カビの健康被害と身体の免疫力の関係性

家や家財道具がカビ被害に見舞われた際、
その被害が健康にまで害が出ないか不安ではありませんか?
カビによる被害は家具のみならず、人々の健康を肺炎やアレルギーといった形で脅かす危険性が大いになります。そこで今回はカビが原因で起こる疾患と免疫がどのように関わりあって人々に影響を及ぼすのか説明していこうかと思います。

◆目次
1.免疫とは
2.自然免疫
3.獲得免疫
4.アレルギー
5.カビと疾患
6.カビによる疾患を予防及び改善するには
7.まとめ

1.免疫とは

カビと人との話を行うに当たり、まずは免疫について理解していきましょう。免疫とは個々人の体の中に本来無いものが侵入してきた際に、それを非自己物質として認識し、排除しようとするシステムの事を指します。風邪を引いたときに体が熱を帯びたり、黄色い痰が出たり、鼻水が出たりするのは体の免疫システムが正常に動いている証拠です。
それではどの様な免疫系を私たちは備えているのでしょうか?
今回は大きく自然免疫、獲得免疫のくくりで説明していきます。

※各免疫を説明するに辺り、以下の細胞が出現します。
細かい機能・性能おいておき、以下の様な役回りであると認識して下さい。

自然免疫
・マクロファージ…警察官
・好中球…警備員

獲得免疫
・ヘルパーT細胞…司令官
・B細胞…特殊部隊
・抗体…武器
・キラーT細胞…暗殺部隊

2.自然免疫

自然免疫とは、マクロファージ(警察官)と好中球(警備員)がメインで働く免疫系です。
体内に異物が侵入するとこれらの細胞が捕獲し、異物を処分します。マクロファージと好中球の違いは、マクロファージにはヘルパーT細胞という細胞に、侵入した異物について報告する能力(抗原提示)があるということです。

3.獲得免疫

獲得免疫は、マクロファージ(警察官)、ヘルパーT細胞(司令官)、B細胞(特殊部隊)、抗体(武器)、キラーT細胞(暗殺部隊)が主に働く免疫系です。
体内に異物が侵入すると、マクロファージ(警察官)に捕まえられて、ヘルパーT細胞(司令官)に抗原提示(報告)がされます。その後侵入してきた異物に応じてB細胞(特殊部隊)が働く場合、キラーT細胞(暗殺部隊)が働く場合の2パターンに分かれます。

まずはB細胞が働く場合を説明します。
報告を受けたヘルパーT細胞はB細胞(特殊部隊)に出動命令を出し、B細胞は抗体(武器)を用いて異物を退治します。退治された異物はマクロファージや好中球によって掃除されます。

次にキラーT細胞が働く場合を説明します。
報告を受けたヘルパーT細胞はキラーT細胞(暗殺部隊)に出動指令を出し、キラーT細胞は異変が起きた場所、異物に汚染された場所に対してアポトーシス(自殺)を促します。異変・汚染が起きた細胞とは、細胞内寄生菌やウイルスに感染した細胞や、癌化した細胞の事を指します。その後自殺した細胞は同じくマクロファージや好中球によって掃除されます。
※免疫を連想させる写真

4.アレルギー

先程の項目では体内に異物が侵入するとどの様な作用をもって、体内から排除するのかについてお話してきました。しかし実際にカビなどが体内に入るとアレルギー反応(免疫反応が過剰に働き体に害を及ぼす状態)として体外に見える形となって私たちに襲い掛かります。それではこのアレルギー反応、どの様な免疫系が関わっているのでしょうか?今回は関わる免疫パターンに応じてⅠ型~Ⅴ型まで分類してお話していこうと思います。

I型(即時型)…IgE抗体+白血球←抗原
肥満細胞(マスト細胞)や好塩基球などの白血球が作用し応答する型です。この型は白血球等から分泌される物質によって炎症反応が起こります。

II型(細胞障害型)…IgG抗体+抗原+自己細胞←白血球
キラーT細胞やマクロファージなどの白血球による自己細胞の破壊が起こります。

III型…免疫複合体(自己抗原+抗体+補体)+自己細胞
免疫複合体などによって周辺組織に障害が起こる、血液内の可溶性抗原に応答した場合の免疫応答です。過敏性肺炎や薬物アレルギーはこの型によって作用します。

Ⅳ型(遅延型、ツベルクリン型)…ヘルパーT細胞+抗原
抗体は関与せず、ある特定の抗原に対応したヘルパーT細胞によって引き起こされた、炎症性疾患です。金属アレルギーなどがこの型によって作用します。

Ⅴ型…抗体+自己細胞の受容体
自己細胞の受容体に抗体が結合することで、受容体に刺激が入り、自己細胞の働きが自己の細胞の働きを乱してしまう状態です。

※アレルギーを連想させる写真

5.カビと疾患

それではカビが原因で発生する感染症にはどの様な種類があるでしょうか?
代表的な例として挙げられるのが水虫で有名な白癬菌による表在性感染症、肺がカビで犯され肺炎となる深在性感染症などが多いでしょう。特に肺炎などは免疫の働きが弱まってしまった老人や病人などが患う場合が多く注意が必要ですが、免疫の働きがしっかりしている健常者は心配が少ないでしょう。しかし、健常者にとっても怖いのがアレルギー疾患(カビの胞子という非自己に対して過剰な反応を示した場合)です。
よく見られるのがスギ花粉や猫アレルギーと同じく、I型アレルギーによる鼻炎、くしゃみ、喘息、アトピー性皮膚炎などの疾患でしょう。

重篤な場合はⅠ型とⅢ型及びⅣ型の合併症などもあります。つまりカビ由来の抗原に対してⅠ型の炎症作用が起こるとともに、カビ由来の物質が影響して自己細胞までも異物として攻撃する状態が起こるのです。有名な疾患としては過敏性肺炎などが存在し、健常者であってもカビに対しては十分な注意が必要だという事です。

6.カビによる疾患を予防及び改善するには

カビによる疾患の対策は発症前・発症後も、予防の考え方や対策が大切になります。
つまりカビという疾患の原因を除去する事と再発の防止策を行うことが最も大切だという事です。無論、既に発症している場合は医師の診断に基づいた明確な治療を行う事が最善の策です。しかし薬物治療だけ行っても、居住空間におけるカビの問題を解決しないことには、根本解決には至りません。まずは居住空間内をカビが生えにくい環境に整え、発生してしまったカビの除去を行う。これはアレルギー原因物質の発生源を減らし、既に存在する原因物質を無くす為です。その上で衣服を始め、生活空間内にあった家財道具のカビ対策を行うのです。ここまでしっかり行えば、あとはカビが生えにくい環境を維持する様に心掛けるだけです。
やりすぎと思う方もいるかと思いますが、目に見えない以上、位がちょうど良いのが予防というものです。現在カビ由来の疾患を患っている方々は是非、ここまで行った実施した上で、治療を行う事を勧めます。

※医者に見て貰っている写真?それか実際に施工している写真

7.まとめ

今回は、カビ被害と免疫について書きました。
生活環境内で発生すると視覚的に不愉快な状態になるとともに、私たちの健康までも損なう可能性があります。カビを大量発生させない様に常に気を付ける事が大切になります。