに、部屋を利用する人数や出入りの回数、保管している物の数や種類などによってカビの数は変動します。
新築ならではのカビが発生する原因は、コンクリートから蒸発してくる水分があります。
コンクリートは見た目では乾いているように見えますが、実は完全に乾くまでには1~2年もかかるのです。
家の中の木材にカビが生える原因は、古い家でも新築の家でも同様の理由によるものです。
違いがあるとすると、最近の家は省エネ住宅が人気で昔の家よりも気密性や断熱性が強化されており、外気の影響をあまり受けないようになってきました。
そのため、年間を通じて快適な温度に保たれ、空気が動きにくく湿度がある室内はカビにとっても居心地の良い場所なのです。
さらに、木材というのはもともと水分を含んでいる素材なのですが、それはカビが発生するほどの量ではありません。
木材が含む水分量は、周りの湿気の影響を受けやすいため湿度が高いとその影響を受けてカビが発生することがあります。
このように新築の家の木材にカビが発生する原因として考えられることは以下のようになります。
カビの発生条件
・カビが発生している木材の使用
・雨漏り
・結露
・湿度の管理
・コンクリートからの水分
カビが発生するのに必要な条件は、温度20℃以上、湿度60%以上、栄養分です。
この条件がそろっている場所であれば、カビはどこでも発生してしまうのです。
家の木材にカビが発生するとどうなるの?
家の木材にカビが発生すると、カビをエサとするダニが発生します。
カビとダニの発生で木材が腐ってしまいシロアリが発生することもあります。
そうすると家の寿命は短くなり、地震などの災害時に弱い家となってしまうのです。
カビやダニの糞や死骸はホコリとともに空気中に浮遊し、それを吸い込んでしまうことで喘息などの症状が現れるおそれもあります。
ダニのエサとなるカビを取り除くことで悪循環を絶ち切りましょう。
すぐに業者に依頼した方が良いケース
台風や豪雨などによる浸水、雨漏りや結露があまりにもひどくカビだらけなどの場合には健康に被害が出るおそれもありますのですぐに業者に依頼した方が良いでしょう。
カビ対策を学んでいるハウスメーカーや工務店では、このような被害が出る家を建てることはないです。
家は人生でとても大きな買い物ですので、信頼できる建築会社を見つけなければいけません。
また、建築中に専門の防カビ業者に依頼して防カビ施工しておくことも検討しましょう。
家の価格や見た目などで選んでしまいがちですが、カビを発生させないためには湿度を管理できる家と住んでからのこまめな掃除が大切です。
木材に生えたカビの落とし方
【使用するもの】
- 消毒用エタノール
- スプレーボトル
- 液体の酸素系漂白剤
- 紙やすり
- ぞうきん
- キッチンペーパー
- マスク
- ゴム手袋
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カビの程度が軽度の場合には消毒用エタノールをスプレーボトルに入れて吹きかけ液だれしないようにぞうきんで拭き取ります。
次に消毒用エタノールではカビを取り除けなかった場合には液体の酸素系漂白剤と紙やすりを使用します。
ただし、この方法は漂白剤を使用するため木の繊維を破壊しザラザラとした触感になったり変色してしまうおそれがあります。
また、紙やすりを使用してカビを削り取るため、周囲と違った見た目になってしまう可能性もありますので注意が必要です。
見た目が変わってしまっても良いからカビをとにかく取り除きたい方向けの方法となります。
酸素系漂白剤でぞうきんを濡らしカビが生えている箇所を拭きます。
この工程でカビが取り除けない場合には、拭いた箇所が乾いたら紙やすりで削ります。
※注意点※
事前に変色や脱色がないか必ず目立たない場所で試してからおこなってください。
必ず換気をしながら作業するようにしてください。
紙やすりで削るとカスが出ますので新聞紙やビニールシートを敷いて作業すると片付けがラクです。
木材・木部用のカビ取り剤を使用する方法
通販などで木材や木部用のカビ取り剤が販売されています。
こちらはスプレータイプのカビ取り剤なので噴射して放置することでカビが取れます。
消毒用エタノールや酸素系漂白剤と比較して木を傷めずにカビを取り除くことができます。
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出典:Amazon
木材のカビ取りなら、カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取りマイスターキットがおススメです。
危険な成分が含まれていない為、木材のカビ取りにも使用できます。
カビ取りマイスターキットは実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品なので、自宅でプロレベルのカビ取りができます。
カビを抑制するためにはこまめな掃除が大切です。
研究機関が室内の空気中に浮遊しているカビの数を調査した結果によると、毎日掃除をする家では、空気1立方メートルあたりのカビ数は20~30個以下でした。
この数は、消毒されている病院の室内に近いレベルで、非常に衛生的な状態といえます。
反対にあまり掃除をしない家では、カビ数は500個以上となるため、カビを抑制するためには掃除が有効であることがわかります。
室内のカビの数は少なければ少ないほど良いので、日ごろから掃除をしてカビを増やさないように心がけましょう。
家の中の湿度を調節しましょう。
現代の気密性の高い家屋では、積極的に換気しない限り空気が動かず、屋内で発生した湿気がたまりやすい傾向があります。
住んでいる人から発散される水分さえも湿度上昇の原因となります。
湿度は体感ではわかりにくいので、湿度計を設置しましょう。
タニタ 温湿度計
出典:Amazon
カビが繁殖しやすい湿度は60%以上なので、50%以下になるように心がけましょう。
天気が良い日は窓を開けて部屋に風を通しましょう。
料理や部屋干しをする際には換気扇を回したり、扇風機やサーキュレーターで室内の風を循環させると湿気がこもりにくくなります。
雨の日や晴れていても前日が雨だった日などは外の湿度が高くなっているため、窓を閉めるようにしましょう。
また、梅雨の時期など湿度が高くなりやすい時期は除湿器やエアコンのドライ運転などで湿度が高くなりすぎないように調節することが大切です。
簡単にできる!その他の除湿対策方法
①すのこ
木材でできており、家の中で湿気がたまりやすいのは押し入れです。
押し入れはすのこで湿気対策ができます。
奥、横、底面の各面にすのこを配置し、空気の通り道を確保することで湿気がこもるのを防ぐことができます。
押し入れは閉めたままにせずときどき開けて風を通すか、ふすま戸をはずしてカーテンを吊るすのも湿気対策におすすめです。
②炭
炭には除湿、消臭効果があります。
玄関や下駄箱などに炭を飾ったり、水切りネットなどに入れて置くと良いです。
効果が落ちてきたら、熱湯で10分間煮沸し、乾燥させると効果が再生します。
③シリカゲル
お菓子やおせんべいなどの袋に入っているシリカゲルは、乾燥剤です。
湿気がこもりやすい場所にまとめて置いておくと除湿効果があります。
シリカゲルは薬局や手芸店でも入手することができます。
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加湿器の使い過ぎに注意しましょう。
冬など乾燥が気になる時期に加湿器を使用しているご家庭も多いのではないでしょうか?
寒い時期に暖房と併せて加湿器を使用すると湿気を含んだ暖かい空気が天井に溜まります。
そうすることで、天井に結露ができてしまうのです。
暖かく湿気を含んだ空気はカビにとって居心地の良い環境となってどんどん繁殖していきます。
同じような理由で、観葉植物などは水蒸気を放出しているのであまり家の中に置かないようにした方が良いでしょう。
また、冬場は外の空気と部屋の温度差で窓に結露が発生しやすく、窓やサッシ、カーテン、床などが結露の水滴で濡れ、そのままにしているとすぐにカビが発生します。
このような事態を防ぐためにも朝起きたら窓を開けて換気をしましょう。
暖房や加湿器は長時間使用するのを避け、使用したあとは必ず換気をして家の中の湿度を下げましょう。
カビ取り専門業者に依頼するのがおすすめです。
自分でカビ取りをするとなると、木材はカビ取り剤によっては使用できないものや脱色・変色してしまうこともあります。
また、広範囲にカビが生えている場合には作業もかなり大変になります。
さらに、小さいお子様やペットがいるご家庭では薬剤の使用に抵抗があるという方もいらっしゃると思います。
専門のカビ取り業者であれば木材をなるべく傷めずに、小さなお子様やペットに害のない薬剤を使用したカビ取りも実施しています。
自分でカビ取りをしてみたけどできなかったという方は業者への依頼も検討されてみてはいかがでしょうか?
まとめ
・新築でも木材にカビが発生することはありえます。
・新築の家にカビが発生する原因はいろいろなことが考えられます。
・カビ対策を学んでいる信頼できるハウスメーカーや工務店を見つけましょう。
・住んでからはこまめな掃除と除湿対策をしてカビを防ぎましょう。
・新築の木材のカビはカビ取り専門業者に依頼しましょう。
<参考文献>
・李憲俊『おもしろサイエンスカビの科学』2013年、日刊工業新聞社
・「木の家リフォーム」プロジェクト『木の家リフォームを勉強する本』2011年、農山漁村文化協会
・小林伸吾『木の家をつくりたい』2010年、日本建築出版社
・松本忠男『カビ・ホコリ・菌を撃退!家の「正しい」掃除ワザ』2019年、宝島社