【Q&A】床下・床上浸水後にカビを防ぐには?!
【ご相談】
台風の影響で一階が床下・床上浸水してしまい、汚水や泥水の処理などは行ったのですが、処理の仕方によってはカビが大量発生すると聞きました。
カビを防ぐための、床下・床上浸水後の対策方法はありますか?
台風、大雨、洪水など水害により「床下浸水」が起きた場合、ただ汚水を除去するだけでは「カビ」が発生してしまうことがあります。浸水した家具や小物の処分を行った後、そのままにしていると残った湿気によりカビが大量に発生するケースも。
そこで、今回はカビ取りの専門であるハーツクリーン代表の穂苅氏に「床下浸水後のカビ対策方法」について聞いてみました。
【カビ取りの専門家からの回答】
この度はお見舞い申し上げます。被災された方の為に、少しでも力になれますと幸いです。
さて、床下・床上浸水後の処理で大事な流れですが
①汚水をしっかりと取り除くこと
②水分を乾燥させること
③消毒剤を用いて消毒すること
です。汚水や浸水した家具を除去する作業までされている方は多いのですが、その後の”消毒”までしない方が多く、その為カビが大量に発生してしまうケースもあります。
その為、①汚れの除去②乾燥③消毒 この3つのポイントでカビ対策をしましょう
目次
床下・床上浸水後のカビ対策方法
床下・床上浸水後、充分に汚水を落としきれていなかった場合や、水分を充分に乾燥できていない場合にカビが発生することがあります。弊社でも水漏れ後のカビ発生でお問い合わせ頂くことが多いので、自力で出来るカビ対策方法をお伝えしていきます。
①汚水は流水で洗い流す
まず、床下浸水後の場合、その汚水は雨水だけではなく道路の様々な汚れを含んでいることがあります。そこで
- 長袖長ズボンの汚れない服装
- スコップ
- 手袋(軍手)
- マスクやヘルメット
- アルコール消毒剤(または逆性石けん)
などをまず用意し、汚水や泥水を洗い流しましょう。
↑ショベルも普段から準備しておくことをおススメします。
ヘルメットは地震などあらゆる防災対策にも活用できます。予め準備しておきましょう。
②しっかりと乾燥させる
汚水を流水で洗い流した後は、しっかりと乾燥させましょう。冬は外気が乾燥しているので窓や扉を開けて通気するだけでも乾燥しやすくなります。
夏や梅雨などは、サーキュレーターなどを使用し通気性を上げましょう。
穂苅氏「ここで、充分に乾燥しきれていないと湿気が原因でカビの原因となります。水を含んだ家具などは全て出して、しっかりと乾燥させるようにしましょう。床下に泥水が詰まって通気出来ない場合は、泥水を書き出して通気を確保しましょう」
③消毒する
しっかりと乾燥させたら、カビを予防するために消毒を行います。消毒方法は3つあります。
1つ目は「アルコール消毒剤を用いる方法」
2つ目は「逆性石けん」
3つ目は「次亜塩素酸ナトリウム」を用いる方法です。
いずれの薬剤を使用する場合も、粘膜や呼吸器を保護するために
- マスク
- ゴーグル
- ゴム手袋
を使用しましょう
①アルコール消毒剤で消毒する場合
アルコール消毒剤を用いて消毒する際には、市販の「消毒用アルコール「消毒用エタノール」を使用します。70%前後の濃度のものを購入しましょう。
(無水エタノールは、100%エタノールなので希釈すると使用できます)
手順としては
- 浸水場所を流水などで綺麗に洗い流す
- 乾燥させる
- 消毒用アルコールを全体的にふきかけ、1時間ほど放置する
- 乾拭きする
という流れで行います。
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②逆性石けんで消毒する場合
逆性石けんとは、陽イオン界面活性剤のことで殺菌・消毒効果の高い洗剤のことです。医療の現場などでもよく用いられています。
手順としては
- ベンザルコニウム液を0.1%濃度に希釈して、雑巾などに浸して浸水部を拭く
- しっかりと乾燥させる
という流れで行います。しっかりと換気させた状態で行いましょう。
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③次亜塩素酸ナトリウムで消毒する場合
次亜塩素酸ナトリウムは塩素系漂白剤としてよく用いられる消毒剤です。手順としては
- バケツに水と次亜塩素酸ナトリウムを加えて0.1%濃度に希釈する
- 雑巾などで湿らせて、浸水場所を拭き上げる
- しっかりと乾燥させる
という流れです。次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合にもゴム手袋を使用し皮膚に直接つかないように注意しましょう。また、金属部位は次亜塩素酸ナトリウムで変色してしまう恐れがありますので、使用しないでください。
花王 キッチンハイター
出典:amazon
ただし、市販のカビ取り剤や漂白剤には水酸化ナトリウムなどの危険な成分が含まれています。
そのため安全なカビ取り剤を使用したいなら、カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取りマイスターキットをおススメします。
実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品なので、自宅でプロレベルのカビ取りができますし、危険な成分は含まれていないため床下や床のカビ取りでも安心してご使用いただけます。
床下・床上水浸後にカビが生えてしまったら
床下・床上浸水後に汚水や泥水の処理をし、乾燥・消毒を行ったのにカビが発生してしまったということもあるかと思います。次の章では床下・床上浸水や雨漏り後にカビが生えてしまった場合の対策方法をカビ取りの専門家に聞いてみました。
穂苅氏「床下・床上浸水後にカビが発生してしまった場合には、予防方法と同じ消毒剤①アルコール消毒剤②逆性石けん③次亜塩素酸ナトリウムを使用してカビ取りを行いましょう」
また、発生したカビの種類によっても対策方法が違います。
白カビ・青カビの場合
消毒用エタノールを直接ふきかけて殺菌・除菌しましょう。
こちらも70%前後の消毒用エタノール(消毒用アルコール)を塗布もしくは噴射していきます。1時間ほど放置ししっかりとカビを殺菌しきってからふき取るようにしましょう。
(注意点:火気の有る場所では、引火する恐れがあります。また水気が残っていると充分に効果を発揮できないため、しっかりと乾燥させてから使用しましょう)
また、消毒用エタノールは黒カビの色素を除去することが出来ませんので白カビ・青カビに向いている除去方法です。
黒カビの場合
黒カビが発生した場合には「次亜塩素酸ナトリウム」を使用して、殺菌していきます。
市販のカビ取り剤でも大丈夫です。黒カビが発生した場所に次亜塩素酸ナトリウムを塗布して30分ほど放置した後に乾いた布巾などでふき取っていきます。
(注意点:次亜塩素酸ナトリウムを使用する際には、しっかりと換気を行いましょう。また布製品や色のついた家具・壁の場合には脱色する可能性もあります。まずは少量で試してから黒カビの除去を行いましょう)
まとめ
床下・床上浸水をした後の汚水処理は体力的にも精神的にも非常に負担がかかります。また、被災後は倒壊した家具などによる二次被害やごみによるケガなども起こり得るかもしれません。
ですので、一番大事なことは「安全性を確保しながら行うこと」
- 長袖・長ズボン
- ヘルメット
- 手袋
などで身体を保護しながら安全に行いましょう。
また、自力で難しい場合にはボランティアや業者に依頼するなどして、修復しましょう。
自力で行う場合には、乾燥と消毒を徹底的に行い、カビ被害を防ぎましょう。