カビとは


皆様は『カビ』と言われて何を思い浮かべるでしょうか?

恐らく多くの方々がボンヤリとしたイメージしか思い浮かばないかと思います。

しかし彼らの発生を防止する上で彼らの正体を知る事は必須であり、最も効率的に発生源を断つことに繋がります。今回はこの『カビ』とはいったい何者なのか。これについてお話していきます。

◆目次

1.みんなカビの本質を勘違いしている!!

2.生き物であるカビの目的は何!?

3.カビは雑草(植物)に似ている

4.カビのトイレ事情

5.最後にカビが原因で起こる問題とは

1.みんなカビの本質を勘違いしている!!

カビとは何なのかと問われれば、多くの方々が汚れ、気持ち悪い、病原菌、アレルギー、胞子、臭いと様々な関連するキーワードが思い浮かぶと思います。しかしいずれのキーワードもカビの本質を捉えられているかと言われれば間違っていると言えるでしょう。

『カビとは生き物である。』

そう。カビとは生き物なのです。人と同じ生き物なのです。

人が暮らす上で生まれるある一部の環境が好きだから、そこに住んでいるのです。

つまり、人と同じく好みの場所を作らなければその場所に住むこともありません。

まずはカビの問題に直面したら、対策を行う際に『カビは生き物だから…』という視点がとても大切であるという事を念頭に置いて対処を行いましょう。

2.生き物のであるカビの目的は何!?

生き物の目的は『種の繁栄』です。これはカビにおいても変わりません。

より適した環境を求めるのも、食べ物を欲するのも、その種が繁栄するという目的の為の手段です。より良い環境に居られる方が、種の繁栄に適している事は言うまでもありません。

人が長期に渡り、カビの好きな場所を提供し続けるとより種を反映させようとカビは沢山の胞子を形成します。これがカビの赤ちゃんに当たります。しかしその大きさは非常に小さく、PM2.5粒子(2.5㎛以下のサイズの粒子)に近いサイズなので、空気の流れに乗ってどんなところにでも飛んでいきます。当然、人の目で捉える事は非常に難しい大きさになります。

(画像:胞子の写真)

その後飛んで行った胞子は様々な場所に着底し、沢山の酵素群を用いて家のあちらこちらに根を張ります。つまりカビを拡散させないためにはこの胞子が出る前にその根源を断つことが非常に重要になってきます。

3.カビは雑草(植物)に似ている

カビの事を生き物と言いましたが、より具体的に表現するとするならば雑草(植物)が妥当な例えになるでしょう。その中でも今回はタンポポを例にお話を進めていきましょう。

コンクリートの割れ目から、屋上の隅っこから、湿った砂の上から…更地になった土地がいつの間にかタンポポだらけの原っぱになっている。一度は見たことがある光景だと思います。

しかしよくよく考えてみると不思議なことが1つあります。

それは彼等を支える栄養源はどこにあるのだろうという事です。

栄養源が無ければ、どんなに強いタンポポであろうと、繁栄する事は適いません。

つまり何の変哲もない場所にも、水や有機物といった多くの栄養源が存在しているのです。

それは家の中でも同じであり、私たちが普段考えつかないような場所にカビにとって必要な多くの栄養源が存在しています。そして住むのに適した環境であれば、そこをカビの原っぱにしようと狙っています。最後にはタンポポの綿毛の様に胞子を飛ばして種を拡散していく。実は、植物もカビも種の繁栄を目的にした戦略を実行しているだけなのです。

4. カビのトイレ事情

生き物は皆食べ物を食べ、体を維持する為に代謝を行います。代謝とは食べた物からエネルギーを得たり、体の材料にしたり、要らなくなったゴミ捨てたりなど生命維持をするのに必要な働きを引っくるめた表現と捉えてください。つまりカビも食べ物を食べ、体を維持する為に代謝を行い、要らないものを棄てているのです。

そうです!カビも人間の様に食べ物を食べて、排泄をしているのです。しかも排泄物ですので香りがあります。それが世間一般で言われるカビ臭さの原因となります。

そしてその中でも一部の排泄物が人にとって毒であった場合、カビ毒として襲い掛かります。

また食べる際にカビは消化酵素を出します。これが木や紙、食べ物の劣化を引き起こします。

そして更に進行すると消化酵素や排泄物が壁などの材質と化学反応を起こし、表面的に見える形となって私たちの前に姿を表します。

つまり表面的に表れる頃にはカビはだいぶ進行しており、周りの環境に影響を与えているのです。沢山増えて、周りに及ぼす影響が大きくなるほど問題となるのです。

(画像:壁がカビに浸食されていく様子などの写真)

5.カビが原因で起こる問題とは

カビが発生する事により、家の建材を劣化させたり、健康面での問題としてはアレルギー疾患や感染症、カビ毒に発がん性があるため、癌の危険性が考えられます。

毎月のように、カビが原因で咳が止まらなくなった、目がかゆい、肺炎になってしまったと相談を

頂きます。特に重篤なのが、間質性肺炎という難病で、治療方法が無く予後不良な病気で、発症からの平均余命が2年~3年と言われています。このような怖い病気もカビが原因で発症することがわかっています。

カビという生き物は、自然界ではゴミを分解して、土に戻すサイクルの一環を担っています。この分解する力が建材を劣化させたり、感染症の発症に繋がっていきます。

また、カビが体内に入ると排除する働きをするのですが、この排除する働きが過剰になるとアレルギー反応として咳や目が痒くなるなど症状として出てきます。

◆参考文献

・文化財におけるカビの被害について

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・【詳細記事】カビの生態