カビの被害

カビは発生するとただそこに存在しているだけでなく、栄養を摂取後に排泄物を出したりします。この生き物としては当たり前の行動によって引き起こされるのが、『カビによる困った問題』として私たちに襲い掛かってきます。今回は実際に人の生活環境内にカビが発生し続けるとどの様な問題が発生するのか。これについて触れて行こうかと思います。

◆目次
・カビの臭気
・カビの毒素
・カビによる劣化
・カビが原因の疾患
・まとめ

カビの臭気

人が五感の一つである嗅覚で化学物質を感じとる事を『におう』といい、その対象物質が人にとって好ましい場合を『匂い(または香り)』、嫌な場合を『臭い』と言います。『におい』の原因物質は、とても小さな揮発しやすい物質であり、カビは生活する上でこの臭いを排出します。
味噌やコウジカビ、一部のチーズの匂いもカビの排出物によるものですが、これらは好ましい例です。問題なのは部屋の隅などからする、『カビ臭』でしょう。
臭い程度ならと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、臭いがする程にカビが室内で群生していると考えて下さい。またカビの臭い物質は揮発性の化学物質ですので、化学物質過敏症等の原因となる場合があります。

カビの毒素

カビが作り出す毒を、mykes(ギリシャ語でカビ)、toxicum(ラテン語で毒)を組み合わせて、マイコトキシン(カビ毒)と言います。マイコトキシンには様々な種類の毒素が存在し、アフラトキシンやオクラトキシンなどカビの種類によって様々なカビ毒が作られます。主にアオカビ、アカカビ、コウジカビの仲間が作り出します。
カビ毒は高い濃度で接種すれば急性毒性を示し、少しの濃度を長期間接種すると慢性毒性を示します。急性毒性としては下痢・嘔吐・肝障害・腎障害など、慢性毒性としては発がん性、崔奇形性などが知られています。

※こちらではカビの危険性についてお話していますが、無論作らないカビも多数存在しています。代表的なものは、日本酒・味噌・醤油などに使われる麹カビ、チーズに使われるアオカビやシロカビなどです。

画像:カビ毒の化学記号等、毒を連想出来そうな写真

カビによる劣化

カビは呼吸をし、食べ物から栄養を得て、排泄をしながら成長します。先程はその過程においてカビ毒が発生するお話をしましたが、他にも悪影響を及ぼす化学物質が分泌されます。例として挙げられるのが栄養源を消化する際に用いた消化酵素です。この消化酵素は衣類などの場合は繊維を痛めつけボロボロにし、穴をあける事に繋がり、金属やプラスチック製品の場合には劣化速度を著しく早める結果などに直結します。また繁殖の過程では根を張る事で物理的に周りの物を押しのけて破壊する結果にも繋がります。
食品でこの作用が起こった場合、悪臭を放ったり毒素を作りだしたりして人が食べる上で好ましく無い状態になります。勿論発酵食品の様に劣化が良い結果を生み出すことはありますが、それはあくまでも管理の上で生まれたものである事を理解して下さい。

画像:劣化したプラスチック・ボロボロになった衣類

カビが原因の疾患

カビが原因の疾患には主に、
・カビによる感染症
・カビが作り出した毒が原因の中毒症状
・カビ自体がアレルゲンとなって引き起こされるアレルギー疾患
この3つが挙げられます。
感染症には、体内の臓器に感染する深在性真菌症と、皮膚など表面に感染する皮膚真菌症(表在性真菌症・深部皮膚真菌症)があります。水虫等であればまだ良いですが、臓器に起こる感染症は発見が遅れれば完治が特に難しく、非常に厄介なものが多いです。
カビ毒による中毒症状は、毒を接種してからすぐに症状が出る急性毒性、長い時間をかけて症状が出る慢性毒性があります。急性及び慢性毒性は毒素の接種量に起因するものと言われていて、一種類の毒素でも多量接種をすれば急性毒性を示し、少量を長期間接種すれば慢性毒性を示します。
カビが原因となるアレルギー疾患には、カビ自体の吸入による鼻・気管支・肺の疾患、目や皮膚への付着による疾患、カビ由来の揮発性物質(臭気等)による化学物質過敏症が挙げられます。このアレルギーが出始めたら感染症のリスクなども大幅に高まっている事を念頭に置いて下さい。

まとめ

今回はカビによる被害として臭気、毒素、劣化、疾患と分けて話をしました。いずれもカビによる被害を調べた時の大きな分類枠となるキーワードです。いずれも個々に独立している訳ではなく、相互に関連し合い、カビによる被害を引き起こしています。
この様にして全体像を把握する事でカビによる被害の実態が掴みやすくなり、対策を立てるきっかけとなりますので、参考にしてみてください。

◆参考文献
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