茶カテキンでカビ予防できるのか
先日、2020年の3月、中学生のカビ研究が専門誌に掲載されたとのニュースが話題になりました。
(参考:朝日新聞より)
テーマは「水筒のカビ」についてで、緑茶によってカビがどれくらい抑制されるかについての研究で、もしかしたら水筒のカビ発生抑制にお茶が関係しているかも?という内容の報告です。 (ですが、最終的には消毒用エタノールでの殺菌が好ましいと結論付けているようです) 日本人にはなじみの深い飲料「お茶」。
菓子や食事のお供に飲むだけで、ほっこりとくつろげますし香りを嗅いで楽しむだけで癒される方も多いのではないでしょうか。
そんな茶カテキンは、よく特定保健用食品として
「身体に脂肪がつきにくい」などのような健康的イメージを抱く方は多いかも知れませんが、カテキンは抗菌力も優れているのです。
もともと、お茶の成分であるカテキンには抗菌効果や殺菌効果があると言われています。またカテキンには抗酸化効果や消臭効果も期待できると言われています。
(参考:日本カテキン学会「緑茶の効果・作用」)
(参考:三共ライフテック「茶葉抽出物の抗酸化効果と食品工業への有効利用」)
では、カテキンは真菌の1つであるカビにも効果があるのでしょうか。
(カビペディアでもよく登場する、消毒用エタノールの”パストリーゼ”も殺菌のために高純度のカテキン成分が入っています)

カテキンは防カビ効果があるのか
結論から言いますとカテキンは、真菌の仲間であるカビの繁殖にも効果があると推測できます。カテキン入りの防カビ剤なども市販されています。 カビの一種である白癬菌の研究ですが (参考:白癬菌における茶およびカテキンの抗菌・殺菌作用) 茶エキスに、抗菌作用が認められたようです。 日本カテキン学会でも カテキンは抗生物質へ耐性を持つ黄色ブドウ球菌(MRSA)やマイコプラズマ肺炎を起こす菌、水虫の原因菌である白癬菌に対しても有効性が示されています。 カテキンの抗菌作用についての記載があります。 しかし、茶から抽出したカテキンに抗菌作用が認められても、お茶自体に防カビできるほどの強い抗菌作用が認められているわけではないのではないかと推測しています。 極論ですが、緑茶を噴射したからといってカビが抑制できるわけではないということです。 (ペットボトルの緑茶を開封して放置していれば、カビは生えますし、茶葉自体も湿気の多いところで保管するとカビが発生する可能性があります) ですが、お茶の抽出成分であるカテキン自体には抗菌作用・防カビ作用が多少なりとも期待できると思います。そもそもカテキンとは?
カテキンとは、茶葉に含まれるポリフェノール類の一種で、タンニンという緑茶の渋み成分の一種です。- エピカテキン
- エピガロカテキン
- エピカテキンガレート
- エピガロカテキンガレート
カテキンが利用されている市販品
また、カテキンが活用されている市販品などもいくつかあります。これはカテキンの抗菌効果や消臭効果を活用しているようです。例えば、お風呂の除菌剤や消臭・殺菌剤などにカテキンが入っている場合もあるようです。