絨毯のカビ取り方法

家のインテリアに欠かせない絨毯に、もしもカビが生えてしまったら...

「絨毯にカビが生えたら捨てるしかないの?」

「高価な絨毯だったので、どうにかして長持ちさせる方法はないの?」

「絨毯に生えたカビは一部分だけなので、自力でカビ取りをしたい」

という方のために、絨毯に生えたカビを取る方法をカビ取り業者のハーツクリーン代表穂苅氏に聞いてみました。

どうして絨毯にカビが生えるの?!

すぐにふき取り・消毒をすれば問題ないのですが、そのままにしておくとカビの栄養源となり、カビが生えやすい環境を作ってしまいます。

敷きっぱなしもカビの原因に

絨毯を掃除せずそのまま敷きっぱなしにしている場合も、湿気がたまりカビが生えやすくなるのでこまめな掃除や、定期的に模様替えをするなどして汚れや湿気をためないようにしましょう。

絨毯に生えやすいカビの種類は?!

絨毯には黒カビ、青カビ、白カビと、どのカビでも生えますね。今まで見てきた中では黒カビが多いように思いますが、環境によって白カビが絨毯に生えたり、青カビが広がっていたりということもあります。

絨毯のカビ取り方法は?!

自力でのカビ取りは応急処置として活用しましょう

大前提として、大切な絨毯を守るためにも、カビが生えた場合にはクリーニング業者やカビ対応の清掃業者に依頼されることをおススメします。ですので、おうちでのカビ取りは応急処置としてご活用いただきたいと思います。
絨毯は彩りの鮮やかなものが多く、個人でカビ取りを行うと変色したり生地が傷んでしまったりする危険性があるので、本来は専門のクリーニングなどに出されることをおススメします。

また、特に高価な絨毯の場合は、洗濯自体もNGなケースもあります。

注意すべきポイント

では、実際に絨毯に生えたカビを除去する方法として、注意していただきたいポイントとして

「塩素系の漂白剤」「塩素系のカビ取り剤」を使用しないということです。
どうして、塩素系のカビ取り剤を使用してはいけないかというと、塩素系のカビ取り剤は”漂白効果“があるからです。お風呂やトイレの黒カビを除去するのには優れているのですが、絨毯のような繊維質に使用すると、脱色・変色してしまう恐れがあります
せっかく大切に使っていた絨毯が、カビ取りのせいで脱色してしまっては悲しいですよね。ですので、カビの色素が沈着した絨毯のカビ取りをする際には「酸素系漂白剤」を使用しましょう。

酸素系漂白剤

カビを殺菌するためには、カビのタンパク質を変性させた方が良いんですね。そのために、絨毯のカビ取りには酸素系漂白剤の使用をおすすめしています

穂苅氏によると、酸素系漂白剤はカビのタンパク質を分解する効果が期待できることから、絨毯のカビ取りに向いているそうです。

【準備するもの】

  • 酸素系漂白剤(絨毯の場合は液体タイプが使いやすいです)
  • ぞうきん(布)2枚
  • マスク
  • ゴーグル
  • ゴム手袋

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出典: amazon

【カビ取り方法】

カビ取りをする前に、窓を全て開けて、換気を充分に行いましょう。

掃除機や粘着テープなどでゴミを取り除いておきましょう。食品や飲み物の汚れが付いている場合はあらかじめ、衣類用の中性洗剤などで落としておきます。

①酸素系漂白剤を布に湿らせ絨毯のカビ部分に塗布する

②15分~30分ほど時間を置く

③水で湿らせ固くしぼった雑巾で拭きとる

④乾燥させる

消毒用アルコール

絨毯に生えたカビが軽度の場合や黒カビの色素が沈着する前であれば、消毒用アルコールで除菌することも可能です。

使用方法は簡単で、ごみや汚れを取り除いた絨毯の気になる箇所に消毒用アルコールを吹きかけ、その後水気を乾いた布巾などで軽く拭きとり、乾燥させるという方法です。

絨毯の素材によっては、生地が傷んでしまうこともありますので、少しずつ目立たない場所で試してから行うようにしましょう。

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出典:amazon

絨毯のカビ取り時に注意すべきポイントは?!

まず、必ず換気をしましょう。窓を開けて通気性の良い状態で絨毯のカビ取りを行ってください。

もしくは、ベランダや庭などで絨毯を干しながらカビ取りをするというのでも良いでしょう。

空気中に舞うカビをなるべく吸引しないためにマスクも着用してください。

身体を保護するためにも

  • ゴーグル
  • 手袋
  • マスク

なども

の着用してください。

酸素系漂白剤を使用した場合は、成分が絨毯に残らないように固く絞った布で何度かふきましょう

絨毯は素足で歩くこともあるので、カビ取り剤の成分が皮膚に付着してしまう可能性があります。しっかりと拭きとって、残さないようにしましょう

自力でのカビ取りが難しい場合

絨毯のカビがあまりにひどい場合には、残念ですが処分した方が良いのかもしれません。繊維の奥深くまでカビが根を生やしている場合、カビ取りをしてもすぐに再発してしまうことがあります。

また、そこまで絨毯にカビが生えてしまう場合、住宅の構造上の問題や結露の多さなども関係しているかと思いますので、こまめに換気や掃除をしたり除湿機を設置したりしてカビの生えにくい環境づくりを行いましょう。

ガス滅菌という方法も

また、絨毯が宅配できるサイズの場合は、ガス滅菌工場に送ってガス滅菌処理をするという方法もあります。色素が沈着している場合には除去が難しいのですが、特殊な技術を用いることで繊維の奥まで根を生やしたカビまで滅菌することができます。

送料はかかりますが、大切に使いたい絨毯の場合はご検討されてみても良いかもしれません。

日光消毒という方法も

消毒用アルコールが手に入らず、また酸素系漂白剤を使用するのが怖い場合には、ひとまず絨毯を日光にあてて干してみてください。絨毯を日光に当てることで

  • 湿気を乾燥させカビの増殖しにくい環境をつくる
  • 紫外線殺菌によるカビの殺菌

などの効果が期待できます。カビ予防のためにも定期的に干しましょう(ダニ除去効果もあります)

また、黒いシートを上にかぶせることで、より高温で日光殺菌できます。ゴミ袋などをカットしても黒いシートは作れますので、よりしっかり日光殺菌したい方はお試しください。ただし、長時間日光にあてると絨毯の色が変色してしまう可能性もありますので、まずは30分程度で様子を見るか、陰干しをしましょう。

小さく折りたためる、丸洗い可能な絨毯の場合はコインランドリーで乾燥してカビ殺菌という手もありますが、ほとんどの絨毯はコインランドリー...難しいかもしれません。

まずは目立たないところで試しましょう

ここまで絨毯のカビ取り方法や応急処置ほうほうをご紹介してまいりましたが、良い絨毯は水洗いできない場合も多いので注意。素材など確認した上でカビ取りを行いましょう。

また、いずれにしても目立たない部分でカビ取り剤を塗布するなどして、試しながら行ってください。

次亜塩素酸水という選択肢も

また、電解水の1つである次亜塩素酸水を絨毯のカビ取りに使用するという方法もあります。次亜塩素酸水は時間が経過すると“水”に変わりますので、成分の残存を心配せず使うことができます。

絨毯に吹きかけ、時間を30分ほど置き、その後、ふきんなどでふき取って乾燥させる

という方法で使用します。ただし、次亜塩素酸水は脱色効果がないのでカビの色素は除去できません。

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出典:エスエーシーラボ株式会社

まとめ

絨毯のカビ取りは、軽度やごく一部分であれば、消毒用アルコールや酸素系漂白剤で実施することも可能ですが、再発のリスクや生地が傷むリスクのことを考慮すると絨毯OKのクリーニングにお任せする方が無難かもしれません。

また、絨毯のカビを発生させないために普段から、掃除や換気をこまめに行い「湿気」や「汚れ」が溜まりにくい環境づくりも非常に大切です。

  • もともと湿気のたまりやすい北側の部屋や玄関、水回り付近には絨毯を使用しないようにする
  • 日当たりの良い部屋にのみ使用する

など使う部屋をかえてみるのも良いかも知れません。

大切な絨毯を長持ちさせるために、早めに家中のカビ対策を行う事をおススメします。